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セルテートが新型ローターを搭載し新しくなりました。この新型ローターは非常に軽快で巻き出しが軽いのが特徴ですが、24セルテートは加えてドライブギアにもマグシールドが搭載されていません。そのため剛性感が極めて高いにも関わらず22イグジスト以上の軽い巻き感に仕上がっています。モノコックボディによる剛性感は健在で巻き心地も最上クラスです。またシマノ機のような密巻きは搭載されていないのでトラブルが少ないのも特徴です。
ただ難点がドラグ性能で低価格帯並みの低い性能しかありません。ハイエンド機にも関わらず24セルテートはスプール両端がカラーとなっており一つもベアリングが入っていないのが原因です。ベアリングに交換するだけで22イグジスト、23エアリティと同等まで進化しますが、箱出しの状態ではハイエンド機としては最低クラスのドラグ性能です。また22ステラ以降の密巻きスピニングに慣れた人には遠投時のスプールの抵抗を大きく感じます。
今回はスプールのベアリング交換が必須で手間は掛かるものの、剛性感が極めて高く巻きも軽快な24セルテートを紹介します。個人的な評価は以下の通りです
★5が満点 | |
重量の軽さ | ★☆☆☆☆ |
巻きの軽さ | ★★★★★ |
剛性感 | ★★★★★ |
ドラグ性能 | ★☆☆☆☆ |
ライントラブル耐性 | ★★★★★ |
コストメリット | ★★☆☆☆ |
目次
24セルテートの特性
新型エアローターの軽快な巻き心地
22イグジスト、23エアリティに搭載された新型ローターが24セルテートにも搭載されました。見た目も高級感もあがっていますが、特に新型ローターは従来機に比べ巻き感が極めて軽いのが特徴です。少し回してみるだけでも巻きの軽さが体感できます。
マグシールド感が非常に少ない
もう一つの24セルテートの特徴がマグシールドベアリングの数が少なく巻き抵抗が少ない事です。22イグジストで搭載されていたメインギア両端のマグシールドが24セルテートでは通常のベアリングになりました。このマグシールドの除去にて剛性感の高いリールにも関わらず23エアリティと全く変わらない軽快さが24セルテートには有ります。
ダイワ製スピニングの長所は昔から巻きの軽さであり、マグシールドにて長所が台無しになっていると言うのが個人的な意見です。ただ23エアリティでは軽快さ重視のため搭載されなかったマグシールドが耐久性重視の24セルテートでも搭載が見送られたのは少々驚きです。よっぽどマグシールドへの否定的な意見が多かったのだと思われます。
ベールを起こした際の音
従来のエアベールではベールの開閉で音がありませんでしたが、新型ローターにて音付きになり、ベール開閉が分かりやすくなりました。
ベールのナットが消えた
これもネジ穴が片面のみで見えにくくなることで見た目の高級感に繋がっています。おそらく水の侵入防止にも効果があると思われます。
ドラグ性能は低価格クラス並みに低いが…
ドラグ性能は以下手順で確認しました。ラインが1秒で30cm出る設定でドラグを800gに設定し、そこから低速 (10cm/s)と高速(90cm/s)でのドラグ値を10回以上計測し、おおよその平均値を記載しました。手作業のためブレが非常に大きい実験ではありますが、結果は以下の通りです。
ドラグ速度 | 24セルテ | 23エアリティ | 23レグザ |
スプール径 | 48φ | 48φ | 45φ |
低速(10cm/s) | 700g | 500g | 600g |
普通(30cm/s) | 800g | 800g | 800g |
高速(90cm/s) | 1,200g | 900g | 1,000g |
23エアリティ:23エアリティPC LT3000
23レグザ:23レグザLT2500S
ただ結果は表題の通りですが、悪すぎるにも程があります。23エアリティとは比較にもならず23レグザにさえ劣る結果で、正直言って使い物にならないレベルです。この価格帯のスピニングで、ここまでドラグ性能の悪いリールは初めてです。
ベアリング追加でイグジスト同等までドラグ性能が進化
なお24セルテートはスプール内が金属カラーであり、スプールを支えるシャフトが樹脂カラーになっているためベアリングに交換出来ます。ベアリングに交換した際のドラグ性能は以下の通りです。
ドラグ速度 | 24セルテ* | 22イグジスト | 22ステラ |
スプール径 | 48φ | 48φ | 47φ |
低速(10cm/s) | 500g | 500g | 600g |
普通(30cm/s) | 800g | 800g | 800g |
高速(90cm/s) | 900g | 900g | 1,000g |
22イグジスト:22イグジスト LT3000
22ステラ:22ステラC3000SDH
ベアリング追加により24セルテートのドラグ性能は劇的に向上し数値的には22イグジストと同じとなりました。数値的には22ステラさえも上回る結果となっており、本来の24セルテートのドラグ性能が上記の結果なのだと思います。にしてもスピニングでの性能の要となるスプールのベアリングがハイエンド機でゼロと言うのは信じられません。
圧倒的な剛性感
モノコックボディを搭載した近年のダイワ製スピニングは極めて剛性感が高く巻き心地も滑らかです。また24セルテートはボディに23エアリティのような肉抜きも無く、より剛性感を重視した設計となっています。
剛性感の感じられる重さ
24セルテートは剛性感を重視したモデルのため重量は軽いとは言えません。ただひと昔前の番手に比べるとずいぶんとかるくなったとは思います。
