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低価格帯で購入しやすいタトゥーラに小型の小口径ナロースプールの品番が追加されました。32mm径×21mm幅のスプールはフロロ12ポンド×100mの糸巻量にも関わらず7g前後のルアーなら軽快にキャスト可能です。MAG-Zブレーキのためキャストが低弾道で決まりボディもコンパクトで扱いやすく操作系の釣り適しています。ただしナロースプールのため遠投では目減りが大きくキャスト直後と回収間際では巻き感が大きく変わります。そのため遠投には向いていませんが、10g前後のカバー打ちには最高の機種となっています。
また低価格帯のリールのため21アルファスSV TWなどワンランク上の機種には性能面では勝てません。SVでなくMAG-Zブレーキのため5g前後の軽量ルアーではライントラブルが増加しますし、ベアリングが少ない分、巻き心地も一段劣ります。
今回は上位機種には及ばないものの、汎用価格帯に迫る性能を持った22タトゥーラTW 80について紹介します。
個人的な評価は以下の通りです
★5が満点 | |
キャスト性能(7g) | ★★★★☆ |
キャスト性能(10g) | ★★★★★ |
キャスト性能(14g) | ★★★★★ |
キャスト性能(21g以上) | ★★★★☆ |
ライントラブル耐性 | ★★★★☆ |
剛性感 | ★★★☆☆ |
巻物適正 | ★★☆☆☆ |
コストメリット | ★★★★★ |
目次
22タトゥーラTW 80の特性
外観はタトゥーラの特徴を踏襲しており黒いボディに蜘蛛のマークとなっています。賛否の分かれるマークですが色んなロッドに合わせやすいカラーです。
外装は21アルファスSV TW?
細かい所でブレーキ目盛りがサイドプレートに剥き出しなど変更がありますが、外観を見る限り21アルファスSV TWと全く同じです。
21アルファスSV TWでのブレーキ目盛りの突起も残っており、コストカットのための対応と思われます。消費者側としてはワンランク高いリールの部材を低価格で使えるため個人的には大歓迎です。
スプール
スプールは32mm径×21mm幅とダイワでは少ない小口径かつナロースプール設定です。34mm径のSV BOOSTとの比較では一回り径が小さくなっています。
またスプール幅も21mmとダイワで通常の24mm幅より狭くなっています。
またシャフトレス構造で無いためかスプールのベアリングもありません。
その一方でスプール重量は軽いとは言えず15.0gと21アルファスSV TWの12.2gより3g近く重くなっています。7g以下のキャスト性能としては大きなマイナスですが、ナロースプールの効果がキャスト性能を補っています。
糸巻後の重量でもフロロ12ポンド×90mで26.5gと軽いとは言えない重量です。なお高比重PE2号×75m+フロロ14ポンド×20mの設定では22.7gと4gもの軽量化が可能です。
MAG-Zらしい伸びのあるキャスト性
スプール重量ではマイナス要素が大きいものの32mm径×21mm幅の小口径ナロースプールが驚きのキャスト性を発揮します。MAG-Zブレーキのためライントラブルが怖かったのですが小口径なロールプールの恩恵で7gまでなら全くキャストに問題在りません。またMAG-Zブレーキの恩恵でキャストが低弾道で決まるため特にピッチングでは正確なキャストが可能です。SVブレーキでは特にピッチングで弾道が浮く傾向にあり着水音が大きくなりがちです。
ただ重心移動が無いルアーや空気抵抗の大きなルアーも投げにくく感じます。
ベイトPEであれば軽量ルアーのキャスト性能は向上
なお7g以下のキャスト性能を向上させるためにはベイトPEのフロロリーダー20m設定がお勧めです。スプールを大幅に軽量化出来るため5g前後までも何とか扱え、フロロで扱いにくかった7g前後の投げにくいルアーは容易にキャストできます。その一方キャストで使用する大半の部分はフロロのため使用感はほぼフロロを維持できます。ベイトPEの詳細は別記事で紹介しております。
価格帯以上の剛性感もアルファスには劣る
HYPER DRIVEデザイン以降はギアが△でなく凸の形状に変わりました。この恩恵で旧世代ですがワンランク上の16ジリオンSV TWなどに比べても剛性感も巻き心地も上回っています。
ただ同様にHYPER DRIVEデザインが導入された21アルファスSV TWや21ジリオンSV TWには価格差も有って巻き心地は劣ります。
コスト対策でわざわざギアを別建てにすることは考えにくく巻き心地に最も影響しているのは恐らくスプールのベアリングです。近年のシマノ製ベイトリールでもインフィニティドライブの機構にてスプールにベアリングが追加され巻き心地が更に進化しました。
22タトゥーラTW 80はコスト対策のためかスプールを支えるベアリングが有りません。
またサイドカバーのメーカーWEBサイトにて金属製とは表記されておらず、恐らく樹脂製です。この点も剛性感と巻き心地に影響していると推測されます。
ドラグ音は無し
低価格帯のため仕方ありませんがドラグ音は搭載されていません。同じボディデザインである21アルファスSV TWにも搭載されておらず21ジリオンSV TWでようやく搭載される機構となっています。
M~MHクラスに適した重量
ボディとギアボックスカバーには金属を用いて剛性を上げていますが、それでも180gの重量に留まっています。M~MHクラスのロッドでバランスの取りやすい重量です。
超コンパクトボディで握りやすい
ナロースプールの恩恵はキャスト性能だけでなくパーミング性も向上させています。21ジリオンとの比較でも一目でわかるほど小さいため、ロッドに取りつけた際にもコンパクトに感じ実際の操作もしやすくなっています.
