【アブソルートAAA インプレ】GTRの滑りの良さにフロロリミテッドの強度

金森プロの契約にて注目のアブソルートAAA。GTRのフロロ版のような表面の滑らかさがあり、コーティングがスベスベで傷が入りにくいのが特徴です。コーティングがしっかりと施されている割には硬すぎず扱いやすく仕上がっています。

加えて耐摩耗性も極めて高い上に結束強度も高く、ノットによってはフロロリミテッド以上の強度を誇ります。更にフロロの中でも糸クセが付きにくく糸の直進性が高いのも特徴です。巻きクセが付きやすい超小口径のベイトフィネスであっても糸クセが気になりません。耐摩耗性の高いラインは硬く糸クセも激しく扱いにくいのが難点でしたが、アブソルートAAAは扱いやすいにも関わらず耐摩耗性も操作性も兼ね備えています。

ただ難点は価格であり80m巻きにも関わらず100m巻きのフロロリミテッドの約1.5倍の価格となっており消耗品として使い続けるには高すぎます。また滑りが良すぎるためか抜けやすいノットでは強度が出ず、ノットがすっぽ抜けます。加えて傷が付きにくいのが特徴ではありますが、いったんコーティングが剥がれると強度が激減するのも難点です。

今回は高すぎる価格がネックなものの、傷が入りにくく結束強度も高いアブソルートAAAについて紹介します。個人的評価は以下の通りです。

アブソルートAAAの特徴

細さ

フロロハンタータクトの線径は号数通りで太くも細くも有りません。フロロリミテッドと細さに関しては全く同じです。

強度

14lbを各ノットで各5回結束強度を測定しました。比較対象はフロロリミテッドです。

完全結びでの結束強度

完全結びは糸による結束の差が出やすいノットですが、アブソルートAAAの結束強度は非常に悪い結果となっています。リンクを載せますがフロロマイスター以下の結果です。だた、これは糸の強度も問題というよりノットが抜けています。糸が滑るためアブソルートAAAには完全結びは全く適していません。

パロマーノットでの結束強度

パロマーノットは安定して7割程度の強度が出やすいノットであり、アブソルートAAAでも平均74％となりました。どんな糸でも同じような結束強度が出るのがパロマーノットであり、フロロリミテッドと大差はありません。

ハングマンズノットでの結束強度

驚愕の結束強度が出たのがハングマンズノットでした。平均では78%とフロロリミテッドと大差は無いものの、最大強度ではまさかの94%という数値が出ておりフロロリミテッドすら凌駕しています。

ユニノットでの結束強度

ユニノットでもフロロリミテッドと同等と言える結束強度が出ています。ノットが抜ける完全結びを除いてアブソルートAAAはフロロリミテッドと同等と言える結束強度を出しています。

耐久性も最高クラス

週2釣行の1ヶ月使用で検証しましたが、さすがに表面の光沢感は若干失われていますが傷が極めて少なく表面もツルツルのままです。私が今まで使ってきた中でも最高レベルの耐久性です。

フロロの中でも耐久性の高いフロロリミテッドハードBASSでの例を載せますが、光沢感の減り具合や白化はアブソルートAAAより若干多く感じます。

因みにですが、フロロの王者であるフロロリミテッドでは耐久性は高くは無く、1ヶ月の使用で表面コートは剥がれ白化もそれなりに進みます。

耐摩耗性

14lbを105g(12号重り+15号重り)を1000番の砥石に吊るし、左右20cmを左右に行き来できた回数を測定(1往復で2回とカウント)しました。10回行った測定の平均、最大、最小の強度を示します。

アブソルートAAAの耐摩耗性は極めて高く平均でも21回とフロロリミテッドやフロロリミテッドハードBASSを上回ります。これまで私が試してきた中で最高レベルだったオルトロスFCと同じ結果となりました。ただアブソルートAAAはコーティングは強いのですが、このコーティングが剥がれると一気に摩耗が進むのか最低値は低い結果となっています。そのためアブソルートAAAは傷が入れば早めの交換をお勧めします。

伸び難さと感度

14lb×2mを2kgで引っ張った際の伸びを記載しています。伸び率だけだは分かりにくいので、あえて実測値も掲載しています。比較対象はフロロリミテッドの14ポンドです。

アブソルートAAAはフロロリミテッドより若干ハリ感のある糸ですが、意外に伸びは大きくフロロリミテッド以上の伸びとなりました。

参考までに同じメーカーのモンスターブレイブZでは伸びは20cmと伸びは抑えられています。なおフロロの中でも最も柔らかいフロロハンタータクトは伸びがアブソルートAAAより大きい傾向にあります。

柔らかさ

アブソルートAAAはフロロリミテッドより若干硬めですが、ハリ感が有るためか糸クセは少な目です。耐摩耗性の高いラインの中では間違いなくNo.1の糸クセの少なさであり、特に糸クセの付きやすいベイトフィネスに適しています。

なおフロロリミテッドの方が糸としては柔らかいのですが、アブソルートAAAに比べると若干糸クセはつきやすい傾向にあります。

一方で硬いフロロリミテッドハードBASSでは糸クセも付きやすく扱いには技術が求められます。

コスト

コストに関しては申し訳ないですが最低クラスでありフロロリミテッド以上の価格です。

PEの20mリーダーならコスト1/5

なおPEラインのリーダーとして使用すれはコストは更に抑えられます。バス向けではPEスピニングでは普及しつつありますがベイトでは殆ど見かけません。原因はライントラブルですが、これはリーダー20mとすることで、ほぼ解消できます。このセッティングでは使用感はほぼフロロであり、かつコストを1/5に抑えられます。ベイトPEの詳細は別記事で紹介しております。

他のラインとの比較

フロロリミテッドとの比較

フロロリミテッドとアブソルートAAAは糸の強度としては非常に近いものがありますが、大きな違いがコーティングです。アブソルートAAAはコーティングが非常に強く表面が滑り耐摩耗性が高いのが特徴です。以外に伸びは大きめですが、フロロリミテッドに比べると若干、糸にハリ感があるため感度も悪くはありません。

一方、フロロリミテッドは結束強度が高く柔らか上にコスト面でもアブソルートAAAより優れています。フロロリミテッドの詳細は別記事で紹介しております。

まとめ

今回紹介のアブソルートAAAは

・糸滑りの良いコーティングにて耐摩耗性が極めて高い上に柔らかく扱いやすい

・フロロリミテッドと変わらない結束強度に加えフロロリミテッド以上の糸クセの少なさ

・高すぎる価格がネックで、滑るため抜けやすいノットには注意

となっておりフロロリミテッドでは傷が入りやすい点に困っており、フロロリミテッドハードBASSでは固すぎると悩んでいる人に絶妙に合う糸となっています。