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スティーズのベイトフィネス機として新たに展開された20スティーズAIR TWはスピニングで使う全てのルアーをキャスト可能です。28mm径×21mm幅と最小径かつナロー化されたスプールの恩恵でスピニングでも投げにくい1~2gのルアーでも低弾道でピッチングが決まります。135gと自重も極めて軽く操作性も抜群で、1~2フィンガーでのシェイクを繰り返しても全く疲れません。
ただしキャストは若干ピーキーです。ピッチングでは低弾道で決まりやすいのですが、そのままのセッティングでキャストするとバックラッシュが多発します。ぞのためキャストと併用するには若干強めのブレーキ設定が必要です。また軽さを重視したためかドラグ音も搭載されておらず、太い糸を使うことができないベイトフィネス機では大物とのファイトに技術が求められます。今回は使い手にも腕が求められるベイトフィネスの最高峰、20スティーズAIR TWについて紹介します。
個人的な評価は以下の通りです
★5が満点 | |
キャスト性能(3g) | ★★★★★ |
キャスト性能(5g) | ★★★★★ |
キャスト性能(7g) | ★★★★☆ |
キャスト性能(10g以上) | ★★☆☆☆ |
剛性感 | ★★☆☆☆ |
自重の軽さ | ★★★★★ |
ライントラブル耐性 | ★★★★☆ |
コストメリット | ★☆☆☆☆ |
目次
20スティーズAIRの特性
ハイエンド機種だけあってケースは黒色になっております。スティーズらしい外観ですが、ブレーキダイヤル側のDマークは正直ダサいとは思います。
スプール
スプールは28mm径×21mm幅と径はダイワの中で最小、また幅もナロー設計となっています。重量も僅か8gと極めて軽くスティーズCTの30mm径×21mm幅スプールより更に軽量化されています。
糸巻後でもスプール重量は軽くフロロ10ポンド×30mで11.3g。なおPEを用いることで更にスプール重量を軽量化でき、高比重PE1号×30m+フロロ10ポンド×10mでは10gにまで軽量化することができます。
キャスト性能
28mmスプールの効果は非常に大きく、普段はスピニングで使用しているスワンプクローラー(5.5g)が何の問題も無くベイトで飛んでいきます。カットテール5インチ(4.5g)も全く問題なく、2gのHPバグも楽勝でした。
ただ若干ピーキーなブレーキ設定になっておりバックラッシュが多発するため20アルファスAIRとの比較ではブレーキを2~3割増しに設定する必要があります。20アルファスAIRでは7前後のブレーキダイヤル設定ですが、20スティーズAIRの場合、ブレーキダイヤルを10前後にしなければ安定しません。ピッチング専用で使う場合には低弾道でキャストが決まりやすいのですがキャストとなるとスプールから糸が浮きやすく注意が必要です。
PEでも問題ありません
私はスピニングだけでなくベイトも全てPEセッティングを導入しており、ベイトフィネスでは10mリーダーを採用しています。やや遠い距離となるとPEもスプールから出てくるセッティングですが、爆風時でもほとんどトラブル無くキャスト可能なSVスプールは釣りを快適にし、釣る事だけに集中させてくれます。
またPEラインを下巻きに巻くことで特に近距離のキャスト性が更に強化されます。加えて小口径スプールは糸癖が問題になりがちですが、糸癖を伸ばして取り除くのがリーダー部分のみで完了することも見逃せません。ベイトPEの詳細はこちらの記事を参照してみて下さい
圧倒的な軽さ
135gという自重は操作を伴うベイトフィネスの釣りでは圧倒的な利点となります。ドラグ音だけでなく、ドラグ締め付けのクリック音さえ取り払うほどの徹底的な軽量化がされています。
3フィンガーグリップであればタックル全体の重心で操作できるため重さは気になりません。しかし、シェイクが多くなるベイトフィネスでは1フィンガー~2フィンガーグリップを多用するため、重量の差が大きく感じられます。
勝手に目盛りが変わらないブレーキダイヤル
アルファスAIRと同じように見えるブレーキダイヤルですが、実際はダイヤルが露出している部分がアルファスAIRより小さく、勝手に目盛りが変わらない対策が去れています。ハイエンドならではのコダワリが見られます。
デメリット
ドラグ音が無い
ベイトフィネスに巻くラインは太くても10ポンド、ボートなどでは6~8ポンドが主流でしょう。この太さのラインではゴリ巻きは全くできず、ドラグを効かせながらのやり取りが必須です。そんなベイトフィネスの釣りでドラグが出ているか分かりにくいのは不便であり改良が望まれる点です。
シマノでは22アルデバランには当然、21SLX BFSですらドラグ音は搭載されております。ダイワも20アルファスAIR派生機の21年以降の月下美人、22シルバークリークではドラグ音を搭載しているので問題との認識はあるのでしょう。
TWSがハードベイトの針に当たる
20スティーズAIRに限らずですが、ダイワのTWS搭載機はライン放出口が上下に動くため、リールにトレブルフックを引っかけると針先が当たり傷やフックが鈍る原因になります。私はジーニアスプロダクトのフックキーパーを使うことで対応しています。
ダイワ特有のカチャカチャ音は控えめ
