【24エアリティ ST SF2500SS-H-QD インプレ】完全マグシールドレスの軽快な巻き心地

24エアリティST SFの使用例

23イグジストSFから始まったナロースプールかつ小型ボディのスピニングが23エアリティにも搭載され24エアリティST SFとして登場しました。ドラグ性能の良さは23イグジストSFと同等であり、また重量は23イグジストSFよりも更に軽くなっています。また最大の特徴がマグシールドが全く入っておらず23イグジストSF以上に巻き感が軽くなっている点です。ダイワのスピニングリールでは最も軽い巻き感であり、フィネス用途に求められる要素を全て満たしています。

ただ巻きが軽いとは言ってもライバルである23ヴァンキッシュにようやく並んだレベルであり、23ヴァンキッシュ以上の軽快さは有りません。また自重が軽すぎるためフィネス用途にしか使い道が無く、ロングロッドやパワーが求められる用途には全く適していません。

今回はマグシールドまで除去しフィネスに特化した24エアリティST SFを紹介します。個人的な評価は以下の通りです

★5が満点
重量の軽さ★★★★★
巻きの軽さ★★★★★
剛性感★★★★★
ドラグ性能★★★★★
トラブル耐性★★★★★
コストメリット★☆☆☆☆

24エアリティST SFの特性

24エアリティST SFの箱出し

24エアリティST SFは基本的には23イグジストSFと特徴は変わりませんが、大きな違いはマグリールドが全く入っていない点です。

新型エアローターの軽快な巻き心地

24エアリティST SFの新型ローター

23イグジストSFと同様24エアリティST SFにも新型ローターが搭載されています。見た目も高級感にあふれていますが、機能も素晴らしく軽量化もされており、試し巻きするだけでも巻きの軽さが体感できます。

マグシールドレスの巻きの軽さ

また24エアリティST SFの最大の特徴がマグシールドが全く入っていない点です。そのため巻き重りが全く感じずライトリグでは特に快適に感じます。

ただ、ここまでのチューンを施しても巻きの軽さは23ヴァンキッシュと同等で、23ヴァンキッシュを超えたわけではありません。ローターの剛性感はダイワの方が上ですが、マグシールドレスは現状ではフィネス専用機に限られている点は残念です。

ベールを起こした際の音

従来のエアベールではベールの開閉で音がありませんでしたが、新型ローターにて音付きになり、ベール開閉が分かりやすくなりました。

ベールのナットが消えた

これもネジ穴が片面のみで見えにくくなることで見た目の高級感に繋がっています。おそらく水の侵入防止にも効果があると思われます。

スプールのショート化

SF機の特徴がショート化されたスプールです。同じ2500番でも従来のスプールより幅狭です。

その影響はドラグからの糸の放出に影響しており、手で糸を引っ張るだけでも糸同士の抵抗が減っているのが分かります。

ドラグ性能は最高レベル

24エアリティST SFのドラグ性能は極めて高く23イグジストSFと同等で22イグジストや23エアリティを上回ります。

24エアリティST SFのドラグ性能

ラインが1秒で30cm出る設定でドラグを800gに設定し、そこから低速 (10cm/s)と高速(90cm/s)でのドラグ値を10回以上計測し、おおよその平均値を記載しました。手作業のためブレが非常に大きい実験ではありますが、結果は以下の通りです。

ドラグ速度
800g設定
24
AIR SF
23
EX SF
23
AIR
スプール径45φ45φ48φ
低速(10cm/s)500g500g600g
普通(30cm/s)800g800g800g
高速(90cm/s)900g850g900g
24AIR SF:24エアリティST SF2500SS
23EX SF:23イグジストSF2500SS
23AIR:23エアリティPC LT3000S

ただドラグ値が高めの800g設定では23イグジストSFを試験した際と同じで通常モデルである23エアリティとは差が見られません。23イグジストSF高速域が僅かにドラグ性能が上なのは樹脂カラーが全く無くフルベアリングだからと推測されます。

フィネス用途でのドラグ性能

24エアリティST SFはフィネス専用機のため弱いドラグ設定でも検証しました。ラインが1秒で30cm出る設定でドラグ500gに設定し、そこから低速 (10cm/s)と高速(90cm/s)でのドラグ値を10回以上計測し、おおよその平均値を記載しました。

