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シマノスピニングの軽量フラッグシップとして展開されている19ヴァンキッシュはバス向けのスピニングとしては完璧です。重量も軽くローターなどへの糸絡みも少ない上に巻き出しの軽さは現存するスピニングの中では最高レベルとなっています。マグシールドや金属ローターのようにローター回転を阻害する要因が全く無いため、巻く止めるを繰り返す釣りとの相性は抜群です。
その一方で剛性感や巻き心地に関しては必要十分ですが22ステラには及ばず、モノコックボディで新しくなった22イグジストや21ルビアスエアリティにも劣ると感じます。またドラグ性能に関しては初動が良いとは言えずダイワの22イグジストや21ルビアスエアリティに明らかに劣ります。この点に関しては密巻きを採用した22ステラで大きく改善されており23ヴァンキッシュでの改良ポイントとなります。そのため若干弱めのドラグ設定で対応する必要があるものの、バス用スピニングリールとしては非常に優秀な19ヴァンキッシュを紹介します。
19ヴァンキッシュの個人的な評価は以下の通りです
★5が満点 | |
重量の軽さ | ★★★★★ |
巻きの軽さ | ★★★★★ |
剛性感 | ★★★☆☆ |
ドラグ性能 | ★★★☆☆ |
ライントラブル耐性 | ★★★★★ |
コストメリット | ★★★☆☆ |
目次
19ヴァンキッシュの特性
19ヴァンキッシュは軽量ラインナップのフラッグシップとだけあって黒の高級感あるケースとなっています。
重量の軽さ
ヴァンキッシュは現時点で最軽量に分類されるスピニングリールです。ダブルハンドルのC3000番でも175gとダイワのフラッグシップである22イグジストよりも軽量となっています。バス釣りでのスピニングはライトリグ中心となることから、重量の軽さは欠かさない点です。
巻き心地と剛性感
軽いとは言え、剛性といえばシマノ。フラッグシップ機だけあって、クイックレスポンスシリーズでも巻き心地は決して悪くなく、同価格帯である17スティーズを凌駕します。流石にフルメタルボディの22イグジストには劣りますが、価格が違い過ぎるので比較対象にはならないでしょう。
ローター合成は高くない
ローターは軽量化を意識したためか若干の「たわみ」が有ります。左右から手で挟むとボヨンと曲がって戻る感覚があり、ラインローラー側はマシですが、反対側のたわみが特に大きく感じます。数ミリ程度しか「たわみ」が無いため写真では判断しにくいのですが、赤丸の部分などは通常に比べたわみが分かりやすいと思います。
なおダイワのエアベールもカーボン樹脂製のため若干はたわみますがシマノよりはマシです。写真上では「たわみ」わ分からないレベルです。実用上で困ったことが無いので問題とは思っていませんが、シーバスやチヌなど引きが強い魚には問題になるのかもしれません。
参考までに金属ローターを採用している22ステラも掲載しますが、写真上でも実際に触った感じでも殆ど「たわみ」を感じません。
ドラグ性能
ラインが1秒で30cm出る設定でドラグを800gに設定、そこから低速 (10cm/s)と高速(90cm/s)でのドラグ値を10回以上計測し、おおよその平均値を記載しました。手作業のためブレが非常に大きい実験ではありますが、結果は以下の通りです。
ドラグ速度 | 19ヴァンキッシュ C3000SDH | 22ステラ C3000SDH | 22イグジスト LT3000S |
スプール径 | 47φ | 48φ | 48φ |
低速(10cm/s) | 700g | 600g | 500g |
普通(30cm/s) | 800g | 800g | 800g |
高速(90cm/s) | 1,000g | 1,000g | 900g |
22ステラから導入された密巻き構造にてシマノスピニングのドラグは劇的に改善されました。が、それ以前の機種である19ヴァンキッシュはドラグの初動が悪く糸が出にくい傾向にあります。そのためドラグ設定は弱めに設定し、ファイト中にはドラグを手で押さえたり、巻きながらファイトする必要があります。
なおドラグ性能に関してだけ言えばダイワの方が優秀で、22ステラの密巻き構造でも従来の21ルビアスエアリティと同等、22イグジストには僅かに劣る結果でした。マグシールドの巻き重りはあるものの、ドラグ性能を求める場合にはダイワのスピニングをお勧めします。
スプールに糸絡みしにくい
特にロングリーダーを使う際に問題となるスプールシャフトへの糸絡みですが、シマノでは写真の通り大きなストッパーにて物理的に糸がシャフト内へ入りにくくなっており頻度が大きく抑えられています。
