【19スティーズCT SV TW】5gピッチングから20gの遠投まで対応可能な異次元の軽量バーサタイル

19スティーズCT SV TWの使用例

軽量ルアー向けベイトでは32mm口径が主流の中、30mm口径と今迄にない小口径スプール径でデビューした19スティーズCTですが、

5gの軽量から20gの重量級ルアーまで対応可能なキャスト性能

12ポンド70mの糸巻量で遠投も可能

と軽量ルアー特化ではなく驚異的な汎用性を持っています。今までは5gルアーのピッチングなど32mm径の超浅溝スプールでしか不可能でしたが、30mmの小口径スプールが糸巻量の多いリールでの対応を可能としました。糸巻量が少な過ぎないため、軽量ルアーだけでなくバイブレーションの遠投まで1台で対応出来ます。21アルファスSVも非常に高い性能を持っていますが、32mm口径スプールのためか、5gのルアーではキャストが定まりません。今回は軽量バーサタイルとしては間違いなく最高峰である19スティーズCT SV TW をインプレします。

個人的な評価は以下の通りです

★5が満点
キャスト性能(3g)★★★☆☆
キャスト性能(5g)★★★★★
キャスト性能(7g)★★★★★
キャスト性能(10g以上)★★★★★
剛性感★★☆☆☆
自重の軽さ★★★★★
ライントラブル耐性★★★★★
コストメリット★☆☆☆☆

19スティーズCT SV TWの特性

19スティーズCT SV TWの箱出し

ハイエンド機種だけあってケースは黒色になっております。スティーズらしい外観です。

スプール

サイズ比較

スプールは30mm径×21mm幅とダイワの中でも2番目に小さくなっています。通常のSVスプールは34mm径×24mm幅のため一回りスプールが小さく見えます。スプール径の比較では一回り小さなスプールとなっています。

スプール幅もナロー化されております。

スプール重量

スプール自体が小さいため重量も9gと非常に軽く、通常のSVスプールより2gほど軽くなっています。

糸巻後でもフロロ12ポンド×60mで17gと非常に軽く、軽量ルアーのキャストに適しています。なおPE設定では高比重PE2号×50m+フロロ12ポンド×10mで13g強となり遠投性能を確保しながら更に軽量ルアーのキャスト性能を上げることができます。

キャスト性能

結論から述べると軽量バーサタイルとしては最高のキャスト性能です。通常の34mm径のSVスプールでは7g程度からキャストが定まらなくなってきますが、30mm径ナロースプールの恩恵で5gのスワンプクローラーでもピッチングが可能です。無理をすれば3g程度のルアーも扱えますが少々扱いにくくAIR系のリールの方が適しています。一方、AIR系のリールではスプールの強度や糸巻量を考えると絶対に扱えないフルサイズのバイブレーションや1オンス近いハネモノでさえ対応可能です。最も扱いやすいのは7~10g程度のルアーですが、一台あればスピニングさえ不要となる汎用性を持っています。

PE設定でも安心のトラブル耐性

19スティーズCT SV TWでのPEセッティング

私はスピニングだけでなくベイトも全てPEセッティングを導入しており、ベイトフィネス系では10mリーダーを採用しています。やや遠い距離となるとPEもスプールから出てくるセッティングですが、爆風時でもほとんどトラブル無くキャスト可能なSVスプールは釣りを快適にし、釣る事だけに集中させてくれます。

バックラッシュが極端にすくないためPEラインも快適に使用でき、スプール重量も軽量化できるため近距離のキャスト性が更に強化できます。小口径スプールは糸癖が問題になりがちですが、糸癖を伸ばして取り除くのがリーダー部分のみで完了することも見逃せません。お勧めのPEについては別記事で紹介しています。

ML~Mクラスに最適な軽さ

19スティーズCT SV TWの重量

150gという自重は操作を伴う釣りでは圧倒的な利点となります。ML~Mクラスのロッドとの組合せが多く想定されますが、ワームからジャークベイトなど操作系の釣りでは圧倒的な使いやすさを誇ります。また軽すぎないため巻物の釣りでも有効です。

