【24SLX インプレ】メタニウム以上の軽量ルアー万能機

24SLXの使用例

安価品と思っていたんですが圧倒的な性能に驚かさせられたのが24SLXです。特にキャスト性能については極めて高く7g前後のルアーを快適に扱える上に重量級のルアーまで対応できます。加えて巻き心地も悪くは無く、ボディもコンパクトに抑えられているため操作が必要な釣りとの相性は抜群です。正直言って打ち物など近距離でのワームについてはメタニウム以上の性能を発揮します。

ただ最大の難点が自重の重さです。軽量ルアーを扱うには少々重いため、せっかくの軽量ルアーや打ち物への適正が損なわれています。これさえ解消されればメタニウム以上の性能となるため非常に残念ですが低価格帯のリールのため仕方ないのかもしれません。

今回は重量の重さだけが残念ですが、操作性やキャスト性能についてはメタニウム以上の性能を発揮する24SLXを紹介します。個人的な評価は以下の通りです。

★5が満点
キャスト性能(5g)★★★☆☆
キャスト性能(7g)★★★★★
キャスト性能(10g)★★★★★
キャスト性能(14g以上)★★★★☆
ライントラブル耐性★★★★☆
剛性感★★★☆☆
巻物適正★★★★☆
コストメリット★★★★★

24SLXの特性

24SLX箱出し

スプール

スプールは32mm径×21mmとナロースプール設定です。スプール径としては小口径の部類ですが、幅は近年のシマノに多い19mm幅でなく実測値でも広めです。

参考までにナロースプールである24メタニウムDCではスプール幅が19mmであり実測値で21.9mmと24SLXに比べ幅狭です。

スプール重量

スプール重量は比較的軽い13.6gであり22タトゥーラTWの15.0gよりも軽いスプールです。

糸巻き後の重量はFC12lb×90mで25.3g、高比重PEにすると20.9gまで軽量化できます。

ハイエンド並みのキャスト性能

24SLXのキャスト性能

低価格帯のため期待していなかった24SLXのキャスト性能ですが、普通に使えるどころか一軍レベルです。

重めのバイブレーションから空気抵抗の大きなスピナーベイト、また投げにくいワイルドハンチからHPFクランクまで全くノートラブルで投げられます。価格帯から、ここまでのキャスト性能とは全く予想していませんでしたが、7g前後の軽量ルアーが中心ならメタニウムより優秀です。

ベイトPEであれば軽量ルアーのキャスト性能は向上

24SLXのキャスト性能PE_9gクランク

なおPEセッティングではスプールを大幅に軽量化できるため軽量ルアーのキャスト性能が向上します。ベイトPEの詳細は別記事で紹介しております。

PEを用いた場合、重量級のキャスト性能は変わらず、下限では5gのソウルシャッドまでキャスト可能となります。ただ重心移動の無いワームだと精度が落ちスワンプクローラーでは投げられるもののキャストは定まりません。

勝手に変わらないブレーキ目盛り

ブレーキ目持りについてはサイドプレート内に設置されており勝手に目盛りが変わることがありません。ダイワの下位機種ではブレーキ目盛りが露出しているためロッドを束ねた際などに勝手に目盛りが変わりトラブルに繋がります。

まさかのエスケープハッチ搭載で内部ブレーキ調整も用意

24SLXのエスケープハッチ

24SLXには19アンタレスなどハイエンドにしか搭載されなかったエスケープハッチが搭載されており現場でサイドプレートを開けても落下しません。SVS∞になってから内部ブレーキの設定をする機会は減ったものの、これはありがたい機構です。

ボディは比較的コンパクト

24SLXのサイズ比較
21ジリオン⇐24SLX⇒21アルファス

ボディサイズに関しては21ジリオンSV TWと21アルファスSV TWの中間です。21アルファスSVほどではありませんが、21ジリオンより一回り小さなボディサイズです。

24メタニウムDCのボディサイズ
21ジリオン⇐24メタDC⇒21アルファス

参考までに24メタニウムDCのボディサイズ比較も載せます。実は24SLXは24メタニウムDCよりサイズが小さく、より操作性に優れます。

MLクラスには少々重めの重量

24SLXの重量

24SLXの最大の難点が重量の重さです。軽量ルアーを扱うのに適したスペックにも関わらず190g台の重量は重すぎます。あと20g軽ければ最高だったんですが、低価格帯ゆえに仕方ない点かもしれません。

