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細PEの2台巨頭を担うと言っても過言では無いソルトウォーターフィネスPE。特徴としては実際の細さ以上の抵抗感の少なさとキャストフィールであり、圧倒的に糸がしなやかで表面もツルツルに感じます。この点に関しては細PEで有名なリアルデシテックスを遥かに凌駕します。そのため細PEで主に使用される数グラムルアーのキャストフィールが飛躍的に向上します。
柔らかいためか結束強度も安定して出やすく強度も安心ですが、柔らかいが故にライントラブルは発生しやすく、定期的にエアノットが発生します。この点に関してはリアルデシテックスに完全におとります。
今回は細PEの代名詞であるソルトウォーターフィネスPEを紹介します。個人的な評価は以下の通りです。
★5が満点 | |
細さ | ★★★★★ |
強度 | ★★★★☆ |
耐摩耗性 | ☆☆☆☆☆ |
耐久性 | 検証中 |
滑り性 | ★★★★★ |
硬さ | ★★☆☆☆ |
コスト | ☆☆☆☆☆ |
目次
ソルトウォーターフィネスPEの特徴


ソルトウォーターフィネスPEの外装は高級感あふれる仕様となっています。

また内装にも拘りが見られ、購入者向けのメッセージまで記載されています。
細PEって何が良いのって人にはこちら
以下にソルトウォーターフィネスPEの特徴は記載するのですが、そもそも細PEって何が良いの?どんな釣りに使えるの?って話は、こちらの記事を参考願います。
太さ


SV BOOST PEにソルトウォーターフィネスPEの0.4号を75m巻いた時の写真です。ソルトウォーターフィネスPEの細さは規格通りで、0.8号×75mが8~9割巻けるSV BOOST PEにて、ちょうどハーフラインの7~8割に留まっています。なおリアルデシテックスも同等の太さです。


参考までに0.8号と1.0号を巻いた際の状態も載せます。0.8号だとスプールの8~9割となり、1.0号だと、ほぼ満タン状態となります。
強度

0.8号をFGノットでの結束強度を測定した結果です。計測は5回行い平均、最大、最小の強度を示します。
ソルトウォーターフィネスPE 0.4号 | リアルデシテックス 0.4号 | |
表記 強度 | 4.17kg 9.2lb | 5.44kg 12lb |
平均 | 2.86kg 69% | 2.42kg 44% |
最大 | 3.30kg 79% | 2.90kg 53% |
最低 | 2.50kg 60% | 2.00kg 37% |
ソルトウォーターフィネスPEの結束強度は悪くはなく、0.4号でも平均で2.86kg、また最低値でも2.5kgとなっています。そのためPE0.4号に対してフロロ5~6lbでもリーダーとの結束部分でなくルアーとの結束部分が切れるほどの強度です。
比較対象のリアルデシテックス0.4号では、ここまでの強度は出ておらず、特に最低値だと2.0kgしか強度が出ません。
オードラゴンX4 0.8号 | アップグレードX8 0.8号 | |
強度 | 5.90kg 13lb | 7.26kg 16lb |
平均 | 3.11kg 53% | 4.80kg 66% |
最大 | 3.50kg 59% | 5.25kg 72% |
最低 | 2.50kg 42% | 4.50kg 62% |
ただリアルデシテックスの強度不足は、糸自体が細い事が原因と考えられます。高比重PEであるオードラゴンX4では0.8号と倍の太さでも最低値は2.5kgとなっており、ソルトウォーターフィネスPEと変わりません。同じ0.8号でもアップグレードX8なら最低値でも4.5kgの結束強度が出ています。
耐摩耗性

号重り(35g)を1000番の砥石に吊るし、左右20cmを行き来できた回数を測定(1往復で2回とカウント)しました。計測は5回行い平均、最大、最小の強度を示します。
ソルトウォーターフィネスPE 0.4号 | リアルデシテックス 0.4号 | |
平均 | 0回 | 0回 |
最大 | 0回 | 0回 |
最低 | 0回 | 0回 |
結果は予想通りで、たったの一度も左右に移動することが出来ず、だいたい10cmくらい砥石の上を移動すると糸が切れます。これはリアルデシテックスも同様で、こんな細PEに耐摩耗性を求める事自体が間違っているのでしょう。
オードラゴンX4 0.8号 | アップグレードX8 0.8号 | |
平均 | 2回 | 3回 |
最大 | 2回 | 4回 |
最低 | 2回 | 2回 |
参考までに0.8号での耐摩耗性の結果を載せますが、強度の弱いオードラゴンX4では平均2回、アップグレードX8でも平均3回のため、細いPEには基本的に耐摩耗性なんて期待しない方が良いです。
耐久性(色落ち、毛羽立ち)


耐久性に関しては検証中のため、少々お時間願います。なお週2釣行の2週間では目立った変化は見られていません。
リアルデシテックスの耐久性


リアルデシテックスの耐久性は悪くは思ったほどは高くなく、週2釣行の4週で色抜けがある程度進みます。更に使用すると毛羽も目立ってくるため、耐久性は高いとは言えません。
アップグレードX8の耐久性


アップグレードX8だと耐久性もかなり高く週2釣行の4週間の使用でも殆ど見た目の変化は少な目です。
シーガーPEの耐久性


耐久性の低いではシーガーPE X8では安価ではあるものの、週2回の釣行でも僅か2週間で色が殆ど抜けてしまいます。
滑り性、糸鳴りの少なさと飛距離


顕微鏡による60倍写真での比較です。ソルトウォーターフィネスPEは8本編のため糸の表面は非常に滑らかで凹凸が少なくなっています。この点に関してはリアルデシテックスと同等です。


