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簡単に纏めるとバス釣りにおいて必要な強度を保ちつつ扱いやすさに特化したのがタトゥーラセンサー×8+Si2です。8本撚りで糸が滑らかであるにも関わらず硬く扱いやすいため、糸でルアーを操作することが多いバス釣りとの相性は抜群です。PEの中では操作性は極めて高く、ロッドティップへの糸絡みやエアノットも少な目です。これだけであれば硬い糸が多い4本撚りPEと差はありませんが、タトゥーラセンサー×8+Si2は8本撚りのため結束強度が一回り高く、また表面が滑らかなため糸鳴りも抑えられています。価格も8本撚りの中では良心的な価格のため入手しやすいのも利点です。
ただし硬さに特化しているためか標準的な８本撚りPEに比べ結束強度は一回り劣ります。また耐久性も悪くは有りませんが高いとは言えず、色抜けや糸の汚れも目立ちます。この点に関してはリーズナブルな価格を生かし定期的な交換が必要です。またバス釣り用とは言え普通の比重のPEでもあるため、高比重PEに比べワーム系など沈めて使うルアーとの相性は良くありません。
今回は強度と耐久性は標準的な8本撚りPEには劣るものの、バス釣りには非常に扱いやすく必要十分な強度を持ったタトゥーラセンサー×8+Si2について紹介します。
なお個人的評価は以下の通りです。
| ★5が満点 | |
| 細さ | ★★★★★ |
| 強度 | ★★★☆☆ |
| 耐久性 | ★★★☆☆ |
| 滑り性 | ★★★★☆ |
| 硬さとトラブル耐性 | ★★★★☆ |
| コスト | ★★★☆☆ |
目次
タトゥーラセンサー×8+Si2の特徴
太さ
0.8号をSV BOOST PEスプールに75m巻いた時の写真です。
左がタトゥーラセンサー×8+Si2、右がアップグレードX8です。編み込みはどちらも8本撚りで、糸巻後のスプールの笠も変わりません。
強度
0.8号をFGノットでの結束強度を5回測定した結果です。比較対象はアップグレードX8です。
| ﾀﾄｩｰﾗｾﾝｻｰ×8 | アップグレードX8 | |
| 表記 強度 | 5.90kg 13lb | 7.26kg 16lb |
| 平均 | 4.00kg 68% | 4.80kg 66% |
| 最大 | 4.20kg 71% | 5.25kg 72% |
| 最低 | 3.80kg 64% | 4.50kg 62% |
タトゥーラセンサー×8+Si2は表記上の強度の時点でアップグレードX8に劣り、実際の測定結果でも全体的に低い値となっています。ですが強度のバラつきは極めて少なく必要十分な強度となっています。そのため強度不足で困ることは、まずありません。
耐久性（色落ち、毛羽立ち）
新品
1ヶ月後
耐久性は高くも低くも無く普通と言ったところです。週2釣行の1ヶ月使用では色抜けが始まっており、場所によっては変色も見られます。
X8 新品
X8 1ヶ月後
比較対象としてアップグレードX8の写真を載せますが、耐久性の高いアップグレードX8でも同様に1ヶ月の使用では僅かに色も抜け始めています。がタトゥーラセンサー×8+Si2に比べると色抜けは若干、少な目です。
なお耐久性の低いシーガーPE X8では安価ではあるものの、週2回の釣行でも僅か半月(4釣行)で色が抜けてしまいます。
滑り性、糸鳴りの少なさと飛距離
糸鳴りは控えめで標準的な8本撚りPEと同等です。顕微鏡による60倍写真での比較でもアップグレードX8と変わりありません。
下：アップグレードX8
120倍で並べて比較もしてみましたがアップグレードX8と大きな差は有りませんでした。
FGノットでの編み数
0.8号でFGノットを組んだ時の編み込み回数です。
| ﾀﾄｩｰﾗｾﾝｻｰ×8 | ｱｯﾌﾟｸﾞﾚｰﾄﾞX8 | ｱｯﾌﾟｸﾞﾚｰﾄﾞX4 | |
| 0.8号 | 25回 | 25回 | 19回 |
ノットに関しては標準的な8本撚りの編み込み回数で対応出来ます。
伸びと感度
0.8号のPE：2mを2kgで引っ張った際の伸び率の結果です。
| タトゥーラセンサーX8 | アップグレードX8 | |
| 伸び | 2cm | 3cm |
| 伸び率 | 1% | 2% |
通り伸びは非常に少なく僅か1%に抑えられています。僅かな差ですがアップグレードX8より伸びが少なめです。
硬さとトラブル耐性
下：アップグレードX8
ライン8cmを水平に浮かせた際の折れ曲がりの写真です。ピントを下の目盛りに合わせているためボケていて恐縮ですが、上側のタトゥーラセンサーX8は下方向に折れ曲がらず、ほぼ水平を維持しています。一方で下側のアップグレードX8は折れ曲がり下に付いています。
ただ硬すぎないのも特徴です。実釣での糸フケの写真ではアップグレードX8と大差ありません。
もっと硬いアーマードF PRO BASSやアップグレードX4になるとフロロのように糸フケが多くなります。そのためロッドティップへの糸絡みは抑えられますが、逆にスピニングではバックラッシュやスプールでの糸フケに注意が必要です。
コスト
コストは通常の8本撚りPEに比べると控えめで手に取りやすい価格となっています。その分、耐久性は若干落ちるのでコマ目に使用部分をカットしたり巻き替える必要もあります。
アップグレードX8との比較
| 細さ | 同等 |
| 強度 | アップグレードX8 |
| 耐久性 | アップグレードX8 |
| 滑り性 | 同等 |
| 硬さとトラブル耐性 | タトゥーラセンサーX8 |
| コスト | タトゥーラセンサーX8 |
同じ8本撚りPEでも硬さと操作性を追求したのがタトゥーラセンサーX8です。糸が硬く操作しやすい上にロッドティップへの糸絡みやエアノットも抑えられますが、強度は若干低めです。
これに対しアップグレードX8はしなやかですが、投げて巻くだけの釣りでは全く問題にはなりません。やや柔らかいですが、1号以上の太さであれば気になりません。耐久性も高くキャストを繰り返す釣りにはアップグレードX8の方が適しています。アップグレードX8の詳細は別記事で紹介しております。
オルトロスPEとの比較
| 細さ | 同等 |
| 強度 | オルトロスPE |
| 耐久性 | オルトロスPE |
| 滑り性 | 同等 |
| 硬さとトラブル耐性 | 同等 |
| コスト | タトゥーラセンサーX8 |
オルトロスPEはタトゥーラセンサーX8の用途であれば完全な上位互換となります。価格は安くはありませんが強度も耐久性も完全に上です。オルトロスPEの詳細は別記事で紹介しております。
まとめ
今回紹介のタトゥーラセンサーX8は
・硬いため糸でルアーを操作しやすく糸絡みも少ない
・強度と耐久性はやや劣る。
・ハイエンドには性能で劣るが、その分コストは控えめ
となっており、強度と耐久性は高く無いものの必要十分なレベルであり、バス釣りなどルアーを操作するのに非常に適した糸となっています。
