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既存の19スティーズCTだけでなく25アルファスBFまでラインナップされる中、こんなの必要?と疑問に思いながら試した25スティーズ リミテッド CTですがキャストフィールと剛性感が段違いで良い意味で想像を裏切られました。
まずキャストフィールですが非常に爽快です。25スティーズ リミテッド CTは新型のTWSの影響かキャスト中のブレーキの抜けが非常に良く感じます。23SS AIRや25アルファスBFで新たに採用された新型ブレーキは性能は良いものの常にブレーキが効いてる感が強くキャストフィールは全く良くありません。キャストでのトラブルも無くフロロ通しでも3~4g程度のルアーまで快適にキャスト可能で、剛性感も非常に高くエクストラハイギアでもクランクを巻ける程です。基本性能が高い事に加え、フラッグシップならではの質感も感じます。
ただ実釣でここまでの性能が必要かと聞かれると要らないとは感じます。糸巻き量も25アルファスBFと殆ど変わらず、実釣面では価格の安いアルファスBFで困ることは有りません。前述のフラッグシップならではの質感に価値を見出せるか否かが購入の決め手になると思われます。
今回は極めて高価ではあるものの、フラッグシップならではの質感を堪能できるベイトフィネス機、25スティーズ リミテッド CT SV TWを紹介します。
★5が満点 | |
キャスト性能(3g) | ★★★☆☆ |
キャスト性能(5g) | ★★★★★ |
キャスト性能(7g) | ★★★★★ |
キャスト性能(10g以上) | ★★☆☆☆ |
剛性感 | ★★★★☆ |
自重の軽さ | ★★★☆☆ |
ライントラブル耐性 | ★★★★★ |
コストメリット | ☆☆☆☆☆ |
目次
スティーズ リミテッド CT SV TWの特性

スティーズ リミテッド CT SV TW(以下、25スティーズLTD CTと略記)は非常に明るいメタリック塗装で今までのスティーズよりも明るく感じます。




参考までに今までのスティーズを並べてみます。24スティーズが一番近いでしょうか。

因みにですが25スティーズLTD CTの箱は異様にデカく18リョウガサイズです。中にリールカバーが付いているのも影響しているのでしょうが、箱にも高級感を出してきています。
スプール
外観


スプール径は30mm×21mmと通常の34mm径より小さなスプールです。


また幅も通常の24mm幅よりナローとなっています。メーカー表記では21mm幅ですが実測値では22.1mmでした。これは23SS AIR TWや21アルファスSV TWと同じ幅です。参考までに21ジリオンSV TWではメーカー表記では24mm幅に対し実測値では25.2mmとなります。
重量


スプール重量は9.8gと軽いものの、実は19スティーズCTより重い重量です。


ただ糸巻後の重量は全く異なります。25スティーズLTD CTはフロロ10lb×30mしか巻けないため12.8gですが19スティーズCTは12lb×60mのため17.2gとなります。この差はキャスト性能に劇的な変化をもたらします。
因みに25スティーズLTD CTの糸巻き量が少な過ぎないかと指摘を受けそうですが、表記されている糸巻き限界良も10lg×40mのため本当にこれぐらいが限界です。


因みにですが23SS AIRや25アルファスBFにフロロ10lbを30m巻いた時の重量がこちらです。もう殆ど25スティーズLTD CTと変わりません。
新型TWSでキャストフィールが向上?


25スティーズLTD CTのTWSは従来機より僅かに大きくノギスで測ってみると確かに1mmほど大きくなっています。23SS AIRや25アルファスBFはTWSも小さく常にブレーキが掛ったようなキャスト感ですが、25スティーズLTD CTはTWSが異なるためか、ブレーキが抜けるような感覚さえあり非常にキャストが気持ちよく感じます。ただ23SS AIRや25アルファスBFと25スティーズLTD CTはブレーキシステムも全く異なるため、ブレーキの影響もあるとは思います。
キャスト性能

25スティーズLTD CTのキャスト性能は前述の非常に爽快なキャスト感に加え、3g以上のルアーをトラブルなく快適に投げられます。


驚いているのがベイトフィネス系のリールでは無いのに3g台のスワンプJrまで快適にキャストだけでなくピッチングも可能な事です。なお虫のような2g台までなるとキャストは出来ないことはありませんが、全く精度はでません。


言うまでもなく小型ハードベイトでは重心移動のついて投げやすいソウルシャッド58だけでなくガストネード55のように空気抵抗の大きなルアーも対応可能です。
PE設定なら軽量ルアーが更に快適に


