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22イグジストがスーパーフィネスに特化しイグジストSFとしてラインナップに加わりました。特徴的なのがショート化されたスプールです。もともと22イグジストのドラグ性能は優秀でしたが、ショート化により特に魚が急に走った際の追随性が向上しています。巻き感についてもマグシールドの削減により巻き重りが軽減されており23エアリティと同様の軽快さとなっています。剛性感も極めて高く異次元の軽さにて持ち重りも全く有りません。
ただマグシールドが削減されたとは言え、巻きの軽さについてはシマノの23ヴァンキッシュには僅かに劣ります。また自重が軽過ぎるため一般的なスピニングロッドではバランスが取り難くキャストが逆にブレます。そのため6フィート以下のショートロッドやハイエンドの超軽量ロッドとの併用が強く推奨されます。今回はスーパーフィネス用途でしか扱い難いものの、圧倒的なドラグ性能と軽さが特徴のイグジストSFを紹介します。
23エアリティの個人的な評価は以下の通りです
★5が満点 | |
重量の軽さ | ★★★★★ |
巻きの軽さ | ★★★★★ |
剛性感 | ★★★★★ |
ドラグ性能 | ★★★★★ |
トラブル耐性 | ★★★★★ |
コストメリット | ☆☆☆☆☆ |
目次
23イグジスト SFの特性
23イグジストSFはフラッグシップだけあって見た目にも高級感が溢れていますが、ケースそのものも他とは全くことなります。
他のリールでは箱の中はビニール袋に包まれているだけですが、23イグジストSFはスポンジの専用型に入れられています。ただ高級感は有りますが、実際はケースから出しにくかったりと不便ではあります。
異次元の重量の軽さ
23イグジストSFは22イグジストよりも更に軽量化されており45φスプールのSF2500SSモデルでも140gの重量です。軽さに関しては間違いなくNo.1のリールです。
持ち重り感の軽減は見られない
22イグジストや23エアリティは重量バランスの向上にて持ち重りが軽減とメーカーWEBサイトにも記載されていますが23イグジストSFには記載がありません。実際に重心を調べてみると、かなりスプール寄りの重心で過去のダイワスピニングと同様となっています。軽量化に伴い重心バランスは22イグジストより逆に悪化しています。
なお23エアリティや22ステラは、ほぼ水平となっておりバランスが良いリールとなっています。
スプールのショート化
23イグジストSFの最大の特徴がショート化されたスプールです。同じ2500番でも従来のスプールより幅狭です。
その影響はドラグからの糸の放出に影響しており、手で糸を引っ張るだけでも糸同士の抵抗が減っているのが分かります。
ショート化によるライントラブルは見られない
メーカーWEBサイトにはスプールのショート化によってスプール内の糸同士の抵抗減によりドラグ性能が向上と記載されています。シマノの蜜巻き構造と同じ理屈ですが、蜜巻きのスピニングではどうしても硬い糸ではライントラブルが増えます。
22ステラや23ヴァンキッシュでDUELのアーマードのような硬い糸を使用すると糸フケが多発しますが、23イグジストSFでは糸浮きは全く見られませんでした。
ドラグ性能が更に向上
22イグジストでも22ステラさえ上回るドラグ性能でしたが、23イグジストSFは更に改善されています。
ラインが1秒で30cm出る設定でドラグを800gに設定し、そこから低速 (10cm/s)と高速(90cm/s)でのドラグ値を10回以上計測し、おおよその平均値を記載しました。手作業のためブレが非常に大きい実験ではありますが、結果は以下の通りです。
ドラグ速度 800g設定 | 23 EX SF | 22 EX | 22 ST |
スプール径 | 45φ | 48φ | 47φ |
低速(10cm/s) | 500g | 500g | 600g |
普通(30cm/s) | 800g | 800g | 800g |
高速(90cm/s) | 850g | 900g | 1,000g |
22EX:22イグジストLT3000S
22ST:22ステラC3000SDH
ただドラグ値を800gに設定した状態では23イグジストSFと22イグジストの差はあまり見られず、僅かに高速域でドラグが出やすいかな?といった程度でした。高速域の計測値としては23イグジストSFが850g、22イグジストが900gと僅かに23イグジストSFの方が良い傾向がありましたが、その差は微妙です。
