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32mm径のSV BOOSTスプールと新型ボディにて新たに登場した24スティーズSV TW 100。結論から言うと32mm径スプールにしては考えられない程パワフルで重量級ルアーが得意なバーサタイル機です。
特に遠投性能が素晴らしく、遠投が苦手な32mmスプールでは異次元の飛距離を誇る上に小口径スプールに多いノイズが全くありません。また巻き心地も桁違いに向上しており、剛性感の極めて高いシマノのレベルに達しています。21スティーズLTD SW TWだけでなく23スティーズAⅡTWさえも上回るレベルで、巻き心地に関してはダイワのロープロ機としては過去最高であることは間違いありません。
ただ32mm径スプールの割に軽量ルアーへの適用度は低く快適にキャスト可能なのは7gが限界です。この点に関しては19スティーズCT SV TWだけでなく下位機種の21アルファスSV TWにも明らかに劣っています。またボディも21ジリオンSV TWと同等と言えるほどデカく、繊細な操作が必要な釣りに適しているとは言えません。
今回は32mm径スプールのリールとしては操作性と軽量ルアーのキャスト性能は劣るものの、規格外の剛性感と飛距離を誇る24スティーズSV TW 100を紹介します。
目次
24スティーズSVTW 100の特性
外観については21スティーズLTD SV TWのような鏡面ボディとなっています。
ただ21スティーズLTD SV TWよりは若干色が黒っぽく感じます。なお19スティーズCT SV TWは更に黒に近い鏡面です。
外観
特徴的なのが意外に大きなボディであり、同じ32mm径スプールの21アルファスSV TWよりも横幅が明らかに広いです。
サイズ違いのリールとの比較でも横幅は21ジリオンSV TWより僅かにナローといった程度で、ボディサイズが小さい23SS AIR TWと比べると一回り大きく見える程です。
またメカニカルブレーキの大半がボディに埋め込まれているため21スティーズLTD SV TWよりギアボックス側が一段と大きくなっています。後述しますがギアも従来より一段大きくなっており、この恩恵で巻き心地や剛性感も21スティーズLTD SV TWより向上しています。
スプール外観
ボディが幅広の原因はスプール幅と思われ、思ったほどナローでは有りません。従来のダイワのナロースプールである21mm幅より広く、また通常幅の24mmと中間の22.5mm幅となっています。
またスプール径は32mmであり、どちらかと言うと軽量ルアー向けの設定です。標準的な34mm径より小さく一般には遠投には適さない径です。
ですが24ズティーズSV TW 100にはBOOST機構が搭載されております。従来のSVとは異なり白いスペーサーにて2段階ブレーキが可能です。
またスプールのベアリングにはバネとワッシャーにて移動が抑えられています。このためダイワ特有のカチャカチャ音が少なく高級感を感じられます。
スプール重量
なおスプール重量は11.1gとなっており、19スティーズCTよりは重めです。
ただSV BOOSTシャロースプールよりは軽く、また同じ32mm径でもG1ジュラルミン素材ではない21アルファスSV TWよりも軽くなっています。
なお糸巻き後のスプール重量はFC12lb×60mで19.3g、高比重PE2号×50m+FC12lb×20mで17.4gとなります。PEを導入するとリーダーが20mでも2gも軽量化できます。
キャスト性能
24スティーズSV TW 100のキャスト性能は素晴らしく32mm径スプールにも関わらず10g以上のルアーが快適にぶっ飛びます。通常、32mm径スプールで遠投するとスプールが唸るため快適ではないのですが、24スティーズSV TW 100なら全く問題ありません。通常のSVブレーキだと遠投での失速感が激しいのですが、BOOSTの効果で気持ちよく飛んでくれます。敢えて過酷な条件にするためTNトリゴン70まで試してみましたが、まったくスプールが唸らないレベルです。空気抵抗の大きなスピナーベイトを爆風条件で試しましたが全く問題なく重量級ルアーは一通り扱えます。