PEを使用することで更にスプールが軽量化されるため軽量ルアーのキャスト性能が向上します。近距離の操作感はほぼフロロにも関わらず、キャスト性能が向上します。ベイトPEについては別記事で紹介しておりますのでご参考下さい。写真の例ではオールマイト1号×30m+FC10lb×10mですがFC10lb×30mに比べ0.8gの軽量化だけでなく糸巻き量も10mアップしています。
なお25スティーズLTD CTであればPE1号×50m+フロロリーダー10mぐらいは対応可能です。スプール軽量化の恩恵は減るものの糸巻き量が格段にあがりバーサタイル性が劇的に向上します。

PEを入れてスプールを軽量化することで3g台のルアーであるスワンプJrでも、より精度の高いキャストが可能となります。


5gと重めのガストネード55であってもPEでは快適に扱えますが、残念ながらPE設定でも2g台の虫系ルアーはキャストが定まりません。
ブレーキは弱めがお勧め

25スティーズLTD CTのブレーキ設定については思い切って緩めるのをお勧めします。というのもスプールがフロロ通しの状態でも非常に軽いためブレーキ目盛りが7ぐらいでも効きすぎと感じるためです。SV系のリールにはブレーキ目盛り7が標準の筆者ですが、個人的には4前後ぐらいが快適に感じます。
極めて軽く操作性は抜群

25スティーズLTD CTの魅力の一つが軽さで、実測値でも158gと非常に軽くなっています。そのためロッドに装着した際、1フィンガーなど負荷の大きなグリップでも疲れにくく繊細な操作の多いフィネス用途には最適です。
最高レベルのコンパクトさ

左から21ジリオンSV TW、25スティーズLTD CT、21アルファスSV TWです。25スティーズLTD CTは市場にあるベイトリールの中でも最も小さいと言っても過言ではなく、この小ささと軽さによる相乗効果は繊細な誘いが必要なフィネスには最高です。21アルファスSVもコンパクトさでは負けていませんが少々重いため、操作性の面では25スティーズLTD CTに劣ります。
クランク巻けるほどの剛性感

前作の19スティーズCTは巻き感がスカスカで剛性感は微塵も感じられませんでした。同じボディーを使った23SS AIR TWには新型ギアが搭載されましたが、それでも巻き感はスカスカです。そのため25スティーズLTD CTへ剛性感は全く期待していなかったのですが、いい意味で裏切られました。家の中で巻いてるだけでも巻き心地が良く、実釣でも巻き抵抗の大きいクランクもエクストラハイギアにも関わらず余裕で扱えます。25アルファスBFでもここまでの剛性感は有りませんでした。
ただ剛性感が高いと言っても軽量リールの中での話で24スティーズSV TWには劣っており、シマノのアンタレスなどには大差で負けます。とは言えダイワ機もここまで巻き感が進化したのは有難く感じます。
新型ギア搭載


25スティーズLTD CTのギアはハイパードライブデザインの新型ギアで19スティーズCTの△歯面ギアより巻き心地が進化しています。


参考までにメインギアの直径も測定しましたが25アルファスBFと同じでした。ただ剛性感に関しては25アルファスBFに圧勝です。
カチャカチャ音が控えめ
この剛性感の影響かダイワ機に多い巻き取り回収時のカチャカチャ音が殆ど発生しません。


スプールに関しては通常のベアリングのみでSV BOOSTのようなバネでベアリングを抑えるような機構もありません。

ただ良くボディ側を見るとスプール受けに今までに無い白いパーツが搭載されています。おそらく該当のパーツがスプールベアリングが動くのを抑制しカチャカチャ音の発生を抑制しているのだと推測されます。
ドラグ音有りの安心ファイトが可能


ライトラインを中心とするフィネス機では太糸を扱えないためドラグを効かせながらのファイトが必要なためドラグ音が必須です。21アルファスSVのような汎用機ではドラグ音が搭載されていませんが25スティーズLTD CTはハイエンド機のためドラグ音が搭載されており大物とも安心のファイトが可能です。
勝手に目盛りが変わらないブレーキダイヤル




ブレーキダイヤルについてはボディの下に配置されており、タトゥーラ系のように露出していないため勝手に目盛りが変わることが有りません。この点については特にスティーズ系は優れており、アルファスやジリオンでは露出部分が大きいため稀に目盛りが変わっている事が有ります。
コスト
フラッグシップならではのキャスト感と巻き心地を味わえる25スティーズLTD CTですが価格もフラッグシップです。正直に言って釣りをするだけなら、ここまでの性能は必要ありません。フラッグシップならではの所有感を味わいたい人にお勧めできるリールです。
デメリット
オールラウンドには糸巻き量が少なすぎる