そのため、23イグジストはスーパーフィネスモデルである点を考慮し弱いドラグ設定でも検証しました。ラインが1秒で30cm出る設定でドラグ500gに設定し、そこから低速 (10cm/s)と高速(90cm/s)でのドラグ値を10回以上計測し、おおよその平均値を記載しました。
ドラグ速度 500g設定 | 23 EX SF | 22 EX | 22 ST |
スプール径 | 45φ | 48φ | 47φ |
低速(10cm/s) | 400g | 400g | 400g |
普通(30cm/s) | 500g | 500g | 500g |
高速(90cm/s) | 700g | 800g | 700g |
22EX:22イグジストLT3000S
22ST:22ステラC3000SDH
結果としては高速域での特性が顕著となり負荷が強くかかった時ほどスムーズに糸が出る傾向に有ります。
またドラグ値500g設定では22ステラは23イグジストSFと同じ結果にはなっています。ですが22ステラは弱いドラグ設定が調整し難く、データとしては良くても実際にはズルズルの状態です。
細かいドラグ調整が可能
23イグジストSFの特徴として特にドラグ値が弱い設定の中で細かい調整が可能な点です。23イグジストSFは500gでの弱い設定値でも、2〜3目盛り変えただけでは10〜20gしかドラグ値が変化しません。そのため細い糸でもドラグ設定がしやすく、またファイト中でも細かい調整が可能です。
新型エアローターの軽快な巻き心地
22イグジストと同様23イグジストSFにも新型ローターが搭載されています。デザインも一新され見た目も高級感にあふれていますが、機能も素晴らしく軽量化もされています。これは巻くだけで体感でき、巻き重りが劇的に改善されました。
マグシールド感が非常に少ない
もう一つの23イグジストSFの特徴がマグシールドベアリングの数が少なく巻き抵抗が少ない事です。22イグジストで搭載されていたメインギア両端のマグシールドが23イグジストSFでは通常のベアリングになりました。そのため巻きが軽快になり、特に低速で一定に巻き続けるI字系の様な釣りでは巻き抵抗の少なさを実感出来ます。マグシールドは耐久性ではプラスなのでしょうが巻き重りが酷く、個人的にはバスの用途ではマイナス面が大きいと感じます。
ベールを起こした際の音
従来のエアベールではベールの開閉で音がありませんでしたが、新型ローターにて音付きになり、ベール開閉が分かりやすくなりました。
ベールのナットが消えた
これもネジ穴が片面のみで見えにくくなることで見た目の高級感に繋がっています。おそらく水の侵入防止にも効果があると思われます。
この重量では考えられない剛性感
剛性が高いだけなら他にも候補がありますが、軽量リールの中では間違いなくNo1の剛性感です。17スティーズの樹脂ボディのような圧倒的な軽さにも関わらず金属製のモノコックボディにて剛性感は23ヴァンキッシュより圧倒的に高い、22ステラにも引けを取らない剛性感となっています。
ライントラブル対策
メーカーWEBサイトではライントラブル対策が謳われているにも関わらず、あまり技術的な特集がされていません。ここも大きく改善されています
6ポンド以上のフロロリーダー6mを多用する私は、度々スプールシャフトへの糸絡みに悩まされてきました。これまでの糸絡み防止は効果が弱かったのですが、シャフトへの糸絡み防止ベール部分が強化されシャフトまで糸が侵入しにくくなっています。ただし、この点についてはシマノの方が優秀です。
シマノのスピニングは全般的にシャフトへの糸絡み防止ベール部分が大きくスプールとの隙間が殆ど無いため糸絡みが滅多に発生しません。
実際に比べてみるとダイワの方がスプールとシャフトの隙間が大きいのが分かります。
ローター回転防止にもカバーが付いた
ダイワはベールを起こした際の回転防止を写真の突起で対応しており、ベールを起こした時だけ突起が出ることで回転防止の役割を果たしています。スピニングの釣りは全てPEの私ですが、爆風の際、一度だけローターの回転防止に糸が絡まったことがあります。困るのが、ここに糸が絡むと切る以外に選択肢が無い事。キャストした手元から切るハメになるのでライン巻替えに直結します。新型エアベールではこの部分が完全にローターで覆われているため、まずラインが絡まることは有りません
ツイストバスターⅢの効果は不明
ツイストバスターも改善されたと記載されていますが、個人的には効果は感じられませんでした。スピニングは、どうしても糸ヨレするのでこの点は諦めています
フラッグシップらしい価格
価格としては最高級のフラッグシップらしい価格です。決して安いとは思えませんがスーパーフィネスに特化した唯一無二のリールに仕上がっているとは感じます。
