【フロロリミテッドハード BASS インプレ】傷が付きにくく障害物に強いフロロ

フロロリミテッドと双璧をなすバス向け最強フロロがフロロリミテッドハードBASSです。フロロリミテッドハードBASSの最大の特徴は硬さによる傷が入りにくさであり、障害物周りで擦られても簡単には切れません。結束強度は予想に反しフロロリミテッドと同等でありノットによってはフロロリミテッドに劣る傾向にあります。伸びもフロロリミテッドと同等でありフロロの中でも伸びやすい部類に入りますが、ハリ感が強いためアクションは付けやすくフッキングも決まります。

ただしメーカーWEBサイトにて紹介されている通り硬さによる扱い難さは目立ちます。特に太糸になるほど糸クセは顕著となりトラブル無く扱うには相応の技術が求められます。また傷が入りにくく切れにくいとは言っても、同じ太さでの比較であって14lbのフロロリミテッドハードBASSは16lbのフロロリミテッドより簡単に切れます。一回り太くてもフロロリミテッドの方が扱いやすいため、扱いやすさを犠牲にしてでも糸の太くせずに強度を上げたい状況が最もフロロリミテッドハードBASSに有効な状況となります。

今回は扱いにくさは目立つものの傷が入りにくく同じ太さの中ではとにかく切れにくいフロロリミテッドハードBASSについて紹介します。個人的評価は以下の通りです。

フロロリミテッドハード BASSの特徴

細さ

フロロリミテッドハードBASSの線径は号数通りで太くも細くも有りません。フロロリミテッドと細さに関しては全く同じです。

強度

14lbを各ノットで各10回結束強度を測定しました。比較対象はフロロリミテッドです。なお結束は条件を一定にするため一切糸を湿らせず行っており、パロマーノットのみ結束時に余り糸を捨て糸側に引いて試験しています。他のノットで余り糸を捨て糸側に引っ張らないのは、パロマーノット以外では余り糸は本線側にしか引っ張れないのが理由です。

完全結びの結果ではフロロリミテッドハードBASSの結束強度は予想外に低く平均でも最高値、最低値でもフロロリミテッド以下の結果となりました。フロロリミテッドより強いと思っていましたが予想とは大きく異なる結果となりました。

続いてパロマーノットでの結果ですが、パロマーノットは糸の表記強度が出やすいノットであり最大値ではフロロリミテッド以上の結束強度となりました。ただ平均や最低値ではフロロリミテッド以下となっており、決して悪い結束強度では無いのですが僅かにフロロリミテッドに劣る結果です。

納得がいかないのでハングマンズノットやユニノットでも検証しましたが傾向としては同様でありフロロリミテッド以上の結果とはなっていません。

ライン全般に言えることですが、硬い糸は結束強度が出にくく柔らかい糸の方が結束強度が高い傾向にあります。上級者が結べば結果は違うのかもしれませんが、あっけなく結び目から切れることがあるのが硬い糸の特徴です。

耐久性

フロロリミテッドハードBASSの最大の特徴が傷の入りにくさと耐久性で週2回の釣行で1ヶ月使用しても殆ど傷が入っていません。このため知らない間に傷が入って切られる事態を減らすことができます。

比較対象としてフロロリミテッドの写真を載せますが、フロロリミテッドは表面コートが外れやすいのか黄色く変色しやすく1ヶ月後には劣化が進んでいます。

耐摩耗性

14lbを105g(12号重り+15号重り)を1000番の砥石に吊るし、左右20cmを左右に行き来できた回数を測定(1往復で2回とカウント)しました。10回行った測定の平均、最大、最小の強度を示します。

フロロリミテッドハードBASSの耐摩耗性は極めて高くフロロの中でも最上位に当たります。フロロリミテッド以上の耐摩耗性であり、FCスナイパーや安価のフロロマイスターとは大きな差があります。

伸び難さと感度

14lb×2mを2kgで引っ張った際の伸びを記載しています。伸び率だけだは分かりにくいので、あえて実測値も掲載しています。比較対象はフロロリミテッドの14ポンドです。

この結果には私自身が一番驚いていますがフロロリミテッドハードBASSとフロロリミテッドの伸び率の違いは僅差で、ほぼ差がありません。フロロリミテッドハードBASSはもっと伸びが少ないと思っていましたが以外に伸びます。感度は非常に高く感じますが、恐らく伸びの少なさでなくハリ感によるものと推測されます。

参考までに同じ14lbで太さのモンスターブレイブZでは伸びは10%であり、同じ14lbではあるものの16lb相当に太いFCスナイパーでは9%しか伸びません。

柔らかさ

フロロリミテッドハードBASSはメーカーWEBサイトで紹介されている通り硬い糸であり、糸クセも激しく付きます。釣り方によっては糸を伸ばしてクセを取ってからの使用を強くお勧めします。

なおフロロリミテッドでは糸クセは少なく扱いやすい糸となっています。

PEの20mリーダーなら糸クセを取りやすくコスト1/5

なおPEラインのリーダーとして使用すれは糸クセを取る部分は非常に少なく抑えられ、かつコストも抑えられます。バス向けではPEスピニングでは普及しつつありますがベイトでは殆ど見かけません。原因はライントラブルですが、これはリーダー20mとすることで、ほぼ解消できます。このセッティングでは使用感はほぼフロロであり、かつコストを1/5に抑えられます。ベイトPEの詳細は別記事で紹介しております。

コスト

コストに関してはフロロリミテッドと同等であり、やはりフロロの中でもフラッグシップの価格となっています。安いとは言えませんが、傷の入りにくさに関しては最高クラスの糸と思います。

他のラインとの比較

フロロリミテッドとの比較

フロロリミテッドハードBASSは硬さが特徴であり、フロロリミテッドより結束強度、扱いやすさは劣るものの傷が抑えられます。そのため糸の太さを上げずに障害物周りを攻めたい際には有効なラインとなります。

一方、フロロリミテッドは結束強度が安定し、加えて衝撃にも強く糸クセも付き難い糸です。障害物の少ない状況や糸を太くしたい状況であればフロロリミテッドがお勧めです。フロロリミテッドの詳細は別記事で紹介しております。

まとめ

今回紹介のフロロリミテッドハード BASSは

・傷が入りにくいためスレに強く、ハリ感が強いライン

・結束強度は意外にフロロリミテッド以下であり、感度は高いが伸びもフロロリミテッドと同等

・硬いため糸クセも激しくライントラブルには要注意

となっており糸の太さを上げずに障害物周りを攻めたい際には最適の糸となっています。少々扱い難いものの傷が入って切られるケースが多く、でも糸を太く出来ない状況で試してほしい糸です。