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4本撚りが中心の高比重PEのなかで8本撚りタイプのデュラヘビーが新たに販売されました。実際には高比重素材1本を8本のPEで編み込んだ9本撚りですが、特性は一般的な8本撚りに相当します。強度に関しては8本撚りのPEとほぼ同等であり、今までの4本撚り高比重PEより一回り強度は上です。また表面の凹凸も4本撚りに比べ少ないため糸鳴りも抑えられています。
ただし8本撚りタイプのためか高比重素材の割合が少なく比重は最大でも1.20しかありません。現行の高比重PEである比重1.3〜1.4と比べると空中のバタつきは同等ですが水中には沈み難く感じます。また糸が若干太く他のPEよりスプールが嵩高くなります。また色抜けも早く耐久性も高いとは言えません。
今回は従来の高比重PEよりも若干太く沈みは遅いものの、強度や滑り性が高い高比重PEのデュラヘビーを紹介します。個人的評価は以下の通りです。
★5が満点 | |
細さ | ★★★☆☆ |
強度 | ★★★☆☆ |
耐摩耗性 | ★★★★☆ |
耐久性 | ★★☆☆☆ |
滑り性 | ★★★★★ |
硬さ | ★★☆☆☆ |
コスト | ★★☆☆☆ |
目次
デュラヘビーの特徴
太さ
SV BOOST PEに0.8号を75m巻いた時の写真です。左がデュラヘビー右がUPGRADEですがデュラヘビーを巻いたスプールはスプールの嵩が高く一回り太く感じます。
参考までに他の高比重PEでの写真も載せます。左がオードラゴンの0.8号ですがアップグレードX8と同じ太さに収まっています。なお1号まで上げるとデュラヘビーの0.8号と同じ程度の笠になっています。
強度
0.8号をFGノットでの結束強度を測定した結果です。測定は5回行いました。比較対象は代表的なPEである「よつあみ」のアップグレードX8です。
デュラヘビー | アップグレードX8 | |
表記 強度 | 6.4kg 14b | 7.26kg 16lb |
平均 | 3.84kg 60% | 4.80kg 66% |
最大 | 4.20kg 66% | 5.50kg 72% |
最低 | 3.50kg 55% | 5.00kg 62% |
強度については一般的なPEであるアップグレードX8に比べ5%ほど低くなっています。ただしデュラヘビーは高比重素材が編み込まれており、これを考慮すれば十分に強度は高いと感じます。
ピッドブルG5 | オードラゴン | |
表記 強度 | 6.2kg 13.7lb | 5.9kg 13lb |
平均 | 3.32kg 53% | 3.11kg 53% |
最大 | 3.90kg 63% | 3.50kg 59% |
最低 | 2.50kg 40% | 2.50kg 42% |
参考までにピットブルG5やオードラゴンの0.8号での強度比較ではアップグレードX8に比べ10%も低い強度となります。そのためデュラヘビーは高比重PEの中では強度が高いと言えます。
耐摩耗性
10号重り(35g)を1000番の砥石に吊るし、左右20cmを行き来できた回数を測定(1往復で2回とカウント)しました。計測は5回行い平均、最大、最小の強度を示します。
デュラヘビー | アップグレード X8 | |
平均 | 5回 | 3回 |
最大 | 6回 | 4回 |
最低 | 3回 | 2回 |
オードラゴン | スーパージグマン | |
平均 | 2回 | 5回 |
最大 | 2回 | 6回 |
最低 | 2回 | 5回 |
デュラヘビーの耐摩耗性はPEの中では高くアップグレードX8をも上回ります。同じ高比重PEであるオードラゴンとは大きな差があり、耐摩耗性に優れるスーパージグマンと同等です。
耐久性(色落ち、毛羽立ち)
耐久性に関しては高いとは言えず、僅か週2釣行の4週間で大きく色抜けしています。汚れの付着も目立ち、とても耐久性が高いとは言えません。
滑り性、糸鳴りの少なさと飛距離
顕微鏡による60倍写真での比較です。デュラヘビーは滑り性に関しては特に悪くは有りません。アップグレードX8やシーガーPE X8に比べると丸い形状ですが、スーパージグマンよりは角ばっています。
ただしデュラヘビーは通常の8本撚りPEより太く、アップグレードX8と並べて120倍で比較すると一回り大きく見えます。
下:アップグレードX8
ただ4本撚りの高比重PEであるピッドブルG5やオードラゴンとの比較ではデュラヘビーは8本撚りのため凹凸の少なさは明らかです。
FGノットでの編み数
0.8号でFGノットを組んだ時の編み込み回数です。
デュラヘビー | アップグレードX8 | ピッドブルG5 | |
0.8号 | 25回 | 25回 | 19回 |
