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公開より非常に話題になっていた25IM Z TW 100-Cですが、前作の23年版と同様に素晴らしいキャスト性能を持っています。前作同様に遠投だけでなく近距離キャストでも空気抵抗の大きなルアーでもノートラブルであり、飛距離に関してはシマノのDC機を圧倒するほどです。ただ今回の25IM Zはスプールが34mm径のため前作より軽量ルアーに適しており、7g以下のルアーもキャスト可能である上に、全体的にキャスト時の安定性が向上しています。
また25 IM Zではギア比がハイギアだけでなくノーマルギアも追加されているためバス釣り関連での巻きでの使いやすさが飛躍的に向上しています。巻き合成も極めて高くバックラッシュが殆ど発生しないため、キャストし巻き続ける巻物の釣りとの相性は最高と言えるでしょう。
ただボディが大きすぎるため繊細な操作を伴う釣りには使い難いと言わざるを得ず、ワームで近距離を打つような釣りとの相性は最悪です。こういった釣りではアルファスやジリオンの方が格段に適しています。また価格が異次元に高く、スマートフォンとの接続も少々面倒にも関わらずアプリに連動しないと機能制限があるなど煩わしさも目立ちます。
今回は若干設定が面倒かつ価格も高いですが、異次元のキャスト性能を持った25IM Zを紹介します。個人的な評価は以下の通りです
★5が満点 | |
キャスト性能(7g) | ★★★★☆ |
キャスト性能(10g) | ★★★★★ |
キャスト性能(14g) | ★★★★★ |
キャスト性能(21g以上) | ★★★★★ |
ライントラブル耐性 | ★★★★★ |
剛性感 | ★★★★★ |
巻物適正 | ★★★★★ |
コストメリット | ☆☆☆☆☆ |
目次
25IM Z TW 100-Cの特性

25IM Z TW 100-Cの外装はリョウガやスティーズと同様のハイエンドの黒い箱です。25IM Zは34mm径るプールのため普通のリールのように感じますが、最大の難点が後述の通り34mm径スプールのリールとしてはMAX級にサイズが大きい事です。

そのためメタニウムやジリオンの感覚で購入すると、使用用途が全く異なるため、せっかくのフラッグシップ価格帯のリールが台無しになる点には要注意です。
スプール
径と幅


スプール径は34mm×24mmと通常の34mm径通りのスプールです。21ジリオンSV TWと径も幅も差は有りませんでした。


外観


25IM Zのスプールにはバネ付きのスペーサーが搭載されており、ベアリングが左右に動かないためダイワ機特有のカチャカチャ音が抑えられています。この機構はSV BOOSTスプールの機種には搭載されているのですがMAG-Z BOOSTスプールの23スティーズAⅡのような機種には搭載されていません。34mm径の重量級ルアー対応スプールでは初かもしれません。


因みにインダクトローターは固定式でSV BOOSTやMAG-Z BOOSTのように外側に出てくる事はありません。
重量


スプール重量は34mm径としては軽量の11.1gです。この重量は極めて軽く、34mm径では21ジリオンSV TWだけでなく21スティ-ズSV TWさえ上回るスプールの軽さとなっています。


糸巻後の重量ではフロロ16ポンド×90mで26.0g、高比重PE2号×100+フロロ14ポンド×20mでで20.8gとなります。
INTELLIGENT MAGFORCEのキャスト性能

25IM Z TW 100-Cのキャスト性能は遠投性能も高い上に安定性も抜群です。ただスプールに巻く糸によって適切なブレーキが全く異なる点には要注意です。基本的にフロロの通しであればスタンダードかMAXブレーキ、PEならPE/BRAIDかロングキャストがお勧めです。それ以外の設定にするとストライクゾーンの狭い設定になってしまいます。
ブレーキ使い分けにはアプリ接続が必須も接続方法には要注意
25IM Z TW 100-Cはブレーキ設定使い分けにはアプリへの接続が必須です。接無しではスタンダードモードしか使用できません。

なお接続には説明書通り①アプリ起動、②ログイン、③Bluetooth接続さえすれば完了ですが、私のように説明書も読まず①アプリ起動、③Bluetooth接続と②を飛ばすと写真のような画面が表示されリールがスマホにBluetooth認識されているのにアプリには接続できない状況が発生します。

この対策としてはスマホ自体の設定からリールのBluetooth認証を一旦削除することです。これで①アプリ起動、②ログイン、③Bluetooth接続し直すことでアプリへの接続が可能になります。
スタンダード設定

