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金属ローターにて圧倒的な剛性感を手にした20ツインパワー。巻き出しの重さは全く気にならず軽快であり、回り出すと止まらない重厚感ある巻き心地でステラなどフラッグシップ機にも劣りません。懸念されていた半プラボディによる剛性感、巻き心地の劣化は全く感じません。ドラグ性能も下位機種とは異なり優秀で実釣面で必用な性能は全て詰め込まれていると感じます。
ただ剛性感を重視している機種であるため、正直に言ってバスでの出番は殆どありません。重すぎる自重と、巻きだすと止まらないローターは「巻く、止める」を繰り返すバスのライトリグ用途に合わないためです。ですがPEラインの普及によりカバー打ちやロングスピニングなどパワーが求められる分野においては相性が抜群です。今回は汎用価格帯でありながら剛性感から巻き心地、ドラグ性能も十分な性能を持った20ツインパワーについて紹介します。
20ツインパワーの個人的な評価は以下の通りです
★5が満点 | |
重量の軽さ | ★☆☆☆☆ |
巻きの軽さ | ★★☆☆☆ |
剛性感 | ★★★★★ |
ドラグ性能 | ★★★☆☆ |
ライントラブル耐性 | ★★★★★ |
コストメリット | ★★★★☆ |
目次
20ツインパワーの特性
![20ツインパワー](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/09/af062d026831dd72ed739e7bd14fbc58.jpg)
20ツインパワーは高級感あるガンメタボディに鮮やかなゴールドとネイビーのスプールが搭載され見た目にも高級感あるれる機種となっています。
![20ツインパワーのドラノブノブ](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/09/19fc31729ddfef98b53a43def4b91d92.jpg)
![19ヴァンキッシュのドラグノブ](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/09/2704fbf9b042e3426326b817f85029a4.jpg)
ただしドラグノブに関してはプラスチック感が満載でチープな見た目です。数万もする機種だけに少々残念です。
ドラグ性能
![20ツインパワーのドラグテスト](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/09/5cf4c66f806eca86db3c036ecc983c43.jpg)
ラインが1秒で30cm出る設定でドラグを800gに設定、そこから低速 (10cm/s)と高速(90cm/s)でのドラグ値を10回以上計測し平均値を記載しました。手作業のためブレが非常に大きい実験ではありますが、結果は以下の通りです。
ドラグ速度 | 20ツインパワー 2500S | 22ステラ C3000SDH | 22イグジスト LT3000S |
スプール径 | 47φ | 47φ | 48φ |
低速(10cm/s) | 700g | 600g | 500g |
普通(30cm/s) | 800g | 800g | 800g |
高速(90cm/s) | 1,000g | 1,000g | 1,000g |
20ツインパワーは密巻でなく従来のドラグのため初動が悪く抵抗値が高い傾向にあります。ドラグ性能に関してはダイワの方が優れており初動から滑らかにドラグが出ます。22ステラの密巻き構造にてドラグ性能では改善されていますが、シマノスピニングを使いこなすには
・ドラグ設定はやや弱めに設定
・ドラグを手で抑える、あるいは巻きながらファイトする
といった対応が必要となります。
重量の重さ
![20ツインパワーの重量](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/09/957a2e10c2a5a408194f949dfea41518.jpg)
ツインパワーは剛性を売りにしている機種のため2500番でも210gと重ためです。近年のバス向けスピニングでは150~180gに比べ非常に重たく、バスでのライトリグに向いているとは言えません。
ただ近年ラインネップが増えつつあるパワーフィネスの用途には非常に適しています。PEラインの普及でリーダー10ポンド以上を前提としたパワーフィネスロッドが増えておりますが、ML以上のパワーで7フィート前後の長さとなるため、重いリールでなければバランスが取れません。
ハンドルも重量級
![20ツインパワーのハンドル重量](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/09/ab35385f59f52ecbc7b673ff9e7d5226.jpg)
![16ヴァンキッシュのダブルハンドルの重量](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/09/4703f634af30d04df4c47dfe00dd97ba-972x1024.jpg)
ステラやツインパワーなど剛性感を売りにした機種はハンドルも重量級です。カーボン製ではあるものの16ヴァンキッシュのダブルハンドルと同程度の重量となっています。
意外に軽い巻き心地も回り出すと止まらない
![20ツインパワーのローター](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/09/820fcb809cb0298899863b3a3f90393f-1.jpg)
金属ローターのため重い巻き心地が想像される22ステラですが、以外に巻き出しは軽快です。19ヴァンキッシュなどカーボン樹脂ローターには劣りますが、ライトリグでも気にならないほど巻き出しが軽く感じます。また巻き心地は最高レベルであり、19ヴァンキッシュのようなスカスカの巻き感とは異なり高級感を感じます。
ただし金属ローターは回り出すと止まらないためか、止める際に少々力が必要となります。このため巻く、止めるを繰り返すライトリグの様な釣りには19ヴァンキッシュが適しています。
全く「たわみ」のない金属ローター
