【24カルカッタコンクエスト シャローエディション インプレ】PE適正の高い巻物専用機

24カルカッタコンクエスト シャローエディションの使用例2

21カルカッタコンクエストに浅溝スプールが搭載され24カルカッタコンクエスト シャローエディションとして展開されました。21カルカッタコンクエストで劇的に進化したインフィニティドライブによる巻き心地は健在で、現在のベイトリールの中では間違いなく最高の剛性感を誇ります。また浅溝スプールは近距離のキャストに適しており必要量だけスプールに糸を巻くことでレスポンス向上に繋がります。

ただ残念なのが想像以上に軽量ルアーのキャストは苦手で8gのフラットサイドクランクでさえMAXブレーキではないと安定しません。快適に投げられる下限は7g程度であり、軽量ルアーへの対応にはPEラインの導入が必須となります。軽量ルアーへの適正は明らかにダイワのSV機種に劣り、キャストに安定感を求める人には全くお勧めできません。ただPEにてスプールを軽量化さえすれば軽量ルアーのキャスト性能は劇的に向上します。

個人的な評価は以下の通りです

★5が満点
キャスト性能(5g)★☆☆☆☆
キャスト性能(7g)★★★☆☆
キャスト性能(10g)★★★★★
キャスト性能(14g以上)★★★★☆
剛性感★★★★★
自重の軽さ★☆☆☆☆
ライントラブル耐性★★☆☆☆
コストメリット★☆☆☆☆

24カルカッタコンクエスト シャローエディションの特性

24カルカッタコンクエスト シャローエディションの箱出し

24カルカッタコンクエスト シャローエディション(以下SEと略記)は漆黒のボディで高級感にあふれています。

従来のゴールド、DCのシルバーとも異なり見た目の違いも楽しめる機種になっています。個人的には金色よりもロッドに合わせやすいので助かっています。

スプール

スプール径と幅

スプール径は33mm×19mmと径は僅かに小口径で、また幅もナロー設計となっています。実測値は以下の通りでした。

一般的なスプールである21ジリオンSV TWでは34mm径×24mm幅となっており、実測値でもスプール幅は狭めです。

スプール重量

スプール重量は以外に重く14.1gと、34mm径×24mm幅の21ジリオンSV TWよりも重い重量です。

糸巻後の重量はフロロ12lb×60mで22.2gとなっており、浅溝の恩恵にて21ジリオンSV TWに糸を巻いた際よりも軽くなっています。

なおPEを巻くことで糸巻き量の増える上にスプールを大きく軽量化できます。高比重PE2号50m+FC12lb×20mでもスプール重量は20.4gに抑えられます。フロロのみの状態や糸巻き量の多い21ジリオンSVよりもスプール重量は軽くなっています。

キャスト性能

遠心ブレーキだけあってキャスト感は非常に爽快です。

バイブレーションでは気持ちよくキャスト可能で、空気抵抗の大きなスピナーベイトでも全くトラブルがありません。またスプールの立ち上がりも良くキャストも軽快です。

ただ投げやすい重さは7gあたりでワイルドハンチぐらいが限界です。フラットサイドも投げましたがブレーキを最大にしないとバックラッシュが多発するため非常に扱いにくく感じます

ベイトPEで最強リールに進化

24カルカッタコンクエスト シャローエディションのPEでのキャスト

24カルカッタコンクエストSEの性能を最大限に発揮できるのは、おそらくベイトPE設定だと思います。ベイトPEの詳細は別記事で紹介しております。

細いPEであれば浅溝スプールでも糸巻き量が確保できバイブレーションを対岸まで飛ばしても糸の量に全く困りません。またスプールが軽量化されるためフロロのみスプールに巻いていた際に比べ軽量ルアーのキャスト性能が劇的に進化します。

PE設定にするだけでスピニングで投げるようなソウルシャッドだけでなく空気抵抗の大きなガストネード72まで余裕でキャスト可能となります。

勝手に変わらないブレーキ目盛り

シマノのブレーキダイヤル目盛りは調整がしやすい割に勝手に目盛りが変わりません。ダイワ機では最近は改善されてきましたが、それでもタトゥーラなどの機種は移動中に目盛りが変わってしまい、移動直後の一投目でライントラブルが発生します。勝手に変わりにくいブレーキダイヤルは非常に重要ですが24カルカッタコンクエストSEは全く問題ありません。

剛性感は最高レベル

先にお伝えしたいのが、24カルカッタコンクエストSEは本当に巻き心地の次元が他とは異なります。以下の改良の組み合わせの結果とは思いますが、少なくとも2024年現在では間違いなく巻き心地はNo.1です。

