【オルトロスFC インプレ】強度とコスパが高く扱いやすいフロロ

非常にバランスの取れたフロロがオルトロスFCです。特に結束強度は高く大半のノットで結束強度は7割を越えます。糸自体も伸びすぎず柔らか過ぎずとバランスが良く扱いやすいため、巻きから打ちまで幅広い用途で使用可能です。表記のポンド数よりは僅かに太い線径ではありますが、殆ど気にならないレベルであり、この細さで強度と扱いやすさを両立しているのは驚きです。また耐摩耗性が極めて高くフロロリミテッドハードBASSと同等です。コストも高すぎず手に取りやすい価格であるのも魅力です。

ただし性能が良いとは言ってもフロロリミテッドには細さでも結束強度には及ばす、あくまで価格を考慮した評価とはなります。また耐久性に関しては高いとは言えず、糸の表面に細かい傷が入りやすく白化しやすい傾向にありフロロの中でも低いレベルです。この点に関しては低コストを生かし頻繁な交換が必要となります。

今回は耐久性は劣るものの、強度と扱いやすさが高くコストも抑え目なオルトロスFCを紹介します。個人的な評価は以下の通りです。

オルトロスFCの特徴

細さ

オルトロスFCの線径は号数に対し僅かに太い設定となっています。表面処理の影響とパッケージ裏面にも記載されており、号数通りのフロロリミテッドに比べ各ポンドで少しずつ太いのが数値で見られます。ただ実際に使っている際には全く太さは感じません。逆に正直に太さを申告しているメーカーの姿勢に関心さえします。

強度

14lbを各ノットで各5回結束強度を測定しました。比較対象はフロロリミテッドです。なお結束は条件を一定にするため一切糸を湿らせず行っており、パロマーノットのみ結束時に余り糸を捨て糸側に引いて試験しています。他のノットで余り糸を捨て糸側に引っ張らないのは、パロマーノット以外では余り糸は本線側にしか引っ張れないのが理由です。

完全結びでの結束強度

完全結びは糸によって結束強度が上下しやすいノットですが、オルトロスFCの結束強度は悪くは無く平均で66%との結果となりました。結束強度に極めて高いフロロリミテッドには劣る結果ですが、14lbでも16lb相当の太さとなっているFCスナイパーとは同等の結束強度です。

パロマーノットでの結束強度

パロマーノットは糸の表記強度が出やすいノットであり完全結びではフロロリミテッドに劣る結果であったオルトロスFCでも平均77％という結果になりました。ただパロマーノットではボビン巻きのフロロマイスターでも平均75%の強度がでるノットのため、予想通りといった結果です。

ハングマンズノットでの結束強度

ユニノットでの結束強度

ハングマンズノットやユニノットではパロマーノットと完全結びの中間的な強度となっておりますが、それでも平均7割ほどの強度と実釣でも全く不満の無い結束強度となっております。。

耐久性（色落ち、毛羽立ち）

オルトロスFCの耐久性は高くは無く週2回釣行の約1ヶ月使用で白化が著しく進みます。

120倍の写真では新品に対し1ヶ月後の状態では細かい傷が目立ち表面が白く変色している様子が見られます。

比較対象としてフロロリミテッドの写真を載せます。フロロリミテッドも耐久性は高くは無く表面コートが外れやすいのか黄色く変色しやすく1ヶ月後には劣化が進んでいます。ただ白化についてはオルトロスFCよりは抑えられています。

耐摩耗性

14lbを105g(12号重り+15号重り)を1000番の砥石に吊るし、左右20cmを左右に行き来できた回数を測定(1往復で2回とカウント)しました。10回行った測定の平均、最大、最小の強度を示します。

オルトロスFCの耐摩耗性は極めて高くフロロリミテッドはおろか、フロロリミテッドハードBASSさえも上回る結果となりました。この耐摩耗性がありながらフロロリミテッドハードBASSより圧倒的に柔らかく扱いやすいためカバー回りの釣りでは非常に重宝します。

伸び難さと感度

14lb×2mを2kgで引っ張った際の伸びを記載しています。伸び率だけだは分かりにくいので、あえて実測値も掲載しています。比較対象はフロロリミテッドの14ポンドです。

オルトロスFCの伸びはフロロの中で中間的でであり、しなやかフロロの代名詞であるフロロリミテッドよりは抑えられています。

参考までに同じ14lbのモンスターブレイブZでは伸びは10%であり、同じ14lbではあるものの16lb相当に太いFCスナイパーでは9%しか伸びません。そのため感度と乗りの良さのバランスが取れたフロロとも言えます。

柔らかさ

オルトロスFCは硬くも無く柔らかすぎないフロロであり、フロロリミテッドよりは硬くクセも付きやすい糸です。

フロロリミテッドはより柔らかくクセも付きにくい傾向にあります。

ただ硬いフロロリミテッドハードBASSに比べると糸クセは少なく扱いも容易です。

コスト

コストに関してはフロロの中でも安価で購入しやすい価格帯です。少々、耐久性に難がありますがコストを気にせず交換しやすい価格帯でもあります。

PEの20mリーダーならコスト1/5

なおPEラインのリーダーとして使用すれはコストは更に抑えられます。バス向けではPEスピニングでは普及しつつありますがベイトでは殆ど見かけません。原因はライントラブルですが、これはリーダー20mとすることで、ほぼ解消できます。このセッティングでは使用感はほぼフロロであり、かつコストを1/5に抑えられます。ベイトPEの詳細は別記事で紹介しております。

他のラインとの比較

フロロリミテッドとの比較

オルトロスFCはコストを抑えながらも実釣に十分な結束強度をもっていますが、流石に高級なフロロリミテッドには及びません。伸びは抑えられており感度は上ですが、結束強度や耐久性では劣っています。この点についてはコストを生かし頻度良く交換することで対応できます。

一方、フロロリミテッドは伸びは目立つものの、結束強度が高く、傷も付きにくくいフロロの王者です。費用は嵩みますが様々な用途で使用したい際にはフロロリミテッドがお勧めです。フロロリミテッドの詳細は別記事で紹介しております。

FCスナイパーとの比較

価格帯の近いFCスナイパーとの比較です。ＦCスナイパーは太く14lbでも16lb相当の太さであり結束強度自体も高くは有りません。この点に関してはオルトロスFCの圧勝です。

その一方でFCスナイパーは若干太いものの伸びにくく、柔らかいため扱いやすいラインとなっています。そのため感度と操作性が両立できます。また耐久性についてもFCスナイパーの方が高く交換頻度も抑えられます。FCスナイパーの詳細は別記事で紹介しております。

まとめ

今回紹介のオルトロスFCは

・結束強度が高く伸びも平均的な実釣で全く困らないフロロ

・僅かに太いが硬すぎないため扱いやすく実釣では気にならない

・耐久性は高くは無いため、安価を生かし頻繁な交換が必要

となっており非常にバランスの取れたフロロです。フロロリミテッドは高くで買えない型で、FCスナイパーの太さが困っている型に試して頂きたい糸でもあります。