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細PEの代名詞とも言えるリアルデシテックス。個人的には使いやすさが別格と感じます。というのも、検証に当たって週2回釣行での4週間は検証しましたが、一度もエアノットが発生していません。アップグレードX8の0.8号でさえ定期的に発生するトラブルなんですが、この細さにも関わらず、このトラブルの少なさは驚異的です。しかも細PEに必要な要素は網羅しており、軽量ルアーの投げやすさ、キャスト時の抵抗感の少なさも全く問題ありません。
ただ硬さの影響か結束強度が出にくく、この点に於いてはライバルであるソルトウォーターフィネスPEに明らかに劣ります。またPEすべてに当てはまる問題ですが、フワフワと中に舞うため風が強い状況や、ボトム系の釣りでは使い物になりません。PE自体が非常に高価であるため、簡単には手を出しにくいのも難点です。
今回は細PEの代名詞であるリアルデシテックスを紹介します。個人的な評価は以下の通りです。
★5が満点 | |
細さ | ★★★★★ |
強度 | ★★★☆☆ |
耐摩耗性 | ☆☆☆☆☆ |
耐久性 | ★★★☆☆ |
滑り性 | ★★★★☆ |
硬さ | ★★★★★ |
コスト | ☆☆☆☆☆ |
目次
リアルデシテックスの特徴


細PEって何が良いのって人にはこちら
以下にリアルデシテックスの特徴は記載するのですが、そもそも細PEって何が良いの?どんな釣りに使えるの?って話は、こちらの記事を参考願います。
太さ


SV BOOST PEに0.4号を75m巻いた時の写真です。リアルデシテックスの細さは規格通りで、0.8号×75mが8~9割巻けるSV BOOST PEにて、ちょうどハーフラインの7~8割に留まっています。なおソルトウォーターフィネスPEも同等の太さです。


参考までに0.8号と1.0号を巻いた際の状態も載せます。0.8号だとスプールの8~9割となり、1.0号だと、ほぼ満タン状態となります。
強度

0.8号をFGノットでの結束強度を測定した結果です。計測は5回行い平均、最大、最小の強度を示します。
リアルデシテックス 0.4号 | ソルトウォーターフィネスPE 0.4号 | |
表記 強度 | 5.44kg 12lb | 4.17kg 9.2lb |
平均 | 2.42kg 44% | 2.86kg 69% |
最大 | 2.90kg 53% | 3.30kg 79% |
最低 | 2.00kg 37% | 2.50kg 60% |
リアルデシテックスの結束強度は信頼のよつあみ製PEとしては意外な結果で平均でも2.42kg、最低だと2.00kgしか結束強度が出ません。フロロリミテッド6lbをリーダーに組むと、一定の割合でリーダーとルアーの結束部分でなくPEとリーダーの結束部分で破断する強度です。比較対象のソルトウォーターフィネスPEだと平均2.86kgで最低でも2.50kgが出ているため、強度的にはリアルデシテックスは高いとは言えません。
オードラゴンX4 0.8号 | アップグレードX8 0.8号 | |
強度 | 5.90kg 13lb | 7.26kg 16lb |
平均 | 3.11kg 53% | 4.80kg 66% |
最大 | 3.50kg 59% | 5.25kg 72% |
最低 | 2.50kg 42% | 4.50kg 62% |
ただ強度の弱い高比重PEだと0.8号でもソルトウォーターフィネスより僅かに強い程度の強度しかないため、リアルデシテックスの強度不足は、糸自体が細い事が原因と考えられます。アップグレードX8とオードラゴンX4を比べると、高比重PEが如何に弱いかが、よく分かります。
耐摩耗性

号重り(35g)を1000番の砥石に吊るし、左右20cmを行き来できた回数を測定(1往復で2回とカウント)しました。計測は5回行い平均、最大、最小の強度を示します。
リアルデシテックス 0.4号 | ソルトウォーターフィネスPE 0.4号 | |
平均 | 0回 | 0回 |
最大 | 0回 | 0回 |
最低 | 0回 | 0回 |
結果は予想通りで、たったの一度も左右に移動することが出来ず、だいたい10cmくらい砥石の上を移動すると糸が切れます。これはソルトウォーターフィネスPEも同様で、こんな細PEに耐摩耗性を求める事自体が間違っているのでしょう。
オードラゴンX4 0.8号 | アップグレードX8 0.8号 | |
平均 | 2回 | 3回 |
最大 | 2回 | 4回 |
最低 | 2回 | 2回 |
参考までに0.8号での耐摩耗性の結果を載せますが、強度の弱いオードラゴンX4では平均2回、アップグレードX8でも平均3回のため、細いPEには基本的に耐摩耗性なんて期待しない方が良いです。
耐久性(色落ち、毛羽立ち)


リアルデシテックスの耐久性は悪くは思ったほどは高くなく、週2釣行の4週で色抜けがある程度進みます。更に使用すると毛羽も目立ってくるため、耐久性は高いとは言えません。
アップグレードX8の耐久性