3g台などベイトフィネス機に匹敵するほど軽いルアーがキャスト可能な25スティーズLTD CTですがベイトフィネス機相当の糸巻き量しか無いため使用範囲は近距離に限られます。PEを巻く事で多少は改善できますが、それでもPE1号×50mにリーダー10mぐらいが限界です。バイブレーションなど遠投が必要なルアーには全く適していません。
メカニカルが調整し難い


2525スティーズLTD CTのメカニカルはメーカーWEBサイトではメカニカルブレーキの呼称がオイルインジェクションキャップに変わり調整不要と記載されています。23SS AIR TWとの比較でもメカニカルの囲いが大きくなり調整できないように見えます。

オイルインジェクションキャップに初めて変更された24スティーズSV TWはメカニカルブレーキ自体が存在しない構造に変更されています。ただ、25スティーズLTD CTを実際に分解して内部を見ると内部構造は従来機と同じでメカニカル調整用の黒い棒が残ったままです。つまり25スティーズLTD CTはメカニカルブレーキが調整し難いリールというだけで24スティーズのような新機構は搭載されていません。24スティーズSVを知っている人ほど騙されるでしょう。
販売促進のため新機構が搭載されているような見せ方は良い姿勢とは感じません。ただの調整し難いメカニカルなので機能面でもマイナスと感じます。
解時にギアが取り出し難い




左が25スティーズLTD CT、右が21アルファスSV TWです。25スティーズLTD CTは旧型の19スティーズCTを原型としているためかギアシャフトの上からボルトで抑え込む構造になっています。そのためギアシャフトが変形しメインギアが取り出せなくなります。ハイパードライブデザインが導入された21アルファスSV以降の機種はナットでの固定に変更されている機種が大半でギアシャフトの変形がなくメインギアの取り出しにも困りません。
TWSがハードベイトの針に当たる


25スティーズLTD CTに限らずですが、ダイワのTWS搭載機はライン放出口が上下に動くため、リールにトレブルフックを引っかけると針先が当たり傷やフックが鈍る原因になります。私はジーニアスプロダクトのフックキーパーを使うことで対応しています。
他のリールとの比較
25アルファスBF TWとの比較

キャスト性能(3g) | 25アルファスBF |
キャスト性能(5g) | 同等 |
キャスト性能(7g) | 25スティーズLTD CT |
キャスト性能(10g以上) | 25スティーズLTD CT |
剛性感 | 25スティーズLTD CT |
自重の軽さ | 25スティーズLTD CT |
ライントラブル耐性 | 同等 |
コストメリット | 25アルファスBF |
個人的には使用用途が殆ど変わらないと思うのが25アルファスBF TWです。糸巻き量もキャスト可能なルアーも殆ど同じですが25スティーズLTD CTの方が僅かに重いルアーに適しており、フラッグシップという事もあってキャストフィールや剛性感も上です。
ただ25アルファスBFで実釣面で困るかと聞かれると一切困らないと言い切れます。その分、価格も控えめであり25スティーズLTD CTの釣りの大半をカバーできるからです。25アルファスBF TWの詳細は別記事で紹介しております。
19スティーズCT SV TWとの比較

キャスト性能(3g) | 25スティーズLTD CT |
キャスト性能(5g) | 25スティーズLTD CT |
キャスト性能(7g) | 19スティーズ CT |
キャスト性能(10g以上) | 19スティーズ CT |
剛性感 | 25スティーズLTD CT |
自重の軽さ | 同等 |
ライントラブル耐性 | 同等 |
コストメリット | 19スティーズ CT |
元モデルとなった19スティーズ CT SV TWとの比較ですが、個人的にはリミテッドモデルの方が質感が劇的に向上していると感じます。特に新型ギアによる巻き心地の向上、新型TWSによるキャスト感の向上は素晴らしく、これぞフラッグシップと感じます。前作の19スティーズ CT SV TWは巻き感がスカスカで剛性感は微塵も感じられなかったのですが、ここまで進化するとは思いませんでした。
ただ良くも悪くもスプールが浅溝過ぎる上にエクストラハイギアしかないため使用用途が限られるのが難点です。ここまで浅溝だとベイトフィネス用途でしか使い道がなく、バーサタイル性においては19スティーズ CT SV TWが圧勝です。19スティーズ CT SV TWの詳細は別記事で紹介しております。
まとめ

今回紹介の25スティーズLTD CTは
・3gからキャスト可能かつキャスト感が極めて爽快なフィネス機
・剛性感や巻き感が非常に良く巻物さえも対応可能
・フラッグシップならではの質感と価格
となっており、買って後悔はしない最上位機種にふさわしい仕上がりです。ただ実釣面では25アルファスBFも全く劣っておらず、このフラッグシップの質感を求める人にこそお勧めできる一台です。