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汎用価格帯モデルの中でも有名なストラディックが23年モデルとしてリニューアルされました。特に内部ギアが大きく進化したようで、汎用価格帯とは思えないほどの巻き心地になっています。ローターの剛性感も全く問題を感じません。また細かい点ですがラインストッパーが改良されておりダイワのスピニングのように糸が止めやすくなっています。
ただ23ストラディックには近年のシマノ製スピニング最大の特徴である密巻きが搭載されていません。そのためドラグ性能もキャスト感も従来通りであり何も進化していません。内部ギアについては大きく進化したようですが、それでも20ツインパワーには巻き心地の面では及びません。
個人的な評価は以下の通りです
★5が満点 | |
重量の軽さ | ☆☆☆☆☆ |
巻きの軽さ | ★★☆☆☆ |
剛性感 | ★★★☆☆ |
ドラグ性能 | ★☆☆☆☆ |
ライントラブル耐性 | ★★★☆☆ |
コストメリット | ★★★★★ |
目次
23ストラディックの特性
![23ストラディックの箱出し](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2023/11/2c17391e2345f902524070437fc41300.jpg)
23ストラディックは汎用価格のためケースも簡素なものになっております。
密巻きが搭載されていない
![23ストラディックの通常巻き](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2023/11/bfa6966b29c987702e2bfc1e40e14316.jpg)
![22ステラの密巻き](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2023/01/e650604797e2f3548f63570a1ff20344.jpg)
近年のシマノ製スピニングの最大の特徴が密巻きですが、残念ながら23ストラディックには搭載されていません。
![19ヴァンキッシュの通常巻き](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2023/01/0114dd061964e6d45d9528e3d7253f7f.jpg)
![23ヴァンキッシュの密巻き](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2023/04/89b2cf8e8e4746a56510e92888a53e31.jpg)
参考までに密巻きが導入される前後の19ヴァンキッシュと23ヴァンキッシュを例としてのせます。が、どう見ても23ストラディックは密巻き非搭載の19ヴァンキッシュと同様の糸巻となっています。
![22ステラは巻きがブレにくい](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2023/01/c4bb9482303865dcdbc9c5f1c57bed38-998x1024.jpg)
そのため22ステラや23ヴァンキッシュのような抵抗感の少ないキャストフィールは感じられず、ドラグ性能も従来通りとなっています。また密巻きリールではスプールの上下動が少ないため巻きがブレずに安定しますが、23ストラディックはブレが大きく従来通りに留まっています。
ドラグ性能は進化していない
![23ストラディックのドラグ性能](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2023/11/c8631dfe4d200d815c56dd0fe04cced1.jpg)
ラインが1秒で30cm出る設定でドラグを800gに設定し、そこから低速 (10cm/s)と高速(90cm/s)でのドラグ値を10回以上計測し、おおよその平均値を記載しました。手作業のためブレが非常に大きい実験ではありますが、結果は以下の通りです。
ドラグ速度 | 22 ストラディック | 20 ツインパワー | 22 ステラ |
スプール径 | 47φ | 47φ | 48φ |
低速(10cm/s) | 700g | 700g | 600g |
普通(30cm/s) | 800g | 800g | 800g |
高速(90cm/s) | 1,000g | 1,000g | 1,000g |
20ツインパワー:20ツインパワー2500S
22ステラ:22ステラC3000SDH
シマノのスピニングリールはダイワに比べドラグ初動が悪く、低速ではドラグが出にくく高速域で出やすい傾向があります。22ステラでは密巻きにてライン同士の摩擦抵抗が軽減されたためか、低速での出だしが劇的に改善されています。
ただ23ストラディックは出だしが悪く20ツインパワーと同様に従来のドラグと変わりません。そのため実釣ではドラグを弱めに設定するか、フッキング後に緩めることが多くなります。
ライントラブル防止のローターフィンは搭載
![23ストラディックのローターフィン](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2023/11/b713ced0e93e0de365a2c01d3d23d4ae.jpg)
![19ヴァンキッシュのローターフィン](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2023/01/b15093fc2f39d04a4b9febe0e22a6a26.jpg)
密巻きが搭載された22ステラよりローターにフィンが導入されましたが、23ストラディックにも搭載されています。23ストラディックには肝心の密巻きが搭載されていないため、従来より更にライントラブルが防がれているとは思います。ただ密巻きならではのキャストフィールとドラグ性能が無い点は残念です。
ラインストッパーが進化
![23ストラディックのラインストッパー](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2023/11/f9ca5addd96dc4c3486dbd89cb8964a6.jpg)
