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巻き物専用リールの中で大型ルアーに特化したのがカルカッタコンクエストDCの200番台です。100番台に比べ一回り大きなギアにより抵抗の強い巻物も難なく巻き取ることが可能です。加えて重い重量がロッド取り付け時の重心を手元に集中させるため、巻き取り時のブレが軽減され結果的に負担も軽減してくれます。またDCブレーキについてはアンタレスDCとは異なる使用で、よりバックラッシュしにくい設定となっています。このためキャストと巻取りを繰り返す巻物の釣りへの相性が抜群となっています。
その一方で10g前後の軽量ルアーについてもキャスト可能で守備範囲が極めて広い仕上がりとなっています。38mmの大口径と軽量ルアーには不向きなスプール径ですがDCブレーキがトラブルを抑制してくれます。今回は重量級ルアーに最適で有りながらも10g前後のルアーも対応可能な巻物専用リールである20カルカッタコンクエストの200番台について紹介します。
個人的な評価は以下の通りです
★5が満点 | |
キャスト性能(7g) | ★☆☆☆☆ |
キャスト性能(10g) | ★★★★☆ |
キャスト性能(14g) | ★★★★★ |
キャスト性能(21g以上) | ★★★★★ |
ライントラブル耐性 | ★★★★★ |
剛性感 | ★★★★★ |
巻物適正 | ★★★★★ |
コストメリット | ★☆☆☆☆ |
目次
20カルカッタコンクエストDC200/201 HGの特性
アンタレスと並ぶシマノベイトリールのハイエンドだけあって外装も非常に高級感にあふれています。
ただボディサイズはバス用ベイトリールとしては最大級であり、18リョウガと比較しても一回り大きく感じます。
スプール
38mm径×22mm幅スプールと通常幅ではあるものの超大口径のスプールになっています。特にスプール径については遠投径リールで導入されることの多い36mm径よりも更に大きく、通常の34mm径が小口径に見えるほどです。
重量はスプール自体が大きくDCユニットの重量も加わり18g強と重く21アンタレスDCの16g強より2gも重いスプールです。
糸巻後の重量に関しては高剛性リールに多いフロロ16ポンド×100m想定で計測しました。フロロ16m×90mで32.0g、高比重PE2号×100+フロロ14ポンド×20mでで28.1gとなります。
なお上記設定ではスプールが非常に大きいため最大糸巻量であるフロロ16ポンド×120mに対し7~8割しか巻いていません。この設定では最大巻き上げ長は減少しますが、スプール軽量化ができるため14g以下のキャスト性能が向上します。一方でハイギアのため7~8割の糸巻量でもハンドル一回転あたりの巻き取り量は実測値で64cmとノーマルギア相当となります。
因みにですがフロロ16ポンドを上限の120mまで巻くとスプール重量は37.0gと更に増加します。こうなると14g以上しかキャストし難い上に、こんな太い糸で120mも遠投できるルアーなんて存在せず意味がありません。どうしてもスプール上限まで糸を巻きたい方はPEセッティングをお勧めします。PEであれば重量を増やさずにスプールに多く糸を巻くことが可能です。PEセッティングの詳細は別記事で紹介しております。
キャスト性能
重いルアーに相性のよい大口径スプールとDCブレーキの組み合わせにより14g以上のルアーのキャストは非常に快適です。爆風でも全くバックラッシュの心配なくキャストし続けられるため、投げて巻くを繰り返す巻物の釣りへの相性は抜群です。
ただ意外にも軽量ルアーもキャスト可能です。7g前後ルアーでもDCブレーキがバックラッシュを防いでくれるためトラブル無く投げられてしまいます。軽量ルアー特化した32mm径のリールには劣りますが、DCブレーキの恩恵で重量級だけでなく軽量ルアーまでも扱う事が可能です。
圧倒的な剛性感と巻き心地
丸形リールの最大の長所が剛性感であり巻き心地も最高峰で巻き感を感じないほど滑らかに回転します。ただ以外にもギアの歯は大型でカルカッタコンクエストDC101より大きくなっています。200番台はより負荷の強いルアーが中心のため、ギアの強度の問題なのかもしれません。
巻き感度が高い
19アンタレスや22バンタムなど剛性感の高いリールはクランクなど巻き抵抗の大きなルアーでは快適な反面、抵抗の小さなシャッドなどでは巻き感が消える傾向にあります。ただ20カルカッタコンクエストDCはダブルウィローのスピナーベイトなど振動の小さいルアーでも巻き感を感じやすくなっています。リールの特性だけでなく、自重の重さでロッド取り付け時に手元に重心が集中するため、ロッドを支える力が少なく済むためと思われます。軽い力でロッドを支えることでロッドに伝わる振動を感じ取りやすくなるメリットがあります。
ドラグ性能が極めて高い
おそらくドラグに関してはこれまで使用したベイトの中では最高の性能です。フルロック状態でも負荷が大きく掛かればジリジリとドラグが出る設定ですが、非常に滑らかであり、ドラグが滑って止まらない現象は見られません。ドラグ音も備わっており大物でも安心のファイトが可能です。
頼もしい重量
170g台が標準となりつつあるベイトリールの中で260g以上とありえない重量ですが、逆にグラスコンポジットなどの巻物用ロッドでは重心が手元になるため、巻きが非常に安定します。
勝手に目盛りが変わらないブレーキダイヤル
