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今まで重量級のリールにしか搭載されてこなかったDCブレーキがアルデバランにも搭載され25アルデバランDCとして登場しました。フロロ10lb×80mの糸巻き量にも関わらず5~14g程度のルアーを快適に扱える上に、DC特有の安定感は変わらず、またブレーキを緩める事で遠心ブレーキのようなキャスト感も味わえます。ボディはおそらく現存のリールの中でも最もコンパクトで操作性が高い上に、重量も150gと軽く、また巻き上げトルクも極めて高いため小型リールにも関わらずクランクでもパワフルに巻き取れます。
ただ売りとなっているMGLスプールⅣの恩恵は全く感じず25アンタレスのようなブレーキが抜けるような爽快感は全く感じません。またバーサタイル用途には糸巻き量が足りずPEを下巻きに入れるなど対策が必要です。
今回は軽量バーサタイル機としては最高の性能を持った25アルデバランDCを紹介します。
★5が満点 | |
キャスト性能(5g) | ★★★★☆ |
キャスト性能(7g) | ★★★★★ |
キャスト性能(10g) | ★★★★★ |
キャスト性能(14g以上) | ★★★★☆ |
剛性感 | ★★★★★ |
自重の軽さ | ★★★★★ |
ライントラブル耐性 | ★★★★☆ |
コストメリット | ★☆☆☆☆ |
目次
25アルデバランDCの特性

25アルデバランDCは青み掛かったメタリックなボディが特徴です。


ボディは、ほぼ22アルデバランBFSと同様ですが塗装が鏡面っぽくなっております。ただアンタレスほどは鏡面ではなく、22アルデバランBFSと19アンタレスの中間のような色です。
スプール
MGLスプールⅣ???

25アルデバランDCにはMGLスプールⅣが搭載されスプール中央が盛り上がっていることで糸巻きが均一になりキャスト時の振動が減ると言われています。が、写真で見ても中央の盛り上がりは僅かです。


なのでスプールを実際に測定してみましたが中央で20.2mm、両端は20.1mmでした。確かに中央が盛り上がっていますが、その差は僅かで、後述の通り私レベルではMGLスプールⅣのキャストの爽快感は感じられませんでした。
外観


スプール径は30mmと通常の34mm径より小さなスプールです。実測でも30.1mmとなっています。


幅については19mmとしっかりとナローされており、実測値でも21.6mmと24メタニウムDCと同等です。
重量


25アルデバランDCのスプール重量はDCユニットの分で重く14.1gでした。同様に30mm径スプールの25スティーズLTD CTが9.8gであるのに対し、スプール重量は重いと言わざるを得ません。


糸巻後の重量はフロロ12lb×60mで22.1g、高比重PE2号×50m+FC12lb×20mでは20.3gと軽量化に加え糸巻き量を増やすことが出来ます。ベイトPEについては別記事で紹介しておりますのでご参考下さい。
キャスト性能
MGLスプールⅣの効果は不明も普通に優れたキャスト性能

まず初めに言っておきます。MGLスプールⅣの恩恵は全く感じられず25アンタレスのようなキャスト中にブレーキが抜けるような爽快感はありません。キャスト感に関しては私には従来のDC機と違いは見つけられませんでした。ただキャスト性能は優秀過ぎます。


普通の34mm径リールでは投げにくいワイルドハンチやフラットサイドクランクがノーサミングでも矢のように飛んでいきます。


フロロ12lb×60mを巻いた状態でも5gのシャッドを楽々と投げられますが、同じ5gでも空気抵抗の大きなフロップとなるとスプールの糸が浮きがちになります。


ワーム系ですとスワンプクローラーのネコリグまでは快適にキャストできましたがスワンプJrとなると投げれない事はありませんが軌道が浮いて全くキャスト精度が出ません。
ブレーキ設定には要注意

なお25アルデバランDCのブレーキ設定には注意が必要で箱出しの段階では従来の内部ブレーキに当たるブレーキがMと真ん中、外部目盛りも真ん中に設定されていますが、この状態ではフロロの通しだとキャスト時に糸浮きが多発します。

