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ベイトフィネスと言えば20スティーズAIR TWが有名で20アルファスAIR TWの存在感は薄い印象ですが、性能には全く問題なく、スティーズAIR TWと同様に28mm径スプールの恩恵で
・2gでもキャスト可能
・アルミフレームにも関わらず160gの自重
と必要十分な性能を備えています。 キャスト性能も2gの虫でも全く問題なくスピニングで使用していたルアーが全て使用可能といっても言い過ぎではない性能です。コストメリットも素晴らしくハイエンドの半額程度で購入可能です。今回は最高級の性能がミドルクラスの価格で味わえる20アルファスAIR TWを紹介します。
個人的な評価は以下の通りです
★5が満点 | |
キャスト性能(3g) | ★★★★★ |
キャスト性能(5g) | ★★★★★ |
キャスト性能(7g) | ★★★★★ |
キャスト性能(10g以上) | ★★☆☆☆ |
剛性感 | ★★★★☆ |
軽さ | ★★★☆☆ |
ライントラブル耐性 | ★★★★★ |
コストメリット | ★★★★★ |
目次
20アルファスAIR TWの特性
![20アルファスAIR箱出し](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/06/12878a2c6ed431db4df77de066faf12c.jpg)
今回のアルファスより外観が大きく変わり、TWS搭載、小型化により非常に操作がしやすいデザインになっています。特にTWSは急激に回転が立ち上がる軽量スプールに有効でバックラッシュ抑制につながっています。
スプール
![20アルファスAIRスプール重量](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/06/b2688eeb70a65b71775f70af7ac46cde-595x1024.jpg)
![1016G1 SV重量](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/08/975fc84b8b475df97c7bf886a5799f31-564x1024.jpg)
スプール径は28mm×21mmと径はダイワの中で最小、また幅もナロー設計となっています。重量も僅か8gと通常のSVスプールとは比較にならない軽さです。
![20アルファスAIRスプール重量フロロ10lb×30m](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/06/5b4504f3ba9db4079837f144555d8287-556x1024.jpg)
![20アルファスAIRスプール重量高比重PE](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/06/5a77b68a4b68ec7a9dc8f9d2641b882f-574x1024.jpg)
糸巻後の重量もフロロ10ポンド×30mでも11g、高比重PE1号×30m+フロロ10ポンド×10mでは更に軽量化され10gとなっています。
キャスト性能
![20アルファスAIRキャスト性能2g](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/06/b0360f2b977c0f22bfdb53e8c47d15c5.jpg)
![20アルファスAIRキャスト性能5g](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/06/c4cc5c5a61d035e642a7c3b6f603ed99.jpg)
28mmスプールの効果は非常に大きく、普段はスピニングで使用しているスワンプクローラー(5.5g)が何の問題も無くベイトで飛んでいきます。カットテール5インチ(4.5g)も全く問題なく、2gのHPバグも楽勝でした。32mm径の21アルファスでも同じ糸巻量で試しましたが、スワンプでさえキャストに少々手間取り、快適とは言えません。
一方で重量級のルアーは7gでも快適で10g程度のバイブレーションもキャストは出来ましたが糸巻量も全く足りないため普通のベイトリールの方が快適です。
PE設定でも安心のトラブル耐性
![20アルファスAIR_PE設定](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/06/245de772b5406759a62582c526c06ff1.jpg)
私はスピニングだけでなくベイトも全てPEセッティングを導入しており、ベイトフィネスでは10mリーダーを採用しています。やや遠い距離となるとPEもスプールから出てくるセッティングですが、爆風時でもほとんどトラブル無くキャスト可能なSVスプールは釣りを快適にし、釣る事だけに集中させてくれます。
またPEラインを下巻きに巻くことで特に近距離のキャスト性が更に強化されます。加えて小口径スプールは糸癖が問題になりがちですが、糸癖を伸ばして取り除くのがリーダー部分のみで完了することも見逃せません。ベイトPEの詳細はこちらの記事を参照してみて下さい。
アルミフレームの剛性感
![](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/06/918579f5afe64bf977fd2268df1900c0.jpg)
![](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/06/87e53d0167aaf0827818647f75bb1a26.jpg)
フルアルミのボディのため160gの重量にも関わらず剛性感は非常に良好で21ジリオンやアルファスに全く引けを取りません。ギアの見てみると21ジリオンと同様にギアが凸になっておりHYPERDRIVEデザイン仕様になっています。写真右側の16ジリオンのように、従来のギアは△形状です。
アルミボディでは驚異の軽量化
![20アルファスAIR重量](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/06/def23f7795bd1dc160eaf08ede0c761d-839x1024.jpg)