フロロのロングリーダー設定ではスプールからリーダーが爆発することが多々ありますが、シマノの糸絡み防止は非常に優秀です。写真の通り大きなストッパーがついているため、一度もシャフトに糸が絡んだことがありません。
ダイワにおいては22イグジストのみ対策されていますが、その他の機種では対策が甘くスプールシャフトに何度も糸絡みしました。
ローターにも糸絡みしにくい
シマノではベールを起こした際のローター回転防止パーツが完全に覆われているため、ラインが絡まる心配がありません。写真でも該当のパーツが見えないほど上手く配置されており実釣面で非常に助かる部分です。
ダイワでは22イグジストしか対応できておらず、21ルビアスエアリティなど他の機種ではローター外に露出しているためラインがひっかることがあります。
ハンドルノブ
あまり触れられない点とは思いますが、19ヴァンキッシュのグリップは非常に気に入っています。薄くライトリグに適したグリップでありながら、根元から先端に従ってテーパー上に広がっているため、引っ掛かりがよくスッポ抜けが少なくなっています。
巻きモノ好きな人はベイトのハンドルノブをラウンドノブに交換されますが、原理としては同じでスッポ抜け防止です。快適に釣りを続けるには重要なポイントです。
あると便利なスタンド
スピニングリール全般に当てはまる件ですが、一旦、スプールに傷が入るとキャストの度にラインに傷がつくため致命傷となります。普段は直置きについて注意していても、良型が釣れた際にはタックルと合わせて写真を撮ることも多いでしょう。ただ、このタイミングが最も危険で魚が暴れ一瞬でリールが傷物になります。
多少の重量増にはなりますが、私はリールスタンドを使用しており、これでリールが直に地面に触れる可能性は無くなります。フックキーパーも付属しており、ニッパーで切って改造すればオフセットフックやシンカーも対応可能です。
他のリールとの比較
22イグジストとの比較
重量の軽さ | 19ヴァンキッシュ |
巻きの軽さ | 19ヴァンキッシュ |
剛性感 | 22イグジスト |
ドラグ性能 | 22イグジスト |
ライントラブル耐性 | 同等 |
コストメリット | 19ヴァンキッシュ |
19ヴァンキッシュは22イグジストに比べ樹脂ボディであるため重量は軽く、また巻き出しの軽さも一歩上となっています。ドラグ性能に関しては劣っていますが必要十分な性能で実釣面で困ることはほとんどありません。これが22イグジストの約半額で購入できるためコスト面では圧倒的に優位です。
その反面、22イグジストはモノコックボディによる剛性感が素晴らしく、かつ19ヴァンキッシュ並みの軽量も兼ね備えています。ドラグ性能も更に進化しておりダイワのフラッグシップならではの性能です。また新型ローターにより巻き出しの軽さも非常に近いレベルまで向上しています。ただしマグシールドの巻き重りは酷くダイワスピニングリールの長所であった軽快さを台無しにしています。価格も高すぎるのがネックであり正直に言ってバスよりも剛性を求められるソルト用途の方が適しています。22イグジストの詳細は別記事で紹介しております。
21ルビアスエアリティとの比較
重量の軽さ | 19ヴァンキッシュ |
巻きの軽さ | 19ヴァンキッシュ |
剛性感 | 21ルビアスエアリティ |
ドラグ性能 | 21ルビアスエアリティ |
ライントラブル耐性 | 19ヴァンキッシュ |
コストメリット | 同等 |
21ルビアスエアリティは22イグジストに非常に近い性能を持ってるため、重量の軽さでや巻きの軽さでは19ヴァンキッシュが上です。
ただし21ルビアスエアリティにはFCモデルと言うマグシールドが少ない機種があります。FCモデルに関しては巻きの軽さは19ヴァンキッシュには劣るものの近い性能となっています。加えてFCモデルは重量が150g前後と非常に軽く繊細なライトリグ用途への相性は抜群です。21ルビアスエアリティの詳細は別記事で紹介しております。
まとめ
今回紹介した19ヴァンキッシュの特性について今一度まとめると以下の通りです。
・重量や巻き出しの軽さ、ライントラブルの少なさは最高峰
・十分なドラグ性能だがダイワ系には一歩劣る
・剛性は必用最低限でパワーが求められる釣りには向かない
通常のバス向けライトリグを使う限りでは、間違いなく最有力候補に入るスピニングです。23年以降では新型ヴァンキッシュやルビアスエアリティの登場で主役から落ちた感は否めません。ただ19ヴァンキッシュでも実釣には全く困りませんので中古品やカタログ落ちなど安価に調達したい方にもお勧めです。。