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バス以外も対象としたアンタレスDC MDが新型DCとナロースプールで新しくなりました。16アンタレスDCは若干バックラッシュしやすい設定でしたが23アンタレスDC MDはトラブルが減少しています。剛性感も上がっており巻き心地も非常に良くハイエンドならではの使用感となっています。またスプールについては38mm×21mmとナロー化は僅かに抑えられておりスプール目減りし難いのが特徴です。そのため巻き物での巻感の変化も少なく抑えられています。
ただ21アンタレスDCがベースとなっているためかリール自体の構造が2年前のままであり巻き心地が圧倒的に向上するインフィニティドライブも搭載されていません。またドラグ音も搭載されておらずバス以外の大型魚を対象とする釣りでは不便です。今回は新型DCで更にトラブルが減少し、剛性感も向上した23アンタレスDC MDについて紹介します。
個人的な評価は以下の通りです
★5が満点 | |
キャスト性能(7g) | ★☆☆☆☆ |
キャスト性能(10g) | ★★★☆☆ |
キャスト性能(14g) | ★★★★★ |
キャスト性能(21g以上) | ★★★★★ |
ライントラブル耐性 | ★★★★★ |
剛性感 | ★★★★★ |
巻物適正 | ★★★★★ |
コストメリット | ★☆☆☆☆ |
目次
23アンタレスDC MDの特性
ボディ自体は黒ですが21アンタレスDCと同様のフル鏡面となっています。
19アンタレスはシルバー感が強い鏡面ですが21アンタレスDCは少し暗い色の鏡面とアンタレスシリーズの中でも微妙に色合いが異なります。
スプール
スプール径は38mm×21mmのナロースプールです。一般的な34mm径との比較ではかなり大きく見えます。
また幅もシマノ従来の21mm幅と比べ1mmナロー化されています。
スプール重量はDCユニット込みで17.8gと21アンタレスDCの16.8gより更に重いですが、重たいルアーを投げる釣りには全く影響ありません。
糸巻後の重量はフロロ16lb×110mで35.3g、高比重PE2号×120m+フロロ14ポンド×20mで28.3gとなります。
キャスト性能
23アンタレスDC MDは重いルアーに相性のよい大口径スプールにより14g以上のルアーのキャストは非常に快適です。DCブレーキの恩恵で、ほぼバックラッシュなくキャストできます。
ただフロロのみの糸巻設定ではスプール重量が重くなりすぎるため10g以下のキャストには適していません。ブレーキを強めれば一応ノーサミングで投げられますが快適とは言えません。
軽量ルアーもキャストしたい場合にはPE設定がお勧めです。ベイトPEの詳細については別記事で紹介しております。
スプール目減りは感じ難い
38mm径×21mm幅とシマノ従来の22mm幅よりはナロースプールですが僅か1mmのため目減りは感じませんでした。スプールにフロロ16ポンドを上限まで巻き、40mスプールから糸がでた際の写真で検証しました。
まず23アンタレスDC MDでは目減りは1~2mmでした。
続いて通常幅の20カルカッタコンクエストDC200/201です。目減りは約1mmと僅かに少ない傾向です。
個人的な意見ですが大口径の23アンタレスDC MDにナロースプールを登載する意味があったのか疑問です。キャスト面でもメリットを感じにくく、スプール目減りも僅かとは言え増加するため個人的には改悪と感じています。
圧倒的な剛性感と巻き心地
剛性感は非常に高くダイワのリールを圧倒します。19アンタレスにはやや劣るものの21アンタレスDCとは同等です。ただ、いずれも21カルカッタコンクエストには一歩劣ると感じます。
インフィニティドライブが搭載されていない
21カルカッタコンクエスト200/201ではスプールにベアリングが1点追加されています。
そのためスプールの両端とピニオンギア両端の計4点のベアリングで支持する機構に変更されています。従来のシマノ製ベイトリールではピニオンギアとスプール接合部のベアリングが共用となっていたため計3点での支持でした。インフィニティドライブ搭載のリールでは明らかに巻き心地と剛性感が向上しますが。残念ながら23アンタレスDC MDは従来の構造のままです。
ダブルベアリングでガタツキ防止
またガタツキも極めて少なく、ギアシャフト末端のベアリングは2点でベアリング自体のガタツキまで抑えられています。22バンタムなど汎用価格帯には搭載されていないハイエンドのみの機構です。
パワーロッドに相性のよい重量
重量は230gと重く軽量ロッドとの相性は悪いもののトルクの高いパワーロッドとはバランスのとりやすい重量となっています。
ボディサイズが大きすぎて操作は難しい
23アンタレスDC MDのサイズは非常に大きく通常のロープロ機のような細かい操作は出来ません。大型魚と戦うためのリールですで近距離での軽量ルアーには別のリールをお勧めします。
勝手に目盛りが変わらないブレーキダイヤル
ブレーキダイヤルは従来のアンタレスと同様のツマミになっており、ロッドを束ねても勝手に目盛りが変わることが在りません。
パワフルなグリップ
グリップは大型でスッポ抜けにくく巻物に非常に適したグリップとなっています。前作の23アンタレスDC MDのグリップとほぼ同等であり大型ルアーも扱いやすく感じます。
価格はDCらしい価格
価格についてはDCならではの価格となっています。驚きはありませんが、気軽に買える価格ではありません。
デメリット
ドラグ音が無い
