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正直に言って酷評が多かったマシンガンキャストですがリニューアルにて大きく生まれ変わりました。以前のマシンガンキャストは耐久性が低く毎回の交換が必要でしたが、現行ではフロロ並みに向上し1ヶ月ほどは使用できます。伸び難さもフロロ並みとナイロンの中でも優秀で、低伸度ナイロンのオルトロスDU-Sよりも伸びが抑えられています。そのため距離が遠くても感度が損なわれずジャークベイトやペンシルでも機敏なアクションを付けられます。
その反面、ナイロンとしては少々硬くフロロの様な感覚のため太糸では扱い難さが目立ちます。クセも付きやすく伸びも少ないためショートバイト対策での使用には全く適していません。また結束強度に関してはフロロには全く勝てないためパロマーノットで強度を底上げする必要があります。
今回はフロロと同感覚で使用出来るナイロンライン、マシンガンキャストを紹介します。
なお個人的評価は以下の通りです。
★5が満点 | |
細さ | ★★★★★ |
強度 | ★★★☆☆ |
耐久性 | ★★★★★ |
伸び難さ(感度) | ★★★★★ |
柔らかさ | ★☆☆☆☆ |
コスト | ★★★☆☆ |
目次
マシンガンキャストの特徴
細さ

マシンガンキャストの細さに関してはフロロリミテッドと同等で12ポンド=3号といった表記通りの強度となっています。
マシンガンキャスト | フロロリミテッド | |
6lb | 0.205 | 0.205 |
8lb | 0.235 | 0.235 |
10lb | 0.260 | 0.260 |
12lb | 0.285 | 0.285 |
14lb | 0.310 | 0.310 |
16lb | 0.330 | 0.330 |
20lb | 0.370 | 0.370 |
強度

14ポンドを完全結び(漁師ノット)とパロマーノットで各10回結束強度を測定しました。比較対象はフロロリミテッドです。なお結束は条件を一定にするため一切糸を湿らせず行っており、パロマーノットのみ結束時に余り糸を捨て糸側に引いて試験しています。他のノットで余り糸を捨て糸側に引っ張らないのは、パロマーノット以外では余り糸は本線側にしか引っ張れないのが理由です。
完全結びでの結束強度
まずは完全結びの結果です。
マシンガンキャスト | フロロリミテッド | |
表記強度 | 6,35kg 14lb | 6,35kg 14lb |
平均 | 2.71kg 43% | 4.55kg 72% |
最大 | 3.40kg 54% | 5.00kg 79% |
最低 | 2.25kg 35% | 4.25kg 67% |
ナイロンはフロロに比べ結束強度が低い傾向にありマシンガンキャストでも同様の傾向が見られました。がナイロンラインの中でも結束強度は高いとは言えずGTRの平均55%、オルトロスDU-Sの62%と比べても低い値です。
ハングマンズノットでの結束強度
ハング マンズ | マシンガンキャスト | フロロリミテッド |
強度 | 6.35kg 14lb | 6.35kg 14lb |
平均 | 3.45kg 54% | 4.75kg 75% |
最大 | 4.50kg 71% | 5.60kg 88% |
最低 | 2.50kg 39% | 3.50kg 55% |
早く結べる上に結束強度もそれなりに高いハングマンズノットですがナイロンであるマシンガンキャストでは高い強度は高くは無く平均でも54%とフロロリミテッドに大きく差を付けられています。
ハング マンズ | GTR ULTRA | オルトロスdus |
強度 | 6.35kg 14lb | 6.35kg 14lb |
平均 | 3.10kg 49% | 3.85kg 61% |
最大 | 3.90kg 61% | 5.00kg 79% |
最低 | 2.50kg 39% | 3.25kg 51% |
とは言えナイロンの中では平均的な強度ではあります。オルトロスdusの強度が高めですがマシンガンキャストはGTR ULTRAと同等の同等の結果となりました。
ユニノットでの結束強度
ユニ | マシンガンキャスト | フロロリミテッド |
強度 | 6.35kg 14lb | 6.35kg 14lb |
平均 | 4.01kg 63% | 4.95kg 78% |
最大 | 5.25kg 83% | 5.50kg 87% |
最低 | 3.20kg 50% | 4.25kg 67% |
少々結束が面倒ではあるものの比較的高い結束強度が出やすいユニノットならマシンガンキャストでも高い強度が出ていますが、やはりフロロリミテッドには勝てません。
ユニ | GTR ULTRA | オルトロスdus |
強度 | 6.35kg 14lb | 6.35kg 14lb |
平均 | 3.94kg 62% | 4.66kg 73% |
最大 | 4.80kg 76% | 5.30kg 783% |
最低 | 3.00kg 47% | 3.70kg 58% |
ただナイロンの中では平均的な強度ではあります。GTR ULTRAと比べても同等の結果と言えるでしょう。
パロマーでの結束強度
続いてパロマーノットの結果です。
マシンガンキャスト | フロロリミテッド | |
表記強度 | 6,35kg 14lb | 6,35kg 14lb |
平均 | 5.06kg 80% | 4.95kg 78% |
最大 | 5.20kg 82% | 5.25kg 83% |
最低 | 5.00kg 79% | 4.75kg 75% |
一方でパロマーノットはラインの性質に関わらず強度が7割以上出るノットです。そのためナイロンで結束強度が出にくいマシンガンキャストでも7割以上の強度が出せています。マシンガンキャストに限った話ではありませんがナイロンは結束強度が低い傾向があるためパロマーノットを強く推奨します。
耐久性