持ち重り感の軽減にてバランス向上
また近年のダイワ製スピニングはバランスの改善にて持ち重りが軽減されています。従来機ではスプールが重く前傾重心となっていました。
ただ23エアリティが進化しているとは言ってもシマノのステラやヴァンキッシュに比べると重心位置は変わりません。
ライントラブル対策
エアリティ
24セルテートには22イグジストから搭載されたライントラブル対策も導入されています。このスプールシャフトへの糸絡みストッパーが改良され、よりトラブルが軽減されています。
下から見てみても、ほとんどスプールとの間に隙間が無く糸の侵入が防がれています。
ただ、この点に関してはシマノ機の方が更に性能が上です。22ステラや23ヴァンキッシュでは更に隙間が狭くなっています。
ローター回転防止にもカバーが付いた
エアリティ
ダイワはベールを起こした際の回転防止を写真の突起で対応しており、ベールを起こした時だけ突起が出ることで回転防止の役割を果たしています。ただローターの回転防止に糸が絡まり、更に、ここに糸が絡むと切る以外に選択肢がありません。キャストした手元から切るハメになるのでライン巻替えに直結します。新型エアベールではこの部分が完全にローターで覆われているため、まずラインが絡まることは有りません
ツイストバスターⅢの効果は不明
ツイストバスターも改善されたと記載されていますが、個人的には効果は感じられませんでした。23エアリティでも搭載されている機構であり1年以上は使用していますが、あまり効果は分かりません。スピニングは、どうしても糸ヨレするのでこの点は諦めています
フラッグシップよりは控えめなコスト
価格は決して安くはないですが、近年のハイエンド機としては抑え目な価格です。
デメリット
スプールのカラーはベアリングに交換必須
ハイエンドの製品にもかからわず、なぜかスプール内および軸にはカラーとなっており一つもベアリングが入っていません。このままでは低価格帯のドラグ性能しかありませんのでベアリングへの交換は必須です。ただし改造となるため保証の対象外とはなる点には要注意です。
ヘッジホッグやダイワ純正の交換キットの場合、六角レンチも付属でついてきますが、上記のベアリングは単体での販売となります。樹脂カラー交換の際には0.89mmの六角レンチが必要となるので、併せて準備してください。
密巻きのキャスト感は無い
近年の22ステラや23ヴァンキッシュなど密巻き搭載機を使ってきた人には24セルテートのキャスト感は悪く、スプールにて糸の抵抗感を強く感じます。逆にトラブルレスには直結するため近距離中心の人にはありがたい点ですが、遠投が中心の場合にはシマノ機の方が気持ち良く扱えます。
あると便利なスタンド
スピニングリール全般に当てはまる件ですが、スプールに傷が入るとキャストの度にラインに傷がつくため致命傷となります。普段は直置きについて注意していても、良型が釣れた際にはタックルと合わせて写真を撮ることも多いでしょう。ただ、このタイミングが最も危険で魚が暴れ一瞬でリールが傷物になります。
多少の重量増にはなりますが、私はリールスタンドを使用しており、これでリールが直に地面に触れる可能性は無くなります。フックキーパーも付属しており、ニッパーで切って改造すればオフセットフックやシンカーも対応可能です。
他のリールとの比較
22ステラとの比較
重量の軽さ | 同等 |
巻きの軽さ | 24セルテート |
剛性感 | 22ステラ |
ドラグ性能 | 22ステラ |
ライントラブル耐性 | 24セルテート |
コストメリット | 24セルテート |
24セルテートと22ステラは同じ高剛性のスピニングではありますが味付けが異なります。24セルテートはダイワが得意な警戒が巻き心地に加えライントラブルが非常に少ないのが特徴です。また、あえてドラグ性能は22ステラが上としていますがスプールにベアリングが全く入っていないのが理由です。ベアリングさえ追加すれば24セルテートのドラグ性能は22ステラさえ圧倒します。
なお巻き心地に関しては同じ90mmダブルハンドルで比較しましたが、僅かに22ステラの方が上に感じます。24セルテートの剛性感も極めて高いのですが、22ステラはギアの引っ掛かり感も少なく、加えて密巻きのためスプールの上下動も少なく巻きが安定します。密巻きでのトラブルには注意が必要ですが、遠投が中心の場合には22ステラの方がお勧めです。22ステラの詳細は別記事で紹介しております。
24ツインパワーとの比較
重量の軽さ | 同等 |
巻きの軽さ | 24セルテート |
剛性感 | 同等 |
ドラグ性能 | 24ツインパワー |
ライントラブル耐性 | 24セルテート |
コストメリット | 同等 |
24ツインパワーと24セルテートはともに剛性感を売りにしているリールですがコンセプトが異なります。24セルテートは樹脂ローターによる軽快な巻き心地が売りとなっており、近距離でキャストを繰り返す釣りに適しています。なおドラグ性能については本来であればシマノ機よりダイワの方が若干上なのですが、24セルテートはハイエンドにもかかわらずスプールにベアリングが全く搭載されていないためベアリング交換しなければ本来の性能が得られません。
一方で24ツインパワーは金属ローターと密巻きによる巻きの安定感が特徴で遠投し巻き続ける釣りに適しています。24ツインパワーの詳細は別記事で紹介しております。
まとめ
24セルテートは
・新型ローターとマグシールド減による圧倒的な巻きの軽さ
・圧倒的な剛性感と巻き心地
・ドラグ性能は極めて悪くベアリングへの交換は必須
となっており、ベアリングへの交換は手間ですが、近年のシマノ機に搭載の密巻きが苦手な方には超絶お勧めな機種です。