一方で軽量でも9gのワイルドハンチまでは余裕でしたが、空気抵抗の大きいHPFクランクとなると目盛8以上までブレーキを強めないとバックラッシュしやすく安定しません。32mm径の割には軽量ルアーのキャストが苦手で、この点においては19スティーズCT SV TWだけでなく、21アルファスSV TWにも劣ります。フロロ通しで快適にキャスト出来るのは7gまでが限界です。
ベイトPEなら7gまで快適に
なおPEを導入することでスプールが軽量されフロロ通しでは危なっかしかったフラットサイドが安定してキャスト可能となります。なおベイトPEの詳細は別記事で紹介しております。
PEにて7gのリズィーや重心移動の付いた5gのソウルシャッド58まで対応可能となりますが、スプール幅が広いためかスワンプクローラーではキャストが全く定まりません。そのためPE設定でも快適に投げられるのは7g前後です。
従来のHYPERDRIVEデザイン以上の剛性感と巻き心地
HYPER DRIVEデザイン以降はギアが凸の形状に進化しており、旧型の17スティーズA TWのような△形状ギアに比べ巻き心地が大きく向上しています。
また歯面もギア比8.5:1というのも有りますが非常に細かくシマノのマイクロモジュールに近いギアです。近いギア比の8.1:1の21アルファスSV TWでは、もう少しギアの歯面が大きめです。流石に19アンタレスには及びませんが、かなり巻き心地を重視した設計に見えます。
また歯面だけでなくギア自体も大型化されています。
一回りボディも大きい21ジリオンSV TWと比べても逆にギアは24スティーズSV TW100の方が大型です。異様な巻き心地の良さは、この大型ギアの影響と思われます。
巻きが超パワフル
ギアが大型化した恩恵か巻き取りのパワーは非常に強く、フルサイズクランクでも余裕で巻けてしまいます。この点についてはシマノのアンタレスに近く、ダイワのベイトリールの剛性感にも大きな進化が感じられます。
ボディが大きく細かい操作には向かない
ボディの横幅の大きさについては冒頭に触れましたが高さもあります。21ジリオンSV TWとほぼ同じで、21アルファスSV TWより明らかに高く繊細な操作が伴う釣りに適しているとは言い難い大きさです。近距離での操作が中心であれば絶対に19スティーズCT SV TWや21アルファス SV TWの方が上と言い切れます。
重量は軽め
ギアが大型化した割には重量は軽くメーカー公表では160gとなっています。
この軽量化のためか各部で必死の軽量化が図られたのだと思われます。メーカーWEBサイトでも紹介されいてるドラグ調整のクリック音部分でも従来機にあった金属パーツが排除され機構が変わっています。僅か1.5gのパーツを取り除く努力が見られます。
ただ機構は実はシマノが従来より使ってきた機構でもあるため、メーカーWEBサイトで大々的に謳って良いのか少々疑問に感じます。後述しますが、この新機構によって分解からの組み立てが今まで以上に面倒となり、ある意味では改悪になっています。
ドラグ音でファイトも安心
24スティーズSV TW 100にはドラグ音が備わっており、大物が掛かった際にも安心のファイトが可能です。下位機種の21アルファスSV TWには無い機能です。
グリップは繊細なダイワ標準の小型
グリップはダイワの大半のリールに搭載されている小型グリップで、24タトゥーラTW 100や23スティーズAⅡ TWに搭載されているパワーグリップより若干小さめとなっています。用途的には最適のグリップなのでしょうが、これだけパワフルな機種なので、人によってはパワーグリップに交換した方が使いやすいかもしれません。
勝手に変わらないブレーキ目盛り
ブレーキ目盛りもボディ下部に配置されておりロッドを複数束ねた際などでも勝手に目盛りが変わりません。低価格帯の24タトゥーラTWなどでは目盛りが露出しており、勝手に目盛りが変わるため、釣り場に着いてからの1投目でトラブルになりチャンスを台無しにする可能性があります。
またジリオンやアルファスのようにブレーキダイヤルが露出しすぎていないのもポイントです。21ジリオン SV TWや21アルファスSV TWでは稀にブレーキダイヤルに手が当たり目盛りが変わってしまいますが、24スティーズ SV TW目盛りの露出部がすくなく、勝手に目盛りが変わらないよう対策されています。
