この記事は広告を含む場合があります。記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
フロロが中心のバス釣りではPEは一部のみの利用に留まっていましたが高比重PEの出現にて一変しました。一般的に水に浮くPEラインは糸がたるんだ状態では当たりが取りにくく操作もしにくい傾向にあります。ですが高比重PEであればフロロと同様に扱え感度も激的に向上します。一般的にフロロは10%前後も伸びますがPEは数%しか伸びが無いためです。また号数も半分以下に出来るため飛距離も向上し利点だらけです。
その反面、高比重PEは一般的なPEに比べ強度と耐久性が劣ります。表面凹凸が大きいため糸鳴りは大きく強度や耐久性も低く半分程度しか有りません。またコストも決して安くはなく一般的なPEと同等のため交換頻度が高い分コストが嵩みます。
今回はフロロ比べ圧倒的な強度と感度がありがらも同じように仕様可能な高比重PEであるオードラゴンについて紹介します。
なおの個人的評価は以下の通りです。
★5が満点 | |
細さ | ★★★★★ |
強度 | ★★☆☆☆ |
耐久性 | ★★★☆☆ |
滑り性 | ★☆☆☆☆ |
硬さ | ★★★★☆ |
コスト | ★★★☆☆ |
オードラゴンの特徴
太さ
SV BOOST PEに0.8号を75m巻いた時の写真です。左がオードラゴン、右がUPGRADEですが同じメーカーという事もあり、太さは号数通りで太くも細くもありません。
強度
0.8号をFGノットでの結束強度を測定した結果です。比較対象は代表的なPEである「よつあみ」のUP GRADEです。
オードラゴン | UP GRADE | |
表記 強度 | 5.9kg 13lb | 7.26kg 16lb |
平均 | 3.11kg 53% | 4.80kg 66% |
最大 | 3.50kg 59% | 5.50kg 72% |
最低 | 2.50kg 42% | 5.00kg 62% |
強度については一般的なPEであるUP GRADEに比べ10%ほど低く5割程度となっています。また最低強度では4割ほどしか出ないためリーダーも一般的なPEほど強くは出来ません。そのためリーダーの目安としてはPEの太さの倍が限界です。例として0.8号に対しては6lbであれば問題ありませんが8lbのリーダーではリーダーでなくPEが結束部分で破断します。
耐久性(色落ち、毛羽立ち)
耐久性は高級PEには劣りますがハイブリッドPEとしては悪くありません。多少は色抜けしていきますが数か月に1度の交換で十分です。
ただ長期使用では注意が必要です。普通のPEに比べ毛羽立ち易い傾向にあるためです。通常のPEであれば1年は使用可能で裏返してもう一年でも使用可能ですが、オードラゴンX4は半年ぐらいが限界となります。
滑り性、糸鳴りの少なさと飛距離
顕微鏡による60倍写真での比較です。オードラゴンは滑り性に関してはPEの中でも悪い部類に入り、糸鳴りも大きめです。UP GRADEとの比較でも表面の凹凸感が全く違います。飛距離自体は悪くは感じませんが、一般的なPEに比べ1ランク太い糸を使っているようなラインの抵抗感を感じます。
FGノットでの編み数
オードラゴン | UP GRADE | オルトロスPE | |
0.8号 | 19回 | 25回 | 25回 |
2号 | 13回 | – | 17回 |
滑り性が悪い影響で摩擦系ノットは一般的なPEより少ない編み数でもスッポ抜けがありません。個人的には上記の編み込みで対応しています。
伸びと感度
0.8号×2mのPEを2kgで引っ張った際の伸び率の結果です。
オードラゴン | UP GRADE | |
伸び | 3cm | 3cm |
伸び率 | 2% | 2% |
結果としてはUP GRADEと同等でPEとしては平均的な数値です。
硬さ
オードラゴンは高比重素材が入っているためPEとしては硬めでフロロやナイロンに近い感覚で扱えます。UP GRADEのような一般的なPEは空気中や水面でラインが舞うためラインでの細かい操作はできません。ですが高比重PEのオードラゴンなら曲線的に水面までラインが入るためラインの重量でルアーを操作できます。
トラブル耐性
この硬さと適度な張り感はライントラブルも減らします。一般的なPEに比べ比重が重たく空中でラインが泳がず水面に向かって弧を描きます。そのためラインでのルアー操作もしやすく糸絡みも低減でき当たりも取りやすくなります。加えて一般的なPEに比べエアノットが発生しにくく高切れも少ない傾向にあります。
コスト
価格については他の一般的なPEと同じくらいの価格帯となっています。ただオードラゴンは耐久性が低く一般的なPEより早い交換が必要です。そのため実質的なコストに関しては決して安いとは言えません。
最適な使用用途
オードラゴンはフロロで使用していた全ての用途に対応可能です。ただし耐久性は低くキャストを繰り返す巻物の釣りでは結束部分がすぐに傷んで解けるためお勧めできません。そのためオールラウンドに使用する場合やワーム系などキャスト数が少ない釣りに適しています。フロロより伸びが少なく感度が高いためヘビキャロなど遠投が必要な釣りにも最適です。
他のPEとの比較
ピッドブルG5との比較
細さ | 同等 |
強度 | 同等 |
耐久性 | オードラゴン |
滑り性 | 同等 |
硬さ | 同等 |
コスト | ピッドブルG5 |
同じ高比重PEに属するピッドブルG5ですがオードラゴンは耐久性にメリットがあります。まず比重に関しては僅かにオードラゴンの方が上ですが、実釣では差を感じません。ただ耐久性に関しては明らかにオードラゴンが上で結束部分の強度や色抜けも控えめです。
その反面、ピッドブルG5は性能に関して殆ど同等にも関わらずコストが抑えられています。障害物周りの釣りが多いバス釣りではどうしてもラインが痛むため耐久性が強くても交換が必要になります。であればピッドブルG5で頻繁にライン交換するのは合理的です。ピッドブルG5の詳細については別記事で紹介しております。
まとめ
オードラゴンは
・フロロ同様の操作が可能であり糸がたるんでいても感度が高い
・フロロよりは高いもののPEとしては強度も耐久性は低め
・価格も安くはないためライン消耗が早い巻物には不向き
とフロロ中心のバス釣りには最適のPEではあります。ただ耐久性は決して高くなくコストも決して安くは無いため高比重PEの導入にはピッドブルG5を推奨します。ただオードラゴンはマーク入りとなっているため特にラインの動きを見たいエキスパートにお勧めのラインとなります。