![20ツインパワーのロー通常時](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/09/71cd8e3d18122eade7cd22d8d9c3eade.jpg)
![20ツインパワーのローター圧迫時](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/09/4b9ce09bec9d246cfbae931e5d0b52b9.jpg)
![ベール通常時](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/05/4c7884f21c849c8a341b3f342ed0779c-953x1024.jpg)
![ベールたわみ](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/05/167b68040bf426a5c7f2621d11e82cbf-1-841x1024.jpg)
19ヴァンキッシュのような樹脂ローターでは指で押さえると明確に「たわみ」を感じるのですが、20ツインパワーの金属ローターでは全く「たわみ」を感じません。
スプールに糸絡みしにくい
![20ツインパワーのローター糸絡み防止](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/09/4ca63a39b48df9d37f82ffbf021b73d7-745x1024.jpg)
![20ツインパワーの糸絡み防止](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/09/06d47d5dabdc5778af6d4ea7609e5e0a.jpg)
フロロのロングリーダー設定ではスプールからリーダーが爆発することが多々ありますが、シマノの糸絡み防止は非常に優秀です。写真の通り大きなストッパーがついているため、一度もシャフトに糸が絡んだことがありません。
![22イグジストの糸絡み](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/05/f13695b5cd6b39eb3cb57fbabb36ba58-726x1024.jpg)
![21ルビアスエアリティ_糸絡み防止](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/08/2cab726ac718dcecab23c1c499dc53d7-766x1024.jpg)
ダイワにおいては22イグジストのみ対策されていますが、その他の機種では対策が甘くスプールシャフトに何度も糸絡みしました。
ローターにも糸絡みしにくい
シマノではベールを起こした際のローター回転防止パーツが完全に覆われているため、ラインが絡まる心配がありません。写真でも該当のパーツが見えないほど上手く配置されており実釣面で非常に助かる部分です。
![20ツインパワーのローター回転防止](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/09/54bfe702f86641e804353e58d1fe65a1.jpg)
ダイワでは22イグジストしか対応できておらず、21ルビアスエアリティなど他の機種ではローター外に露出しているためラインがひっかることがあります。
![22イグジストのローター回転防止2](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/09/34fd17c868d32ed034658dab596f6d3e.jpg)
![21ルビアスエアリティ_ラインローラーストッパー](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/08/bbf5b9d3dba5cbfb999708c6d363ff31.jpg)
コストメリットは非常に高い
基本的な性能が非常に高く、重さを除いては全く19ヴァンキッシュに劣らない性能ですが、19ヴァンキッシュよりもお手頃な価格で購入できます。重ささえ気にならない用途であれば間違いなくお勧めです。
デメリット
重量と巻きの重さ
![20ツインパワーのローター](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/09/820fcb809cb0298899863b3a3f90393f-1.jpg)
そもそも耐久性と剛性感を重視した設計であり、自重も重くハンドルの巻き出しも重いのは承知しています。ですが実際に持つと重量はやはり重く、とてもULからLクラスのロッドには合わせられません。MLクラスでも相性は悪く、Mクラス前後で長さも7フィート前後のロッドであれば非常に相性が良くなります。
あると便利なスタンド
![20ツインパワーのロッドスタンド](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/09/7faa01fa481e28abae4e44788b7325e9-894x1024.jpg)
スピニングリール全般に当てはまる件ですが、スプールに傷が入るとキャストの度にラインに傷がつくため致命傷となります。普段は直置きについて注意していても、良型が釣れた際にはタックルと合わせて写真を撮ることも多いでしょう。ただ、このタイミングが最も危険で魚が暴れ一瞬でリールが傷物になります。
多少の重量増にはなりますが、私はリールスタンドを使用しており、これでリールが直に地面に触れる可能性は無くなります。フックキーパーも付属しており、ニッパーで切って改造すればオフセットフックやシンカーも対応可能です。
想定される釣り
![20ツインパワーに適したルアー](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/09/60bed455662feeaee9f794631a1fc905.jpg)
ツインパワーのように重たく剛性の高い機種はバス向けではリーダー10ポンド以上のパワーフィネス向けとなります。10g前後のバイブレーションやシャッドをベイトでは考えられないほど大遠投でき、ヘビキャロしか目にすることの無かったバスにルアーをアプローチ出来ます。ドラグもベイトに比べ圧倒的に性能が上のため、10~12ポンドリーダーでも安心して大物と戦えます。
買うならどの番手?
