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32mm径スプールなのに意外に軽量ルアーには適して無い24スティーズSV、そのシャロースプール番として販売された26スティーズSVライトには当初、全く期待してませんでしたが、完全に予想を超えてきました。
26スティーズSVライトは前作の欠点だった軽量ルアーへの対応力が桁違いに向上しており5g程度まで快適に扱えます。しかもキャストフィールが素晴らしくオーバーヘッドからピッチングまで抵抗感をほとんど感じません。バックラッシュが極めて少なく剛性感も巻き上げトルクも高く完璧と言っても過言ではないかと。
ただボディは比較的大きめで細かい操作にはアルファスやスティーズCT系には明確に劣ります。糸巻き量の少なさはPEにてカバーする必要もあり、何より価格が高過ぎるので簡単には購入出来ないリールでもあります。
今回は価格は非常に高いものの軽量ルアーを扱うには最高の性能を発揮する26スティーズSVライトを紹介します。
目次
26スティーズSVライトTWの特性

26スティーズSVライトTWは鏡面ボディですが若干、グレーよりの色に見えます。


24スティーズSVの方がシルバー色となっており、25スティーズCT LTDだと更に金属感の強い色味になります。
外観
24スティーズSVと同様に26スティーズSVライトTWは32mm径リールとしてはサイズが大きいのが特長です。

横幅も広く21ジリオンSV TWとは同サイズで、ボディサイズが小さい21アルファスSVより明らかに幅広です

高さも21ジリオンSVより僅かに低い程度で21アルファスSVよりも体高の有るボディとなっています。このため細かい操作ではボディの小さなアルファスやスティーズCTに明らかに劣りますが、その反面、後述の通りジリオンをも圧倒するパワフルな巻き上げトルクが魅力となっています。
スプール外観


26スティーズSVライトTWのスプール径は32mmであり実測でも31.9mmと21ジリオンSVの34mm径よりは一回り小さいサイズです。


幅も22.5mmでジリオンの24mm幅より僅かにナロー化されています。


ただナロー化は最低限しかされておらず、ナロースプール搭載のスティーズCTやメタニウムに比べると幅広のスプールのためスプール目減りが抑えられる設計となっています。
スプール重量


スプール重量は11.5gで24スティーズSVより僅かに重めです。


ただ糸巻き量が少ないため、糸巻き後のスプール重量は軽量化されています。FC12lb×40mで17.0g、高比重PE1.5号×50m+FC12lb×10mで16.1gとなります。PEを導入すると約1g軽量化できる上に糸巻き量を確保できます。
新型TWS


26スティーズSVライトTWは新型のTWSが採用されており、見た目には大きな違いはありませんが内部幅が広がっています。この恩恵なのかキャスト時の爽快感が桁違いに上がっています。
キャスト性能
最高の糸抜け感

26スティーズSVライトTWのキャストフィールは一言で言って最高で糸抜け感が桁違いです。キャスト時にブレーキが掛っていないような糸抜け感を感じられます。

この糸抜けの良さは通常のキャスト時だけでなくピッチングでも感じられます。従来のSVブレーキはルアーが引っ張られるような抵抗感を感じる事が多かったのですが、SV BOOSTと新型TWSの相乗効果なのかキャストが非常に爽快でフラッグシップに相応しい性能です。
フロロでのキャスト性能
24スティーズSVをインプレした際、近年の32mm径リールにしては軽量ルアーへの対応力が悪く7〜10gぐらいが適正でしたが、26スティーズSVライトは軽量ルアーのキャスト性能が明らかに向上しています。


ワイルドハンチだけでなく24スティーズSVでは若干バックラッシュしやすかったフラットサイドクランクもノーサミングで投げられます。スプールが浅溝化しただけとは思えない変化です。


ベイトフィネスで扱うようなソウルシャッド58までも快適にキャスト出来ましたが、空気抵抗の大きなガストネード72となるとバックラッシュが多発します。
ベイトPEなら5gまで快適かつ糸巻き量も確保


PEを導入することでスプールが軽量されフロロではバックラッシュしやすい5gのダブルフロップでさえ安定してキャスト可能となります。ベイトPEの詳細は別記事で紹介しております。

ワーム系では5gぐらいのスワンプクローラーのネコリグや5インチカットテールのノーシンカーワッキーまでピッチングで快適に投げられますが、レインズスワンプミニぐらいのサイズになるとキャストが定まりません。そのため下限は5gといったところです。


因みにPEの素晴らしい点は糸が細く糸巻き量が確保できるため浅溝スプールにも関わらず、ある程度の遠投も可能となる事です。写真では高比重PE1.5号を50m+12lbリーダー10mを使用しているため、バイブレーションやヘビキャロなどの遠投ではない限り、普通のクランクやスピナーベイトも糸巻き量を気にせずキャスト可能となります。
ブレーキの緩めすぎには要注意