剛性感や巻き心地は最新技術に劣る

決して悪くは無くハイエンドとしての巻き心地は持っていますが、直近のハイパードライブデザインで新しくなったギアに比べると、どうしても巻き心地の部分では劣ると感じます。同じスティーズでも直近の21スティーズリミテッドSV TWとは巻き心地が全く異なり、一世代前の製品と感じます。価格が倍近く異なる21アルファスSVとの比較でも21アルファスSVの方が巻き心地は上です。

ドラグ音ありの安心ファイトが可能

19スティーズCT SV TWのドラグ

非常に助かるのがドラグ音が付いている事です。特にライトラインを多用する軽量ベイトリールではドラグをフルロックなんて考えられず、ある程度ドラグを効かせたファイトが必須となります。軽さを重視してドラグ音を付けないベイトリールも多いのですが、19スティーズCTは軽量にも関わらずドラグ音も備えているため大物とも安心してファイトが可能です。

勝手に目盛りが変わらないブレーキダイヤル

21アルファスSVと同じように見えるブレーキダイヤルですが、実際はダイヤルが露出している部分が21アルファスSVより小さく、勝手に目盛りが変わらない対策が去れています。ハイエンドならではのコダワリが見られます。

デメリット

ナロースプールによる目減り

19スティーズCTは21mm幅のナロースプールを搭載しているため軽量ルアーのキャストには効果的ですが遠投ではスプール目減りが大きく、キャスト直後と回収間際では巻き感が大きく異なります。

実際に20gのバイブレーションを40m飛ばした前後の状況です。スプール径が3~4mmは目減りしています。

一方で通常の24mm幅の21ジリオンであれば同様のキャストでも目減りは1~2mmに留まっており巻き感の変化が少なく抑えられています。

この手のリールで遠投をすることは少ないため問題にはなりにくいですが、ナロースプールのため遠投後のスプール目減りは大きく、巻きムラが発生します。そのため遠投には34mm以上の通常幅のリールがお勧めです。

小口径スプールによるラインの巻き癖

21ジリオン SV TWのライン巻きクセ

小口径スプールの難点としてラインの巻き癖が強くなる傾向があります。特にラインスラックを多く出すワーム系の釣りでは勝手に糸が張ってしまうためベイトを逃す可能性も有ります。使用前には糸を伸ばして使う必要がありますすがPEであればリーダー部分のみで済むため、特に小口径スプールではPE設定がお勧めです。

剛性感は高く無い

19スティーズCT SV TWと21アルファスSVの比較

前述の通り剛性感は感じられません。価格帯が全く違いますが同じ量ルアー向けではアルミボディの21アルファスSVにも劣ると感じます。

ダイワ特有のカチャカチャ音は有り

ダイワ特有のカチャカチャ音は健在でルアー回収時には音が鳴ります。剛性感は悪くは有りませんが、少々、チープに感じるのは否めません。21ジリオンなどではスプールのバネで対策されていますが重量増となるため、今後も対策されない可能性が有ります。

分解時にギアが取り出しにくい

シャフトの窪みに上からハンドルで押さえつける構造になっていたためシャフトが変形し、分解洗浄の際にギアが取り出せず、変形部分を削る必要がありました。21ジリオンなどのHYPERDRIVEデザインからは対策されていますが、少々残念な点です。

高すぎる

最高級のハイエンド品のため仕方ない点ですが、それにしても気軽に購入できる金額ではありません。

TWSがハードベイトの針に当たる

19スティーズCTに限らずですが、ダイワのTWS搭載機はライン放出口が上下に動くため、リールにトレブルフックを引っかけると針先が当たり傷やフックが鈍る原因になります。私はジーニアスプロダクトのフックキーパーを使うことで対応しています。

想定される釣り

19スティーズCT SV TWに適したルアー
正直なところ19スティーズCTで対応できないルアーを探す方が難しく、大抵のルアーは扱えてしまいます。が、最も扱いやすいのは7~10g程度のルアーで、通常では投げにくいと分類されるような小型シャッドやミノー、フラットサイドクランクが特に投げやすく感じます。なお、3gを切るような軽量ルアーはスピニングの方が扱いやすく、20gを超えるようなフルサイズのバイブレーションは34mm径の通常のスティーズの方が適しています。

