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プラズマライズというコーティング技術にてFCスナイパーがリニューアルされました。特に耐摩耗性に関しては劇的に進化しており14lbでも他のフロロの16lb相当の性能を発揮します。にも関わらず糸の柔らかさも保たれておりフロロリミテッドより柔らかいぐらいで、これまで懸念であった糸の太さも解消されており号数通りの太さとなっています。更に320m巻きもラインナップされており驚異のコスパを誇ります。
ただコーティングに関しては極めて良いもののフロロ原糸自体の品質が良く無いのか結束強度は高いとは言えずフロロマイスターより多少良いぐらいで、フロロリミテッドには遠く及びません。またコーティングが滑り過ぎるため結び方によってはノット抜けが多発します。
今回は結束強度には難があるものの、耐摩耗性が圧倒的でコスパの良いFCスナイパー(2025)を紹介します。
★5が満点 | |
細さ | ★★★★★ |
強度 | ★★☆☆☆ |
耐久性 | 検証中 |
耐摩耗性 | ★★★★★ |
伸び難さ(感度) | ★★★☆☆ |
柔らかさ | ★★★★★ |
コスト | ★★★★★ |
目次
FCスナイパーの特徴


細さ

FCスナイパー | フロロリミテッド | |
4lb | 0.165 | 0.165 |
5lb | 0.190 | 0.185 |
6lb | 0.205 | 0.205 |
8lb | 0.235 | 0.235 |
10lb | 0.260 | 0.260 |
12lb | 0.285 | 0.285 |
14lb | 0.310 | 0.310 |
16lb | 0.330 | 0.330 |
20lb | 0.370 | 0.370 |
FCスナイパー(2025)は号数通りの太さとなっておりフロロリミテッドと同等です。前作のFCスナイパー(2015)は太く14lbでも他のフロロの16lb相当の太さでしたが、この点については見事に解消されました。
なぜか5lbだけは僅かに太いのですが、理由は不明です。
強度

14lbを各ノットで各5回結束強度を測定しました。比較対象はフロロリミテッドです。なお結束は条件を一定にするため一切糸を湿らせず行っており、パロマーノットのみ結束時に余り糸を捨て糸側に引いて試験しています。他のノットで余り糸を捨て糸側に引っ張らないのは、パロマーノット以外では余り糸は本線側にしか引っ張れないのが理由です。
完全結びでの結束強度
完全 結び | FCスナイパー | フロロリミテッド |
強度 | 6.35kg 14lb | 6.35kg 14lb |
平均 | 3.02kg 48% | 4.55kg 72% |
最大 | 3.90kg 61% | 5.00kg 79% |
最低 | 2.20kg 35% | 4.25kg 67% |
完全結びは糸による結束の差が出やすいノットですが、FCスナイパーの結束強度は極めて低い結果に留まり、特に最低値では35%しか強度が出ていません。

この原因はノット抜けであり糸が滑り易いため結束部分が抜けて解けてしまっています。そのためFCスナイパー(2025)では完全結びは全くお勧め出来ません。
ハングマンズノットでの結束強度
ハング マンズ | FCスナイパー | フロロリミテッド |
強度 | 6.35kg 14lb | 6.35kg 14lb |
平均 | 3.72kg 54% | 4.75kg 75% |
最大 | 4.50kg 71% | 5.60kg 88% |
最低 | 3.00kg 47% | 3.50kg 55% |
強度はあまり高くないものの結束が速いハングマンズノットでも同様にフロロリミテッドに劣る結果でした。
ユニノットでの結束強度
ユニ | FCスナイパー | フロロリミテッド |
強度 | 6.35kg 14lb | 6.35kg 14lb |
平均 | 4.22kg 66% | 4.95kg 78% |
最大 | 5.20kg 82% | 5.50kg 87% |
最低 | 3.60kg 57% | 4.25kg 67% |
少々結束に時間が掛かるものの結束強度が安定しやすいユニノットでも測定しました。このノットでは若干フロロリミテッドに劣るものの、高めの結束強度が出ていると言えます。
パロマーノットでの結束強度
パロマー | FCスナイパー | フロロリミテッド |
強度 | 6.35kg 14lb | 6.35kg 14lb |
平均 | 4.14kg 65% | 4.95kg 78% |
最大 | 4.60kg 72% | 5.25kg 83% |
最低 | 3.50kg 55% | 4.75kg 75% |
パロマーノットは安定して7割程度の強度が出やすいノットですが残念ながらFCスナイパー(2025)では平均強度は7割には届きませんでした。
フロロマイスターでさえパロマーノットでは平均7割の結束強度はでるのですが、FCスナイパー(2025)では強度が低い理由は不明です。ひょっとするとプラズマライズ加工で原糸が痛んでいるのかも知れません。
耐久性
耐久性は検証中のため少々お時間願います。
耐摩耗性

