【23カルカッタコンクエスト BFS インプレ】トラブルの少ないキャスト向けBFS機

23カルカッタコンクエストBFS_使用例1

カルカッタコンクエストが29mm小口径スプールにてリニューアルされました。小口径スプールの効果は絶大でスピニングでしか扱い難かった4〜5g程度のルアーも快適にキャスト可能です。22アルデバランBFSではキャストではバックラッシュが多発しましたが23カルカッタコンクエストBFSでは殆どバックラッシュしません。また剛性感はカルカッタコンクエストならではの安定感があり重量もあるため巻きが非常に安定します。またベイトフィネス機は軽すぎる機種が多いのですが、23カルカッタコンクエストBFSなら7フィート以上のロッドでもバランスがとり易くなります。

その反面、やはり重量の重さが悪影響し6.6フィート以下のロッドでは持ち重り感が強くワームなどの操作には向きません。また4gを切るようなルアーだとキャストとピッチングの両立が難しくバックラッシュが多発します。4g以下でのキャストの安定感でいえばダイワには一歩及びません。

今回は4〜7g程度のルアーをトラブル無くキャスト可能で、重いロッドでもバランスが取り易い23カルカッタコンクエストBFSについて紹介します。

個人的な評価は以下の通りです

★5が満点
キャスト性能(3g)★★★☆☆
キャスト性能(5g)★★★★★
キャスト性能(7g)★★★★★
キャスト性能(10g以上)★★★☆☆
剛性感★★★★★
自重の軽さ★★☆☆☆
ライントラブル耐性★★★★☆
コストメリット★☆☆☆☆

23カルカッタコンクエスト BFSの特性

23カルカッタコンクエストBFS_箱出し

スプール

スプール径は29mm×19mmと径はシマノの中で最小、また幅もナロー設計となっています。32mm径スプールと比較してみました。

23カルカッタコンクのスプールと32mm径の比較
左:23カルカッタコンクエストBFS、右:32mm径
23カルカッタコンクのスプールと21mm幅の比較
左:23カルカッタコンクエストBFS、右:21mm幅

写真の通りではありますがスプール径も幅も明らかに従来のBFS機より小さくなっています。

スプール重量も僅か6.7gと極めて軽く、20スティーズAIR TWよりも軽量となっています。

糸巻後の重量はフロロ10ポンド×30mで9.0g、高比重PE1号×30m+フロロ10ポンド×10mで9.0gとベイトフィネスの中でも極めて軽い重量となっています。

キャスト性能

29mmスプールの効果は非常に大きく、普段はスピニングで使用しているルアーも簡単にキャスト可能です。

フロロの通しやPEセッティングなど種々試したところ2gまでは対応可能ですが、投げやすいのは4g以上のルアーです。その理由としては2~3gのキャストではバックラッシュが多発するためです。

23カルカッタコンクエストBFSのバックラッシュ_フロロ

23カルカッタコンクエストBFSは扱いやすくバックラッシュし難い設定となっていますが、その分3gを切るようなルアーは投げ難く感じます。どうしても3g以下のキャストでは糸浮きやバックラッシュを抑えられません。この点に関してはダイワの20スティーズAIR TWや20アルファスAIR TWの方が扱いやすさが上です。キャスト性能だけで言えばダイワの方が一段上に感じます。

シマノらしい剛性感

ベイトフィネス機とは言え剛性感はシマノらしく、またカルカッタコンクエストのボディとなってるだけあって巻き心地は最高レベルです。ただ軽量化のためかギアの歯面は大きめです。

インフィニティドライブ搭載?