ただし要注意なのがスプールのレスポンスが良過ぎる点です。フロロでは問題になり難いですが、PEを使うとスプールが余りにも軽くなりすぎます。またトラブルが少ない機種のため、ブレーキを目盛3~4まで緩めても全くバックラッシュが発生しません。ついブレーキを緩めてしまいます。

その状態で10g以上のルアーを普通にキャストするとスプールが回り過ぎてバックラッシュが発生します。そのためブレーキの緩めすぎには注意が必要です。
従来のHYPERDRIVEデザイン以上の剛性感と巻き上げトルク

24スティーズSVと同様に26スティーズSVライトも剛性感がダイワ機の中で突出して高く、ジリオンやアルファスなどの機種を上回り、リョウガやシマノ機に近い巻き上げトルクを発揮します。抵抗の大きなルアーの巻き取りが容易で、カバーファイトでもパワー負けしません。またトルクが高いにも関わらず巻き感は軽くシマノ機のような重厚な重い巻き感もありません。
ドライブギアが大きい


どうも26スティーズSVライトのドライブギアは他のリールより一回り大きいサイズが使用されているようです。26スティーズSVライトTWのハイギア(7.8:1)ではギア直径が37.1mmですが、22ジリオンHDのハイギア(7.1:1)では36.5mmしかありません。


ジリオンやスティーズCTではメインギアが共用のようで、かつ、ノーマルの6.3:1が最もギア比が小さくハイギア、エクストラハイギアになるにつれギア直径が大きくなります。26スティーズSVライトTWはハイギアにも関わらず25スティーズCTのエクストラハイギアと同サイズのギアが入っており、これが巻き上げトルクの強さに貢献していると推測されます。
新型ギアで巻き心地向上


HYPER DRIVEデザイン以降はギアが凸の形状に進化しており、旧型の17スティーズA TWのような△形状ギアに比べ巻き心地が大きく向上しています。21スティーズLTDから導入された機構ですが、26スティーズSVライトにも当然、導入されています。
軽く操作しやすい重量

比較的大きなボディの割に重量は軽く公式でも実測値でと160gとなっており、操作を伴う釣りでも疲れ難い重量です。
ドラグ音でファイトも安心


26スティーズSVライトにはドラグ音が備わっており、大物が掛かった際にも安心のファイトが可能です。同じ軽量ルアー向けのリールでも下位機種の21アルファスSV TWには無い機能で、ドラグファイトが必須となるフロロ12lb前後の釣りでは大きなマイナスとなります。
勝手に変わらないブレーキ目盛り


ブレーキ目盛りもボディ下部に配置されておりロッドを複数束ねた際などでも勝手に目盛りが変わりません。低価格帯のタトゥーラTWなどでは目盛りが露出しており、勝手に目盛りが変わるため、釣り場に着いてからの1投目でトラブルになりチャンスを台無しにする可能性があります。


またジリオンやアルファスのようにブレーキダイヤルが露出しすぎていないのもポイントです。21ジリオン SV TWや21アルファスSV TWでは稀にブレーキダイヤルに手が当たり目盛りが変わってしまいますが、26スティーズ SVライトは目盛りの露出部が少なく、勝手に目盛りが変わらないよう対策されています。
価格はフラッグシップ
価格についてはフラッグシップの価格で簡単に購入できる価格では有りません。ですが32mm径スプールにて、これだけ剛性感が高く、バックラッシュも抑えられ、キャストの糸抜け感も良く、かつ5gまでの軽量ルアーに対応できるリールは他には有りません。価格に相応しい価値があると感じます。
デメリット
TWSがハードベイトの針に当たり過ぎる

24スティーズSVと同様に26スティーズSVライトではフックとTWSの干渉が大き過ぎてクラッチが戻りません。以前の機種では注意レベルでしたが26スティーズSVライトはTWSの大型化の影響か、より一層酷くなっています。


特にTWS搭載機はライン放出口が上下に動くため、リールにフックを引っかけると針先が当たり傷やフックが鈍る原因になります。私はジーニアスプロダクトのフックキーパーを使うことで防止しています。
分解時にギアが取り出しにくい




26スティーズSVライトは残念ながらハンドル取り付け部が旧型の構造になっておりハンドル部分を上からビズで押し込む形のため、シャフトが変形し分解の際にギアが取り出せなくなります。ギア取り出しのためにはシャフトをヤスリなどで削る必要があり、精密機器としては致命的な弱点となっています。21ジリオンSVなどの近年の機種ではナットに交換されており対策されていたのですが、いまさら問題のある旧型の構造を採用されたのは残念でしか有りません。
スタードラグの組み立てが面倒に


メーカーWEBサイトでも紹介されいてる通りスタードラグが新型に変更されており、ドラグ調整のクリック音部分でもジリオンのような従来機にあった金属パーツが排除されています。