14lbを105g(12号重り+15号重り)を1000番の砥石に吊るし、左右20cmを左右に行き来できた回数を測定(1往復で2回とカウント)しました。5回行った測定の平均、最大、最小の強度を示します。
FCスナイパー 14lb(2025) | フロロリミテッド 14lb | |
平均 | 30回 | 19回 |
最大 | 32回 | 22回 |
最低 | 28回 | 17回 |
アブソルートAAA | シューター | |
平均 | 21回 | 21回 |
最大 | 28回 | 25回 |
最低 | 13回 | 17回 |
通常であれば上記の試験は10回の測定値で数値を出しているのですが、FCスナイパー(2025)については5回で測定を辞めました。というのも耐摩耗性が凄すぎて全然糸が切れないためです。同じ太さ、14lbと強度が同じでもFCスナイパー(2025)はフロロリミテッドやアブソルートAAAさえ凌駕する耐摩耗性を発揮し、サンラインのハイエンドフロロであるシューターさえ上回ります。
モンスターブレイブZ 16lb | シーガーグランドマックス 4号 | |
平均 | 31回 | 36回 |
最大 | 33回 | 40回 |
最低 | 27回 | 33回 |
参考までに16lb(4号)での耐摩耗性の例を載せますが、FCスナイパー(2025)は14lbにも関わらず16lb相当の耐摩耗性となっています。プラズマライズによるコーティングの恩恵とは思われますが、それにしても驚異的な耐摩耗性です。
伸び難さと感度

14lb×2mを引っ張った際の伸びを記載しています。伸び率だけだは分かりにくいので、あえて実測値も掲載しています。
FCスナイパー (2025) | フロロリミテッド | |
線径 | 0.310mm | 0.310mm |
2kg | 20cm(10.0%) | 23cm(12.0%) |
1kg | 11cm(5.5%) | 13cm(6.5%) |
0.5kg | 5cm(2.5%) | 5cm(2.5%) |
0.2kg | 2cm(1.0%) | 1cm(0.5%) |
サンラインのフロロは比較的伸びが少ない傾向にありますが、FCスナイパー(2025)の伸びはサンラインの中では伸びる方であり、フロロリミテッドより多少伸びが少ない程度に収まっています。
シューター | フロロハンタータクト | |
線径 | 0.310mm | 0.310mm |
2kg | 17cm(8.5%) | 29cm(14.5%) |
1kg | 10cm(5.0%) | 16cm(8.0%) |
0.5kg | 4cm(2.0%) | 6cm(6.0%) |
0.2kg | 1cm(1.0%) | 2cm(1.0%) |
なおサンラインのハイエンドフロロであるシューターは更に伸びが抑えられています。参考までに柔らかいフロロハンタータクトだと大きく伸びる傾向にあります。
柔らかさ
FCスナイパー(2025)はかなり柔らかいフロロであり、フロロリミテッドよりもしなやかに感じます。糸クセも少な目でスプールに巻いていても糸クセが少ない印象です。

フロロリミテッドの例も載せますが、もう少し硬くハリが強く感じます。

最後に硬いフロロリミテッドハードBASSの写真を載せますが、糸クセも付きやすく扱いには技術が求められます。

コスト
コストに関しては80m巻きではメリットを感じ難いですがFCスナイパー(2025)には320m巻きがラインナップされており非常に高いコスパを誇ります。フロロ通しで使用している人には非常に有難い価格設定です。
PEの20mリーダーなら更にコスト減
なおPEラインのリーダーとして使用すれはコストは更に抑えられます。バス向けではPEスピニングでは普及しつつありますがベイトでは殆ど見かけません。原因はライントラブルですが、これはリーダー20mとすることで、ほぼ解消できます。このセッティングでは使用感はほぼフロロであり、かつコストを1/5に抑えられます。ベイトPEの詳細は別記事で紹介しております。
他のラインとの比較
フロロハンタータクトとの比較
細さ | 同等 |
強度 | 同等 |
耐久性 | 検証中 |
耐摩耗性 | FCスナイパー |
伸び難さ(感度) | FCスナイパー |
柔らかさ | フロロハンタータクト |
コスト | 同等 |
FCスナイパー(2025)に最も近いフロロがフロロハンタータクトなのかと思います。結束強度は同等ですがFCスナイパー(2025)は伸びが抑えられており耐摩耗性の高さが魅力です。
その一方でフロロハンタータクトは更に柔らかく耐摩耗性は低いもののライントラブルが少なく特にスピニングのリーダーにて8lb以上を使う際にトラブルが抑えられます。
まとめ

今回紹介のFCスナイパー(2025)は
・プラズマライズによる異次元の耐摩耗性
・伸びも適度で柔らかく扱いやすい
・結束強度は高くは無くラインブレイクには要注意
となっており柔らかさと耐摩耗性の高さを両立しつつもコスパに優れたフロロになっています。ただ結束強度はフロロリミテッドなどハイエンドのフロロには明らかに劣るため、ドラグや使用する太さには十分に注意してください。