他のリールとの比較

スティーズシリーズとして通常のスティーズSVとAIR、そして特性が非常に近い21アルファスAIRとの比較です。

21スティーズリミテッドSV TWとの比較

21スティーズLTD_使用例
キャスト性能(5g以下)19スティーズCT
キャスト性能(7g)19スティーズCT
キャスト性能(10g)同等
キャスト性能(14g)21スティーズLTD
キャスト性能(20g以上)21スティーズLTD
剛性感21スティーズLTD
自重の軽さ19スティーズCT
ライントラブル耐性同等
コストメリット19スティーズCT

21スティーズLTDは19スティーズCTと同様にバーサタイル機としては抜群の性能を持っていますが、より軽量ルアーに適しているのが19スティーズCTです。7g以下のルアーでは19スティーズCTが圧倒的に使いやすく、14g以上には21スティーズLTDが適しています。また新型のギアで巻き心地や剛性感は21スティーズLTDが上です。21スティーズLTDの詳細については別記事で紹介しております

20スティーズAIR TWとの比較

20スティーズAIR

一方で5g以下のルアーが中心となる場合には20スティーズAIRが適しています。

キャスト性能(3g以下)20スティーズAIR
キャスト性能(5g)20スティーズAIR
キャスト性能(7g)19スティーズCT
キャスト性能(10g以上)19スティーズCT
剛性感同等
自重の軽さ20スティーズAIR
ライントラブル耐性19スティーズCT
コストメリット同等

汎用性の高さに関しては19スティーズCTの圧勝ですが、5g以下のキャスト性能については20スティーズAIRが適しています。20スティーズAIRは若干ピーキーなブレーキ設定ですが重量も驚異の130g台と圧倒的な軽さで操作性を向上させます。用途は限られますがフィネスに特化する場合には20スティーズAIRがお勧めです。20スティーズAIRの詳細については別記事で紹介しております。

21アルファスSV TWとの比較

21アルファスSV TWの使用例2

軽量バーサタイルでは価格帯は全く異なるものの32mm径のナロースプールを有する21アルファスSVは19スティーズCTに非常に近い性能を持っています。

キャスト性能(5g以下)19スティーズCT
キャスト性能(7g)同等
キャスト性能(10g)同等
キャスト性能(14g)同等
キャスト性能(20g以上)21アルファスSV
剛性感21アルファスSV
自重の軽さ19スティーズCT
ライントラブル耐性同等
コストメリット21アルファスSV

21アルファスSVは19スティーズCTと同様に軽量バーサタイルとしては抜群の性能を持っていますが、より軽量ルアーに適しているのが19スティーズCTです。特に5g以下のルアーには21アルファスではキャストが定まりませんが19スティーズCTは快適にキャスト可能です。自重も19スティーズの方が軽く軽量ルアーには完璧な性能を誇っています。一方、21アルファスは7g以上であれば全く同等の性能を誇り20g以上のルアーも快適に扱えます。アルミボディと新型ギアで剛性感も非常に高く19スティーズの半額以下の価格で入手できます。21アルファスSVの詳細は別の記事で紹介しております。どちらも汎用性の高い機種ですが、5g以下を扱うかどうかで選ぶと良いでしょう。

まとめ

19スティーズCT SV TWの使用例2

今回は19スティーズCT SV TWを紹介しましたが、

・5gから20g以上までカバーする圧倒的な軽量バーサタイル性

・150gの軽さでMクラス以下のロッドとの相性が非常に高く操作性も抜群

と価格以外では褒める点しかないリールです。小規模フィールドや野池では、もはやスピニングさえ不要となり、このリール1台で全てカバー可能です。気軽に購入できる価格帯では無いものの、頑張って資金を集めるだけの価値があるリールですので、軽量ルアーを幅広く扱う事が多い方にはお勧めです。

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