右の19アンタレスではドラグ音が搭載されており、大物とドラグを効かせながらのファイトがしやすくなっています。ただ三年ながら23アンタレスDC MDには有りません。バス以外の大型魚も対象にしたリールと思うのですがこの影響でドラグを効かせながらのファイトには不満が残ります。
マイクロモジュールのグリス切れ
23アンタレスDC MDに限らずですが、シマノのマイクロモジュールギアはグリス切れが早くゴリ感が早く来ます。毎週末の使用頻度だと半年でグリスが切れ始め、一年は持ちません。個人的にはサードパーティーのグリスを使用し対応しているためグリス切れ頻度は抑えられていますが、メンテナンス頻度はダイワに比べると増加します。
分解が大変
1注油だけでビスを2本空ける必要があり非常に面倒。ただでさえグリス切れがしやすいマイクロモジュールギアを搭載しているにも関わらず、このビスの多さがグリス切れ問題を加速させています。この点は次回のリニューアルで完全が望まれる点です。
スタードラグが旧型で分解しにくい
22バンタムではスタードラグの穴が〇形状に改良されており分解後の組み立てがしやすくなっています。自分でメンテナンスを行う方にとっては非常にありがたい点です。ですが23アンタレスDC MDは21アンタレスDCをモデルにしているためか従来の▢形状で、分解後の組立時にシャフトへの取り付けが面倒です。
高すぎる
実売価格で約7枚近くの高級なお札が飛んでいきます。性能が良いとは言え気軽に購入できない価格設定です。
鏡面保護にはフックキーパー推奨
ダイワのTWSのようにレベルワインダーがフックに干渉することはありませんが、鏡面保護のためにはフックキーパーがお勧めです。私はジーニアスプロダクトのフックキーパーを使うことで対応しています。一部のシマノリールには使用できませんが、23アンタレスDC MDには搭載可能です。
他のリールとの比較
23IMZとの比較
キャスト性能(7g) | 23IMZ |
キャスト性能(10g) | 23IMZ |
キャスト性能(14g) | 23IMZ |
キャスト性能(21g以上) | 23IMZ |
ライントラブル耐性 | 23IMZ |
剛性感 | 23アンタレスDCMD |
巻物適正 | 23アンタレスDCMD |
コストメリット | 23アンタレスDCMD |
共に38mm大口径の23アンタレスDC MDとの比較です。23アンタレスDC MDは剛性感が非常に高く安定した巻きが特徴です。
ただどちらもデジタル制御のブレーキ搭載で僅差ではありますが飛距離に関してはTWSを搭載した23IMZの方が上です。ブレーキ設定にもよりますが、バックラッシュも23IMZの方が抑えられています。23IMZの詳細は別記事で紹介しております。
21アンタレスCとの比較
キャスト性能(7g) | 21アンタレスDC |
キャスト性能(10g) | 21アンタレスDC |
キャスト性能(14g) | 同等 |
キャスト性能(21g以上) | 23アンタレスDCMD |
ライントラブル耐性 | 同等 |
剛性感 | 同等 |
巻物適正 | 23アンタレスDCMD |
コストメリット | 同等 |
ほぼ同じ構成でスプールのみ大きく異なる21アンタレスDCとの比較です。21アンタレスDCは大口径スプールでは有るものの36mm径×19mm幅スプールであり、以外に10g前後のルアーも快適に扱えてしまいます。ナロースプールの効果も顕著で飛距離が伸びやすいですが、反面、スプールの目減りにより巻き感の変化も顕著です。21アンタレスDCの詳細は別記事で紹介しております。
その一方で23アンタレスDCは38mm径×21mm幅スプールと更に大口径ですが21アンタレスDCよりは幅広のスプールのため目減りが少ないのが特徴です。確かにスプール径が大きく軽量ルアーのキャスト性能には劣りますが、糸巻量を21アンタレスDCと同量まで落とせばある程度は解消します。そのため糸巻量次第では21アンタレスDCの幅広スプール仕様として23アンタレスDC MDを活用でき21アンタレスDCの難点であるスプール目減りを緩和することもできます。
20カルカッタコンクエストDC200/201との比較
キャスト性能(7g) | 23アンタレスDCMD |
キャスト性能(10g) | 23アンタレスDCMD |
キャスト性能(14g) | 23アンタレスDCMD |
キャスト性能(21g以上) | 23アンタレスDCMD |
ライントラブル耐性 | 同等 |
剛性感 | 同等 |
巻物適正 | 20カルコンDC201 |
コストメリット | 同等 |
共に大口径スプールを有するリール同士の比較ですが、キャストに関しては23アンタレスDC MDの方が有利です。20カルカッタコンクエストDC201と比べるとバックラッシュしやすい傾向にありますが、その分、細かいブレーキ調整が可能で、より飛距離を伸ばすことができます。
一方、通常幅の20カルカッタコンクエストDC201は飛距離では劣るものの、一定レンジを一定速度で通す巻物の釣りには有利です。加えてDCブレーキのメモリが少なくブレーキ調整が楽な上にバックラッシュの頻度も抑えられています。20カルカッタコンクエストDC201の詳細は別の記事で紹介しています。
まとめ
今回紹介の23アンタレスDC MDは
・新DCとナロースプールでキャスト性能が更に向上も目減り影響は少ない
・圧倒的な剛性感で巻物にも最適
・ドラグ音が無く大型魚とのドラグファイトがやりにくい
と飛距離だけでなくトラブルレスで剛性感も高いリールとなっています。スプールの目減りも感じにくいため巻物にも適していますが大型魚とのファイトを考えるとドラグ音が無い事だけが惜しいリールです。