【オッズポート WXP18 インプレ】ベイト適正の高い高強度ハイエンドPE

オッズポート

近年、じわじわと浸透してきているベイトPEですが、ベイトでも極めて扱いやすいのがオッズポートです。超高強力PEの芯糸と共に編み込まれているためか糸自体にハリとコシがありベイトでのカックンバックラッシュやガイドへの糸絡みが極めて少ないのが特徴です。そのため通常のPEではトラブルだらけで扱いにくいベイトでもトラブルが抑えられます。また結束強度も極めて高く耐久性も高いため欠点が見当たりません

唯一の難点が高すぎる価格であり、PEの中でも最高クラスの価格のため簡単には購入できません。ただ耐久性が極めて高いため致命的なバックラッシュをしない限り巻替えの必要が無いので逆にリーズナブルかもしれません。また操作性が高いといっても通常の比重のPEのため高比重PEのようなワームを操る釣りとの相性は良くありません

今回は価格のみがネックではあるものの、硬くベイト適正が極めて高い上に、結束強度も耐久性も高いオッズポートを紹介します。個人的評価は以下の通りです。

★5が満点
細さ★★★★★
強度★★★★★
耐摩耗性★★★★☆
耐久性★★★★★
滑り性★★★★★
硬さ★★★★★
コスト★☆☆☆☆

オッズポートの特徴

太さ

2.0号をSV BOOST シャロースプールに55m巻いた時の写真です。

左がオッズポート、右がハードブル8+です。オッズポートは嵩高く通常より糸巻き量が減るとの言われおり、僅かにスプールの巻き量が多い気もしますが、2号×50mではあまり差を感じませんでした。

強度

オッズポートの結束強度

2.0号をFGノットでの結束強度を3回測定した結果です。結束は堀田式FGノットで上下に1回づつ編み込んだのを2回とし、17回編み込んだ後に湿らせてから締め込みを行い強度を測定しています。

オッズポートハードブル8+
表記
強度
20.4kg
45.0lb
21.3kg
46.9lb
平均10.67kg
52%
8.37kg
39%
最大11.50kg
56%
9.80kg
46%
最低10.00kg
49%
7.30kg
34%

オッズポートの結束強度は悪くなく、同じベイト向けのハードブル8+より結束強度は上を行きます。

オルトロスPEキャストアウェイ
表記
強度
18.1kg
40.0lb
18.1kg
40.0lb
平均9.83kg
54%
11.50kg
63%
最大10.50kg
58%
12.50kg
69%
最低9.50kg
52%
10.5kg
58%

同じよつあみ製のオルトロスPEでもオッズポートには叶わず、謳い文句通り強いPEのようです。ただ何故かキャストアウェイには全く結束強度は及びませんでした。キャストアウェイはPE以外の高比重素材も入っていて強度面では不利なのですが原因は分かりません。

耐摩耗性

オッズポートの耐摩耗性

10号重り(35g)を1000番の砥石に吊るし、左右20cmを行き来できた回数を測定(1往復で2回とカウント)しました。計測は5回行い平均、最大、最小の強度を示します。

オッズポートハードブル8+
平均21回17回
最大25回20回
最低18回14回
オルトロスPEフロロリミテッド
平均16回41回
最大18回42回
最低14回39回

オッズポートの耐摩耗性はPEの中でも高く、ベイト向けPEであるハードブル8+やオルトロスPEを上回ります。さすがにフロロリミテッドの8lb(2号)には劣りますが、PEの中では高い耐摩耗性を誇ります。

オッズポートの耐摩耗性の粘り

特に耐摩耗性で凄いのがある程度削れてからの粘りです。中心にPE芯糸が入っているためか表面がガサガサになった後でもすぐには切れず粘るのがオッズポートの特徴です。

水中での耐摩耗性

オッズポートの水中耐摩耗性

10号重り(35g)を1000番の砥石に吊るし、左右20cmを行き来できた回数を測定(1往復で2回とカウント)しました。計測は5回行い平均、最大、最小の強度を示します。

オッズポートハードブル8+
平均37回49回
最大43回66回
最低33回36回
オルトロスPEフロロリミテッド
平均34回68回
最大37回81回
最低33回39回

通常の条件では耐摩耗性の高かったオッズポートですが水中での耐摩耗性は通常のPEであるオルトロスPEより僅かに強い程度の結果となりました。特に水中では耐摩耗性が異様に高いハードブル8+には敵わず、またフロロリミテッドの8lb(2号)とは比べ物にならないほど差があります。やはりPEは素材自体が耐摩耗性に乏しいという結果のため、障害物周りではリーダーが必須です。

耐久性(色落ち、毛羽立ち)