青のランプがスタンダード設定であり、スプールにフロロを巻いている時にお勧めです。どんなキャストでもバックラッシュしにくく飛距離も伸びます。個人的に使いやすいのはブレーキ目盛り1以上で、1まで緩めると投げやすいルアーでは問題ありませんが、空気抵抗の大きな小さいルアーだと糸浮きが多発します。
またスタンダード設定はPEラインには全く適しておらず、PEによるスプール軽量化の影響かブレーキ感が強く、目盛りを最弱まで弱めてもブレーキの抜けが悪く感じます。
PE/BRAID設定

前作の23IM Zではジャジャ馬で扱いきれなかったPE設定ですが、今回の25IM Z TW 100-Cではスプールの小型化と軽量化によってか、かなり使いやすく感じます。ただ4つの設定の中では最もブレーキ感が弱く、気を抜いたキャストや風などにて糸浮きが発生しやすい傾向にはあります。個人的には、最も上級者向けのブレーキ設定と感じました。
大事な点としてPE専用のためフロロをスプールに巻いた状態にてブレーキをPE設定にするとブレーキ不足でバックラッシュが多発する事があげられます。かならずスプールにPEを巻いた状態で使用してください。
ロングキャスト設定

前作の23IM Zと同様、遠投だけでなくPEをスプールに巻いた際にもお勧めなのが紫のロングキャスト設定です。名前からバックラッシュと隣り合わせのピーキー設定にしか見えませんが非常に汎用性の高いブレーキです。キャスト直後のブレーキがPE/BRAID設定よりも強くキャスト初期のバックラッシュを防いでくれるため、少々力んだキャストをしがちな遠投でも安心です。またキャスト後半の伸びも素晴らしく飛距離を伸ばしてくれます。特にPEと相性が良いブレーキと感じます。
難点はフロロを巻いた際にはブレーキ不足にて糸浮きが発生しやすい事です。フロロを巻く際にはスタンダード設定をお勧めします。
MAXブレーキ設定

緑のランプはMAXブレーキですが、正直に言ってあまり出番はないと感じます。というのもブレーキが強すぎて、最弱の目盛り設定でも軽量のフラットサイドクランクでさえバックラッシュしません。爆風など、どうしてもライントラブルを抑えたい状況のみが出番と感じます。
キャスト可能なルアー

25IM Z TW 100-Cのキャスト性能は現行のリールの中で、ひょっとすると最高のキャスト性能かもしれません。まず16lb×100mの糸巻き量に適した重めのルアーは全く問題なくキャスト可能です。


バイブレーションの遠投でも飛距離が伸び、空気抵抗の大きなスピナーベイトでも全くノートラブルでした。


フロロ通しの糸巻設定でも7g前後のルアーも問題なく投げられますが、少々強めのブレーキが必須です。スプール重量が重すぎるのか特にブレーキ目盛り2以下まで弱めると糸浮きが発生しやすい傾向にあります。
PE設定なら更に軽いルアーも対応可能

なおPEをスプールに巻く事でスプールが軽量化され、糸巻き量が増えると共に、更に軽量のルアーにも対応しやすくなります。決して重いルアーが扱い難くなる設定ではなく空気抵抗の大きなスピナーベイトでさえ更にトラブル少なく扱えるようになります。ベイトPEを試した事の無い方は添付記事を参考にしてみて下さい。


フロロ通しの設定ではスプール重量が重すぎてキャスト時に糸が浮きがちな軽量ルアーでもノートラブルでキャスト可能になります。


PEであればベイトフィネスで投げるようなソウルシャッド58やガストネードなどもギリギリ投げられますが、キャスト精度は高いとは言えません。

最後にスワンプクローラーのネコリグも試してみましたが、扱えないことも無いものの、快適とは言えませんでした。ピッチングでも狙った場所に投げられませんし、キャストでも無理やり投げてる感が強いです。この領域になってくるとベイトフィネス系のリールでないと精度が保てないと感じます。
実際の飛距離データ

アプリ内では飛距離の測定機能があるため実際の飛距離も測定しました。左が今回の25IM Z TW 100-C、右が前作の23IM Zです。


キャストに使用したのはTNトリゴン70で高比重PE2号×100mにFC14lb×20m設定です。上手な方なら、もっと飛ばすんでしょうが、近距離キャストが中心の私では、最高でも58mしか飛ばせませんでした。ただ、こんな飛距離ですが私からすると他のリールより圧倒的に飛距離を出しやすく、アンタレスDCさえも超える飛距離が出ています。アンタレスDCで投げていた時よりも着水点が目視で分かるほど更に遠いためです。
なお右側は23IM ZにてPE2号にFC14lb×20m設定でTNトリゴン70を投げた際のデータです。測定した日が異なるのですが、私には大口径スプールの方が飛距離が出やすい傾向にありました。
剛性感は最高レベル