メーカーWEBサイトでは特に紹介されていませんが、インフィニティドライブの機構と同様にスプールにベアリングが搭載されています。スプールにベアリングが1点追加するインフィニティドライブ機構は21カルカッタコンクエストや22バンタムから採用されています。なおハイエンドの21アンタレスDCであっても搭載されていない新しい機構です。

このベアリングの追加によりスプールの両端とピニオンギア両端の計4点のベアリング支持となりました。従来のシマノ製ベイトリールでは計3点での支持とピニオンギアとスプール接合部のベアリングが共用となってます。

このベアリングが増えた効果にて23カルカッタコンクエストBFSもインフィニティドライブ機構と同様に巻き心地が向上したのだと思われます。

重いロッドでも操作しやすい重量

23カルカッタコンクエストBFSの重量

カルカッタコンクエストの中では軽く200gを切る重量ではありますが、ベイトフィネス機としては重めの重量です。

各パーツの軽量化が図られており、ギアボックスを開くと徹底的に肉抜きされたギアが見えます。それでもベイトフィネス機としては重い事には変わりなく、ワームなど操作系の釣りでは操作しにくく感じます。その一方で重さの恩恵で巻きの釣りでは巻き取りが安定し、また7フィートを超えるような重いロッドではバランスが取りやすくなります。

コンパクトでパーミングしやすい

23カルカッタコンクエストBFSのボディサイズ

上から21ジリオンSV TW、23カルカッタコンクエストBFS、21アルファスSV TWです。23カルカッタコンクエストBFSは丸形リールでありながら非常にコンパクトでありロープロ機である21ジリオンSV TWと変わらない程の大きさとなっています。さずがにアルファス程は小さくはありませんが、丸形リールでありながらロープロ機と同様の感覚で扱うことができます。

ドラグ音で安心ファイトが可能

ベイトフィネスに巻くラインは太くても10ポンド、ボートなどでは6~8ポンドが主流でのためゴリ巻きは全くできず、ドラグを効かせながらのやり取りが必須です。23カルカッタコンクエストBFSにはドラグ音が搭載されており安心したファイトが可能です。20スティーズAIR TWや重量の重い20アルファスAIR TWにさえドラグ音は無いためファイト中にドラグが効いているか分かりません

更に軽量化されたグリップ

23カルカッタコンクエストBFSのハンドルノブ
左:23カルコンBFS、右:19ヴァンキッシュ

23カルカッタコンクエストBFSのグリップは23ヴァンキッシュと同様に新型にモデルチェンジしております。元々19ヴァンキッシュなど軽量リールにはコンパクトでありながらテーパーが効いた滑りにくいグリップが搭載されていました。ですが今回のグリップは若干短く軽量化されており、かつテーパーにて滑りにくさは維持しています。

コスト

価格としては決して安いとは言えず丸形リールとしてハイエンドの価格帯です。その分、巻き心地などは素晴らしく価値のある一台とは思います。

デメリット

キャストの安定性はダイワに劣る

23カルカッタコンクエストBFSのバックラッシュ

22アルデバランBFSよりはマシですが、3gを切るようなルアーではバックラッシュや糸浮きが多発します。PE設定にてスプールを軽くすると多少は抑えられますが、それでも2gのルアーはとても扱えません。キャストに自信のない方にはダイワのAIR系統を強くお勧めします。

サミングがし難い

カルカッタのボディはスプールから盛り上がるように大きく、それに対しスプールが小さいため繊細なサミングができません。特にボディの高さが厄介でスプールには親指を全体的に当てるようなサミングしか不可能です。そのため細かいキャストコントロールは難しくなります。

一般的なロープロ機であればスプールからボディの高さも低いため、スプールの一部のみサミングすることができます。

マイクロモジュールのグリス切れ

23カルカッタコンクエストBFSに限らずですが、シマノのマイクロモジュールギアはグリス切れが早くゴリ感が早く来ます。どのリールでもマイクロモジュールギアの搭載機では毎週末の使用頻度だと半年でグリスが切れ始め一年は持ちません。個人的にはサードパーティーのグリスを使用し対応しているためグリス切れ頻度は抑えられていますが、メンテナンス頻度はダイワに比べると増加します。

他のリールとの比較

22アルデバランBFSとの比較

22アルデバランBFS使用例2
キャスト性能(3g)22アルデバランBFS
キャスト性能(5g)23カルコンBFS
キャスト性能(7g)23カルコンBFS
キャスト性能(10g以上)23カルコンBFS
剛性感23カルコンBFS
自重の軽さ22アルデバランBFS
ライントラブル耐性23カルコンBFS
コストメリット22アルデバランBFS