サイドカバーの外周のそって取りつけられたブレーキダイヤルですが、調整しやすく、ロッドを束ねたりカバーをつけたりしても勝手に目盛りが変わることなく快適に使用できます。
デメリット
巻物以外は対応不可能
長所の裏返しであるため仕方無い点ですが、重すぎるが故にワームやジャークベイトなど操作を伴う釣りには全く向きません。腱鞘炎になる可能性もあるため、巻き以外に使用するのはお勧めできません。
非常に高価
最高級のDC機と比べると、まだ手を出しやすい価格帯ですが、それでも気軽に購入できる価格ではありません。ただ、あらゆる巻物に適合する他にない巻物専用機とは思います。
想定される釣り
20カルカッタコンクエストDCの200番台が活躍するのは14g以上の大型巻物です。フルサイズのクランクからスピナーベイトと大型ルアーへの相性は抜群で巻き抵抗も気にならず、一日中、巻きの釣りを続けられます。その一方で得意では無いものの10g前後の巻物も扱う事は可能であり、守備範囲が非常に広い巻物専用リールとなっています。
他のリールとの比較
21カルカッタコンクエスト200/201との比較
キャスト性能(7g) | 20カルコンDC200 |
キャスト性能(10g) | 20カルコンDC200 |
キャスト性能(14g) | 同等 |
キャスト性能(21g以上) | 同等 |
ライントラブル耐性 | 20カルコンDC200 |
剛性感 | 21カルコン200 |
巻物適正 | 同等 |
コストメリット | 21カルコン200 |
共に38mm大口径のカルカッタコンクエスト200番台での比較です。キャスト性能に関してはスペック上では21カルカッタコンクエスト200/201は22mm幅から21mm幅と僅かにナロー化されたため優位となっています。ですがDCブレーキが余りに優秀でありキャスト性能では20カルカッタコンクエストDC200/201の圧勝です。本来であれば大口径リールでは投げにくい10g以下のルアーもDCならトラブル無く扱えます。
21カルカッタコンクエスト200/201はインフィニティドライブにて巻き心地や剛性感が格段に進化しております。20カルカッタコンクエストDC200/201は旧モデルのカルカッタコンクエストを原型としているためか剛性感では一歩劣ります。ギアシャフトの末端も2段ベアリングとなっておりガタツキも有りません。21カルカッタコンクエスト200/201の詳細は別記事で紹介しております。
18リョウガとの比較
丸形リールでライバルとなるリョウガとの比較です。リョウガはカルカッタコンクエストの100番と200番の間の特性であるため、200番台よりはショートキャスト向けとなります。
キャスト性能(7g) | 18リョウガ |
キャスト性能(10g) | 18リョウガ |
キャスト性能(14g) | 同等 |
キャスト性能(21g以上) | 20カルコンDC201 |
ライントラブル耐性 | 20カルコンDC201 |
剛性感 | 20カルコンDC201 |
巻物適正 | 同等 |
コストメリット | 18リョウガ |
20カルカッタコンクエストDC201はスプール径が38mmと18リョウガの34mm径より大型ルアーに適しています。そのため7g程度の軽量ルアーには18リョウガが適しており、10g~14gでは同等、21g以上では20カルカッタコンクエストDC201となります。どちらも非常に剛性感は高く巻物への適正も高い水準で並んでいます。
ただし18リョウガは交換スプールが豊富であり、スプール交換のみで性能が大きく変化します。例えば標準のスプールをSV BOOSTに交換すると重量級ルアーのキャスト性能はそのままに軽量ルアーのキャスト性能が大幅に向上します。ライントラブル耐性も大きく向上しDCと同等になりますがスプールの追加購入にてコストも同等になります。18リョウガの詳細については別記事で紹介しています。
21アンタレスDCとの比較
キャスト性能(7g) | 21アンタレスDC |
キャスト性能(10g) | 21アンタレスDC |
キャスト性能(14g) | 21アンタレスDC |
キャスト性能(21g以上) | 21アンタレスDC |
ライントラブル耐性 | 20カルコンDC201 |
剛性感 | 同等 |
巻物適正 | 20カルコンDC201 |
コストメリット | 同等 |
共に大口径スプールを有するリール同士の比較ですが、大きな違いはスプール幅となります。通常幅の20カルカッタコンクエストDC201は飛距離では劣るものの、一定レンジを一定速度で通す巻物の釣りには有利です。加えてDCブレーキのメモリが少なくブレーキ調整が楽な上にバックラッシュの頻度も抑えられています。一方でナロースプールが搭載された21アンタレスDCはキャスト面ではあらゆるルアーで有利となります。20カルカッタコンクエストDC201と比べるとバックラッシュしやすい傾向にありますが、その分、細かいブレーキ調整が可能で、より飛距離を伸ばすことができます。21アンタレスDCの詳細は別記事で紹介しています。
まとめ
今回紹介の20カルカッタコンクエストDC201は
・14g以上の巻物に最適な巻物専用リール
・10g以下ではDCの100番台や18リョウガの方が適任
となっており、巻物への汎用性では18リョウガに劣るもののMHクラス以上でグラスコンポジットのような巻物ロッドに非常に相性が良いリールです。その一方でDCブレーキによるキャストの安定性は抜群で10g前後の巻物まで対応可能な汎用性も持っています。安いは言えない価格ですが巻物の頻度が多い方にはお勧めの一台です。