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安価帯ではあるもののフラッグシップである24スティーズSV TWの実釣性能を完全に再現しているのが25タトゥーラSV TWです。と言うのも基本性能が殆ど24スティーズSV TWと同じだからです。
32mm径のSV BOOSTスプールにて重たいバイブレーション、空気抵抗の大きなスピナーベイト、投げにくい軽量クランクまでバス釣りで使うような定番ルアーは一通り扱えます。使えるだけでなく飛距離も全く問題なく、かつバックラッシュも殆ど発生しません。剛性感も非常に高く、これが安価帯のリールとは思えない程です。
ただ一般的な32mm径のベイトリールとは異なる点には注意が必要です。というのも25タトゥーラSV TWはボディが32mm径のリールとしては大きく24タトゥーラTW 100や21ジリオンSV TWと変わらず、重量も重めです。割と軽いルアーまでキャスト可能ではあるものの、操作感の面では大きくマイナスとなります。
加えて24スティーズSV TWの実釣性能を再現しているとは言っても、やはり安価帯のリールであり遠投時のスプールの唸り、巻き感など細かい部分ではフラッグシップ機には勝てません。
今回はバス向けで安価かつ大半の釣りに対応可能な25タトゥーラSV TWを紹介します。個人的な評価は以下の通りです
★5が満点 | |
キャスト性能(7g) | ★★★★☆ |
キャスト性能(10g) | ★★★★★ |
キャスト性能(14g) | ★★★★★ |
キャスト性能(21g以上) | ★★★★★ |
ライントラブル耐性 | ★★★★★ |
剛性感 | ★★★★☆ |
巻物適正 | ★★★★☆ |
コストメリット | ★★★★★ |
目次
25タトゥーラSV TWの特性
外観はタトゥーラの特徴を踏襲しており黒いボディに蜘蛛のマークとなっています。ただボディは32mm径スプールのリールとしては異様に大きく24タトゥーラTW100と変わりません。
実際に並べてみても全くボディ形状は変わりません。
裏面も同様です。
その影響か25タトゥーラSV TWはボディとスプールの隙間が広めです。まぁ34mm径で設計したボディに32mm径のスプール入れたら、そりゃ隙間も広くなるとは思います。
スプール
スプール外観
スプールは32mm径×24mm幅と通常のスプール設定です。34mm径のSV BOOSTとの比較でも一回り小さなスプールになっています。
ただスプール幅に関しては24mmとなっており従来通りです。実測値でも25.3mmと21ジリオンSV TWと差は有りませんでした。
ただシャフトレス構造で無いためかスプールのベアリングもありません。
またブレーキ構造はBOOSTになっており金属スペーサーが2段となっています。24タトゥーラTWではMAG-Z BOOSTが搭載されなかったため、今回の25タトゥーラSV TWには驚いた人も多かったのでは無いでしょうか。
スプール重量
スプール重量はシャフト付きの割には意外に重く15.1gとなっています。SV BOOST機構を搭載した影響での重量増とはおもいますが、まさか34mm径の24たTWより重いのは予想外でした。
糸巻後の重量でもFC12lb×60mで23.2gと軽量ルアーのキャストには最適な数量です。なお高比重PE2号×50m+FC12lb×20mの設定では21.3gと約2gもの軽量化が可能です。
スティーズに匹敵するキャスト性能
25タトゥーラSV TWの素晴らしい点としてキャスト性能が異様に高い事です。もう24スティーズSV TWを再現したと言ってもいいでしょう。風の強い条件で検証しましたが、空気抵抗の大きなスピナーベイトでも重たいバイブレーションでも全くバックラッシュ無く快適に投げられます。
また32mm径の小口径スプールの恩恵かワイルドハンチやフラットサイドクランクなど一般にベイトでは投げにくいと言われるルアーもバックラッシュが全く発生しません。かつ十分な飛距離が出ています。
ただ7gまではバックラッシュ無く扱えるものの5~7gとなるとキャスト時に失速感が強くキャスト精度は劣ります。また上位機種のMAG-Z BOOSTと比べると特に遠投後半でブレーキが残る感覚が強く、またスプールもキャスト時に若干暴れるため一歩劣る感じは否めません。
ベイトPEでは7g前後のルアーも快適に
ベイトPEはスプールが劇的に軽量化され軽量ルアーのキャスト性能が向上しバックラッシュが減少します。ベイトPEの詳細は別記事で紹介しております。
ワイルドハンチやフラットサイドのキャスト精度が更に向上するだけでなく5gシャッドまで何とかキャストが可能となります。またスワンプクローラーでもギリギリキャストは可能でしたが軌道が左右にずれて、全く精確なキャストはできませんでした。
価格帯以上の剛性感もアルファスやジリオンには劣る
HYPER DRIVEデザイン以降はギアが△でなく凸の形状に変わりました。この恩恵で旧世代ですがワンランク上の16ジリオンSV TWなどに比べても剛性感も巻き心地も上回っています。
ただ同様にHYPER DRIVEデザインが導入された21アルファスSV TWや21ジリオンSV TWには価格差も有ってか巻き心地は劣ります。どうも巻き心地が少々荒く感じます。