驚いたのは驚異的な剛性感と巻き上げトルクです。ノーマルギアでの検証でしたが、巻き抵抗の大きなジータでさえも楽々と巻き上げられます。このトルク感は驚異的で、巻き心地も非常に良く、シマノリールに匹敵すると感じます。
メインギアの大きさ


メインギアについては大きいと思っていたんですが実際には21ジリオンSV TWなど多くのダイワ機の搭載されているギアと同じ大きさです。そのためギアの大きさでなくボディの剛性感にて巻き上げトルクを発揮していると推測されます。


参考までに25タトゥーラ200や20カルカッタコンクエストDC201ではハイギアでの例ですが、更に大きなギアが搭載されています。
ドラグ音は電子式

25IMZはベイトリールとしては珍しい電子音ドラグとなっており、アプリ内でドラグ音を設定できます。ちなみにドラグ音1はこんな感じなのでXとインスタに動画を載せておきます。
滑らかな多板ドラグ搭載

通常、ベイトリールのドラグってカーボンワッシャーが1枚だけなのですが、25IM Zは3枚も搭載されています。これはスピニングの3000番以上でドラグ耐力を向上させるために使われる機構ですが25IM Zにもドラグ耐力向上のため搭載されています。
また、これは個人的な感想なのですが、ベイトでの多板ドラグはドラグが滑り難く、ドラグが滑らかに出る印象があります。

なお、この多板ドラグを搭載した機種は、他には21スティーズLTDしか私は把握していません。
頼もしい重量

170g台が標準となりつつある34mm径ベイトリールの中で200近い重量となっており、操作性の面ではマイナスです。ただ個人的には巻物での安定感が高くなるため、このリールの用途には有難い重さです。
デカ過ぎるサイズ

25IM Z TW 100-Cのサイズは非常に大きく、高さは21ジリオンSVと同等で大きな差はないのですが、問題は横幅です。

上から見た際の比較では25IM Z TW 100-Cの横幅は21ジリオンSV TWより明らかに大きく、ロッドに取り付けた際の操作性では明確にマイナスとなります。
勝手に目盛りが変わらないブレーキダイヤル


サイドカバー内に設定されたブレーキダイヤルは勝手に目盛りが変わることがありません。釣り場に着いた一投目でブレーキ設定が変わっておりバックラッシュといったトラブルを防いでくれます。タトゥーラのようなダイヤルむき出しのブレーキ目盛りだと勝手にブレーキ設定が変わっていることが多発します。
メカニカル調整不要の完全なオイルインジェクションキャップ

24スティーズから始まったメカニカルブレーキの完全廃止ですが25IM Zにも搭載されています。写真の通りこれまでメカニカルブレーキの役割を担っていた黒い棒がありません。

ちなみにですが25年販売のスティーズCT LTDやアルファスBFは同じオイルインジェクションキャップを謡っていますが、実際は旧型の構造にメカニカルを調整し難いカバーを付けただけです。そのため中身は従来のままメカニカルブレーキが残っており、調整が必要となっていましたが、今回の25IM Zは完全なメカニカルブレーキの撤廃となっています。
分解時にギアが取りだしやすい




24スティーズSV TWでは旧型のシャフトであり、窪みに上からハンドルで押さえつける構造になっているためシャフトが変形します。そのため分解洗浄の際にシャフトの変形部分を削らねければギアが取り出せません。25IM Zのように新型リールでは多くが対策されておりシャフトの変形がなくギアが取り出しやすくなりました。
高すぎる価格
デジタル制御に加えアプリ連動と今までに無い機能を搭載した機種ではありますが、およそ10万近くする価格は高過ぎます。開発費用込みの価格とは思うので、今後、汎用価格帯への導入が望まれます。
デメリット
近距離での操作系の釣りがやり難い

大きなボディは巻物には安定性向上で非常に有難いものの、操作を伴う釣りに於いては大きなボディは何一つ長所はありません。個人的には打ち物など近距離でのワーム戦には使いたくないです。たぶん、手を痛めます。こういった用途にはアルファスやジリオンの方が適していると感じます。
分解後の組み立てが面倒