ブレーキ目盛りが勝手に変わる
非常に残念な点ですがブレーキダイヤルがサイドカバーに露出しておりロッドを複数束ねた際などに勝手に目盛りが変わります。そのため移動後などにトラブルが発生しやすくキャスト前には確認する必要があります。
分解時にギアが取り出しやすい
左が22タトゥーラTW 80、右が17スティーズA TWの比較です。旧型の17スティーズA TWはシャフトの窪みに上からハンドルで押さえつける構造になっているためシャフトが変形し、分解洗浄の際にシャフトの変形部分を削る必要があります。HYPERDRIVEデザイン以降の新型リールでは対策されておりシャフトの変形がなくギアが取り出しやすくなりました。
コルトパフォーマンスは最高
この性能のリールがこの価格で買えること自体に驚いています。メリットもデメリットも記載しましたが、実釣面では十分な性能となっており、資金面に余裕がない中でも使いやすい機種です。
デメリット
ナロースプールによる目減り
22タトゥーラTW 80はダイワで通常幅の24mmより3mm狭い21mm幅のナロースプールを搭載しています。そのため軽量ルアーのキャストには効果的ですが遠投ではスプール目減りが大きく、キャスト直後と回収間際では巻き感が大きく異なります。
フロロ16ポンドをスプール限界まで巻いた後、40mスプールから出した際のスプールの目減りを確認します。まずは22タトゥーラTW 80です。スプール径が4mmは目減りしています
続いて通常の24mm幅の21ジリオンSVです。目減りは2~3mmに留まっており巻き感の変化が少なく抑えられています。
この手のリールで遠投をすることは少ないため問題にはなりにくいですが、ナロースプールのため遠投後のスプール目減りは大きく巻きムラが発生します。そのため遠投には34mm以上の通常幅のリールがお勧めです。
ダイワ特有のカチャカチャ音はあり
ハイパードライブデザインではあるもののスプールにベアリングもバネも有りません。そのため性能には問題在りませんがダイワ特有のカチャカチャ音は健在です。
写真右のSV BOOSTスプールではスプール重量はアップするものの、ベアリングが黒いスペーサーとバネで固定されています。そのためギアボックスのベアリングが動かずカチャカチャ音がしません。
ドラグ音が無い
低価格帯のため仕方ない点ですがドラグ音がありません。そのため細糸とドラグを使った繊細なファイトには適しておらず太糸でドラグを完全にロックし一気に抜き上げる釣りに適しています。
ハンドルおよびレベルワインドは樹脂カラーのためベアリングに要交換
改造となるためメーカー保証の対象外とはなりますが、ベアリング追加で巻き感が大きく向上します。交換箇所はハンドル2ヶ所とレベルワインダーの両端の計4ヶ所です。
低価格帯リールのため交換の数が多いのですが、巻き感が大きく向上するお勧めのチューンです。
TWSがハードベイトの針に当たる
ダイワのTWS搭載機はライン放出口が上下に動くため、リールにフックを引っかけると針先が当たり傷やフックが鈍る原因になります。私はジーニアスプロダクトのフックキーパーを使うことで防止しています。
想定される釣り
22タトゥーラTW 80は近距離で操作が伴う釣りに特化しており、特に12ポンド以上でのカバー打ちに適しています。ブレーキがMAG-Zのためピッチングでも低弾道できまり、ボディが小さいため操作感も抜群です。またカバーからバスを引き抜ける剛性感もあります。
その一方でブレーキがSVでなくMAG-Zのため5g前後のキャストは得意とは言えません。加えてナロースプールのため遠投時には目減りで巻き感が大きく変わります。そのためダブルウィローのスピナーベイトなど遠投からの中層一定層を巻くような釣りにも向いていません。
他のリールとの比較
21アルファスSV TWとの比較
キャスト性能(5g) | 21アルファスSV TW |
キャスト性能(7g) | 21アルファスSV TW |
キャスト性能(10g) | 同等 |
キャスト性能(14g) | 同等 |
キャスト性能(21g以上) | 同等 |
ライントラブル耐性 | 21アルファスSV TW |
剛性感 | 21アルファスSV TW |
巻物適正 | 同等 |
コストメリット | 22タトゥーラTW 80 |
22タトゥーラTW 80は外見上21アルファスSV TWと同じですが、ベアリング数やブレーキシステムが大きな違いとなります。コストを抑えた分、特に巻き心地や剛性感は劣りますが、それでも10g以上のキャスト性能では同等です。加えてブレーキがMAG-Zのためピッチングでも低弾道のキャストが可能です。
一方21アルファスSV TWはSVブレーキの恩恵で特に5g前後のキャストでもトラブルが少なく快適です。基本的に22タトゥーラTW 80の上位互換が21アルファスSV TWのため資金に余裕が有れば21アルファスSV TWをお勧めします。21アルファスSV TWの詳細は別記事で紹介しております。
まとめ
今回紹介の22タトゥーラTW 80は
・近距離での操作系の釣りには全く困らない実釣性能
・剛性感も高いが21アルファスSV TWなど上位機種には劣る
・5g前後のキャストや遠投が伴うの巻物には不向き
と近距離特化のリールとなっており、特に近距離で7g以上の太糸を使う釣りに適しています。ナロースプールの目減りが気になるため遠投には適していませんがコンパクトで操作性は極めて高いリールです。これがジリオンの半額で購入できるため低コストでタックルを用意したい方に非常にお勧めです。