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悪い言い方をすると注目を受けることが少ない機種がアルファスでしたが、21年のモデルチェンジで大化けし、主力機にまで登りあがった印象です。メーカーも想定していなかったのか販売翌年の22年にはシャロースプールモデルを追加投入するほど力が入っています。特に優秀な点として32mm径のナロースプールによる近距離キャストの快適さとスティーズやジリオン以上のコンパクトボディが挙げられます。
広範囲を探る巻物に向いているとは言いにくいですが、逆に野池などの近距離戦やジャークベイトなど操作系の釣りにはスティーズ以上の性能を発揮します。この性能がスティーズの半額以下で入手できることが人気の秘訣なのでしょう。今回は近距離操作に特化したベイトリールとして21アルファス SV TWを紹介します。
21アルファス SV TW個人的な評価は以下の通りです
★5が満点 | |
キャスト性能(5g) | ★★★☆☆ |
キャスト性能(7g) | ★★★★★ |
キャスト性能(10g) | ★★★★★ |
キャスト性能(14g以上) | ★★★★★ |
ライントラブル耐性 | ★★★★★ |
剛性感 | ★★★☆☆ |
巻物適正 | ★★☆☆☆ |
コストメリット | ★★★★★ |
目次
21アルファスSV TWの特性
外観は昔からのアルファスを踏襲しておりますが、シルバー基調のためか低価格のリールには見えません。TWSが付いただけのように見えますが中身は一新されています。
スプール
スプールは32mm系×21mmとダイワでは少ない小口径かつナロースプール設定です。34mm径のSV BOOSTとの比較では一回り径が小さくなっています。
またスプール幅も21mmとダイワで通常の24mm幅より狭くなっています。
因みにですが20メタニウムなどシマノのナロースプールはカタログスペックでは19mm幅と更に狭く見えますが、実際に21mm幅の21アルファスSVと比べると差が無く計測方法の差と思われます。このため21アルファスSV TWは20メタニウムと同様に軽量ルアーへの対応力は抜群となっています。
その一方でスプール重量は軽いとは言えず通常のSVスプールの11gより1gも重くなっています。7g以下のキャスト性能としては大きなマイナスですが、ナロースプールの効果がキャスト性能を補っています。
糸巻後の重量でもフロロ12ポンド×80mで22gと軽いとは言えない重量です。なお高比重PE2号×75m+フロロ14ポンド×20mの設定では18gと4gの軽量化が可能です。
キャスト性能
スプール重量ではマイナス要素が大きいものの32mm径×21mm幅の小口径ナロースプールが驚きのキャスト性を発揮します。スティーズやジリオンなど通常SVスプールではキャスト精度が出ない7g程度の4インチセンコーやPOP-Xでも21アルファスSVなら軽快にキャストできます。5gではキャスト精度が下がるためお勧めは7~14g程度ですが30g近くのルアーも扱えます。
PE設定でも安心のトラブル耐性
私はスピニングだけでなくベイトも全てPEセッティングを導入しており約20mリーダーを採用しています。やや遠い距離となるとPEもスプールから出てくるセッティングですが、爆風時でもほとんどトラブル無くキャスト可能なSVスプールは釣りを快適にし、釣る事だけに集中させてくれます。
バックラッシュが極端にすくないためPEラインも快適に使用でき、スプール重量も軽量化できるため近距離のキャスト性が更に強化できます。小口径スプールは糸癖が問題になりがちですが、糸癖を伸ばして取り除くのがリーダー部分のみで完了することも見逃せません。PE設定の詳細については別記事で紹介しています。
アルミフレームの剛性感とHYPERDRIVEデザインの巻き心地
価格からは考えられないほど素晴らしい剛性感となっています。HYPER DRIVEデザイン以降はギアが△でなく凸の形状に代わっており、この恩恵で旧世代の16ジリオンSV TWなどに比べ巻き心地は格段に進化しました。
ただしハイエンドの21スティーズLTD SV TWと比べるとギアの構造は同じですが巻き心地は一段劣ります。マイクロモジュールを搭載したシマノの20メタニウムなどにも巻き心地の面では勝てません。
必用十分な軽量化