従来のダイワ製ベイトリールはスタードラグの差し込みが〇型でしたが、25IM Zでは▢型に変更されています。これはシマノ製ベイトリールで従来使われていた機構で、メインシャフト(赤▢)とスタードラグの台座(青▢)の両方を▢の形状に合わせる必要があり分解後の組み立てが超絶面倒な機構でもあります。これを正確に合わせないとスタードラグの赤▢枠がボロボロに削れます。

なお従来のダイワ製ベイトリールではスタードラグの中心が〇型だったため、この問題は全くありませんでした。赤丸で示した金属パーツ撤去による軽量化のため、超面倒な足かせを背負っています。


なおシマノでは長らく採用されてきた機構でもありますが、この問題は解消されております。22バンタムではスタードラグの穴が〇形状に改良されており分解後の組み立てがしやすくなっています。23アンタレスDC MDでは旧型の21アンタレスDCが原型の為か従来のままです。
ギア取り出し時にはOリングから外す事

前作の23IM Zも同様の機構が搭載されていたのですが、ドラグワッシャーが動かないようにするためかメインギアとドラグワッシャーの間にOリングが搭載されています。先にドラグワッシャーから取り出し、Oリングを外した後にメインギアを外せば問題ないのですが、メインギアごと一気にシャフトから外すと、このOリングが壊れます。自分でメンテナンスする人は要注意です。
TWSがハードベイトの針に当たる


ダイワのTWS搭載機はライン放出口が上下に動くため、リールにフックを引っかけると針先が当たり傷やフックが鈍る原因になります。私はジーニアスプロダクトのフックキーパーを使うことで防止しています。
他のリールとの比較
23IM Z LIMITBREAKER TW HD-Cとの比較
キャスト性能(7g以下) | 25IM Z |
キャスト性能(10g) | 25IM Z |
キャスト性能(14g) | 同等 |
キャスト性能(21g以上) | 23IM Z |
剛性感 | 同等 |
自重の軽さ | 25IM Z |
ライントラブル耐性 | 25IM Z |
コストメリット | 同等 |
おなじIM Zシリーズでもスプール径の小さな25IM Zは10g以下のキャストに適しており一般的なバス釣りの用途であれば25IM Zの方が適していると感じます。スプールが標準的で23IM Zより軽いためかキャストも安定すると感じます。
その一方で14g以上の重いルアーが中心で更なる飛距離を求めるなら23IM Zです。スプールが大きくて重い分、若干ライントラブルは増える傾向にはありますが、23IM Zの方が上記の飛距離テストでも実際に飛距離が伸びる傾向が得られています。
22ジリオンTW HDとの比較
キャスト性能(7g以下) | 25IM Z |
キャスト性能(10g) | 25IM Z |
キャスト性能(14g) | 25IM Z |
キャスト性能(21g以上) | 25IM Z |
剛性感 | 25IM Z |
自重の軽さ | 22ジリオンTW HD |
ライントラブル耐性 | 25IM Z |
コストメリット | 22ジリオンTW HD |
スプールの特性も近くラインキャパも同じ22ジリオンTH HDとの比較ではキャストに関しては25IM Zの圧勝で22ジリオンTH HDでは全く勝ち目がありません。それぐらい25IM Zのキャスト性能は優れています。ただ22IM Zはボディがあまりに大き過ぎるため巻物以外の用途では使い難く、パンチングなど近距離戦では22ジリオンTW HDの方が使いやすいでしょう。
24メタニウムDCとの比較
キャスト性能(7g以下) | 24メタニウムDC |
キャスト性能(10g) | 25IM Z |
キャスト性能(14g) | 25IM Z |
キャスト性能(21g以上) | 25IM Z |
剛性感 | 25IM Z |
自重の軽さ | 24メタニウムDC |
ライントラブル耐性 | 同等 |
コストメリット | 24メタニウムDC |
おなじ34mm径でも24メタニウムDCだと25IM Zとは全く得意な分野が異なります。24メタニウムDCはサイズ感が小さく、かつスプールがナローのため軽量ルアーや近距離キャストに特化したリールです。そのため巻物一般なら25IM Z、近距離打ちなら24メタニウムDCといった使い分けが良いでしょう。
まとめ

今回紹介の25IM Z TW 100-Cは
・34mm径スプールの中では最も安定かつ対応範囲の広いキャスト性能
・剛性感も極めて高く巻物にも最適
・ボディが大きすぎるため操作系の釣りには不向き
とアプリで楽しめる以上に、実用性の極めて高いリールと感じます。価格も高く、操作系の釣りには適していませんが、キャストを繰り返す巻物やヘビキャロなどの遠投には最高のリールです。