従来のマシンガンキャストは耐久性が低く釣行ごとの巻替えが必要なレベルでしたが大幅に改善されています。毎週末に釣りに行っても2週間は全く問題なく、1ヶ月ほど使い続けられます。フロロ同等の耐久性となっており耐久性に不満はありません。
伸び難さと感度

2mのラインを2kgの力で引っ張り、その際に伸びた距離から伸び率を測定しています。伸び率の%表記だけでは差が分かりにくいので、あえて実測値も掲載しています。
マシンガンキャスト | フロロリミテッド | |
表記強度 | 14ポンド | 14ポンド |
線径 | 0.310mm | 0.310mm |
伸び | 17cm | 23cm |
伸び率 | 9% | 12% |
GTR ULTRA | FCスナイパー | |
表記強度 | 20ポンド | 14ポンド |
線径 | 0.370mm | 0.330mm |
伸び | 26m | 18cm |
伸び率 | 13% | 9% |
マシンガンキャストの伸び率は僅か9%に留まっておりFCスナイパーより伸びにくくなっています。一般的なナイロンではGTRの様に伸びる傾向にありますが、フロロよりも伸びが抑えられています。
柔らかさ

伸びを抑えた影響かマシンガンキャストは硬くフロロの様に糸クセが付きやすい傾向にあり使用感も硬めです。よく言えばフロロと同じ感覚で使用できますが、ナイロンらしい伸び感やバイトを弾かない柔らかさは有りません。そのため操作系の釣りには有効ですが巻物でのショートバイト対策にはお勧めできません。
コスト
単価だけを見ると決して安くは無いのですが150mの糸巻量のため1mあたりの価格は10円を割ります。耐久性も良くお手頃なラインといえるでしょう。
PEの20mリーダーならコスト1/5に
価格が控えめで耐久性の高いラインであっても更にコストを抑えて使えるのがPEのリーダーでの使用です。一般的なPEではリーダーは1.5m以下ですが私は20mで使用しています。そのため使用感はほぼナイロンを維持しつつ、かつコストを1/5に抑えられます。PEの詳細は別記事で紹介しております。
他のラインとの比較
用途が明確に異なるフロロとの比較は意味がありませんのでナイロンラインとの比較です。
GTR ULTRAとの比較

細さ | マシンガンキャスト |
強度 | GTR ULTRA |
耐久性 | 同等 |
伸び難さ(感度) | マシンガンキャスト |
柔らかさ | GTR ULTRA |
コスト | 同等 |
GTR ULTRAは伸びやすく扱いやすいラインですがマシンガンキャストは伸びにくくキレのあるアクションが用意と真逆の性能になっています。細さや強度もほぼ同等のため伸びを抑えたい用途にはマシンガンキャストがお勧めです。ただし硬いため16ポンド以上が必要となる条件にはお勧めできません。
その一方で16ポンドや20ポンド以上の強度が必要な用途にはGTR ULTRAがお勧めです。柔らかく扱いやすいため太糸でも12~14ポンドの様な感覚で使用できます。GTR ULTRAの詳細については別記事で紹介しております。
オルトロスDUSとの比較

細さ | マシンガンキャスト |
強度 | オルトロスDUS |
耐久性 | 同等 |
伸び難さ(感度) | マシンガンキャスト |
柔らかさ | オルトロスDUS |
コスト | 同等 |
いずれもフロロ感覚で扱えるマシンガンキャストとオルトロスDU-Sですが使用感は非常に近く性能差は敢えてつけました。マシンガンキャストはオルトロスDU-S若干細いものの伸び難い傾向にあります。その一方でオルトロスDU-Sは僅かに太いもののマシンガンキャストより伸びます。そのためマシンガンキャストはオルトロスDU-Sの操作感は同等で大きな差は有りません。コストに関してマシンガンキャストは150m巻き、オルトロスDU-Sは100m巻きのため見かけでは異なるものの長さ当たりの価格は同等です。
ただ強度に関してはオルトロスDU-Sの圧勝です。マシンガンキャストもナイロンの中では悪くは無いのですが、オルトロスDU-Sの強度は群を抜いています。オルトロスDU-Sの詳細については別記事で紹介しております。
まとめ

今回紹介のマシンガンキャストは
・硬く耐久性の高いフロロ感覚のナイロン
・低伸度のためジャークベイトやペンシルで機敏なアクションが可能
・ショートバイト対策には適しておらず、結束強度は低め
となっております。硬いため16ポンド以上の太糸では扱いにくく従来の柔らかいラインがお勧めです。ただ14ポンド以下であれば扱いやすく特に操作系の釣りへの相性が高いラインとなっています。