価格はフラッグシップ
価格についてはフラッグシップの価格で、正直に言って簡単に購入できる価格では有りません。またバーサタイル性能を特化したリールのため複数台持ち込めるボート釣行などでは、より安価な専用機を2つ買った方が絶対に釣りが快適になります。
ただ一台で軽量ルアーから重量級ルアーまで扱いたい方にはお勧めできる他にはないリールです。
デメリット
TWSがハードベイトの針に当たり過ぎる
以前のTWS搭載機より再三お伝えしていた件ですが、特に24スティーズSV TW 100ではフックとTWSの干渉が大き過ぎて、もはやクラッチが戻りません。以前の機種では注意レベルでしたが24スティーズSV TW 100はTWSの大型化の影響か、より一層酷くなっています。絶対にリールにフックを掛けるのはNGです。
またTWS搭載機はライン放出口が上下に動くため、リールにフックを引っかけると針先が当たり傷やフックが鈍る原因になります。私はジーニアスプロダクトのフックキーパーを使うことで防止しています。
ナロースプールによる目減り
小口径ナロースプールで忘れてはいけないデメリットがスプールの目減りです。16lbをスプールエッジまでの60m巻き40m出した前後の写真を載せます。
24スティーズ SV TW 100は32mm径×22.5mm幅と小口径ナロースプールのため目減りが大きく、およそ3~4mmは目減りします。そのため着水直後と回収直前では巻き感が変わりやすく、バイブレーションの遠投に適した機種とは言えません。
34mm径×24mm幅の21ジリオンSV TWでは目減りが少なく2~3mm程度に抑えられます。
なお32mm径×21mm幅の22タトゥーラTW 80ではスプール目減りは約4mmとなります。24スティーズ SV TW 100よりスプールがナローな分、近距離キャストには向いていますが、遠投では使いにくさが目立ちます。
分解時にギアが取り出しにくい
シャフトの窪みに上からハンドルで押さえつける構造になっていたため必ずシャフトが変形し、分解洗浄の際に変形部分を削る必要がありました。同じHYPERDRIVEデザイン21ジリオンでは対策されていますが、24スティーズSV TW 100は未対応となっています。
恐らくギアシャフトが長くなることによる重量増を懸念したのだと推測されますが、ボディまで新型に変えたのに、こんな欠陥機構が残っているのは残念でしかありません。
スタードラグまで組み立てが面倒に
従来のダイワ製ベイトリールはスタードラグの差し込みが〇型でしたが、24スティーズSV TW 100では▢型に変更されています。これはシマノ製ベイトリールで従来使われていた機構で、メインシャフト(赤▢)とスタードラグの台座(青▢)の両方を▢の形状に合わせる必要があり分解後の組み立てが超絶面倒な機構でもあります。これを正確に合わせないとスタードラグの赤▢枠がボロボロに削れます。
なお従来のダイワ製ベイトリールではスタードラグの中心が〇型だったため、この問題は全くありませんでした。赤丸で示した金属パーツ撤去による軽量化のため、超面倒な足かせを背負っています。
なおシマノでは長らく採用されてきた機構でもありますが、この問題は解消されております。22バンタムではスタードラグの穴が〇形状に改良されており分解後の組み立てがしやすくなっています。23アンタレスDC MDでは旧型の21アンタレスDCが原型の為か従来のままです。
メカニカルブレーキが存在しない
識者よりの情報にて私も知ったのですが、24スティーズSV TWにはメカニカルブレーキ自体が存在しません。写真の部分を締めてもスプールを支えるシャフト自体が無くなっています。ダイワ機に慣れている方なら問題ないですが、シマノ機などメカニカルを触る機会が多い人は戸惑うかもしれません。
他のリールとの比較
21スティーズリミテッドSV TWとの比較
キャスト性能(5g以下) | 24スティーズ |
キャスト性能(7g) | 24スティーズ |
キャスト性能(10g) | 同等 |
キャスト性能(14g) | 同等 |
キャスト性能(20g以上) | 21スティーズLTD |
剛性感 | 24スティーズ |
