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イグジストやステラなど多くのハイエンド機種も使って来ましたが、正直に言ってライトリグ系の釣りなら24ルビアスさえあれば十分です。特にスピニングに関してはライトラインを多用するためドラグが命ですが、24ルビアスはイグジストにも劣らないドラグ性能をもっているため実釣で全く困りません。
加えて22イグジストから搭載された新型ローターが24ルビアスにも搭載された事で巻き感も非常に軽くなっています。樹脂ボディのため自重も十分に軽い反面、モノコック構造のためか樹脂ボディでは考えられないほど剛性感が高く仕上がっています。
ただドラグ性能を十分に発揮するためにはドラグへのベアリング追加が必須であり多少手間がかかるのが難点です。また巻き心地も悪くは無いものの巻き抵抗のあるルアーを巻く際には剛性感の高いリールとは差を感じます。
今回はハイエンド機種には僅かに剛性感は劣るもののライトリグでは十分な性能を持った24ルビアスを紹介します。個人的な評価は以下の通りです
★5が満点 | |
重量の軽さ | ★★★★☆ |
巻きの軽さ | ★★★★★ |
剛性感 | ★★★★☆ |
ドラグ性能 | ★★★☆☆ |
ライントラブル耐性 | ★★★★★ |
コストメリット | ★★★☆☆ |
目次
24ルビアスの特性
24ルビアスは昨今の物価高にて決して安くない価格になりましたが汎用価格帯に属するため白ケースとなっています。
なお性能面に関しては汎用価格帯の製品のためハイエンド機種の特性を引き継いだ部分が多く、これから記載する内容もイグジストやエアリティで記載した内容と殆ど変わりません。新型ローターやドラグ性能については共通する点が多く記載内容も大差ありません。個人的に差を感じたのは剛性感ぐらいです。
新型エアローターの軽快な巻き心地
24ルビアスの最大の改良点がローターです。22イグジストで導入された新型ローターが多くの下位機種に搭載されており、24ルビアスにもつきました。この新型ローターは非常に軽快で巻きが軽いためライトラグとの相性は抜群です。
マグシールド感が非常に少ない
もう一つの24ルビアスの特徴がマグシールドベアリングの数が少なく巻き抵抗が少ない事です。22イグジストで搭載されていたドライブギア両端のマグシールドですが、24ルビアスでは分解図などで確認する限り通常のベアリングとなっています。22イグジスト以降の機種ではドライブギア両端のマグシールドは見られず、よほどマグシールドが不評だったのか予算の関係なのかは不明です。
このマグシールドの少なさにより巻きが軽快になり、特に低速で一定に巻き続けるI字系の様な釣りでは巻き抵抗の少なさを実感出来ます。マグシールドは耐久性ではプラスなのでしょうが巻き重りが酷く、個人的にはバスの用途ではマイナス面が大きいと感じます。
ベールを起こした際の音
従来のエアベールではベールの開閉で音がありませんでしたが、新型ローターにて音付きになり、ベール開閉が分かり易くなりました。
ベールのナットが消えた
これもネジ穴が片面のみで見えにくくなることで見た目の高級感に繋がっています。おそらく水の侵入防止にも効果があると思われます。
初期のドラグ性能は低価格帯並みに低い
ドラグ性能は以下手順で確認しました。ラインが1秒で30cm出る設定でドラグを800gに設定し、そこから低速 (10cm/s)と高速(90cm/s)でのドラグ値を10回以上計測し、おおよその平均値を記載しました。手作業のためブレが非常に大きい実験ではありますが、結果は以下の通りです。
ドラグ速度 | 24ルビアス | 23エアリティ | 24ヴァンォード |
スプール径 | 45φ | 48φ | 47φ |
低速(10cm/s) | 700g | 500g | 700g |
普通(30cm/s) | 800g | 800g | 800g |
高速(90cm/s) | 1,000g | 900g | 1,100g |
23エアリティ:23エアリティPC LT3000
24ヴァンォード:24ヴァンフォード2500S
ただ結果は表題の通りですが、23エアリティとは比較にもならず価格帯の近い24ヴァンフォードより僅かにマシといった結果でドラグ性能が良いとはとても言えません。
ベアリング追加でイグジスト同等までドラグ性能が進化
なお24ルビアスはスプール内が金属カラーであり、スプールを支えるシャフトが樹脂カラーになっているためベアリングに交換出来ます。ベアリングに交換した際のドラグ性能は以下の通りです。
ドラグ速度 | 24ルビアス* | 22イグジスト | 22ステラ |
スプール径 | 48φ | 48φ | 47φ |
低速(10cm/s) | 500g | 500g | 600g |
普通(30cm/s) | 800g | 800g | 800g |
高速(90cm/s) | 900g | 900g | 1,000g |
22イグジスト:22イグジスト LT3000
22ステラ:22ステラC3000SDH
ベアリング追加により24ルビアスのドラグ性能は劇的に向上し数値的には22イグジストと同じとなりました。数値的には22ステラさえも上回る結果となっております。高価なパーツでは無いため交換を強くお勧めします。なお改造となるためメーカー保証を受けたい方は純正の交換キットを選んでください。
重量の軽さ
汎用価格帯ではあるものの24ルビアスの重量は樹脂ボディのためか23エアリティと近い軽さに抑えられています。これだけ軽ければライトリグを扱う上で全く問題は有りません。
持ち重り感の軽減は感じられない