ただ分解後の組み立てが非常に面倒で、従来のダイワ製ベイトリールはスタードラグの差し込みが〇型でしたが、26スティーズSVライトでは▢型に変更されています。これはシマノ製ベイトリールに多い形式で、メインシャフト(赤▢)とスタードラグの台座(青▢)の両方を▢の形状に合わせる必要があり分解後の組み立てが超絶面倒な機構でもあります。これを正確に合わせないとスタードラグの赤▢枠がボロボロに削れます。


なおシマノでは長らく採用されてきた構造でもありますが近年では解消されております。23アンタレスDC MDでは旧型の21アンタレスDCが原型の為か従来のままですが、22バンタムではスタードラグの穴が〇形状に改良されており分解後の組み立てがしやすくなっています。
メカニカルブレーキが存在しない

26スティーズSVライトにはメカニカルブレーキ自体が存在しません。写真の部分を締めてもスプールを支えるシャフト自体が無くなっています。ダイワ機に慣れている方なら問題ないですが、シマノ機などメカニカルを触る機会が多い人は戸惑うかもしれません。
他のリールとの比較
24スティーズSV TWとの比較
| キャスト性能(5g以下) | 26スティーズSVライト |
| キャスト性能(7g) | 26スティーズSVライト |
| キャスト性能(10g) | 同等 |
| キャスト性能(14g) | 同等 |
| キャスト性能(20g以上) | 24スティーズ |
| 剛性感 | 同等 |
| 自重の軽さ | 同等 |
| ライントラブル耐性 | 同等 |
| コストメリット | 同等 |
スプールしか変わらない26スティーズSVライトと24スティーズSVですが、個人的には26スティーズSVライトの方が32mm径リールとしては適してるかと思います。だって軽量ルアーを投げたいから34mmでなく32mm径のリールを買うわけで、24スティーズSVは正直言って7g以下のルアーは投げにくいです。
これから新規で導入する人には26スティーズSVライトの方がオススメですし、すでに24スティーズSVを持ってる方はスプール交換をお勧めします。
また重いルアーを扱うなら現状では34mm径のジリオンがオススメで、スティーズのキャスト感が欲しい人は新形スティーズAが出るまで待ちましょう。
25スティーズLTD CT SV TWとの比較
| キャスト性能(5g以下) | 25スティーズCT |
| キャスト性能(7g) | 同等 |
| キャスト性能(10g) | 26スティーズSVライト |
| キャスト性能(14g) | 26スティーズSVライト |
| キャスト性能(20g以上) | 26スティーズSVライト |
| 剛性感 | 26スティーズSVライト |
| 自重の軽さ | 25スティーズCT |
| ライントラブル耐性 | 同等 |
| コストメリット | 同等 |
26スティーズSVライトの軽量ルアー適正が上がったと言ってもCTには勝てません。特に5g前後になるとCTの方が圧倒的に有利で、かつボディも小さく軽いため繊細な操作がしやすく感じます。なのでベイトフィネス分野ではCT、7~10gまで使うなら26スティーズSVライトといった使い分けがお勧めです。
21アルファスSV TWとの比較
軽量バーサタイルでは価格帯は全く異なるものの32mm径のナロースプールを有する21アルファスSVは19スティーズCTに非常に近い性能を持っています。
| キャスト性能(5g以下) | 26スティーズSVライト |
| キャスト性能(7g) | 26スティーズSVライト |
| キャスト性能(10g) | 26スティーズSVライト |
| キャスト性能(14g) | 26スティーズSVライト |
| キャスト性能(20g以上) | 26スティーズSVライト |
| 剛性感 | 26スティーズSVライト |
| 自重の軽さ | 26スティーズSVライト |
| ライントラブル耐性 | 同等 |
| コストメリット | 21アルファスSV |
使うまでは21アルファスSVの方が軽量ルアーは投げやすいと思っていましたが、実際に使ってみると全ての面で26スティーズSVライトの方が上です。価格差もあってか、投げやすさ、キャストフィール、剛性感、軽さの全てで26スティーズSVライトが優れます。
唯一コスト以外で21アルファスSVが有利なのはボディが小さい事であり、繊細な操作が求められる釣りではアルファスの方が有利です。でも、そんな釣りなら25アルファスBFの方が適しているとは思います。
まとめ

今回紹介の26スティーズSVライトTWは前作の24スティーズSVとは異なり32mm径らしく軽量ルアーが非常に扱いやすく5g以上なら快適にキャスト可能です。そのキャストフィールも素晴らしくピッチングも低弾道で決まり、剛性感も高く軽いため、殆ど欠点が有りません。
ちょっとボディサイズが大きくベイトフィネス分野となるとCTやBF, Air機の出番とはなりますし、高価でもあるもの、価格に見合った性能を持ったリールです。