ドラグ速度
500g設定
24
AIR SF
23
EX SF
23
AIR
スプール径45φ45φ48φ
低速(10cm/s)400g400g400g
普通(30cm/s)500g500g500g
高速(90cm/s)700g700g800g
24AIR SF:24エアリティST SF2500SS
23EX SF:23イグジストSF2500SS
23AIR:23エアリティPC LT3000S

結果としては高速域での特性が顕著となり負荷が強くかかった時ほどスムーズに糸が出る傾向に有ります。

ベアリング交換で更にドラグ性能が向上

型番は後述しますが、24エアリティST SFはスプールシャフトが樹脂カラーとなっておりベアリングに交換可能です。

ドラグ速度
800g設定
24AIR
SF FB
24
AIR SF
23
EX SF
スプール径45φ45φ45φ
低速(10cm/s)500g500g500g
普通(30cm/s)800g800g800g
高速(90cm/s)850g900g850g
24AIR SF FB:24エアリティST SF2500SSベアリング交換後
24AIR SF:24エアリティST SF2500SS
23EX SF:23イグジストSF2500SS

800g設定では僅かに劣っていた24エアリティST SFの高速域でのドラグ性能がベアリング交換によって23イグジストSFと同等まで向上します。

クイックドラグはドラグ値が急激に変わるので要注意

24エアリティST SFのクイックドラグ

ファイト時にドラグ調整しやすいクイックドラグですが、今回の24エアリティST SFに搭載されているクイックドラグは本当に急激にドラグ値が変わるので要注意です。前述のドラグテストでは800g設定と500g設定でテストしましたが、ドラグ値は僅か2~3目盛りしか変えていません。ファイト中にドラグ設定を変えたい際でも1目盛り変えるだけで十分にドラグ値が変わるため締めすぎ、または緩めすぎには要注意です。

異次元の重量の軽さ

24エアリティST SFの重量

24エアリティST SFの重量はスピニングリールの中でも最も軽く23イグジストSFよりも更に5gも軽くなっています。ただ6ft前後のショートロッドや軽量ロッドには相性が良いですが、ロングロッドやセパレートグリップのロッドではバランスが悪くなり逆に持ち重りにつながるため注意が必要です。

持ち重り感の軽減は見られない

なおSFモデルのリールではリール自体のバランスも良くありません。実際に重心を調べてみると、かなりスプール寄りの重心で過去のダイワスピニングと同様となっています。軽量化に伴い重心バランスは23エアリティより逆に悪化しています。

なお23エアリティや23ヴァンキッシュは、ほぼ水平となっておりバランスが良いリールとなっています。

この重量では考えられない剛性感

剛性が高いだけなら他にも候補がありますが、モノコックボディの恩恵にて軽量リールの中では間違いなくNo1の剛性感です。17スティーズの樹脂ボディのような圧倒的な軽さにも関わらず金属製のモノコックボディにて剛性感は23ヴァンキッシュより圧倒的に高く、22ステラにも引けを取らない剛性感となっています。

ライントラブル対策

新型ローターになってからシャフトへの糸絡み防止ベールも強化されており、24エアリティST SFにも同様に搭載されています。

ただ糸絡み対策に関してはシマノの方が一段上です。シマノのスピニングは全般的にシャフトへの糸絡み防止ベール部分が大きくスプールとの隙間が殆ど無いため糸絡みが滅多に発生しません。

ローター回転防止にもカバーが付いた

ダイワはベールを起こした際の回転防止を写真の突起で対応しており、ベールを起こした時だけ突起が出ることで回転防止の役割を果たしています。ただ従来のローターだと、この突起にPEラインが絡みやすく、また一度絡まると切る以外の選択肢がありませんでした。新ローターではこの部分も改善されています。

価格帯はハイエンド

決して安い価格とは言えませんが、実釣面では23イグジストSFに全く劣らない性能のため、買って損はしないリールです。

デメリット

スプールのカラーはベアリングに交換推奨

ハイエンドの製品にもかからわずイグジストとの差別化のためか、なぜかスプールの軸には樹脂カラーとなっています。それほど高いパーツでは無いためベアリングへの交換がお勧めです。ただし改造となるため保証の対象外とはなる点には要注意です。