なお内部ギアの大きさも測定してみましたが21ジリオンSV TWと変わらず、ギアの大きさによる巻き感の違いは考えられません。
個人的には、この巻き心地の差の一因としてスプールのベアリングを考えています。
近年のシマノ製ベイトリールでもインフィニティドライブの機構にてスプールにベアリングが追加され巻き心地が更に進化しました。
ただ25タトゥーラSV TW 100はコスト対策のためかスプールを支えるベアリングが有りません。シマノで言うインフィニティドライブ非搭載の機種になりますので、巻き心地はその分劣ります。ベアリングが無い影響かキャスト中にも、特に高回転時にスプールが暴れやすくキャスト感も良く有りません。
32mm径としては重い重量
25タトゥーラSV TWの重量は32mm径スプールのベイトとしては非常に重く190gもあります。そのため軽いロッドとの相性は正直に言って良くありませんが、逆に重いロッドに適した32mm径リールが初めて登場したとも言えます。
32mm径スプールとしては大きいボディ
左から21ジリオンSV TW、25タトゥーラSV TW、21アルファスSV TWです。25タトゥーラSV TWは32mm径nスプールではありますが同じスプール径の21アルファスSV TWより明らかに大きく34mm径の21ジリオンSV TWと変わらない大きさです。そのため25タトゥーラSV TWは軽量ルアーのキャスト性能は高いものの繊細な操作に適しているとは言えません。
分解時にギアが取り出しやすい
左が25タトゥーラSV TW、右が24スティーズSV TWの比較です。昨年販売の24スティーズSV TWでも旧型のシャフトであり、窪みに上からハンドルで押さえつける構造になっているためシャフトが変形します。そのため分解洗浄の際にシャフトの変形部分を削らねければギアが取り出せません。HYPERDRIVEデザイン搭載以降の新型リールでは対策されておりシャフトの変形がなくギアが取り出しやすくなりました。
コルトパフォーマンスは最高
タトゥーラの魅力が価格であり物価高騰が激しい昨今の事情を考えると驚異的な価格と言えます。
デメリット
ロングキャストではスプールが唸る
タトゥーラシリーズはスプールのギアボックス側にベアリングが無くスプールシャフトでスプール両端を制御しているようですが、この影響かスプールが高回転した際、具体的に言うと遠投の際に激しくスプールが唸ります。コストカットのため仕方ない点なのでしょうか、キャストの爽快感は失われます。
ブレーキ目盛りが勝手に変わる
非常に残念な点ですがタトゥーラシリーズはブレーキダイヤルがサイドカバーに露出しておりロッドを複数束ねた際などに勝手に目盛りが変わります。そのため移動後などにトラブルが発生しやすくキャスト前には確認する必要があります。
ドラグ音が無い
低価格帯のため仕方ない点ですがドラグ音がありません。そのためドラグを使ったファイトには対応しにくく、12lbあたりが中心となる25タトゥーラSV TWでは大物とのファイトでは少々不安になります。
ハンドルおよびレベルワインドは樹脂カラーのためベアリングに交換推奨
改造となるためメーカー保証の対象外とはなりますが、ベアリング追加で巻き感が大きく向上します。交換箇所は計4か所です。ハンドルには片側ずつの2ヶ所が対象です。
またギアボックスまで分解する必要がありますが、ウォームシャフトの両端2ヶ所を交換する事で巻き心地が大きく改善します
TWSがハードベイトの針に当たる
ダイワのTWS搭載機はライン放出口が上下に動くため、リールにフックを引っかけると針先が当たり傷やフックが鈍る原因になります。私はジーニアスプロダクトのフックキーパーを使うことで防止しています。
他のリールとの比較
24スティーズSV TWとの比較
キャスト性能(5g以下) | 24スティーズ |
キャスト性能(7g) | 同等 |
キャスト性能(10g) | 同等 |
キャスト性能(14g) | 同等 |
キャスト性能(20g以上) | 同等 |
剛性感 | 24スティーズ |
自重の軽さ | 24スティーズ |
ライントラブル耐性 | 同等 |
コストメリット | 25タトゥーラ |
同じ32mm径である24スティーズSV TWとの比較ですが、さすがにフラッグシップとの比較は25タトゥーラSV TWには不利過ぎると思うでしょうか、良く見てほしいのが多くの部分で25タトゥーラSV TWが同等の性能を持っている事です。実売価格の差が3倍近いにも関わらず、25タトゥーラSV TWの性能は驚異的と感じます。
ただ軽さと剛性感に関しては24スティーズSV TWの方が圧倒します。お金に余裕のある方は言うまでも無くフラッグシップがお勧めです。24スティーズSV TWの詳細は別記事で紹介しております。
まとめ
今回紹介の25タトゥーラSV TWは
・7~21gを中心に幅広いルアーを快適にキャスト可能なバーサタイル機
・剛性感も極めて高く巻き心地も良い
・軽量ルアーの操作には少々ゴツく重量も重い
となっており極めて使える用途の広いリールになっています。少々重くボディも大きいのだけが難点ですが、逆にヘビーロッドで軽いルアーを使いたい方には最高の性能となっています。