インフィニティドライブ搭載

スプールにベアリングが1点追加するインフィニティドライブ機構は21カルカッタコンクエストや22バンタムからPRされておいる特性であり、当然、24カルカッタコンクエストSEにも搭載されています。なおハイエンドの21アンタレスDCであっても搭載されていない新しい機構です。(なお識者よりのコメントにてスプールのベアリング4点指示は実は16メタニウム、18バンタムから搭載と判明しましたので追記いたします)。

このベアリングの追加によりスプールの両端とピニオンギア両端の計4点のベアリング支持となりました。従来のシマノ製ベイトリールでは計3点での支持とピニオンギアとスプール接合部のベアリングが共用となってます。

このベアリングが増えた効果にて巻き心地が桁違いに向上しており、21アンタレスDCでさえ比較にならないレベルです。

シャフトのダブルベアリングでガタツキ防止

メインギアのシャフトにはベアリングを2個搭載されベアリングの「がたつき」まで抑制されています。ハイエンド機種のみの機構であり24メタニウムDCには搭載されていません。

ウォームシャフトも両端ベアリングに進化

従来のシマノ機ではウォームシャフトのベアリングはギアボックス側にしか付いていませんでしたが24カルカッタコンクエストSEではサイドカバー側にも搭載されています。なお、この構造は2024年現在にて調べる限り19アンタレスにも21アンタレスDCにも搭載されていません。ダイワ機では昔から使われていた構造ですが、これにより更に巻き心地が向上しているのだと思われます。

ハイエンド用マイクロモジュールギア

24カルカッタコンクエストSEはハイエンド機種だけあってマイクロモジュールギアの歯数も多く巻き心地も24メタニウムDCに比べて一段上です。

これだけ歯数の多いギアはカルカッタコンクエストやアンタレスにしか搭載されておらず、ハイエンドならではの巻き心地を味わえます。

ドラグ音ありの安心のファイトが可能

24カルカッタコンクエストSEにはドラグ音が備わっているため、大物が掛かった際にも安心してドラグを効かせながらのファイトが可能です。汎用価格帯のメタニウムなどには付いていないハイエンドだけの機能です。

巻物が安定する重量

24カルカッタコンクエスト シャローエディションの重量

24カルカッタコンクエストSEは丸形リールのため重量は重めですが、逆に巻物ではブレが抑えられ巻き取りが非常に安定します。中弾性やグラスコンポジットなどの重めのロッドとの相性は抜群で。

小さくなったものの、ロープロ機よりはサイズは大きめ

24カルカッタコンクエスト シャローエディションののボディサイズ
21ジリオン⇐24カルコンSE⇒21アルファス

24カルカッタコンクエストSEは33mm径ではあるものの丸形ボディのためサイズは小さくは無く、34mm径の21ジリオンSV TWよりも体高は高くなっています。丸形リールの中では小さい方ですが、ロープロ機とは比べるのは酷だったようです。

コスト

価格としては決して安いとは言えず丸形リールとしてハイエンドの価格帯です。その分、巻き心地などは素晴らしく価値のある一台とは思います。

デメリット

キャストの安定性はダイワに劣る

24カルカッタコンクエスト シャローエディションのバックラッシュ

浅溝スプールでスプール重量は抑えられているものの、7g前後の特に空気抵抗の大きなルアーはキャストし難くバックラッシュが多発します。キャストを安定させたいなら絶対にダイワのSV機をお勧めします。

サミングがし難い

カルカッタコンクエストのボディはスプールから盛り上がるように大きく、それに対しスプールがナロー化により小さいため繊細なサミングができません。特にボディの高さが厄介でスプールには親指を全体的に当てるようなサミングしか不可能です。そのため細かいキャストコントロールは難しくなります。

一般的なロープロ機であればスプールからボディの高さも低いため、スプールの一部のみサミングすることができます。

ロッド装着時には内部ブレーキ操作がしにくい

24カルカッタコンクエスト シャローエディションのサイドカバーブロック

サイドカバーの開けにくさも酷いです。というかロッド装着時には手の大きな人では開閉ができないと思います。外部ブレーキのみでブレーキ調整してほしいというメーカーの意思が感じられますが、頻繁に内部ブレーキを操作したい人には迷惑でしかありません。