ヘッジホッグやダイワ純正の交換キットの場合、六角レンチも付属でついてきますが、上記のベアリングは単体での販売となります。樹脂カラー交換の際には0.89mmの六角レンチが必要となるので、併せて準備してください。

スーパーフィネス用途にしか向いてない。

24エアリティST SFはスーパーフィネス限定

24エアリティST SFはフィネスに特化しており軽さとドラグ性能、ライトラインとの相性は抜群です。しかし軽すぎるため一般的なバス用スピニングである6.4〜6.6ftのロッドでさえバランスが取れません。そのため24エアリティST SFには6ft前後のショートロッドやハイエンドの超軽量ロッドとの組み合わせが必須となります。一般的なロッドでは逆に使い難くキャストがブレたり逆に持ち重りを感じます

あると便利なスタンド

24エアリティST SFのリールスタンド

スピニングリール全般に当てはまる件ですが、スプールに傷が入るとキャストの度にラインに傷がつくため致命傷となります。普段は直置きについて注意していても、良型が釣れた際にはタックルと合わせて写真を撮ることも多いでしょう。ただ、このタイミングが最も危険で魚が暴れ一瞬でリールが傷物になります。

多少の重量増にはなりますが、私はリールスタンドを使用しており、これでリールが直に地面に触れる可能性は無くなります。フックキーパーも付属しており、ニッパーで切って改造すればオフセットフックやシンカーも対応可能です。

他のリールとの比較

23ヴァンキッシュとの比較

23ヴァンキッシュ使用例2
重量の軽さ24エアリティST SF
巻きの軽さ同等
剛性感24エアリティST SF
ドラグ性能24エアリティST SF
ライントラブル耐性24エアリティST SF
コストメリット同等

フィネス用途に特化した23ヴァンキッシュとの比較ではドラグ性能は23イグジストSFの圧勝であり、剛性感でも23イグジストSFが勝ります。ライントラブルも24エアリティST SFの方が抑えられます。

ただ巻き出しの軽さでは23ヴァンキッシュが上を行っており、蜜巻き構造にてスプールが暴れないため剛性感は劣るものの巻きは23ヴァンキッシュの方が安定します。イグジストほど価格も高すぎないため、まだ購入しやすいコストであることも魅力です。23ヴァンキッシュの詳細は別記事で紹介しております。

23イグジストSFとの比較

23イグジストSFの使用例
重量の軽さ24エアリティST SF
巻きの軽さ24エアリティST SF
剛性感同等
ドラグ性能同等
ライントラブル耐性同等
コストメリット24エアリティST SF

24エアリティST SFと23イグジストSFの大きな違いがマグシールドの有無です。少しでも巻きを軽くしたい場合には24エアリティST SFをお勧めします。

一方で23イグジストSFは2500番でもノーマルギアがラインナップされており逆にエクストラハイギアやクイックドラグなどがありません。そのためトラウトなど巻きが中心の場合には23イグジストSFをお勧めします。23イグジストSFの詳細は別記事で紹介しております。

23エアリティとの比較

23エアリティ使用例1
重量の軽さ24エアリティST SF
巻きの軽さ24エアリティST SF
剛性感同等
ドラグ性能24エアリティST SF
ライントラブル耐性同等
コストメリット同等

24エアリティST SFや23イグジストSFはスーパーフィネス、22イグジストは耐久性が求められる分野で有効ですが、間を埋めるのが23エアリティです。23エアリティは23イグジストSFと同様にマグシールドが少なく巻き重りが抑えられています。また軽すぎないため6.6前後、L〜MLクラスのロッドともバランスが取りやすくなっています。23エアリティの詳細は別記事で紹介しております。

まとめ

24エアリティST SFの使用例2

今回紹介の24エアリティST SFは

マグシールドレスの巻きの軽さに、剛性感も極めて高い

他に無い圧倒的な軽さとドラグ性能

軽過ぎるためスーパーフィネス用途以外には全く向かない

となっており、エクストラハイギアやクイックドラグ搭載の機種も多く、特にバスなどでのフィネスに有効なリールです。

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