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大口径スプールで遠投が得意なアンタレスが新しいスプールでリニューアルされました。試し投げ程度でも分かるほどキャスト感が爽快で、スプールが静かに周り気が付けばルアーが遠くに飛んで行ってるような感覚になります。巻き心地もハイエンドにふさわしく、ダイワ機の追随を未だに許しません。
ただ良くも悪くも遠投向けリールのため軽いルアーを投げるのには適しておらず、重いため繊細な操作が必要な釣りにも向いていません。遠心ブレーキらしい味付けになっており空気抵抗の大きなルアーや軽いルアーではサミングが出来ないと糸浮きが多発します。
またハイエンドではありますがカルカッタコンクエストと比べキャスト感では圧倒するものの巻き心地の面では完敗します。この辺りは用途に応じて使い分けるのが良いでしょう。
今回はキャストに多少、腕が求められるものの、最高のキャスト感を味わえるシマノのフラッグシップ機、25アンタレスを紹介します。
★5が満点 | |
キャスト性能(7g) | ★★★☆☆ |
キャスト性能(10g) | ★★★★☆ |
キャスト性能(14g) | ★★★★★ |
キャスト性能(21g以上) | ★★★★★ |
剛性感 | ★★★★★ |
自重の軽さ | ★☆☆☆☆ |
ライントラブル耐性 | ★★★☆☆ |
コストメリット | ★☆☆☆☆ |
目次
25アンタレスの特性

今回の25アンタレスは全面鏡面のボディで従来のアンタレスの特徴を踏襲していますが。色は19アンタレスと21アンタレスDCの中間ぐらいの明るさで、多少落ち着いた黒に近いシルバーです。


鏡面の度合いで言うと19アンタレスや21アンタレスDCの方がキラキラしているように感じます。
スプール
MGLスプールⅣ

25アンタレスの特徴としては中心が山なりに高く両サイドが細いMGLスプールⅣですが、肉眼で見てやっと分かる程度であり、写真では多分、分からないかと思います。


念のためスプールの内径も測定してみましたが、中心で24.0mm、両端で23.8mmのため半径としては僅か0.1mmの差しかありません。同じ25アンタレスでMGLスプールⅣの有無を比べれないため効果は不明ですが、後述の通り確かにキャスト感は圧倒的で現時点で間違いなくNo.1です。
外観


スプール径は37mmと通常の34mm径より大きなスプールです。実測でも36.7mmとなっています。


ただ幅については21mmとナロー化は控えめで、実測値でも24.4mmとなっています。
なお24メタニウムDCではナロースプールが採用されており実測値では21.9mmとなります。そのためスプール目減りは大きいものの軽量ルアーのキャストには有利です。
重量


25アンタレスのスプール重量は想像以上に軽く13.9gでした。19アンタレスが13.4gなので、ほぼ同じ重さと言えます。


糸巻後の重量はフロロ14lb×90mで26.8gと37mm径のスプールとしては極めて軽く、高比重PE2号×90m+FC14lb×20mでは23.6gと軽量化に加え糸巻き量を増やすことが出来ます。ベイトPEについては別記事で紹介しておりますのでご参考下さい。


なお参考までに糸巻き量が同じ23スティーズAⅡとの比較を載せますが、25アンタレスの方が、より軽いスプール重量となっています。
キャスト性能

新型スプールの影響なのか25アンタレスのキャスト感は極めて良く、私が今まで使ってきたリールの中でも最高クラスです。極めて爽快で振動感が少なく、飛距離がとにかく伸びます。


遠投しやすいバイブレーションなどは非常に気持ちよく遥か彼方まで遠投できます。


ルアーを軽くしても34mm径のリール以上に飛距離が伸び、10g前後のルアーまでは問題なくキャストできます。少し前までは、この糸巻き量のリールではワイルドハンチなんて全く使えたもんじゃ無かったんですが、リールの進化には驚かされます。

ただ空気抵抗の大きなスピナーベイトや軽いワイルドハンチなどではサミングが必須で、特にキャスト後半では糸が浮きやすいため注意です。なおHPFクランクなど、より軽く空気抵抗の大きなルアーでもキャスト可能ですが糸浮きを抑えるためにはサミング技術が求められ、ノーサミングでは全く対応できません。
PE設定なら軽量ルアーが更に快適に
なおPE設定にすることでスプールを軽くでき、軽量ルアーのキャスト性能が向上します。ベイトPEの詳細は別記事で紹介しております。

