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物性データのみの検証となっており耐久性に関してはハイシーズンに入ってからの更新になります。
デュエルから25年末に新たにリリースされたH.D.カーボンEXは近年のフロロに多い滑りの良いコーティングが施されており、耐摩耗性が極めて高いと感じます。耐摩耗性だけならアブソルートAAA以上であり、またコーティングの影響か糸クセが極めて付き難いのも特徴です。糸の伸びも控えめであり、サンラインの最高峰フロロであるシューターのような特性をもっていますが、決して価格も高くは有りません。ワーム系の釣りが好きな人には非常に相性が良いかと思います。
ただ結束強度に関してはFCスナイパー(2025)と同等以上ではあるもののハイエンドのアブソルートAAAやフロロリミテッドには劣ります。またコーティングの影響か若干糸が硬くフロロリミテッドハード相当の方さであり、糸のハリ感が強いためスプール上で糸が浮きやすい傾向にあります。非常に滑りの良いコーティングのため結び方によってはノット抜けにも注意が必要です。
今回は若干硬さは目立つものの、極めて糸クセが少なく耐摩耗性が非常に高いH.D.カーボンEXを紹介します。
| ★5が満点 | |
| 細さ | ★★★★★ |
| 強度 | ★★★☆☆ |
| 耐久性 | 検証中 |
| 耐摩耗性 | ★★★★★ |
| 伸び難さ(感度) | ★★★★★ |
| 柔らかさ | ★☆☆☆☆ |
| コスト | ★★★★★ |
H.D.カーボンEXの特徴


細さ
| H.D.カーボンEX | フロロリミテッド | |
| 4lb | 0.165 | 0.165 |
| 5lb | 0.185 | 0.185 |
| 6lb | 0.205 | 0.205 |
| 8lb | 0.235 | 0.235 |
| 10lb | 0.260 | 0.260 |
| 12lb | 0.285 | 0.285 |
| 14lb | 0.310 | 0.310 |
| 16lb | 0.330 | 0.330 |
| 20lb | 0.370 | 0.370 |
H.D.カーボンEXの太さは号数通りでフロロリミテッドなど多くのフロロと同じ太さになっています。
強度

14lbを各ノットで各5回結束強度を測定しました。比較対象はフロロリミテッドです。なお結束は条件を一定にするため一切糸を湿らせず行っており、パロマーノットのみ結束時に余り糸を捨て糸側に引いて試験しています。他のノットで余り糸を捨て糸側に引っ張らないのは、パロマーノット以外では余り糸は本線側にしか引っ張れないのが理由です。
完全結びでの結束強度
| 完全 結び | H.D.カーボンEX | フロロリミテッド |
| 強度 | 6.35kg 14lb | 6.35kg 14lb |
| 平均 | 2.00kg 31% | 4.55kg 72% |
| 最大 | 3.70kg 58% | 5.00kg 79% |
| 最低 | 0.9kg 14% | 4.25kg 67% |
完全結びは糸による結束強度の差が出やすいノットですが、H.D.カーボンEXでは特に悪い結果が出ています。最低値では0.9kgという信じられない結果も出ました。

この原因としてはノット抜けであり、コーティングの滑りが良すぎるためかH.D.カーボンEXは完全結びではノット抜けが多発します。最大強度でも58%しか出ないためH.D.カーボンEXには完全結びはお勧めできません。
ハングマンズノットでの結束強度
| ハング マンズ | H.D.カーボンEX | フロロリミテッド |
| 強度 | 6.35kg 14lb | 6.35kg 14lb |
| 平均 | 3.64kg 57% | 4.75kg 75% |
| 最大 | 4.80kg 76% | 5.60kg 88% |
| 最低 | 2.60kg 41% | 3.50kg 55% |
強度はあまり高くないものの結束が速いハングマンズノットでも試しましたが、ノット抜けこそ発生しなかったもののフロロリミテッドには平均的に1割は劣る結果でした。
ユニノットでの結束強度
| ユニ | H.D.カーボンEX | フロロリミテッド |
| 強度 | 6.35kg 14lb | 6.35kg 14lb |
| 平均 | 4.30kg 68% | 4.95kg 78% |
| 最大 | 4.50kg 71% | 5.50kg 87% |
| 最低 | 3.70kg 58% | 4.25kg 67% |
少々結束に時間が掛かるものの結束強度が安定しやすいユニノットでも測定しました。平均でも68%の強度が出ているため悪い結果ではありませんが、ハングマンズノットと同様にフロロリミテッドには劣る傾向にあります。
パロマーノットでの結束強度
| パロマー | H.D.カーボンEX | フロロリミテッド |
| 強度 | 6.35kg 14lb | 6.35kg 14lb |
| 平均 | 4.70kg 74% | 4.95kg 78% |
| 最大 | 5.70kg 90% | 5.25kg 83% |
| 最低 | 3.70kg 58% | 4.75kg 75% |
最後にパロマーノットです。パロマーノットは安定して7割程度の強度が出やすいノットであるためか、H.D.カーボンEXでも平均7割以上の強度が出ています。ただ1回のみ低い強度が出ているのが懸念であり、使用に際しては、7割の平均強度でなく最低強度が6割になることを理解した扱いが必要です。
耐久性
耐久性に関しては検証中のため少々お時間願います。
耐摩耗性