ナロースプールによる目減り

小口径ナロースプールで忘れてはいけないデメリットがスプールの目減りです。16lbをスプールエッジまでの60m巻き40m出した前後の写真を載せます。

33mm径×19mm幅の24メタニウムDCでは目減りが大きく4~5mmほどスプールが目減りします。このため巻き感の変化が激しくキャスト直後と回収直前では巻き速度を大きく変える必要があります。

34mm径×24mm幅の21ジリオンSV TWでは目減りが少なく2~3mm程度に抑えられます。

マイクロモジュールギアのグリス切れ

24カルカッタコンクエスト シャローエディションのマイクロモジュールギア

シマノのマイクロモジュールギアはグリス切れが早くゴリ感が早く来ます。毎週末の使用頻度だと半年でグリスが切れ始め、一年は持ちません。個人的にはサードパーティーのグリスを使用し対応しているためグリス切れ頻度は抑えられていますが、メンテナンス頻度はダイワに比べると増加します。

スタードラグが旧式で組み立てが面倒

24カルカッタコンクエストSEのスタードラグは旧型で穴が▢形状のため、分解後の組立時にシャフトへの取り付けが面倒です。24メタニウムDCではスタードラグの穴が〇形状に改良されており分解後の組み立てがしやすくなっています。自分でメンテナンスを行う方にとっては非常に面倒な点です。

他のリールとの比較

19アンタレスとの比較

19アンタレス
キャスト性能(5g)24カルコンSE
キャスト性能(7g)24カルコンSE
キャスト性能(10g)同等
キャスト性能(14g)19アンタレス
剛性感24カルコンSE
巻物適正同等
ライントラブル耐性同等
コストメリット19アンタレス

おそらく特性が最も近いのが19アンタレスと思いますが、使い分けは糸巻き量とワームを使うか否かです。24カルカッタコンクエストSEは糸巻き量が少なく更に小口径のため近距離向けに特化しています。また剛性感も巻き心地も最新機種だけあって上です。

が、19アンタレスで出来ないか?と聞かれると確かに軽量ルアーのキャスト性能は糸巻き量の分だけ劣りますが、PEラインさえ巻いてしまえば7g以上のルアーでは全く差は感じません。19アンタレスの詳細は別記事で紹介しております。

20カルカッタコンクエストDC100/101との比較

20カルカッタコンクエストDC101使用例
キャスト性能(5g)20カルコンDC
キャスト性能(7g)20カルコンDC
キャスト性能(10g)同等
キャスト性能(14g)同等
剛性感24カルコンSE
巻物適正20カルコンDC
ライントラブル耐性20カルコンDC
コストメリット24カルコンSE

同じカルカッタコンクエストの中でもDC機との比較では、正直に言って巻き心地以外ではDCの圧勝です。PEを使えば24カルカッタコンクエストSEもキャストが安定しますが、多くの方が使うフロロ通しの設定ではバックラッシュが避けられず、基本性能が上にも関わらず使い勝手では24カルカッタコンクエストSEが劣ります。

また旧型のカルカッタコンクエストのベースにしている20カルカッタコンクエストDCですが、やはりDCの安定性は素晴らしくキャストを繰り返す釣りでは絶対にDC機の方が使いやすく、その恩恵で釣果も増えると言い切れます。20カルカッタコンクエストDC100/101の詳細は別記事で紹介しております。

まとめ

24カルカッタコンクエスト シャローエディション

今回紹介の24カルカッタコンクエスト シャローエディションは

ベイトリールの中で最も高い剛性感と巻き心地

浅溝スプールだが7g前後が限界で空気抵抗の大きなルアーは苦手

快適に扱うためにはPE設定が必須

となっており、フロロを通しでスプールに巻いた際には軽量ルアーへの適正は全く高くありません。軽量ルアーでの利用を考えている場合、PEでの軽量化が必須のため注意が必要です。

5 COMMENTS

chinpei

> スプールにベアリングが1点追加するインフィニティドライブ機構は21カルカッタコンクエストや22バンタムから採用されてており
私の知る限り、16メタニウムや18バンタムもスプールにベアリングが付いており計4点のベアリング支持です。
19アンタレスもスプールにベアリングはひっついてませんが、分解図を見る限り4点のベアリング支持のようです。

カルコンのページはインフィニティドライブの説明が曖昧ですよね。オシアジガーのページのように詳しく書いてほしいところです。

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PEI

情報提供ありがとうございます。そんな前から導入されていた機構だったんですね。記載内容を修正しておきます。
ご指摘の通りインフィニティドライブの説明は曖昧には感じますが、セールスの関係なんでしょうね。

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chinpei

よく見直したら、19アンタレスもスプールにベアリングがちゃんと付いてました。

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