PEを入れてスプールを軽量化することで空気抵抗の大きなスピナーベイトでもノーサミングでキャスト可能となります。


軽いルアーではワイルドハンチやFPFクランクぐらいまでは問題なくキャストできましたので、PEであれば7gぐらいまでは快適に扱えます。
調整しやすく勝手に目盛りが変わらないブレーキ


25アンタレスのブレーキ目盛りはボディサイドに凹状に埋め込まれており、操作しやすいだけでなく移動時などでも勝手に目盛りが変わりません。タトゥーラなどボディサイドに直接ブレーキ目盛りが付いた機種だと勝手に目盛りが変わっており移動後の一投目でトラブルが多発します。
ハイエンドの剛性感もカルコンには劣る

25アンタレスの剛性感は極めて高く巻き心地も最高レベルです。ただカルカッタコンクエストに比べると室内で巻いた時には差は感じませんが、巻き抵抗の大きなルアーほどカルカッタコンクエストの方が巻き抵抗が少なく巻き取り易いと感じます。
ウォームシャフトにはベアリング無し

25アンタレスは最新のハイエンド機種ですが、残念ながらウォームシャフトは樹脂のブッシュでベアリングは搭載されていません。


24カルカッタコンクエストSEでは搭載されていたのですが、なぜ25アンタレスは見送ったのか謎です。海水対応なのかもしれませんが、巻き心地の面ではカルカッタコンクエストに劣る要因になっています。
インフィニティドライブ非搭載


シマノのWEBサイトを確認してもインフィニティドライブに関する記載が有りません。またインフィニティドライブ搭載機種ではスプールにベアリングが搭載されていることが多いのですが、このベアリングも無くDC機のようなスプールになっています。


そのため25アンタレスはカルカッタコンクエストのようにスプールがベアリング4点支持でなく3点支持となっています。この影響なのか、巻きのトルク感については明らかにカルカッタコンクエストに劣ります。
シャフトのダブルベアリングでガタツキ防止


ただハイエンドではあるため、メインギアのシャフトにはベアリングを2個搭載されベアリングの「がたつき」まで抑制されています。ハイエンド機種のみの機構であり同じDCでも24メタニウムDCには搭載されていません。
ハイエンド用マイクロモジュールギア


25アンタレスはハイエンド機種だけあって同じHGでもマイクロモジュールギアの歯数も多く巻き心地も24メタニウムDCに比べて一段上です。
メインギアの大きさ


メインギアについてはダイワ機よりは大きく同じHGでもアンタレスは38.8mmと22ジリオンHDより大きめです。


このギア直径は大き目で18リョウガのクレージークランカー相当の大きさとなっています。ただ25アルデバランDCのHGは異様にギアが大きくHGでも39.2mmの直径となっています。
ドラグ音が無い


25アンタレスはハイエンドにも関わらずドラグ音が無いため、大物が掛かった際のファイトには少々不安を覚えます。同じハイエンドの24カルカッタコンクエストにはドラグがしっかりと搭載されています。
ヘビー級ロッドに最適な重量

シマノのベビー機種はどれも220g前後の重量となっておりMクラスのロッドには重いものの、逆にMH以上のロッドとは相性が抜群です。
ボディは大きく操作には不向き

左から21ジリオンSV TW、25アンタレス、21アルファスSV TWです。25アンタレスは21ジリオンSV TWよりも少々大きくコンパクトな21アルファスSV TWと比べると、かなり大きなボディ高であり、繊細な操作には適していません
なおアンタレスの鏡面にて撮影部屋が丸々移っているので白塗りで消している点にはご容赦願います。アンタレスって本当に投稿者泣かせのリールです。
コスト
25アンタレスはフラッグシップ機だけあって安い価格ではありませんが、キャスト感が極めて良く巻き心地も最高レベルであり、フラッグシップならではの使用感が感じられるリールです。
デメリット
エスケープハッチが超不便

25アンタレスは自分で遠心ブレーキを調整する人向けにサイドカバーが開きやすい仕様になっていますが、ただ開けた際に必ずスプールがサイドカバーにくっついて出てくるため、都度スプールをボディ側に戻す必要があり内部ブレーキを調整しやすいとは言えません。