また号数は太くなっているもののアップグレードX8でも表面凹凸は同様ですが、4本編みのオードラゴンX4だと表面の凹凸が目立ちます。
圧倒的なキャストフィール

ソルトウォーターフィネスPEに関しては表面凹凸は他と変わらないのですが、触った感じが極めて滑らかで、キャスト時も抵抗が何も無いかのようにルアーが飛んでいきます。軽いルアーの飛距離を伸ばすために細PEは使われることが多いため、キャスト時の抵抗感の少なさは大きな利点となります。
FGノットでの編み数
堀田式FGノットを組んだ時の私の編み込み回数を記載しています。編み込み回数は上下に1回づつ編んだ際の編み数を2回と計上しています。そのため通常のFGなら編み込み数は半分になります。
ソルトウォーターフィネスPE 0.4号 | オードラゴンX4 0.8号 | アップグレードX8 0.8号 |
25回 | 19回 | 25回 |
ソルトウォーターフィネスPE 0.4号の編み込み数は8本撚りの0.8号と同じ25回の編み込み数が適していました。というのも、これ以上の編み込みにすると結束部分が末端まで締め込める前に糸が切れます。
実は、この25回という編み込み数でも結構ギリギリの回数で、糸が細いため指に食い込み軍手を使わないと最後の締め込みが出来ないぐらいです。ただ、締め込み過ぎると糸が切れるので、結束は慎重に行う必要があります。
伸びと感度

PE:7mを2kgで引っ張った際の伸び率の結果です。
ソルトウォーターフィネスPE 0.4号 | リアルデシテックス 0.4号 | |
伸び | 10cm | 12cm |
伸び率 | 1.4% | 1.7% |
0.8号に比べ糸が細い分、ソルトウォーターフィネスPEはPEとしては伸びが大きい部類になります。ただリアルデシテックスよりは伸びは抑えられています。
オードラゴンX4 0.8号 | アップグレードX8 0.8号 | |
伸び | 12cm | 8cm |
伸び率 | 1.7% | 1.1% |
ただ異素材が入っているオードラゴンだと0.8号にも関わらず更に伸びます。参考までに普通のPEであるアップグレードX8の結果も載せますが、伸びは1%程度に収まっています。
硬さ
PEラインを何センチ水平が維持できるか検証しました。なおコーティングの影響をなくすため、5回ほどライン表面を爪で削った後に検証を行っています。


柔らかいソルトウォーターフィネスPEでは同じ0.4号でも5cmさえ維持できず4cmとこれまのの測定の中で最低の結果になっています。リアルデシテックスだと同じ0.8号でも5cmは水平を維持できいます。


参考までに0.8号のアップグレードX8では7cmとなっており、硬さに定評のあるハードブル8+の0.8号では11cmでした。
エアノットには要注意

ソルトウォーターフィネスPEの最大の特徴は柔らかさによるキャスト時の抵抗感の少なさと感じますが、これが逆にエアノットの原因となります。最も有名なPEであるアップグレードX8でも一定の割合で発生するトラブルですが、ソルトウォーターフィネスPEでも同様の頻度でエアノットが発生します。
これがリアルデシテックスになると同じ0.4号でも全くと言っていいほど発生しないため、トラブルレスを求める人にはリアルデシテックスの方がお勧めです。
実際の操作性


実釣でも検証しましたがソルトウォーターフィネスPEは普通のPEのためテンションが掛かっていない状態ではフワフワと空中に舞うため、ラインスラックを多用するボトム系の釣りでは使い物になりません。こう言う用途はピットブルG5のような高比重PEでしか対応出来ないと思います。


参考までにリアルデシテックスの例も載せますが、同様に空中に舞うためスラックを使う釣りには適していません。硬さだけだと樹脂コートされたアーマードなどが非常に硬く、ガイドへの糸絡みも少ないですが、やはり空中には舞うため、ボトム系の釣りには高比重以外のPEは適してないと関します。
コスト
ソルトウォーターフィネスPEなど細PEの最大の難点が価格であり、簡単に手を出せる価格では有りません。が、他には無い別次元の使用感とは感じます。
他のラインとの比較
リアルデシテックスとの比較
細さ | 同等 |
強度 | ソルトウォーターフィネスPE |
耐久性 | 検証中 |
耐摩耗性 | 同等 |
滑り性 | ソルトウォーターフィネスPE |
硬さとトラブル耐性 | リアルデシテックス |
コスト | 同等 |
細PEでは2台巨頭となっているソルトウォーターフィネスPEとの比較です。まずリアルデシテックスは若干結束強度もキャスト時の糸抜け感も劣るもののライントラブルが極めて少なく快適に釣りが行えます。一方でソルトウォーターフィネスPEはライン表面がツルツルで抵抗感もなく、キャストフィールが最高です。また結束強度もリアルデシテックスより上です。

ただ悩ましいのがエアノットなどのライントラブルで、一定の割合でトラブルが発生します。これを我慢できるか否かでリアルデシテックスとソルトウォーターフィネスPEを使い分ける事をお勧めします。
まとめ

今回紹介のソルトウォーターフィネスPEは
・圧倒的な抵抗感の無さによる異次元キャストフィールの細PE
・細PEとしては結束強度が出やすく安心
・一定頻度でエアノットが発生するため要注意
とエアノットだけが怖いものの、強度面でもキャストフィールでも安心のハイエンド細PEです。