ダイワには特有のカチャカチャ音がありルアー回収時には音が鳴ります。スプールのベアリングが固定されていないことが原因でSV BOOSTではバネで固定され対策されています。ただ20スティーズAIRはベアリング自体が非常に小さく、他のベアリングと異なりシールされているためかカチャカチャ音は控えめです。
分解時にギアが取り出しにくい
左が20スティーズAIR、右が21ジリオンの比較です。20スティーズAIRはシャフトの窪みに上からハンドルで押さえつける構造になっているためシャフトが変形し、分解洗浄の際にシャフトの変形部分を削る必要があります。21ジリオンなどのHYPERDRIVEデザインからは対策されていますが、ハイエンドリールのため少々残念な点です。
剛性感は高く無い
徹底的な軽量化故に仕方ない点ですが、剛性感は感じられません。アルミボディの20アルファスAIRに劣るのは仕方無いとしても、同様の重量である22アルデバランBFSよりも明らかに剛性感が低く感じます。ただ、剛性感が必要な釣りに使用するリールではないため、個人的には問題ないと感じています。
高すぎる
最高級のハイエンド品のため仕方ない点ですが、それにしても気軽に購入できる金額ではありません。
想定される釣り
20スティーズAIRはベイトフィネスの最高峰であり、軽量ルアーのキャスト性能に関しては間違いなくNo.1のベイトリールとなります。自重も軽くスピニングで行っていた釣りを全てベイトで対応可能にしてくれます。操作性も135gの軽さで全く問題在りません。
その一方、あまりに軽量ルアーに特化しすぎているため5g以上のルアーには逆に不向きであり、7g以上は扱えないと言えるレベルです。このため1本で多くのルアーを投げるおかっぱりの釣りには向いておらず、ボートからのベイトフィネス専用機として活躍するリールです。
他のリールとの比較
20アルファスAIRとの比較
現在、市販されているベイトフィネスリールで28mm径はスティーズAIR、22アルデバランBFS、20アルファスAIRのみとなっています。まずは20アルファスAIRとの比較です。
キャスト性能(3g) | 20スティーズAIR |
キャスト性能(5g) | 同等 |
キャスト性能(7g) | 20アルファスAIR |
キャスト性能(10g以上) | 20アルファスAIR |
剛性感 | 20アルファスAIR |
自重の軽さ | 20スティーズAIR |
ライントラブル耐性 | 20アルファスAIR |
コストメリット | 20アルファスAIR |
一言でいえば20スティーズAIRはF1マシン、20アルファスAIRは普通車といったところでしょう。軽いルアーを投げるなら20スティーズAIRの方が優秀ですが、若干バックラッシュしやすくピーキーです。ブレーキの効きが弱く低弾道でも投げやすい反面、7g以上のルアーは使いにくくブレーキを強めなければキャスト直後にスプールが回転しすぎてバックラッシュします。
その一方、20アルファスAIRは2gのルアーもキャスト可能ですが、5g以上のルアーの使用しやすく、加えてバックラッシュが非常に少ない設定となっています。値段だけでみると20スティーズAIRの方が優れていると思いがちですが、使いやすいのは20アルファスAIRです。20アルファスAIRの詳細についてはコチラの記事を参照願います。
22アルデバランBFSとの比較
続いて22アルデバランBFSとの比較です。
キャスト性能(3g) | 20スティーズAIR |
キャスト性能(5g) | 同等 |
キャスト性能(7g) | 同等 |
キャスト性能(10g以上) | 22アルデバランBFS |
剛性感 | 22アルデバランBFS |
自重の軽さ | 同等 |
ライントラブル耐性 | 20スティーズAIR |
コストメリット | 22アルデバランBFS |
20スティーズAIRと22アルデバランBFSの共通点としては、いずれもレーシング向けの特化リールでありバーサタイル用途には不向きであることです。いずれも130g台と非常に軽く、4~6ポンドラインでボートから近距離キャストを繰り返す状況には最適です。その一方で、8~10ポンドラインの釣りに適しているとは言えず、おかっぱりで足元までバスを引き寄せる釣りには不向きです。
キャストに関してはいずれも2gルアーでも可能ですが両機種ともピーキーでバックラッシュしやすい傾向にあります。ただしライントラブル対策の面で言えば20スティーズAIRの圧勝であり、軽量ルアーのキャスト性能のみで言えば20スティーズAIRに間違いありません。
ただ20スティーズAIRは非常に高価で、コストメリットでは22アルデバランBFSが有利です。22アルデバランBFSは軽量にも関わらず剛性が非常に高くドラグ音も付いているため多少、強引なファイトにも対応可能です。22アルデバランBFSの詳細については別の記事に纏めています。
まとめ
今回は20スティーズAIRを紹介しましたが、
・軽量135gの圧倒的な操作性
・2gのルアーでもピッチング可能なキャスト性能
・若干ピーキー、技術かブレーキ強めの対応が必須
とベイトフィネスの極限の世界を味わいたい方にはお勧めのリールです。バーサタイル性では20アルファスAIRに劣るものの、スピニングではキャストが決まらず手返しが悪くなる状況では最高の働きをするため、タックルを複数本積めるボートの釣りにはお勧めのリールとなります。