ノットに関しては標準的な8本撚りの編み込み回数で対応出来ます。ピッドブルG5のような4本撚りで凹凸が大きい場合はノットの先まで締め込みが届かず編み込み数を減らしますが、デュラヘビーに関しては編み込み数を減らす必要は感じません。アップグレードX8と同じ編み込み数でもノットの先まで締めこまれています。
伸びと感度
0.8号のPE:7mを2kgで引っ張った際の伸び率の結果です。
デュラヘビー | アップグレードX8 | |
伸び | 12cm | 8cm |
伸び率 | 1.7% | 1.1% |
オードラゴン | アップグレードX4 | |
伸び | 12cm | 7cm |
伸び率 | 1.7% | 1.0% |
デュラヘビーの伸びはPEの中でも大きめで、アップグレードX8より伸びる結果となりました。ただオードラゴンと同様に高比重PEは伸びやすい傾向にあります。ただ4本撚りPEに比べ8本撚りPEは伸びやすい傾向にあるため、8本撚りでも4本撚りのオードラゴンと同じ伸び率に抑えられてるとも言えます。
ただ、この伸びの差は数mの糸を伸ばし比べても差が分からず、7m同士での比較でようやく数センチの差が出るレベルです。そのため、私を含め一般レベルの釣り人では、実釣にて差を感じることは少ないと思います。
硬さ
下:アップグレードX8
ライン8cmを水平に浮かせた際の折れ曲がりの写真です。アップグレードX8との比較ではアップグレードX8も僅かに曲がってはおりますが、デュラヘビーは完全に折れ曲がり空中には浮いていません。デュラヘビーは8本撚りPEの中でも柔らかい部類になります。
一般的なPEではアップグレードX8のようにテンションが掛かっていない時には糸がたるみ感度が損なわれます。デュラヘビーは高比重素材が編み込まれているため空中でも糸がバタつかず水面まで弧を描くように入ります。この点では更に高比重であるピッドブルG5やオードラゴンと同等です。
ただデュラヘビーはピッドブルG5やオードラゴンに比べ比重が0.2ほど低くなっています。そのため少なくとも空中での糸の操作感は差は見られませんが水中への沈み易さには差を感じます。
トラブル耐性
この硬さと適度な張り感はライントラブルも減らします。一般的なPEに比べ比重が重たく空中でラインが泳がず水面に向かって弧を描きます。そのためラインでのルアー操作もしやすく糸絡みも低減でき当たりも取りやすくなります。
コスト
価格については正直に言って高いです。アップグレードX8など他の8本撚りPEと比べても2〜3割は高価となっています。ただし現時点では高比重PEでの8本撚りは希少で価値は高いと思います。
他のPEとの比較
ピッドブルG5との比較
細さ | ピッドブルG5 |
強度 | デュラヘビー |
耐摩耗性 | デュラヘビー |
耐久性 | 同等 |
滑り性 | デュラヘビー |
硬さ | ピッドブルG5 |
コスト | ピッドブルG5 |
同じ高比重PEに属するピッドブルG5との比較ですがデュラヘビーは8本撚り、ピッドブルG5は4本撚りのため特製は大きく異なります。デュラヘビーは高比重PEの中では強度や滑り性が高く8本撚りの特性を強くしましています。ただ、その分柔らかく比重は0.8号で1.15と高比重PEの中では低めです。
その反面ピッドブルG5は4本撚りのため強度や滑り性については劣りますが、その分硬くラインでのルアー操作が容易です。また比重も高く、やり早くルアーを沈める事が可能です。コストも抑えられているため、取り敢えずはピッドブルG5から試すのをお勧めします。ピッドブルG5の詳細については別記事で紹介しております。
オードラゴンとの比較
細さ | オードラゴン |
強度 | デュラヘビー |
耐摩耗性 | デュラヘビー |
耐久性 | オードラゴン |
滑り性 | デュラヘビー |
硬さ | オードラゴン |
コスト | オードラゴン |
オードラゴンとの比較では基本的にはピッドブルG5と変わりません。ただオードラゴンはピッドブルG5より高価な分、耐久性は高く色抜けも控えめです。オードラゴンの詳細は別記事で紹介しております。
まとめ
今回紹介のデュラヘビーは
・高比重PEの中でも強度が高く滑りが良いPE
・若干、糸が太い
・操作感は高比重PEを維持しているが、沈みやすさはピッドブルやオードラゴンに劣る
となっており8本撚りでの強度、滑りの良さは持っていますが、反面、4本撚りの特徴である硬さによる操作性は減っています。個人的にはバス用途など1号以下での釣りにはピッドブルG5やオードラゴンの方が適しているとは思います。ただし1号以上を使う用途で従来の高比重PEでは硬すぎる、または強度が足りないと感じていた方には強くお勧めできる糸です。