![20アルファスAIRの軽量化](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/06/6ddf2e1ca818c4eca5127c0901a9e7b0.jpg)
メインフレームとサイドカップにはアルミを採用し剛性を高めていますが、一部にはプラスチックを導入することで軽量化につなげています。アルミボディでありながら160gの重量は脅威的と言えるでしょう。
ブレーキダイヤル位置変更でトラブル減少
![20アルファスノブレーキダイヤル](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/06/fcc0bcb06f30b6d8b8d4129781b48411.jpg)
![16ジリオン_ブレーキダイヤル](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/06/4f162ec03b245dc64f76c81472dc7768.jpg)
前回までのジリオンではブレーキダイヤルが剥き出しであったため、移動時などに勝手にブレーキが変わっており、釣り場での一投目で大バックラッシュなどトラブルの元となっていました。20アルファスAIRでは位置が変更され、トラブルが大きく減少しています。
コストメリット
実釣面では全く困らない性能を持った20アルファスAIRですが価格はスティーズAIRの半額です。ベイトフィネスを試したことが無い方にも気軽に進められる価格帯です。
デメリット
ライトリグには少々重い
![20アルファスAIRの1フィンガーグリップ](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/06/0e2ca6177a720fe00ddd82c26e2ea029.jpg)
160gと十分軽い部類に入るリールですが、22アルデバランのような130g台のリールであれば、より繊細なアクションが可能となります。20アルファスでも対応はできますが、1フィンガーや2フィンガーでの繊細なアクションには、やはり軽量なリールが有利です。
ドラグ音が無い
![20アルファスAIRのドラグ](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/06/a59efe151bf4350178ce97c1584d55c0.jpg)
![17 スティーズA TWドラグ](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/06/6e472b4bbadc9771a9c36a1b4082bcdd.jpg)
ベイトフィネスに巻くラインは太くても10ポンド、ボートなどでは6~8ポンドが主流でしょう。この太さのラインではゴリ巻きは全くできず、ドラグを効かせながらのやり取りが必須です。そんなベイトフィネスの釣りでドラグが出ているか分かりにくいのは不便であり、改良が望まれる点です。シマノでは22アルデバランにも21SLX BFSにも搭載されており、ダイワも20アルファスAIR派生機の21年以降の月下美人、22シルバークリークではドラグ音を搭載しているので、問題との認識はあるのでしょう。
TWSがハードベイトのフックに当たる
![20アルファスAIR_TWSのフックキーパー (2)](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/06/5fd0b42d035d203f2143dac1d4bc40f0.jpg)
![20アルファスAIR_TWSのフックキーパー (1)](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/06/676b7cd22c66bf6636049de231936076.jpg)
20アルファスAIRに限らずですが、ダイワのTWS搭載機はライン放出口が上下に動くため、リールにトレブルフックを引っかけると針先が当たり傷やフックが鈍る原因になります。私はジーニアスプロダクトのフックキーパーを使うことで対応しています。
ダイワ特有のカチャカチャ音は控えめ
![20アルファスAIRのスプールベアリング](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/06/bd676ed3825822281b05c26ef1067cf1.jpg)
![SV BOOSTスプールのベアリング固定バネ](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/10/0dff6acfd8882783edbcba804f9e6b3a.jpg)
ダイワには特有のカチャカチャ音がありルアー回収時には音が鳴ります。スプールのベアリングが固定されていないことが原因でSV BOOSTではバネで固定され対策されています。ただ20アルファスAIRはベアリング自体が非常に小さく、他のベアリングと異なりシールされているためかカチャカチャ音は控えめです。
分解時にギアが取り出しにくい
![20アルファスAIRのギアシャフト](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/06/6b6d34f4d3f6429f16dc5f4c55e5161e.jpg)
![21ジリオンのハンドル取り付け部分](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/06/d3553b983044a5018c926d31d74592b4.jpg)
![20アルファスAIRのハンドル取り付け部](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/06/56bb7784d120c8787906ec8166fa7504.jpg)
![21ジリオンのハンドル取り付け](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/06/e12885de35eba372b53819b8110c72c4.jpg)
