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販売開始から何年も経ちましたが、未だにハートランドのスピニングで最も扱いやすいのが6102MLFS-19だと感じます。ロングロッドが中心のハートランドの中では比較的短く多くの人が扱いやすい長さだからです。
とは言えハートランドの特徴であるトルクと粘り、また感度と扱いやすさが絶妙なバランスで仕上がっています。特にトルクはバスロッドの中では非常に高く、ドラグを駆使しながら60近いバスでも戦える仕様となっています。とは言えワールドシャウラやリベラリストのようなバス以外を想定したロッドではないためトルクは適度に抑えられており、バス釣りに必要な感度を操作性はしっかりと担保されています。
ただトーナメント系の感度重視のロッドと比べると、どうしても長さと重さで操作性は劣ります。特にロッド全長が長くグリップが異様に短いため少々重いリールを使わなければバランスもとれません。
今回はハートランドらしい粘りを持ちながらも、比較的短く扱いやすいハートランド6102MLFS-19を紹介します。個人的評価は以下の通りです。
★5が満点 | |
操作性 | ★★★★☆ |
感度 | ★★★★☆ |
乗りの良さ | ★★★☆☆ |
フッキング | ★★★★★ |
正確なキャスト | ★★★★☆ |
遠投性 | ★★★★☆ |
トルク | ★★★★☆ |
目次
ハートランド6102MLFSの特徴
スペックと外観
全長 | 6ft10inch(2.08m) |
重量 | 120g |
テーパー | ファスト |
パワー | ML |
ルアー重量 | 1.8~7g |
近年、軽量化が進んでいるバスロッドの中では重めの重量であり決して軽いとは言えません。
リールシートが木製
最近のハートランドはリールシートが樹脂化してしまいましたが、初期に近いハートランド6102MLFS-19はリールシートが木製です。個人的には現行品より高級感を感じます。
グリップが異様に短い
ハートランド6102MLFS-19の注意点としてグリップが異様に短い点で、普通のロッドに慣れていると違和感を感じると思います。実際、私もダブルハンドでキャストする際にグリップエンドを握ろうとするとグリップが無く空を掴むことが多々あります。
またグリップが短い分、ロッドの有効長は長く610ft表記ですが実際は7ft相当の長さとなります。
ロッドの曲がり方
実際に負荷をかけた際の写真です。テーパーはファストテーパーで負荷が小さい時には先端のみ、負荷が大きくなれば胴まで曲がるアクションになっています。
左から20g(TDバイブ)、50g(ジョイクロ)での曲がり方です。
ティップは柔らか過ぎずシャッドのただ巻きなどでの食い込みが良いとは言えません。が、逆に根掛かりを躱しやすくミノーのトゥイッチなど操作しやすい調子です。
続いて200g(元祖メタニウムMGL)、500g(PETボトル)の負荷をかけた曲がりです。
弱い負荷では先のみが曲がり、負荷が強くなるにつれて同まで曲がりますがバットガイドの少し後ろ付近で曲がり止まります。よりトルクの高いスコーピオン2701FF-2ではバット部分まで曲がりますが、ハートランド6102MLFS-19ベリー当たりから急激にパワーが強くなっているためフッキングしやすい調子です。
バランスと操作性
ハートランド6102MLFS-19の重心は短いグリップが悪影響し、グリップ先端から9.5cmとトップヘビーとなっています。個人的には持ち重りを感じるため、バランスを取るためには180~200gの少々重めのリールが適していると感じます。
なおロッドの有効長が同じ長さのスコーピオン2701FF-2では重心がグリップ先端から6.0cmとなっております。このため23ヴァンキッシュのような軽いリールを使っても全く持ち重りを感じません。
感度
感度は比較的高く必要十分と感じます。これだけトルクの高いロッドにも関わらず、この感度を維持できているロッドは多くありません。
乗り、食い込みの良さ
食い込みの良さ、乗りの良さと言う面ではハートランド6102MLFS-19は良くありません。シャッドなど巻物や極小のライトリグ使うなら、より柔らかいロッドをお勧めします。
ただハートランド6102MLFS-19は適度にロッドティップが硬いため小型ミノーの操作が容易です。ソリッドティップやエクストラファストのロッドでは先端が入り過ぎるためミノーの操作ができません。またティップが硬いためゴロタ石が点在するような場所でも根掛かりし難い傾向にあります。
フッキング性能
ベリーからは硬くなるためフッキング性能は高いと感じます。またロッド全長も長いためフッキングのストロークが稼ぎやすくフックが貫通しやすい設定です。
キャスト性能
ロッドの有効長が7ft相当のためハートランド6102MLFS-19のロングキャスト性は非常に高く遠投が容易です。ただ全長が長い分、近距離での正確なキャストは苦手です。
トルク
トルクが高いほど魚が暴れにくくファイト時も寄せやすい傾向にあります。私のトルク認識は以下の通りです。
5 | ワールドシャウラ、スコーピオン |
4 | ハートランド |
3 | ブラックレーベル |
2 | ゾディアス |
1 | エクスプライド |
ハートランド6102MLFS-19のトルクは4とバスロッドの中では非常に高い部類になります。若干重く感じるものの良型が掛かった際にも魚が暴れにくく安心してファイトできます。
デメリット
グリップが短すぎる
下:スコーピオン2701FF-2
個人的には取り回しやすさに直結しているため気に入っている点ですが、普通のロッドに慣れている人にはハートランド6102MLFS-19のグリップは短いと感じるでしょう。店頭などで確認した上での購入をお勧めします。
近距離キャストや繊細なフィネスは対応できない
ロングロッドの弱点として、近距離への正確なキャストや一点シェイク、繊細な誘いには全く適していません。この用途には短いロッドが適しています。
最適なルアー
ハートランド6102MLFSが適しているのは3~7g程度のルアーです。具体的にはカットテールの4~5インチ、スワンプクローラーや小型ミノーなどです。ティップが入り過ぎないためルアーを操作しやすく根掛かりも回避しやすいですが、逆にラインスラックを多用する釣りでなければ食い込みが悪くバイトを弾く点には注意です。
タックル例の紹介
リール:23エアリティPC LT3000
メインライン:シマノ ピッドブルG5 0.8号
リーダー:フロロリミテッド 8ポンド(6m)
ハートランド6102MLFS-19はロッドの有効長も長くグリップが極端に短いため重めのリールが適しています。セルテートやツインパワー、ステラまでは必要ありませんが、23ヴァンキッシュや23イグジストSFでは少々持ち重りするため、22イグジストや23エアリティなどの3000番くらいの番手が適しています。
まとめ
今回紹介のハートランド6102MLFSは
・バス釣りに必要な操作性と感度を維持しつつ大型にも対抗できる高トルクロッド
・ワームやジャークベイトなどラインスラックを使った操作がしやすい
・グリップが短すぎるためバランスは悪くリールでの調整が必要
となっており個人的には大型バスと戦うトルクを持ちながらワーム系を操作しやすい他に無いロッドとなっています。普段、ワールドシャウラやスコーピオンを使っているが、ワームが使いにくいと感じる人に特にお勧めです。