![23ヴァンキッシュのラインストッパー](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2023/11/5811183437a9b581c897fb737c602ed1.jpg)
23ストラディックではラインストッパーが進化しており糸を画面左側から回しこむように止めることが可能です。従来のシマノスピニングでは23ヴァンキッシュの写真のように回しこむと上手く固定できません。
![23ヴァンキッシュのラインストッパー2](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2023/11/51bd3c1de515b90d33fb63d60f808606.jpg)
![23エアリティのラインストッパー](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2023/11/f1369a2a185ef0a6407a02f7742efa35.jpg)
そのため従来のシマノスピニングではスプール下部からしか糸を止められません。おそらくダイワがラインストッパーの構造を改良してきたため、シマノも対抗したのだと推測されます。
重量の重さ
![23ストラディックの重量](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2023/11/d4e49d5f530536a0ba89c81164a3e2c9.jpg)
23ストラディックは剛性を売りにしている機種のため2500番ボディでも220gと重ためです。近年のバス向けスピニングでは150~180gに比べ非常に重たく、バスでのライトリグに向いているとは言えません。 ただ近年ラインナップが増えているパワーフィネスやロングスピニングへの相性は抜群です。
意外に軽い巻き心地も回り出すと止まらない
![23ストラディックのローター](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2023/11/b6d842381b80307cf9f698a4472cebb6.jpg)
![22ステラのローターは止まらない](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2023/01/b8d5d69beaba1912784005677de29dbb.jpg)
金属ローター割に意外と軽い巻き出しの22ステラに対し23ストラディックは巻き出しが重く感じます。写真の通りローターの形状も若干異なるため、ローターや内部ギアなどの細かい差の積み重ねが差となっていると推測されます。
また金属ローターは回り出すと止まらないためか、止める際に少々力が必要となります。この点は22ステラも23ストラディックも同様です。このため巻く、止めるを繰り返すライトリグの様な釣りには23ヴァンキッシュが適しています。
全く「たわみ」のない金属ローター
![23ストラディックのローター通常時](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2023/11/a48f85d4a51dc1350ded9e0d5d658447-697x1024.jpg)
![23ストラディックのローター圧迫時](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2023/11/b14b0c37d4c956f1585b7fe016d84484-748x1024.jpg)
![23ヴァンキッシュのローター通常時](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2023/04/51601f6db458f576274366b0f8c59595-839x1024.jpg)
![23ヴァンキッシュのローター圧迫時](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2023/04/afe55e3afd3d3ec9d7b5dd62043b90de-819x1024.jpg)
23ヴァンキッシュのような樹脂ローターでは指で左右から押さえると「たわみ」を感じるのですが、23ストラディックは金属ローターのため全く「たわみ」を感じません。汎用価格帯のリールですが、良型とのファイトも安心の剛性感です。
スプールに糸絡みしにくい
![23ストラディックの糸絡み防止2](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2023/11/06270b0ee2dc9e8a21d9922412b450d8.jpg)
![23ストラディックの糸絡み防止](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2023/11/77ff73c7dffcbe37034d200a2e01d3ed.jpg)
シマノの糸絡み防止は非常に優秀で、この点に関してはハイエンドの22ステラや23ヴァンキッシュと同じです。写真の通り大きなストッパーがついているため、一度もシャフトに糸が絡んだことがありません。
![23エアリティの糸絡み防止とスプールの隙間](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2023/04/e80312453281273ee2c1c3ebb3ec1da0-883x1024.jpg)
![23エアリティの糸絡み防止](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2023/04/d233b0b661c8e0cd24741fa11cd87ab0-745x1024.jpg)
ダイワにおいては23エアリティなど22イグジスト以降の機種のみ対策されていますが、スプールとの隙間は広めで返しも小さく完全ではありません。
ローターにも糸絡みしにくい
シマノではベールを起こした際のローター回転防止パーツが完全に覆われているため、ラインが絡まる心配がありません。元々優秀な構造ではありましたが22ステラと同様、23ストラディックでも改良されております。20ツインパワーなど旧機種では見やすいですが、23ストラディックでは該当のパーツが見えないほどです。