14lbを105g(12号重り+15号重り)を1000番の砥石に吊るし、左右20cmを左右に行き来できた回数を測定(1往復で2回とカウント)しました。5回行った測定の平均、最大、最小の強度を示します。
| H.D.カーボンEX | フロロリミテッド | |
| 平均 | 27回 | 19回 |
| 最大 | 31回 | 22回 |
| 最低 | 24回 | 17回 |
| アブソルートAAA | フロロリミテッド 16lb | |
| 平均 | 21回 | 34回 |
| 最大 | 28回 | 36回 |
| 最低 | 13回 | 30回 |
H.D.カーボンEXの最大の長所が圧倒的な耐摩耗性でフロロリミテッドどころかアブソルートAAAさえも超え、14lbにも関わらずフロロリミテッドの16lbに匹敵するほどの耐摩耗性を発揮します。今のところ耐摩耗性に関してはトップクラスで耐摩耗性で対抗できるのは同様に最新のコーティングが施されたFCスナイパー(2025)ぐらいです。
伸び難さと感度

14lb×2mを引っ張った際の伸びを記載しています。伸び率だけだは分かりにくいので実測値も掲載しています。比較対象はフロロリミテッドの14ポンドです。
| H.D.カーボンEX | フロロリミテッド | |
| 線径 | 0.310mm | 0.310mm |
| 2kg | 19cm(9.5%) | 23cm(12.0%) |
| 1kg | 10cm(5.0%) | 13cm(6.5%) |
| 0.5kg | 4cm(2.0%) | 5cm(2.5%) |
| 0.2kg | 1cm(0.5%) | 1cm(0.5%) |
H.D.カーボンEXは伸びが非常に少ないフロロで、フロロリミテッドとの比較でも負荷の強度に関わらず伸びが少ない結果となりました。
| FCスナイパー(2025) | シューター | |
| 線径 | 0.310mm | 0.310mm |
| 2kg | 20cm(10.0%) | 18cm(9.0%) |
| 1kg | 11cm(5.5%) | 10cm(5.0%) |
| 0.5kg | 5cm(2.0%) | 4cm(2.0%) |
| 0.2kg | 2cm(1.0%) | 1cm(0.5%) |
参考までに伸びにくいサンライン系のフロロとも比較しましたがFCスナイパー(2025)よりも伸びは少なく、最も伸びが少ないシューターに匹敵するほどの伸びの少なさです。
柔らかさ

H.D.カーボンEXは糸自体はコーティングの影響か非常に硬くフロロリミテッドハードに匹敵します。その割に糸クセは非常に少なく、糸クセの付き難さでは柔らかいフロロリミテッドと同等です。

ただ若干の難点もあり糸クセは少ないもののスプールへのなじみが極めて悪く糸浮きが多発します。このフロロを快適に使用するには糸巻き量を少なくしたり、後述のようにPEのリーダーとして使用するのをオススメします。
【参考】フロロリミテッドの糸クセ
フロロリミテッドは糸自体が柔らかいため糸クセも少なく抑えられています。

【参考】フロロリミテッドハードの糸クセ
硬いフロロリミテッドハードBASSの写真を載せますが、糸クセも付きやすく扱いには技術が求められます。

コスト
H.D.カーボンEXのコストは非常に良心的な価格で見た目の価格は安くは無いものの150m巻きであること考慮すれば多くのフロロより安価となります。
PEの20mリーダーならコスト1/5
なおPEラインのリーダーとして使用すれはコストは更に抑えられます。バス向けではPEスピニングでは普及しつつありますがベイトでは殆ど見かけません。原因はライントラブルですが、これはリーダー20mとすることで、ほぼ解消できます。このセッティングでは使用感はほぼフロロであり、かつコストを1/5に抑えられます。詳細は上記リンクをご参照ください。
H.D.カーボンEXはスプールでの糸浮きが目立つため、糸浮き対策としてもPEはお勧めです。
他のラインとの比較
FCスナイパー(2025)との比較
| 細さ | 同等 |
| 結束強度 | H.D.カーボンEX |
| 耐久性 | 検証中 |
| 耐摩耗性 | FCスナイパー |
| 伸び難さ(感度) | H.D.カーボンEX |
| 柔らかさ | FCスナイパー |
| コスト | 同等 |
同じ価格帯のフロロとしてH.D.カーボンEXのライバルはFCスナイパー(2025)となります。どちらもコーティングが素晴らしく耐摩耗性に優れるフロロですが、違いは硬さと伸びです。H.D.カーボンEXは若干硬く伸びも少ないためワーム系の釣りに重宝します。その一方でFCスナイパー(2025)は少し柔らかく伸びもあるため巻物の釣りに適しています。
モンスターブレイブZとの比較
| 細さ | 同等 |
| 結束強度 | モンスターブレイブZ |
| 耐久性 | 検証中 |
| 耐摩耗性 | H.D.カーボンEX |
| 伸び難さ(感度) | H.D.カーボンEX |
| 柔らかさ | モンスターブレイブZ |
| コスト | 同等 |
同じ価格帯のフロロにはモンスターブレイブZもありルアマガ誌のタックルオブザイヤーの企画でもアブソルートAAAに次いで人気のフロロです。H.D.カーボンEXとの比較では、どちらも硬めのフロロですが結束強度に関してはモンスターブレイブZの方が高く、一方で耐摩耗性と伸びの少なさではH.D.カーボンEXが圧倒します。そのため使用する場所に応じた使い分けがお勧めです。
まとめ

今回紹介のH.D.カーボンEXは耐摩耗性が極めて高く、伸びも少なく糸クセが極めて少ないのが特長であり、特にワーム系の釣りで重宝する仕様となっています。ハイエンドのアブソルートAAAやフロロリミテッドには結束強度は劣りますがFCスナイパー(2025)と同レベルであり、FCスナイパー(2025)を使っているが伸びが気になる方にお勧めです。