23カルカッタコンクエストBFSと22アルデバランBFSはスプールのスペックは同じですが味付けが大きく異なります。23カルカッタコンクエストBFSはキャストを強く意識したリールでありバックラッシュが抑制されていますが、その反面、3g以下のピッチングは苦手です。リールの剛性感や重さも加わって軽量過ぎるルアーの使用には適していません。

22アルデバランBFSは3~4g以下の軽量ルアーに特化しており、低弾道で正確なピッチングが可能です。ただ一般的なキャストではバックラッシュが多発するため汎用性はなく近距離でのピッチング専用機となります。22アルデバランBFSの詳細については別の記事に纏めています。

23SS AIR TWとの比較

20アルファスAIR TW使用例
キャスト性能(3g)23SS AIR
キャスト性能(5g)23SS AIR
キャスト性能(7g)同等
キャスト性能(10g以上)23カルコンBFS
剛性感23カルコンBFS
重量の軽さ23SS AIR
ライントラブル耐性23SS AIR
コストメリット23SS AIR

同じ年に販売されたベイトフィネス機同士の比較ですが、23カルカッタコンクエストBFSは重たく剛性感も高いため巻きモノや重いロッドとの相性がよいリールです。一方で23SS AIR TWは3g前後まで安定してキャスト可能で、よりフィネスよりです。またボディサイズも小さく軽量の為、操作が伴う釣りに適しています。23SS AIR TWの詳細は別記事で紹介しております。

20スティーズAIR TWとの比較

20スティーズAIR_PE設定
キャスト性能(3g)20スティーズAIR
キャスト性能(5g)同等
キャスト性能(7g)23カルコンBFS
キャスト性能(10g以上)23カルコンBFS
剛性感23カルコンBFS
自重の軽さ20スティーズAIR
ライントラブル耐性20スティーズAIR
コストメリット23カルコンBFS

ベイトフィネス機の中でも20スティーズAIR TWと23カルカッタコンクエストBFSの特性は全く異なります。特に23カルカッタコンクエストBFSはベイトフィネス機とは言え巻物や重たいロッド向けであり、軽量ロッドとの相性は良くありません。ルアーも4g以上のベイトフィネス機としては重めのルアーに適しています。

その反面、20スティーズAIR TWは2~3gのルアーでもキャストが容易で軽量であるため操作性も抜群です。バックラッシュと耐性については20スティーズAIR TWもピーキーな設定ではありますが、若干20スティーズAIR TWの方が上です。20スティーズAIR TWの詳細は別記事で紹介しております。

20アルファスAIR TWとの比較

20アルファスAIR TW使用例
キャスト性能(3g)20アルファスAIR
キャスト性能(5g)同等
キャスト性能(7g)同等
キャスト性能(10g以上)23カルコンBFS
剛性感23カルコンBFS
重量の軽さ20アルファスAIR
ライントラブル耐性20アルファスAIR
コストメリット20アルファスAIR

20アルファスAIR TWとの比較では特性がかなり近いですが、僅かに20アルファスAIR TWの方が軽量ルアーの操作性でもキャスト性能でも上回っています。20アルファスAIRの詳細は別記事で紹介しております。そのため20アルファスAIR TWでは剛性感に不満がある、リールが軽すぎるという場面で23カルカッタコンクエストBFSの出番となります。

まとめ

23カルカッタコンクエストBFS_使用例2

今回紹介の23カルカッタコンクエストBFSは

3~4gのルアーでもバックラッシュが少なく安定してキャスト可能

2g以下のルアーは扱い難い

剛性感が極めて高くドラグ性能も良いためバス以外の大物にも対応

となっており、今までスピニングで投げていたような小型プラグなどを快適にキャスト可能です。加えてベイトフィネス機としては重量が重いため7フィート以上の重たいロッドでもバランスがとりやすくバス以外の魚種にも適した一台です。

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