オッズポートの耐久性は悪くは無くPE自体の毛羽立ちや解けも見られません。ベイトPEは消耗が激しいのですが、週2釣行の4週間では僅かに色落ちがみられます。

因みにハードブル8+だと、もう少し色抜けが進みます。

滑り性、糸鳴りの少なさ

オッズポートの表面は8本撚りだけあって凹凸が少なくハードブル8+と差はありません。が糸鳴りはハードブル8+よりは少な目で、硬いPEの中では優秀な部類だと思います。

ベイト適正のある硬いPEで、これだけ表面凹凸が少ないPEは少なく、ベイトPEに定評のあるキャストアウェイでも8本撚りですが凹凸は大き目です。また4本撚りPEであるオードラゴンも同様です。

FGノットでの編み数

0.8号で堀田式FGノットを組んだ時の私の編み込み回数を記載しています。編み込み回数は上下に1回づつ編んだ際の編み数を2回と計上しています。そのため通常のFGなら編み込み数は半分になります。

 オッズポート オルトロスPE
 2.0号 17回17回 
  ハードブル8+ オードラゴン
 2.0号13回 13回

オッズポートの編み込み回数は通常の8本撚りPEであるオルトロスPEと同様に17回は必要で4本撚りのように回数を減らすとすっぽ抜けが発生します。逆にハードブル8+は滑りが悪く17回も編み込むとノットの先端まで締め込みができません。

伸びと感度

オッズポートの伸び

2.0号のPE:7mを2kgで引っ張った際の伸び率の結果です。

オッズポートハードブル8+
伸び5cm5cm
伸び率0.7%0.7%

 PEは全体的に伸びが少ないため7mの糸を伸ばして比較しています。が、結果としてはハードブル8+など他のPEとの差は全く見られません。

オストロスPEキャストアウェイ
伸び5cm15cm
伸び率0.7%2.1%

参考までに普通の8本撚りPEであるオルトロスPEの結果も載せますが伸び率は変わりません。なおサンラインのキャストウェイだけは異素材を編み込んでいるためか他のPEの3倍は伸びます。

硬さとトラブル耐性

オッズポートの硬さ比較
上:オッズポート
中:ハードブル8+
下:オルトロスPE

ライン10cmを水平に浮かせた際の折れ曲がりの写真です。上と真ん中のオッズポートとハードブル8+は下方向に折れ曲がらず、ほぼ水平を維持していますが、下側のオルトロスPEは折れ曲がり下に付いています。

また実釣時の操作性も悪くはありません。硬く操作性が高いためロッドにも絡みにくくPEの中では扱いやすい部類にはなります。操作性ではハードブル8+にかなり近いですが、ただ比重が通常のPEと同様に低いため高比重PEのような操作性はなく、どうしても空中で舞いやすい点には要注意です。

ベイトとの相性は良好

オッズポートの使用例2

市場にあるPEの中でもオッズポートのベイト適正はかなり高い部類に入ります。ハードブル8+には僅かに劣る気はしますが、耐久性はオッズポートが圧倒的に上のためキャストを繰り返す巻物の釣りでも全く問題ありません。

コスト

オッズポートの最大の難点が価格で、正直に言って高すぎます。が、耐久性が高くバックラッシュしない限り使い続けれるため逆にコストパフォーマンスは良いのかもしれません。

他のラインとの比較

ハードブル8+との比較

ハードブル箱
細さ同等
強度オッズポート
耐久性オッズポート
耐摩耗性ハードブル8+
滑り性オッズポート
硬さとトラブル耐性ハードブル8+
コストハードブル8+

硬くベイトでも扱いやすいPEとしてはハードブル8+が有名ですが、オッズポートは硬さと操作性では僅かに劣るものの結束強度と耐久性では圧倒的です。そのためキャストを繰り返す巻物の釣りでも全く問題がありません。

これに対しハードブル8+は硬さと操作性が極めて高いのが特徴ですが、ただ編み込みが解けやすくキャストを繰り返す巻物では、あっという間に編み込みが解け、その悪影響で糸の硬さも失われます。そのためハードブルはキャスト回数の少ない釣りに適しています。ハードブル8+の詳細は別記事で紹介しております。

まとめ

オッズポート使用例

今回紹介のオッズポートは

PEの中でも硬めのため、ベイト適正が高く操作性も高い

耐久性も高く結束強度も必要十分なレベル

最高レベルのためバックラッシュには要注意

となっており、価格の高さだけが難点ですが操作性や耐久性含めベイト適正が極めて高いPEです。ハードブル8+で初めてPEを試したものの、耐久性が不満な方にはぜひお勧めのPEです。

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