アップグレードX8だと耐久性もかなり高く週2釣行の4週間の使用でも殆ど見た目の変化は少な目です。
シーガーPEの耐久性


耐久性の低いではシーガーPE X8では安価ではあるものの、週2回の釣行でも僅か2週間で色が殆ど抜けてしまいます。
滑り性、糸鳴りの少なさと飛距離


顕微鏡による60倍写真での比較です。リアルデシテックスは8本編のため糸の表面は非常に滑らかで凹凸が少なくなっています。この点に関してはソルトウォーターフィネスPEと同等です。


また号数は太くなっているもののアップグレードX8でも表面凹凸は同様ですが、4本編みのオードラゴンX4だと表面の凹凸が目立ちます。
FGノットでの編み数
堀田式FGノットを組んだ時の私の編み込み回数を記載しています。編み込み回数は上下に1回づつ編んだ際の編み数を2回と計上しています。そのため通常のFGなら編み込み数は半分になります。
リアルデシテックス 0.4号 | オードラゴンX4 0.8号 | アップグレードX8 0.8号 | |
0.8号 | 25回 | 19回 | 25回 |
リアルデシテックス0.4号の編み込み数は8本撚りの0.8号と同じ25回の編み込み数が適していました。というのも、これ以上の編み込みにすると結束部分が末端まで締め込める前に糸が切れます。
実は、この25回という編み込み数でも結構ギリギリの回数で、糸が細いため指に食い込み軍手を使わないと最後の締め込みが出来ないぐらいです。ただ、締め込み過ぎると糸が切れるので、結束は慎重に行う必要があります。
伸びと感度

PE:7mを2kgで引っ張った際の伸び率の結果です。
リアルデシテックス 0.4号 | ソルトウォーターフィネスPE 0.4号 | |
伸び | 12cm | 10cm |
伸び率 | 1.7% | 1.4% |
0.8号に比べ糸が細い分、リアルデシテックスはPEとしては伸びが大きい部類になります。
オードラゴンX4 0.8号 | アップグレードX8 0.8号 | |
伸び | 12cm | 8cm |
伸び率 | 1.7% | 1.1% |
ただ0.8号でも異素材が入っているオードラゴンだと同程度伸びます。参考までに普通のPEであるアップグレードX8の結果も載せますが、伸びは1%程度に収まっています。
硬さ
PEラインを何センチ水平が維持できるか検証しました。なおコーティングの影響をなくすため、5回ほどライン表面を爪で削った後に検証を行っています。


リアルデシテックスは0.4号と細い分、非常に柔らかく5cmしか水平を維持できていません。ただ更に柔らかいソルトウォーターフィネスPEでは同じ0.4号でも5cmさえ維持できず4cmという結果になっています。


参考までに0.8号のアップグレードX8では7cmとなっており、硬さに定評のあるハードブル8+の0.8号では11cmでした。
実際の操作性


実釣でも検証しましたがリアルデシテックスは普通のPEのためテンションが掛かっていない状態ではフワフワと空中に舞うため、ラインスラックを多用するボトム系の釣りでは使い物になりません。こう言う用途はピットブルG5のような高比重PEでしか対応出来ないと思います。


参考までにソルトウォーターフィネスPEの例も載せますが、同様に空中に舞うためスラックを使う釣りには適していません。硬さだけだと樹脂コートされたアーマードなどが非常に硬く、ガイドへの糸絡みも少ないですが、やはり空中には舞うため、ボトム系の釣りには高比重以外のPEは適してないと関します。
コスト
リアルデシテックスなと細PEの最大の難点が価格であり、簡単に手を出せる価格では有りません。が、他には無い別次元の使用感とは感じます。
他のラインとの比較
ソルトウォーターフィネスPEとの比較

細さ | 同等 |
強度 | ソルトウォーターフィネスPE |
耐久性 | 検証中 |
耐摩耗性 | 同等 |
滑り性 | ソルトウォーターフィネスPE |
硬さとトラブル耐性 | リアルデシテックス |
コスト | 同等 |
細PEでは2台巨頭となっているソルトウォーターフィネスPEとの比較です。まずリアルデシテックスは若干結束強度もキャスト時の糸抜け感も劣るもののライントラブルが極めて少なく快適に釣りが行えます。一方でソルトウォーターフィネスPEはライン表面がツルツルで抵抗感もなく、キャストフィールが最高です。また結束強度もリアルデシテックスより上です。

ただ悩ましいのがエアノットなどのライントラブルで、一定の割合でトラブルが発生します。これを我慢できるか否かでリアルデシテックスとソルトウォーターフィネスPEを使い分ける事をお勧めします。
まとめ

今回紹介のリアルデシテックスは
・抜群の扱いやすさとトラブルレスを兼ね備えた細PE
・耐摩耗性は皆無で耐久性も高くはなく、ボトム系の釣りには不適合
・キャストフィールや結束強度ではソルトウォーターフィネスPEに劣る
とボトム系の釣りには使い物になりませんが、表層から中層の細PEの釣りをトラブル無く快適に行いたい人にお勧めの細PEです。