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2018年より8年ぶりのリニューアルとなる26リョウガ、公表された時から同じ感想を持った人は少なく無かったでしょう、TWS無いのかと。丸型リールの難点としてスプールとレベルワインダーが違い事によるキャストフィールの悪さがあり、TWSなら簡単にこの問題を解消できるのに、前作から8年経っても解消されて無いのは残念でなりません。その他の新機構も既に他のリールで搭載済みのモノばかりでBOOSTスプールも新型ギアも予想通りで目新しい点は有りません。
ただ実際に使ったところ確かに18リョウガより剛性感は上がっており全体的なパーツ精度が向上していてるように感じます。前作の18リョウガから引き続き巻きが軽く良い意味でシマノリールのような重厚な巻き間は無いので抵抗の少ない巻物でも巻き感を感じやすいのも利点です。加えて前作のMAG-Zとは異なり最初からSV BOOSTスプールが搭載されているため5gのシャッドから20gを超えるバイブレーションまで幅広いルアーをノートラブルで投げられます。またカルカッタコンクエストがナロースプール化してしまった中、唯一のスプール目減りがし難くく一定層を均一に巻きやすい通常幅スプールの丸形リールでもあります。
今回はTWS非搭載なのが残念過ぎるものの、前作に比べ全体的に剛性感が向上した26リョウガを紹介します。個人的な評価は以下の通りです。
| ★5が満点 | |
| キャスト性能(5g) | ★★★☆☆ |
| キャスト性能(7g) | ★★★★☆ |
| キャスト性能(10g) | ★★★★★ |
| キャスト性能(14g以上) | ★★★★★ |
| ライントラブル耐性 | ★★★★★ |
| 軽さ | ☆☆☆☆☆ |
| 剛性感 | ★★★★★ |
| 均一な巻取り | ★★★★★ |
| コストメリット | ★☆☆☆☆ |
目次
26リョウガの特性

リョウガはハイエンドに属するリールとなっており外装も高級感のある黒のケースです。
スプール
スプール外観


スプールは34mm径×24mm幅と通常のスプール設定です。他の34mm径SV BOOSTとの比較でもスプールの大きさは変わりません。


幅に関しては24mmとなっており従来通りです。実測値でも25.1mmと21ジリオンSV TWと差は有りません。
スプール重量


スプール重量は平均的で12.9gとなっています。前作の18リョウガは13.7gでしたので、若干ですが軽量寄りの設定に変更されてます。


糸巻後の重量でもスプール重量は軽めでFC14lb×80mで24.1gと比較的軽く、高比重PE2号75m+FC14lb×20mにすると20.1gまで軽量化できます。
キャスト性能
TWS非搭載で遠投時のキャストフィールは良くない

まず最初に断っておきます。26リョウガは遠投では気持ちよく有りません。TWSが無いためバイブレーションやディープクランクを遠投した際、24スティーズSVのような糸抜け感が有りません。ショートキャストなら気になりませんが、26リョウガで最も残念な点です。
フロロでのキャスト性能


ただSV BOOSTの恩恵なのかトラブルレスに関しては流石で、投げ易いバイブレーションは当然として、空気抵抗の大きなスピナーベイトも強風下で何のトラブルも無く投げられます。


もう少し軽めのワイルドハンチや、軽い上に空気抵抗の大きなHPFクランクspec2でもノートラブルです。


ただ5g台になると重心移動が入ってないと投げ難くソウルシャッド58ぐらいが限界で、空気抵抗の大きなガストネード72だとバックラッシュが多発します。

かなりトラブルの少ないリールなのは間違い無いですが、7g以下の空気抵抗の大きなルアーを投げる際には注意が必要です。
PEでのキャスト性能
なおPEを巻く事でスプールが軽量化され軽量ルアーのキャスト性能が向上します。ベイトPEの詳細はリンクを参考にしてみて下さい。

このPEによるスプール軽量化かつ空気抵抗の大きなルアーでのバックラッシュが大幅に抑制できます。


フロロでもキャスト出来ていたワイルドハンチやHPFクランクspec2も、より低弾道でキャスト出来るようになります。


フロロでは若干投げ難かったソウルシャッドも快適に投げられ、空気抵抗の大きなガストネード72も扱いやすいとは言えないものの何とか扱えるようになります。
スプール交換で自分に合った一台に
ダイワの34mm径リールの大きな利点として交換スプールのラインナップが豊富な点です。自分の使いたい用途に合わせて、近距離が中心ならSV BOOSTシャロースプール、遠投が多いならMAG-Z BOOSTなどを自由に選べます。リールごとの専用スプールでは無いため、使い回しが効く事も有り難い点です。
スプールによる目減りが少ない
26リョウガはスプールの目減りが少ないのも魅力です。16lbをスプールエッジまでの80m巻き40m出した前後の写真を載せます。


34mm径×24mm幅の26リョウガなら目減りが少なく2~3mm程度に抑えられます。
24カルカッタコンクエストSEのスプール目減り


その一方で33mm径×19mm幅の24カルカッタコンクエストSEではナロースプールの影響で目減りが大きく4~5mmほどスプールが目減りします。そのため遠投した際にキャスト直後と回収直前では巻き取りスピードが大きく変わり、一定レンジを巻く事の難易度が極めて高くなります。
圧倒的な巻き上げトルク

26リョウガは丸型の高剛性リールだけあって巻き上げトルクは素晴らしく抵抗の大きなルアーでも楽に巻き取れます。この点に関してはシマノ機も優秀ですが、シマノ機は全体的に重厚な巻き感なりがちです。26リョウガは巻き上げトルクが高いにも関わらず巻き感が軽いため抵抗感の少ないルアーでもルアーの振動を拾いやすいと感じます。
メインギアの大きさ