デメリット
スーパーフィネス用途にしか向いてない。
23イグジストSFはフィネスに特化しており軽さとドラグ性能、ライトラインとの相性は抜群です。しかし軽すぎるため一般的なバス用スピニングである6.4〜6.6ftのロッドでさえバランスが取れません。そのため23イグジストSFには6ft前後のショートロッドやハイエンドの超軽量ロッドとの組み合わせが必須となります。一般的なロッドでは逆に使い難くキャストがブレたり逆に持ち重りを感じます。
23ヴァンキッシュに比べると巻きが重い
23イグジストSFは巻き重りが大きく解消され、22イグジストの欠点は解消されています。ただ23ヴァンキッシュと比べると僅かに巻き重りは感じます。僅差ではありますが少しでも巻き重りを減らしたい方には23ヴァンキッシュの方がお勧めです。
あると便利なスタンド
スピニングリール全般に当てはまる件ですが、スプールに傷が入るとキャストの度にラインに傷がつくため致命傷となります。普段は直置きについて注意していても、良型が釣れた際にはタックルと合わせて写真を撮ることも多いでしょう。ただ、このタイミングが最も危険で魚が暴れ一瞬でリールが傷物になります。
多少の重量増にはなりますが、私はリールスタンドを使用しており、これでリールが直に地面に触れる可能性は無くなります。フックキーパーも付属しており、ニッパーで切って改造すればオフセットフックやシンカーも対応可能です。
最適な使用用途
23イグジストSFが適しているのは名前の通りスーパーフィネス用途です。4lb以下のライトラインで魚を仕留める用途には最適です。弱い設定の中でドラグも細かく調整出来ます。ただMLクラス以上のロッドとの相性は最低でバランスも悪くドラグ設定もダイヤルを大きく回さないと調整出来ません。
他のリールとの比較
23ヴァンキッシュとの比較
重量の軽さ | 23イグジストSF |
巻きの軽さ | 23ヴァンキッシュ |
剛性感 | 23イグジストSF |
ドラグ性能 | 23イグジストSF |
ライントラブル耐性 | 23イグジストSF |
コストメリット | 23ヴァンキッシュ |
フィネス用途に特化した23ヴァンキッシュとの比較ではドラグ性能は23イグジストSFの圧勝であり、剛性感でも23イグジストSFが勝ります。ライントラブルも23イグジストの方が抑えられます。
ただ巻き出しの軽さでは23ヴァンキッシュが上を行っており、蜜巻き構造にてスプールが暴れないため剛性感は劣るものの巻きは23ヴァンキッシュの方が安定します。イグジストほど価格も高すぎないため、まだ購入しやすいコストであることも魅力です。23ヴァンキッシュの詳細は別記事で紹介しております。
22イグジストとの比較
重量の軽さ | 23イグジストSF |
巻きの軽さ | 23イグジストSF |
剛性感 | 同等 |
ドラグ性能 | 23イグジストSF |
ライントラブル耐性 | 同等 |
コストメリット | 同等 |
23イグジストSFと22イグジストとの大きな違いがマグシールドとスプールです。通常の22イグジストは機密性が高くメンテを抑えられますが巻き重りが酷く個人的にはフィネス用途には使いたく有りません。その点、23イグジストSFは22イグジストの難点を全てカバーしており快適に使用できます。
一方でルアーを遠投し巻き続ける釣りではマグシールドは気にならず、機密性の高さがメンテの頻度を下げてくれます。22イグジストの詳細は別記事で紹介しております。
23エアリティとの比較
重量の軽さ | 23イグジストSF |
巻きの軽さ | 同等 |
剛性感 | 23イグジストSF |
ドラグ性能 | 23イグジストSF |
ライントラブル耐性 | 同等 |
コストメリット | 23エアリティ |
23イグジストSFはスーパーフィネス、22イグジストは耐久性が求められる分野で有効ですが、間を埋めるのが23エアリティです。23エアリティは23イグジストSFと同様にマグシールドが少なく巻き重りが抑えられています。また軽すぎないため6.6前後、L〜MLクラスのロッドともバランスが取りやすくなっています。23エアリティの詳細は別記事で紹介しております。
まとめ
今回紹介の23イグジストSFは
・他に無い圧倒的な軽さとドラグ性能
・マグシールドが少なく巻きも軽い上に、剛性感も極めて高い
・軽過ぎるためスーパーフィネス用途以外には全く向かない
となっており、名前の通りのスーパーフィネス特化機です。一般的なロッドとの相性は良いとは言えませんが、ショートロッドや軽量ロッドとの組み合わせで異次元の性能を発揮するレーシング機となっており価格だけの価値がある一台です。