24ルビアスはボディ本体がカーボン樹脂で軽量化されているためかバランス感の改善は見られません。この点に関しては番手によって変わる可能性が高いですが、少なくとも24ルビアスのLT2500Sでは重心がボディでなくスプールに傾いています。なお23エアリティのPC3000ではリール本体が大きく、スプール側より本体に重心が集まるため持ち重りが軽減されています。
ただ23エアリティのバランスとは言ってもシマノのステラやヴァンキッシュに比べると重心位置は変わりません。元々ダイワのスピニングはスプールがボディに対し大きめであったため、ダイワだけの問題であったように思われます。
樹脂ボディでは考えられない巻き心地
24ルビアスは軽量の樹脂ボディにも関わらず非常に巻き心地が良く剛性感も非常に高く感じます。ひと昔前のダイワ機とは比べ物にならない程の進化を感じます。
巻き抵抗の大きなルアーでは剛性感が不足
24ルビアスについて室内での空回しや糸フケを取る際には決して剛性感は悪くないと感じますが、ただ、ある程度の巻き抵抗の有るルアーを巻いた際には金属ボディの23エアリティや、シマノの23ヴァンキッシュとは明確に差を感じます。価格帯も異なるため仕方ない点ですが抵抗の大きなルアーを扱う釣りには向いてません。
ライントラブル対策
新型ローターになってからシャフトへの糸絡み防止ベールも改善されています。従来の機種では糸絡み防止が甘く絡みやすい傾向にありました。
ただ糸絡み対策に関してはシマノの方が一段上です。シマノのスピニングは全般的にシャフトへの糸絡み防止ベール部分が大きくスプールとの隙間が殆ど無いため糸絡みが滅多に発生しません。
ローター回転防止にもカバーが付いた
エアリティ
ダイワはベールを起こした際の回転防止を写真の突起で対応しており、ベールを起こした時だけ突起が出ることで回転防止の役割を果たしています。ただ従来のローターだと、この突起にPEラインが絡みやすく、また一度絡まると切る以外の選択肢がありませんでした。新型ローターではこの部分も改善されています。
少々高くなったが、まだ汎用価格帯のコスト
ルビアスは汎用価格帯の機種として性能と手ごろな価格を両立してきた機種ですが昨今の物価高にて決して安いとは言えない価格になっています。ただスピニングでのライトラインの釣りをするには、これぐらいの性能は必須と感じます。
デメリット
マグシールドの僅かな巻き重り
24ルビアスも23エアリティ同様に新型ローターにて巻き感が非常に軽くはなったもののマグシールドの影響は残っており、シマノの23ヴァンキッシュ、24ヴァンフォードには巻きの軽さが劣ります。巻きの軽さだけを求める場合にはシマノ機の方が優位です
スプールのカラーはベアリングに交換必須
汎用価格帯の製品のためドラグには全くベアリングが入っておらず性能UPのためにはベアリングへの交換を強く推奨します。
ヘッジホッグやダイワ純正の交換キットの場合、六角レンチも付属でついてきますが、上記のベアリングは単体での販売となります。樹脂カラー交換の際には0.89mmの六角レンチが必要となるので、併せて準備してください。
ただし改造となるため保証の対象外とはなる点には要注意でメーカー保証を受けたい方には純正のベアリングを選んでください。
あると便利なスタンド
スピニングリール全般に当てはまる件ですが、スプールに傷が入るとキャストの度にラインに傷がつくため致命傷となります。普段は直置きについて注意していても、良型が釣れた際にはタックルと合わせて写真を撮ることも多いでしょう。ただ、このタイミングが最も危険で魚が暴れ一瞬でリールが傷物になります。
多少の重量増にはなりますが、私はリールスタンドを愛用しており、これでリールが直に地面に触れる可能性は無くなります。フックキーパーも付属しており、ニッパーで切って改造すればオフセットフックやシンカーも対応可能です。
他のリールとの比較
24ヴァンフォードとの比較
重量の軽さ | 同等 |
巻きの軽さ | 24ヴァンフォード |
剛性感 | 24ヴァンフォード |
ドラグ性能 | 24ルビアス |
ライントラブル耐性 | 同等 |
コストメリット | 24ヴァンフォード |
汎用価格帯での比較では24ルビアスの対抗馬は24ヴァンフォードとなります。ただ個人的にはライトリグの釣りでは24ルビアスと24ヴァンフォードなら24ルビアスの一択です。と言うのも切れやすいライトラインでの釣りにはドラグ性能が必須のためです。
各項目の比較では24ヴァンフォードが優位にはなっていますが、ライトラインを想定した釣りではドラグ性能の悪さが致命傷と感じます。24ヴァンフォードの詳細は別記事で紹介しております。
23エアリティとの比較
重量の軽さ | 23エアリティ |
巻きの軽さ | 同等 |
剛性感 | 23エアリティ |
ドラグ性能 | 同等 |
ライントラブル耐性 | 同等 |
コストメリット | 24ルビアス |
ハイエンドとの比較では24ルビアスが可哀そうに見えますが、やはり23エアリティとは明確な差を感じます。ライトラインでの繊細な釣りでは24ルビアスでもドラグ性能や操作感を含めハイエンドに並ぶ性能を発揮しますが、問題は剛性感です。抵抗の掛かった状態で巻くときには、やはり23エアリティの方が頼もしくハイエンドの安心感があります。3000番を超える番手では自重も23エアリティが軽く、汎用価格帯の24ルビアスでは勝てません。23エアリティの詳細は別記事で紹介しております。
まとめ
今回紹介の24ルビアスは
・手ごろな価格に加え巻きの軽さと重量の軽さの両立
・ドラグ性能を生かすためにはベアリング追加が必須
・巻き心地も非常に良いがハイエンド機種には剛性感が劣る
となっておりベアリング追加の手間は掛かるもののライトリグを扱う釣りでは全くハイエンド機種にも劣らないリールです。ただ剛性感を求める釣りには適していないためセルテートやツインパワーといった機種との使い分けは必須です。