シャフトの窪みに上からハンドルで押さえつける構造になっていたためシャフトが変形し、分解洗浄の際にギアが取り出せません。そのため変形部分を削る必要がありました。同じHYPERDRIVEデザインの21ジリオンでは対策されていますが、20アルファスAIRについては未対応となっています。
ハンドルとレベルワインダーには樹脂カラーのためベアリングに要交換
![20アルファスAIRのハンドルベアリング追加](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/06/68f96ef3f72a57b61fc3dfa10cf408f4.jpg)
![20アルファスAIRのウォームシャフトベアリング追加](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/06/6c4570540d212b4ba0b17fc7fb89cc29.jpg)
改造となるのでメーカー保証の対象外とはなりますが、巻き心地が大きく改善するためベアリング追加をお勧めします。中価格帯リールのため交換の個数は計5点と多めですが、ハンドルに4点とウォームシャフトのサイドカバーに1点で完全分解までは必要ありません。ベアリング購入と少しの手間でハイエンドに劣らない巻き心地に化けますのでお勧めのチューニングとなります。
想定される釣り
![ベイトフィネスのルアー](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/06/3e5ac5fad73ae7a9a1454a77076d1570.jpg)
20アルファスAIRは重量が軽すぎず、ML~Mクラスロッドとの相性も良いため、3~7gルアーには非常に相性が良いリールです。ある程度の重量もあるためシャッドやタイニークランクのような巻物にも最適です。ただし、ボートからLクラスのロッドで狙うようなベイトフィネスでは、より軽量のスティーズAIRや22アルデバランBFSの方が操作がしやすくなります。
20スティーズAIR TWとの比較
現在、市販されているベイトフィネスリールで28mm径はスティーズAIR、22アルデバランBFS、20アルファスAIRのみとなっています。この2機種との比較をまとめます。
![20スティーズAIRとアルファスAIR](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/07/b5c5a310edba467767f0a06e5148cfb3.jpg)
キャスト性能(3g) | 20スティーズAIR |
キャスト性能(5g) | 同等 |
キャスト性能(7g) | 20アルファスAIR |
キャスト性能(10g以上) | 20アルファスAIR |
剛性感 | 20アルファスAIR |
自重の軽さ | 20スティーズAIR |
ライントラブル耐性 | 20アルファスAIR |
コストメリット | 20アルファスAIR |
一言でいえば20スティーズAIRはF1マシン、20アルファスAIRは普通車といったところでしょう。軽いルアーを投げるなら20スティーズAIRの方が優秀ですが、若干バックラッシュしやすくピーキーです。ブレーキの効きが弱く低弾道でも投げやすい反面、7g以上のルアーは使いにくくブレーキを強めなければキャスト直後にスプールが回転しすぎてバックラッシュします。
その一方、20アルファスAIRは2gのルアーもキャスト可能ですが、5g以上のルアーの使用しやすく、加えてバックラッシュが非常に少ない設定となっています。値段だけでみると20スティーズAIRの方が優れていると思いがちですが、使いやすいのは20アルファスAIRです。20ズティーズAIR TWの詳細については別記事で紹介しております。
22アルデバランBFSとの比較
![](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/06/d241c4d2c45683dea84028a0a8fd8f58.jpg)
キャスト性能(3g) | 20アルファスAIR |
キャスト性能(5g) | 同等 |
キャスト性能(7g) | 同等 |
キャスト性能(10g以上) | 22アルデバランBFS |
剛性感 | 22アルデバランBFS |
重量 | 22アルデバランBFS |
ライントラブル耐性 | 20アルファスAIR |
コストメリット | 20アルファスAIR |
20アルファスAIRと22アルデバランBFSの決定的な違いはライントラブル耐性と重量なります。いずれも20mm台の小口径スプールで立ち上がりは抜群ですが、22アルデバランは糸が浮きやすく、バックラッシュしやすい特性となっています。対策としてメカニカルやブレーキを強める必要がありますが、これが軽量ルアーでは大きな足かせになり3g以下のルアーは狙った場所にキャストが決まりません。そのためライントラブル耐性だけでなく、3gあたりのルアーも20アルファスAIRの方が快適に投げられます。
一方、22アルデバランBFSの長所は自重の軽さと剛性感で、20アルファスAIRより軽いにも関わらず剛性感はむしろ上です。この重量の軽さはベイトフィネスで1フィンガーや2フィンガーでアクションする上で圧倒的なメリットです。ボートなどでピッチングしかしない場合であれば22アルデバランBFSのバックラッシュも問題になりにくいため、出番は増えるでしょう。22アルデバランBFSの詳細については別記事で紹介しております。
まとめ
![20アルファスAIR使用例](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/06/24e574febc8cf7d1c650228e7d69647b.jpg)
今回は28mm小口径スプールでモデルチェンジされた20アルファスAIR TWを紹介しましたが、
・2~3gのルアーでもピッチング可能な圧倒的なキャスト性能
・スティーズAIRや22アルデバランBFSと異なりバックラッシュしにくい
・アルミフレームの剛性感
と性能が抜群に良いだけにドラグ音が無いのことだけが悔やまれる機種でした。ただし20スティーズAIR TWや22アルデバランBFSのようなピーキーさは全くなく、現時点で最も使いやすいベイトフィネス機と言えます。ベイトフィネスの世界を味わいたい方だけでなく、トラブル無く快適に釣りをしたい方にもお勧めの機種です。