フロロ通しの場合、内側のDCブレーキ設定はHで固定し外部目盛りでルアーごとに調整するのが安定します。
PE設定なら軽量ルアーが更に快適にキャスト可能
なおPE設定にすることでスプールを軽くでき、軽量ルアーのキャスト性能が向上します。ベイトPEの詳細は別記事で紹介しております。

PEにて糸巻き量も増やすことが可能で高比重PE2号×50mにフロロ12lb×20mで試しましたが、この設定ならバイブレーションの遠投でも全く糸巻き量が気になりません。より糸巻き量を増やしたい人ならPE1.5号がお勧めです。


フロロのみの状態では空気抵抗が大きく投げにくかった5gガストネード72や軽い4gのレインズスワンプJrのネコリグまでピッチング可能でした。
ブレーキの弱めすぎには要注意

因みにPEの際にはDCブレーキ自体の設定を真ん中のMまで弱めることが可能です。ただ調子に乗ってLまで弱めてしまうと糸浮きが多発してカックンバックラッシュが発生します。PEでもキャストを安定させたいならDCブレーキの設定はMぐらいでしょう。
調整しやすく勝手に目盛りが変わらないブレーキ


25アルデバランDCのブレーキ目盛りはボディサイドに埋め込まれており、操作しやすいだけでなく移動時などでも勝手に目盛りが変わりません。外部からDC自体のL、M、Hの3段階のメモリを調整出来るのも利点です。
なおタトゥーラなどボディサイドに直接ブレーキ目盛りが付いた機種だと勝手に目盛りが変わっており移動後の一投目でトラブルが多発します。
軽量コンパクト機では考えられない剛性感

25アルデバランDCを部屋で空回しした際には、まぁ普通のシマノ機の巻き心地ぐらいにしか感じませんでしたが、実際に巻き抵抗の強いルアーを巻いてみると感動です。個人的には25アンタレスより巻きトルクが強いと感じたほどでした。

軽量コンパクトな機種でノーマルギアが無くHG以上のラインナップしか無い機種ですが、普通にクランクも巻けます。この巻き上げトルクの強さは異常です。
スプールシャフトにベアリング有はDCでは初?


従来のDC機ではスプールにベアリングが搭載されておらず、個人的には元となったオリジナルモデルより剛性感が低く感じていました。ですが25アルデバランDCにはスプールにベアリングが搭載されています。


このためスプールはベアリング4点で支持されることとなり、この恩恵なのか異様に巻き上げトルクが強く感じます。
ガチガチに固定されたボディ


通常ベイトリールの3本のネジにて固定される事が多いのですが25アルデバランDCについては裏側からだけで4点、表からも1点と計5点のネジで固定されており、一切のボディのネジれも許さないような構造となっています。巻き上げトルクが異様に強いのも、この恩恵かもしれません。
大きなギア直径


メインギアもかなり大きく7.8:1のHGにも関わらず直径は39.2mmもありトルクに溢れています。25スティーズLTD CT CVではXGのギアでも37.1mmしか有りません。


このギア直径は極めて大きく25アンタレスや18リョウガさえ上回るギア直径となっています。
マイクロモジュール


25アルデバランDCにはギアの歯数が多いマイクロモジュールギアが搭載されていますが、同じHG設定でも25アンタレスと比べると歯数が少なくミドル機用のギアとなっています。そのため巻き心地の面ではハイエンドには劣ります。
ウォームシャフトにはベアリング無し

25アルデバランDCは剛性感を重視した機種でないためか、残念ながらウォームシャフトは樹脂のブッシュでベアリングは搭載されていません。


なお剛性感の極めて高い24カルカッタコンクエストSEでは搭載されています。
シャフトのダブルベアリングは無し


ハイエンドではでは無いためか、25アルデバランDCにはシャフトのダブルベアリングは搭載されていません。これはアンタレスやカルカッタコンクエストのみの機構のようです。
ドラグ音有の安心ファイトが可能


シマノでは25アンタレスでさえベイトリールにはドラグ音が入ってなかったりしますが、細糸の扱いが中心となる25アルデバランDCにはドラグ音が搭載されており大物が掛かった際にも安心のファイトが可能です。
スタードラグの改良で分解しやすい