巻き心地も悪くない

24SLXのギアはマイクロモジュールでは無いのか歯数が少ないにも関わらず巻き心地は悪くは有りません。

剛性感がある理由として考えられるのがビスの多さで、通常3点で固定されるのに対し24SLXは4点とガチガチにギアボックスが固定されています。

コストカットでベアリングは少な

24SLXはシャフトにベアリング無し

24SLXは安価帯のリールのため、巻き心地を向上させるベアリングは各所で削減されています。一番イタいのがメインギアシャフトのベアリングで、樹脂カラーでもないため交換さえできません。

ダブルベアリングも当然無し

これも価格帯ゆえに付いている訳が無い機構ですが、ガタツキを減らすためのギアシャフトのダブルベアリングも当然ついていません。まぁ、この点についてはハイエンドにしか搭載されていない機構のため仕方ありません。

ドラグ音もなし

これも価格帯ゆえに仕方無い点ですがドラグ音はついていません。そのためドラグを効かせたファイトは非常に難しくなります。細糸が中心になる小口径リールでは必須の機構と思うのですが、まぁ値段だけに仕方ないので残念です。

スタードラグの改良で分解しやすい

従来のシマノのスタードラグは穴が▢形状だっため、分解後の組立時にシャフトへの取り付けが面倒でした。24SLXではスタードラグの穴が〇形状に改良されており分解後の組み立てがしやすくなっています。自分でメンテナンスを行う方にとっては非常にありがたい点です。

コルトパフォーマンスは最高

コルトパフォーマンスは非常に優れているにも関わらず、実釣にて普通に使えるどころか一軍レベルの性能のため、複数台リールが必要な方に非常にお勧めできる機種です。

フックキーパーも装着可能

メタニウムなど一部機種ではボディ形状の関係で装着出来ない機種もありますが24SLX はジーニアスプロダクトのフックキーパーが装着可能です。オフセットフックを掛けられるだけでなくリール本体をフックで傷付けないお勧めチューンです。

デメリット

マイクルモジュールギアのグリス切れ

24SLXのギア

24SLXに限らずですが、シマノのマイクロモジュールギアはグリス切れが早くゴリ感が早く来ます。毎週末の使用頻度だと半年でグリスが切れ始め、一年は持ちません。個人的にはサードパーティーのグリスを使用し対応しているためグリス切れ頻度は抑えられていますが、メンテナンス頻度はダイワに比べると増加します。

ナロースプールによる目減り

小口径ナロースプールで忘れてはいけないデメリットがスプールの目減りです。16lbをスプールエッジまでの70m巻き40m出した前後の写真を載せます。

32mm径×21mm幅の24SLXではナロー化は僅か1mmですが32mm径と小口径のため目減りが大きく4mmは目減りします。このため巻き感の変化が激しくキャスト直後と回収直前では巻き速度を大きく変える必要があります。

34mm径×19mm幅の24メタニウムDCでもナロースプールのため目減りが大きく4mmほどスプールが目減りします。

なお34mm径×24mm幅の21ジリオンSV TWでは目減りが少なく2~3mm程度に抑えられます。

ベアリング追加で巻き心地向上

改造となるためメーカーの保証対象外となりますがベアリングの追加で巻き心地は更に向上します。追加する場所は計4点で、ウォームシャフトには1点です。

24SLXのハンドルの樹脂カラー

またハンドル内は全て樹脂カラーのため4点交換できます。低コストで巻き心地が大きく向上できるチューニングです。

他のリールとの比較

22タトゥーラTW80との比較

22タトゥーラTW 80の使用例
キャスト性能(5g)24SLX
キャスト性能(7g)24SLX
キャスト性能(10g)22タトゥーラ
キャスト性能(14g以上)22タトゥーラ
ライントラブル耐性22タトゥーラ
剛性感同等
巻物適正24SLX
コストメリット同等

価格帯やスペック的にも近いのが22タトゥーラTW80ですが大きく異なるのが糸巻き量とスプール幅です。24SLXは糸巻き量が少なく軽量ルアーのキャストに適しており、またスプール幅がナロー過ぎないのて巻物にも適しています。

一方で22タトゥーラTW80は糸巻き量が多く、かつナロースプールのため近距離で、かつ太糸を用いたカバー打ち専用機となります。22タトゥーラTWの詳細は別記事で紹介しております。

まとめ

24SLXの使用例2

今回紹介の24SLXは

7g前後のルアーを快適にキャスト可能

サイズ感もコンパクトで操作性も悪くない

剛性感も価格帯以上で実釣には全く困らないが少々重い

となっており32mm径スプールが少ないシマノ機では7g前後のルアーを扱うには普通に選択肢に入る機種です。価格帯以上の性能があるためリールが複数台必要な人にもお勧めできる機種となっています。

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