自重の軽さ | 同等 |
ライントラブル耐性 | 同等 |
コストメリット | 同等 |
24スティーズSV TW 100と21スティーズLTD SV TWの特性は非常に近いものの、やはり32mm径スプールの恩恵にて軽量ルアーのキャスト性能は24スティーズSV TW 100が上です。また新型ボディと大型ギアにて剛性感も24スティーズSV TW 100が上です。
ただ遠投や重量級ルアーへの対応力では34mm径スプールの21スティーズLTD SV TWが上となります。近年のスレきったフィールドではフィネスの出番が多く24スティーズSV TW 100が出てきた理由も納得ですが、より多くのルアーへの対応力という意味では21スティーズLTD SV TWには勝てません。21スティーズLTD SV TWの詳細は別記事で紹介しております。
19スティーズリミテッドCT SV TWとの比較
キャスト性能(5g以下) | 19スティーズCT |
キャスト性能(7g) | 19スティーズCT |
キャスト性能(10g) | 24スティーズ |
キャスト性能(14g) | 24スティーズ |
キャスト性能(20g以上) | 24スティーズ |
剛性感 | 24スティーズ |
自重の軽さ | 19スティーズCT |
ライントラブル耐性 | 同等 |
コストメリット | 同等 |
どちらも小口径スプールとなる19スティーズCT SV TWと24スティーズSV TW 100では、よりバーサタイルに使用できるのが24スティーズSV TW 100です。Mクラスのロッドなら24スティーズSV TW 100をお勧めしますが、近距離特化で7g前後を中心に使用するなら迷わず19スティーズCT SV TWです。
19スティーズCT SV TWは遠投もそれなりに対応できる上に5~7gのルアーが非常に扱いやすくMLぐらいのロッドとの相性が抜群です。19スティーズCT SV TWの詳細は別記事で紹介しております。
21アルファスSV TWとの比較
軽量バーサタイルでは価格帯は全く異なるものの32mm径のナロースプールを有する21アルファスSVは19スティーズCTに非常に近い性能を持っています。
キャスト性能(5g以下) | 21アルファスSV |
キャスト性能(7g) | 21アルファスSV |
キャスト性能(10g) | 24スティーズ |
キャスト性能(14g) | 24スティーズ |
キャスト性能(20g以上) | 24スティーズ |
剛性感 | 24スティーズ |
自重の軽さ | 24スティーズ |
ライントラブル耐性 | 同等 |
コストメリット | 21アルファスSV |
21アルファスSV TWとの比較ではよりバーサタイルなのが24スティーズSV TW 100です。特に剛性感と遠投性能は24スティーズSV TW 100の圧勝で、使用感も価格差もあって24スティーズSV TW 100が上です。
ただ操作性と軽量ルアーのキャスト性能に特化したのが21アルファスSV TWとなります。ナロースプールによ軽量ルアーへの適正だけでなくボディ自体も小型化されており、操作性も21アルファスSV TWが一段上に感じます。21アルファスSV TWの詳細は別記事で紹介しております。
まとめ
今回紹介の24スティーズSV TW 100は
・今までのスティーズに無い最高クラスの剛性感と巻き心地
・32mm径SV BOOSTスプールで7~30gの近距離から遠投まで幅広く対応
・5g前後は対応できずボディも大きく繊細な操作は向いてない
と一般には軽量ルアー向けが多い32mm径リールとしてはパワフルで遠投まで対応できるい今までになかったリールです。要注意なのが、一般的な32mm径リールとは異なりフィネス用途が得意な訳でなく、あくまでバーサタイル機と言うことです。どちらかと言うとフィネス用途は苦手ですので、あくまで従来のスティーズより多少、軽量ルアーが対応しやすいバーサタイル機と認識の上での購入をお勧めします。
メカニカルブレーキ存在しないので、その部分は注油口ですよ。間違った情報発信している箇所は訂正したほうが良いですよ。
情報ありがとうございます。メカニカルブレーキが存在しないんですね。分解図を改めて見て驚きました。