![23ストラディックはローターに糸絡みしにくい](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2023/11/66e907307754963c95cd2b595517e997.jpg)
![20ツインパワーのローター回転防止](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/09/54bfe702f86641e804353e58d1fe65a1.jpg)
ダイワでは22イグジスト以降の機種しか対応できておらず、21ルビアスエアリティなど他の機種ではローター外に露出しているためラインがひっかることがあります。
![22イグジストのローター回転防止2](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/09/34fd17c868d32ed034658dab596f6d3e.jpg)
![21ルビアスエアリティ_ラインローラーストッパー](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/08/bbf5b9d3dba5cbfb999708c6d363ff31.jpg)
価格はお手頃
ここまで利点ばかりを述べてきましたが問題は価格です。コストメリットはゼロですが、その代わりに中価格では味わえない使用感を味わえます。
デメリット
密巻きが非搭載
![23ストラディックの通常巻き](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2023/11/bfa6966b29c987702e2bfc1e40e14316.jpg)
![22ステラの密巻き](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2023/01/e650604797e2f3548f63570a1ff20344.jpg)
最近のシマノ製スピニングの最大の特徴である密巻き構造が23ストラディックには搭載されていません。そのためドラグ性能も悪く、キャストフィールもイマイチで巻き取り時のスプール上下動がブレるため巻きも安定しません。
ドラグベアリングが搭載できない
![23ストラディックのドラグワッシャー](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2023/11/d7108b621d1f3bf52ed135cadecee6bb.jpg)
![22ステラのドラグワッシャー](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2023/01/76f605afc31807cd0668eaf48cb213a3.jpg)
![23ストラディックはドラグベアリング無し](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2023/11/aa92dd8ba69251d6da94d820fc4de1e8-853x1024.jpg)
![22ステラのドラグベアリング](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2023/11/3b8a095059556221342d671d7d8632b6.jpg)
密巻きが非搭載な事に加え23ストラディックはドラグにベアリングが搭載されておらず、またスプールに至ってはベアリングへの交換もできません。安定したドラグ性能を求めるのであれば20ツインパワー以上の購入をお勧めします。
ハンドルにはベアリング追加可能
![23ストラディックのハンドルベアリング追加](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2023/11/3b4b4c8e5684953281899bce4b3df324.jpg)
ハンドルのカラーはベアリングへの交換で巻き心地が向上します。交換の個数は1点です。
あると便利なスタンド
![23ストラディックのリールスタンド](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2023/11/0c2d0aed9f0b63e1548047861dc716c0.jpg)
他のリールとの比較
23レグザとの比較
![23レグザの使用例](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2023/08/78b8591a13e583b84ac0ec2033bcc8b0.jpg)
重量の軽さ | 同等 |
巻きの軽さ | 同等 |
剛性感 | 23ストラディック |
ドラグ性能 | 同等 |
ライントラブル耐性 | 23ストラディック |
コストメリット | 23レグザ |
23ストラディックのライバル機種となるのが23レグザで、ともに剛性感を売りにした機種です。ただ剛性感に関してはシマノの得意とする分野であり、巻き心地でも23ストラディックが上回ります。シャフトへの糸絡み防止などトラブル耐性も優れており、総合的に23ストラディックの方が性能に優れています。
ダイワのスピニングの特徴としてはドラグ性能に優れ、ベアリング追加にて上位機種に迫る性能になります。ただる点、残念ながら23レグザは初期性能も価格帯並みで、ベアリング追加もできない構造です。加えてモノコックボディも搭載されていないためか剛性感も23ストラディックに劣ります。安く購入したい方にしか23レグザはお勧めできません。23レグザの詳細は別記事で紹介しております。
まとめ
![23ストラディックの使用例3](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2023/11/3e3ea7f242a5c5198d16f777bd2e8323.jpg)
今回紹介した23ストラディックは
・価格帯以上の巻き心地と剛性感
・密巻きが無いためドラグ性能とキャスト感は従来通り
となっており、巻き心地と剛性感に関してはクラス随一の性能を誇ります。ただ近年のシマノ製スピニングの最大の特徴である密巻きが搭載されていないため、キャスト感もドラグ性能も今一つです。24年には恐らく密巻きを搭載したツインパワーが出ると予想されるため、個人的にはツインパワーのリニューアルを待つのをお勧めします。