メインフレームとサイドカップにはアルミを採用し剛性を高めていますが、一部にはプラスチックを導入することで軽量化につなげています。個人的な意見ですがMクラスのロッドには170g前後のリールが最もバランスが良いと感じています。
超コンパクトボディで握りやすい
ナロースプールの恩恵はキャスト性能だけでなくパーミング性も向上させています。21ジリオンとの比較でも一目でわかるほど横幅が短いため、ロッドに取りつけた際にもコンパクトに感じ実際の操作もしやすくなっています。
ブレーキダイヤルが干渉しにくくなった
従来品はブレーキのダイヤルが剥き出しになっており、移動の際などに勝手に数値が変わり、釣り場に着いた一投目でトラブルが良く発生しました。21アルファスでは対策されており、ロッド複数本束ねても数値は変わっていません。
ただしブレーキ目盛りが勝手に変わらない点に関してはスティーズの方が優秀です。21スティーズLTD SV TWではサイドカバー内に目盛りが内蔵されており、19スティーズCT SV TWでも露出部分が少なくなっています。こういった細かい点はハイエンドには一歩及びません。
分解時にギアが取り出しやすい
左が21アルファスSV、右が17スティーズA TWの比較です。旧型の17スティーズA TWはシャフトの窪みに上からハンドルで押さえつける構造になっているためシャフトが変形し、分解洗浄の際にシャフトの変形部分を削る必要があります。21ジリオンなどのHYPERDRIVEデザイン以降の新型リールでは対策されておりシャフトの変形がなくギアが取り出しやすくなりました。
コストメリット
近距離のキャストやワームなどの操作性ではスティーズ以上の性能と言える21アルファスですが、実売価格はスティーズの約半値、21ジリオンよりも5千以上安い販売額となっているため、汎用性ではジリオンやスティーズには劣りますが、用途さえ合えばスティーズ以上の活躍をするリールです。
デメリット
ナロースプールによる目減り
21アルファスSV TWはダイワで通常幅の24mmより3mm狭い21mm幅のナロースプールを搭載しています。そのため軽量ルアーのキャストには効果的ですが遠投ではスプール目減りが大きく、キャスト直後と回収間際では巻き感が大きく異なります。
フロロ16ポンドをスプール限界まで巻いた後、40mスプールから出した際のスプールの目減りを確認します。まずは21アルファスSV TWです。スプール径が4mmは目減りしています。
続いて通常の24mm幅の21ジリオンSVです。目減りは3mmに留まっており巻き感の変化が少なく抑えられています。
この手のリールで遠投をすることは少ないため問題にはなりにくいですが、ナロースプールのため遠投後のスプール目減りは大きく巻きムラが発生します。そのため遠投には34mm以上の通常幅のリールがお勧めです。
ダイワ特有のカチャカチャ音は有り
ハイパードライブデザインではあるもののスプールは通常のSVスプールのためベアリングが固定されていないません。そのため性能には問題在りませんがダイワ特有のカチャカチャ音は健在です。写真右のSV BOOSTスプールではスプール重量はアップするものの、ベアリングが黒いスペーサーとバネで固定されているためベアリングが動かずカチャカチャ音がしません。
ドラグ音が無い
低価格帯のため仕方ない点ですがドラグ音がありません。21ジリオンSV TWはドラグ音が搭載されておりドラグを効かせたファイトに向いています。このためジリオンはバスだけでなく、バスより引きの強いシーバスやクロダイなど幅広いルアーフィッシングに対応可能です。しかし21アルファスSV TWはドラグ音が無いため少々、ドラグファイトに適しているとは言えません。
ハンドルには樹脂カラーのためベアリングに要交換
改造となるためメーカー保証の対象外とはなりますが、ベアリング追加で巻き感が大きく向上します。交換箇所はハンドル4ヶ所全てとレベルワインダーのサイドカバー部分の計5ヶ所です。中価格帯リールのため交換の数が多いのですが、巻き感が大きく向上するお勧めのチューンです。
TWSがハードベイトの針に当たる
ダイワのTWS搭載機はライン放出口が上下に動くため、リールにフックを引っかけると針先が当たり傷やフックが鈍る原因になります。私はジーニアスプロダクトのフックキーパーを使うことで防止しています。
他のリールとの比較
21ジリオンSVとの比較
キャスト性能(5g) | 21アルファスSV |
キャスト性能(7g) | 21アルファスSV |
キャスト性能(10g) | 同等 |