おそらくサイレントチューンという機構で搭載されたスプールのOリングがサイドカバーのベアリングと密着しており、開けた際に引き出されるのだと推測されます。至高のキャスト感には貢献しているのでしょうが、頻繁にサイドカバーを開ける人には明らかにデメリットで、今後の改良が望まれます。
巻きトルクが弱い

個人的にショックだったのが巻きトルクが意外に弱い事です。キャストの抜け感に特化し過ぎているのか、巻き抵抗の大きなルアーでは巻き抵抗も強く感じます。巻き抵抗の強いルアーを扱うなら絶対にカルカッタコンクエストをお勧めします。
ナロースプールによる目減り
ナロースプールで忘れてはいけないデメリットがスプールの目減りです。16lbをスプールエッジまでの80m巻き40m糸を出した前後の写真を載せます。


37mm径×21mm幅と僅か1mmだけナロー化した25アンタレスですが目減りは意外に大きく4mmほどスプールが目減りします。このため巻き感の変化が激しくキャスト直後と回収直前では巻き速度を大きく変える必要があります。


なお34mm径×24mm幅の21ジリオンSV TWでは目減りが少なく2~3mm程度に抑えられます。
マイクロモジュールギアのグリス切れ

シマノのマイクロモジュールギアはグリス切れが早くゴリ感が早く来ます。毎週末の使用頻度だと半年でグリスが切れ始め、一年は持ちません。個人的にはサードパーティーのグリスを使用し対応しているためグリス切れ頻度は抑えられていますが、メンテナンス頻度はダイワに比べると増加します。
スタードラグが旧式で組み立てが面倒


25アンタレスのスタードラグは旧型で穴が▢形状のため、分解後の組立時にシャフトへの取り付けが面倒です。24メタニウムDCではスタードラグの穴が〇形状に改良されており分解後の組み立てがしやすくなっています。自分でメンテナンスを行う方にとっては非常に面倒な点です。
フックキーパーが装着可能


ダイワのTWS機のようにレベルワインドにフックが干渉する懸念はありませんが、鏡面ボディを守るためにはフックキーパーの着用をお勧めします。なお25アンタレスは改造なしでフックキーパーが装着可能です。
他のリールとの比較
21アンタレスDCとの比較
キャスト性能(5g) | 21アンタレスDC |
キャスト性能(7g) | 21アンタレスDC |
キャスト性能(10g) | 21アンタレスDC |
キャスト性能(14g) | 同等 |
剛性感 | 25アンタレス |
巻物適正 | 25アンタレス |
ライントラブル耐性 | 21アンタレスDC |
コストメリット | 25アンタレス |
用途が完全に同じ21アンタレスDCとの比較ですが、大きな差はライントラブル耐性とキャスト感です。25アンタレスはキャスト感が極めて素晴らしく、ブレーキが抜けるような爽快なキャストを体感できますが、サミングは必須でキャストにはある程度の腕が求められます。また極端なナロースプールでは無いため巻物でもスプール目減りが抑えられ巻き感の変化が少なく抑えられます。
その一方で21アンタレスDCならDCが全て対応してくれるため軽量ルアーや空気抵抗の大きなルアーでも殆どトラブルが発生しません。安定感が欲しいならDCだと感じます。また糸巻き量もDCの方が多いので、ヘビキャロなど遠くに投げることが多い方もDCがお勧めです。
19アンタレスとの比較
キャスト性能(5g) | 19アンタレス |
キャスト性能(7g) | 19アンタレス |
キャスト性能(10g) | 同等 |
キャスト性能(14g) | 25アンタレス |
剛性感 | 19アンタレス |
巻物適正 | 25アンタレス |
ライントラブル耐性 | 同等 |
コストメリット | 同等 |
適応するルアーウェイトが全く異なりますが19アンタレスとの比較では25アンタレスは明らかに重めのルアーに適しており、10g以上が中心なら迷わず25アンタレスです。
ただ近距離中心であれば19アンタレスです。ナロースプールで近距離キャストが快適であり、正直に言うと剛性感も19アンタレスの方が上です。
まとめ

今回紹介の25アンタレスは
・最高レベルのキャスト感
・10g以上なら容易にキャスト可能で剛性感も極めて高い
・軽量ルアーや近距離キャスト、繊細な操作には不向き
となっており皆さんが予想する通りのアンタレスに仕上がっており、キャストフィールは想像以上に爽快に仕上がっています。重いルアー、遠投が好きな方に是非試してもらいたい一台です。