メインギアについては非常に大きく39.0mmとなっており、21ジリオンSVの36.0mmより一回り大きなギアです。この圧倒的なギアの大きさが巻き上げトルクに繋がっていると思われます。


参考までにこのギア直径は25アンタレスや20カルカッタコンクエストDC201相当の大きさとなります。
高い剛性感と巻き心地


HYPER DRIVEデザイン以降はギアが△でなく凸の形状に変わりました。ただ18リョウガに関してはシマノのような細かいギアが搭載されていた為、正直言って差が無いのではと思っていましたし、実際に空回ししても大きな差は感じません。どちらも軽いダイワ機の巻き心地です。
巻き心地の差は個人的には感じませんでしたが、26リョウガの方がクラッチの戻り音も重厚で、実釣での巻き上げトルクも高く、全体的に剛性感が上がっていると感じます。Xやインスタにクラッチ音の動画をあげていますので参考にしてみて下さい。
サイドプレートのカタツキが無くなった

18リョウガではサイドプレートの取り付けが弱く触るとカタツキが有ります。動画が分かり易いのでXかインスタをご参照下さい。この現象は26リョウガでは対策されておりカタツキは発生していません。

ちなみにサイドプレートを18リョウガと26リョウガで入れ替えてみてもカタツキは両方ともに抑えられていました。そのためサイドプレートだけでなくボディ側の双方にて対策が入っていると思われます。
ドラグ音ありのファイトが可能


26リョウガは前作に引き続きドラグ音が搭載されているため良型が掛かった際にもドラグを効かせたファイトをしやすい設計です。安価帯のタトゥーラなどでは搭載されていない事が多くドラグファイトがやり難く感じます。
調整しやすく勝手に目盛りが変わらないブレーキ


リョウガのブレーキ目盛はサイドプレートの外周に搭載されており操作しやすいだけでなく移動時などでも勝手に目盛りが変わりません。タトゥーラなどボディサイドに直接ブレーキ目盛りが付いた機種だと勝手に目盛りが変わっており移動後の一投目でトラブルが多発します。
巻物に最適な重い重量

26リョウガの重量は264gと非常に重く操作を伴う釣りでは、とても使用できません。ですが巻物となると話は変わります。グラスコンポジットのような先重りしやすいロッドでも26リョウガの重い重量がタックルの重心を安定させ、持ち重りを軽減します。ワームを扱うロッドでは役に立ちにくい特性ですが、巻物ロッドでは非常に重宝する点です。
ボディは大きいが以外に握りやすい

リョウガのボディは見た目の通り大きく操作を伴う釣りに適しているとはいえません。

ただ上から見てみると横幅は21ジリオンSVと変わらず、巻きで使用する限りでは個人的には問題には感じません。
パワフルで握りやすいグリップ

21ジリオンSVなどに使用されるライトノブ、17スティーズAのハンドルグリップを並べてみましたが、26リョウガのグリップは非常に大きく米国仕様の17スティーズAのハンドルグリップ以上の大きさです。そのため巻物で使う際にグリップが抜けにくい仕様です。

とはいえ巻物に適したラウンドノブに比べるとフラットなノブは平らな部分でグリップが滑り易く感じます。こ好みもあるとは思いますが、巻物で使うなら丸いラウンドノブがお勧めです。
分解時にギアが取り出しやすい




左が26リョウガ、右が24スティーズSV TWの比較です。24スティーズSV TWではシャフトの窪みに上からハンドルをビスで押さえつける構造になっているためシャフトが変形します。そのため分解洗浄の際にシャフトの変形部分を削らねければギアが取り出せません。近年の機種では26リョウガのようにナットで対策されておりシャフトの変形がなくギアが取り出しやすくなりました。
安価では無いが巻物には最高の一台
26リョウガは店頭価格で6万前後となっており、決して安いリールでは有りません。ですが巻物を巻き続ける上で現時点では最高の性能を持ったリールだと私は感じます。
デメリット
TWS非搭載

前述の通り26リョウガの最大の難点がTWS非搭載な事です。特に遠投時のキャストフィールが悪く前作の18リョウガから8年経っても解消されていません。丸型リールは特にスプールとレベルワインダーの距離が近く、この丸型リールにTWSが付けば、丸型リールの中で飛び抜けた存在になる事は間違いないのに、非常に残念です。
ハンドルおよびレベルワインドは樹脂カラーのためベアリングに交換推奨

改造となるためメーカー保証の対象外とはなりますが、ベアリング追加で巻き感が大きく向上します。交換箇所は計4か所です。ハンドルには片側ずつの2ヶ所が対象です。


またギアボックスまで分解する必要がありますが、ウォームシャフトの両端2ヶ所を交換する事で巻き心地が大きく改善します。
他のリールとの比較
カルカッタコンクエスト100との比較
同じ巻き物リールでもリョウガとカルカッタコンクエストでは特性が大きく異なります。正直に言うと汎用性が高いのはリョウガです。と言うのもリョウガはナローでは無い通常幅のスプールが採用されており、近距離だけで無くフラットの巻き物でも均一な巻き取りがし易いリールのためです。
その一方でカルカッタコンクエストはナロー幅スプール搭載で近距離特化となっており遠投で均一に巻き続けるのには不利ですが、ボディもコンパクトで軽量化されており、近年流行りのシェイキーなど、ある程度の操作にも対応し易いリールとなっています。
まとめ

今回紹介の26リョウガはナロースプールが搭載されていないため、スプール目減りが少なく均一な巻きがしやすいため、一台で全ての巻物に対応可能な巻物での汎用性を持った丸形リールです。
重いため操作を伴う釣りには適していませんが、イントラブルも少なく巻き上げトルクも高いため、巻物が好きな人には欠かせないリールになると感じます。