キャスト性能(14g) | 21ジリオンSV |
剛性感 | 同等 |
巻物適正 | 21ジリオンSV |
ライントラブル耐性 | 同等 |
コストメリット | 21アルファスSV |
21アルファスSVの性能は非常に高くコストメリットも最高クラスですが、あくまで近距離や操作に特化したであり汎用性では21ジリオンSVに劣ります。21ジリオンは巻きから打ちモノまで何でも対応可能であり34mm径×24mmの従来幅のスプールの為、遠投でのスプール目減りも気になりません。交換スプールも多く用途に応じたカスタムも可能です。近距離の操作特化には21アルファスが最適ですが、迷った場合には汎用性の高い21ジリオンSVをお勧めします。21ジリオンSVの詳細は別記事で紹介しております。
20アルファスAIRとの比較
キャスト性能(5g) | 20アルファスAIR |
キャスト性能(7g) | 同等 |
キャスト性能(10g) | 21アルファスSV |
キャスト性能(14g) | 21アルファスSV |
剛性感 | 同等 |
自重の軽さ | 20アルファスAIR |
ライントラブル耐性 | 同等 |
コストメリット | 21アルファスSV |
20アルファスAIRとはスプールが全く違うため特性が大きく異なります。20アルファスAIRは28mm径の超小口径スプールの為、5g以下の3gルアーでも軽快にキャストできます。その反面扱える上限は7gで、それ以上のルアーは扱いにくく糸巻量も不足します。
なお20アルファスAIRと21アルファスSVはボディも共通で、キャスト性能以外では重量ぐらいしか差がありません。20アルファスAIRはハンドルが僅かに短いため若干ですが軽量になっています。20アルファスAIRの詳細は別記事で紹介しております。
19スティーズCTとの比較
キャスト性能(5g) | 19スティーズCT |
キャスト性能(7g) | 同等 |
キャスト性能(10g) | 同等 |
キャスト性能(14g) | 21アルファスSV |
剛性感 | 21アルファスSV |
自重の軽さ | 19スティーズCT |
ライントラブル耐性 | 同等 |
コストメリット | 21アルファスSV |
21アルファスSVは19スティーズCTと同様に軽量バーサタイルとしては抜群の性能を持っていますが、より軽量ルアーに適しているのが19スティーズCTです。特に5g以下のルアーには21アルファスではキャストが定まりませんが19スティーズCTは快適にキャスト可能です。自重も19スティーズCTの方が軽く軽量ルアーには完璧な性能を誇っています。19スティーズCTの詳細は別記事で紹介しております。
一方、21アルファスは7g以上であれば全く同等の性能を誇り20g以上のルアーも快適に扱えます。アルミボディと新型ギアで剛性感も非常に高く19スティーズの半額以下の価格で入手できます。どちらも汎用性の高い機種ですが、5g以下を扱うかどうかで選ぶと良いでしょう。
20メタニウムとの比較
キャスト性能(5g) | 21アルファスSV TW |
キャスト性能(7g) | 21アルファスSV TW |
キャスト性能(10g) | 20メタニウム |
キャスト性能(14g) | 20メタニウム |
剛性感 | 20メタニウム |
巻物適正 | 20メタニウム |
ライントラブル耐性 | 21アルファスSV TW |
コストメリット | 21アルファスSV TW |
21アルファスSV TWと20メタニウムは共にナロースプールを搭載した近距離特化リールとなります。ですが32mm径の21アルファスSV TWはより軽量ルアーに適しており7g以下をキャストする事が多い場合にお勧めです。
一方で20メタニウムは34mm径スプールのため10g前後のキャストに適しております。剛性感もより高くカバーからバスを引き抜く釣りにも最適です。20メタニウムの詳細は別記事で紹介しております。
まとめ
21アルファスSVは
・近距離での操作系の釣りには最高レベル
・剛性感やトラブル耐性も全く問題なし
・遠投や巻物の釣りには不向き
と近距離特化のリールとなっており、価格もスティーズのおよそ半額となります。野池の釣りや近距離キャストが多い状況、またワームやジャークベイト、トップなど操作を伴う釣りにはコンパクトなボディで操作性も抜群です。遠投や巻物に向いてるとは思えませんが、用途次第ではスティーズ以上の性能を発揮する一台です。