従来のシマノのスタードラグは穴が▢形状だっため、分解後の組立時にシャフトへの取り付けが面倒でした。25アルデバランDCではスタードラグの穴が〇形状に改良されており分解後の組み立てがしやすくなっています。自分でメンテナンスを行う方にとっては非常にありがたい点です。
操作しやすい重量

25アルデバランDCの重量はDCユニットが付いているにも関わらず150gに抑えられておりフィネス用途には最適な重量となっています。
最もコンパクトなボディ

左から21ジリオンSV TW、25アルデバランDC、21アルファスSV TWです。25アルデバランDCのボディは極めてコンパクトでおそらく現存のリールでも最小クラスと思われます。そのため操作性は極めて高くフィネス用途との相性は抜群です。
コスト
DCだけあって決して安くはない価格ですが、この性能を持ったリールは他には25スティーズLTD CT しか存在せず、購入する価値がある一台と感じます。
デメリット
ピッチングでの使用はBFS機に劣る

25アルデバランDC自体は素晴らしいリールであり軽量バーサタイルとしては素晴らしい性能なのですが、DCにてスプールが重たいためか5g前後の特にワームをピッチングする際には、Air機やBFS機と比べるとスプールの回転が悪いと感じます。糸巻き量を写真のように高比重PE1号×30+FC10lb×10mと普段、私がベイトフィネスで使っている糸巻き量まで落としても23SS AIRや25アルファスBFには及びません。
ただ使えない事は無いので専用機を求めるのであればAir機やBFS機、バーサタイルなら25アルデバランDCと言った感じです。
スプールが取り出し難い

25アルデバランDCはMGLスプールⅣの影響なのかスプールがボディから取り出し難く、無理に外そうとするとスプールが壊れてしまうかもと怖くなるぐらい力が必要です。スプールが高回転時にブレを抑えるための構造なのでしょうが、使いやすさの面では大きくマイナスです。せっかくサイドカバーが開けやすい構造なのに、スプールの取り出し難さは注油さえ躊躇うレベルです。
バーサタイルには糸巻き量が足りない

スペックから分かっている事ではありますがバーサタイルに使用するには糸巻き量が足りずバイブレーションなどを遠投するとスプールから糸が無くなります。対策としては下糸にPE1.5号ぐらいを入れ、頻繁にキャストする20~30mぐらいをフロロにすることをお勧めします。
フックキーパーが装着可能


ダイワのTWS機のようにレベルワインドにフックが干渉する懸念はありませんが、アンタレスのような鏡面ボディを守るためにはフックキーパーの着用をお勧めします。なお25アルデバランDCは改造なしでフックキーパーが装着可能です。
他のリールとの比較
25スティーズ リミテッド CT SV TWとの比較
キャスト性能(3g) | 25スティーズLTD CT |
キャスト性能(5g) | 25スティーズLTD CT |
キャスト性能(7g) | 25アルデバランDC |
キャスト性能(10g以上) | 25アルデバランDC |
剛性感 | 25アルデバランDC |
自重の軽さ | 同等 |
ライントラブル耐性 | 同等 |
コストメリット | 25アルデバランDC |
かなり特性が近いのが25スティーズ リミテッド CT SV TWです。どちらも30mm径ナロースプールを搭載した機種でキャスト感も素晴らしい機種ですが、25スティーズ リミテッド CT SV TWは25アルデバランDCより少々軽めのルアーに適しています。ボディも横幅が25スティーズ リミテッド CT SV TWの方がコンパクトで操作しやすいのですが、糸巻き量が少なすぎるのが難点です。
その反面、25アルデバランDCの方が剛性感が高く巻物にも適しています。コスト面でも25スティーズ リミテッド CT SV TWは高すぎるため、よりバーサタイルに使いたい場合には25アルデバランDCを、近距離に特化したい際には25スティーズ リミテッド CT SV TWとなります。
まとめ

今回紹介の25アルデバランDCは
・4~5g以上をノートラブルでキャストできる抜群の安心感
・軽量コンパクトで操作性が高く、軽量機種としては異次元の剛性感
・バーサタイル用途には糸巻き量が足りずPE下巻きが必要
となっており、軽量ルアーを中心に扱う人にとっては替えの利かない最高の機種だと感じます。4~14g程度のルアーを幅広く使う方には間違いなくお勧めのリールです。