20ツインパワーはバスでの繊細なフィネス用途には全く適しておらずパワーフィネスでの使用が前提のため、C3000以上の番手が推奨となります。
他のリールとの比較
22ステラとの比較
![22ステラ使用例](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2023/01/bc8f0082a89c6591a04e830c4089f127.jpg)
重量の軽さ | 同等 |
巻きの軽さ | 同等 |
剛性感 | 22ステラ |
ドラグ性能 | 22ステラ |
ライントラブル耐性 | 同等 |
コストメリット | 20ツインパワー |
同じ高剛性のスピニングですが22ステラは20ツインパワーの倍以上の価格のため各性能は22ステラの圧勝です。ですが実釣性能に関してはドラグ性能を除き20ツインパワーと大差ないと感じています。20ツインパワーも剛性感が非常に高く巻き出しの軽さも22ステラと大差は有りません。ドラグ性能こそ現時点では22ステラに劣っていますが、同じ密巻き構造さえ採用されれば同等の性能が期待されます。3万前後の価格帯では極めて優秀で4~5万クラスと同等の性能に仕上がっています。
一方22ステラはフラッグシップだけあってギアの精度も高く剛性感は20ツインパワーより上です。密巻きによりドラグ性能も飛躍的に向上しており、巻き取り時のブレも非常に小さくなっています。キャスト感に関しても22ステラの圧勝です。簡単には買えない価格ですが、それだけの価値が22ステラにはあります。22ステラの詳細は別記事で紹介しております。
19ヴァンキッシュとの比較
![19ヴァンキッシュの使用例](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/09/085dea2ba7f0b28d43f45907e3824a32.jpg)
コンセプトが全く異なるリールではありますが、19ヴァンキッシュとの比較です。
重量の軽さ | 19ヴァンキッシュ |
巻きの軽さ | 19ヴァンキッシュ |
剛性感 | 20ツインパワー |
ドラグ性能 | 同等 |
ライントラブル耐性 | 同等 |
コストメリット | 20ツインパワー |
20ツインパワーと19ヴァンキッシュの違いは重量と巻きの重さであり、その他の性能はほぼ同等と感じます。20ツインパワーは金属ローターでローター剛性が非常に高く巻きも安定します。そのため巻物や大物とのファイトなど剛性感が求められる用途にて活躍します。
一方、19ヴァンキッシュの特徴は重量と巻き出しの軽さです。巻き出しが軽く止めるのも容易なため巻く、止めるを繰り返すライトリグの釣りとの相性は抜群です。重量が軽いため軽量ロッドでもバランスがとりやすく、長時間使っていても疲れません。19ヴァンキッシュの詳細は別記事で紹介しております。
まとめ
![20ツインパワー使用例](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/09/8482fdea9950fad3114ca68ff5cab279-1.jpg)
今回紹介した20ツインパワーは
・コストメリットが非常に高く、ハイエンドに全く劣らない巻き心地と剛性感
・巻く、止めるを繰り返す釣りは苦手
・ドラグ性能も優秀だが初動が悪いため緩めのドラグ設定が必要
となっており、剛性感を生かしロングスピニングでの遠投やカバー打ちに最適な機種となっております。コストメリットも非常に高いのでお勧めの一台です。