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スティーズに遠投特化のHLCモデルがリリースされました。36mm大口径のスプールと新しいMAG-Z BOOSTの搭載により飛距離は圧倒的でアンタレスDCと同等の遠投性能を実現しています。合わせて登載されたHYPER DRIVEデザインの新ギアにより17スティーズA TWと比べても巻き心地は格段に進化しております。
ただしブレーキに関しては相当ピーキーな設定となっておりキャスト上級者でなければバックラッシュが多発します。特に10g前後のルアーに関しては扱いにくくブレーキ設定を強めるか、サミングを強めに入れる必要があります。今回は釣り人側の腕は求められるものの、最高峰の遠投性能を身に着けた21スティーズA TW HLCについて紹介します。
個人的な評価は以下の通りです
★5が満点 | |
キャスト性能(7g) | ★☆☆☆☆ |
キャスト性能(10g) | ★★☆☆☆ |
キャスト性能(14g) | ★★★★★ |
キャスト性能(21g) | ★★★★★ |
剛性感 | ★★★★☆ |
巻物適正 | ★★★☆☆ |
ライントラブル耐性 | ★☆☆☆☆ |
コストメリット | ★★☆☆☆ |
目次
21スティーズA TW HLCの特性
![21スティーズA TW HLC箱出し](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/07/5f226e3b72e69d6fd7e4d4abe82ae1e7.jpg)
通常のスティーズA TWとは異なり、若干、青みがかったネイビーに近い色合いです。
スプール
![21スティーズA TW HLC_スプール径](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/07/8dff386591383bf0de7cf7b8ced943dd-679x1024.jpg)
![21スティーズA TW HLC_スプール幅](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/07/57d8ae58065674164ffd1b6931fe578b.jpg)
スプールは遠投に特化した36mm径で幅は通常通りの24mmとなっています。34mm径のSV BOOSTスプールとの比較では一回りスプール径が大きくなっています。
![21スティーズA TW HLCスプール重量](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/07/e0e1f1fb4455efbc49d7cfcb13beb335.jpg)
![21スティーズA TW HLCスプール重量フロロ16×100](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/07/558ef0fa7400d5ef3d7414c9b18a4854-626x1024.jpg)
スプール重量は重たく16gとなっています。フロロのみを巻いた場合、スプール重量は30g以上となり、10g以下のキャストではコントロールしにくくなります。
![21スティーズA TW HLCスプール重量PE](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/07/f20b2d800c305de9cd53464cc07b3739.jpg)
![21スティーズA TW HLCスプール重量フロロ16×100](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/07/558ef0fa7400d5ef3d7414c9b18a4854.jpg)
遠投後の操作性を重視し高比重PE2号×100mとフロロ16ポンド×20mを巻くと26gに抑えられます。フロロのみを巻いた場合は14gが快適にキャストできる下限ですがPEセッティングの場合なら10gまで対応可能です。
キャスト性能
![21スティーズA TW HLC_フロロでのキャスト性能](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/07/18f82bcf13c90ee56fb980cb8984b770.jpg)
36mm大口径とMAG Z BOOSTブレーキの効果は絶大で遠投性能に関しては最高クラスであることは間違い在りません。遠投性能のについても21アンタレスDCと比較しましたが遜色無い性能でした。HLCの効果でキャスト後半の伸びも素晴らしいの一言です。
その一方で軽量ルアーのキャストは難しく、フロロのみのセッティングでは10gのキャストも難しく、14gが快適に扱える下限値となります。PEセッティングでも10gまででしょう。
サミング必須。かなりピーキーなライントラブル耐性
![21スティーズA TW HLC_バックラッシュ](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/07/da2b81eb3277c3bd128f6d07b1dd86a6.jpg)
36mmの大口径リールはライン放出性能が良いため遠投には効果的です。その一方で10g前後のルアーではバックラッシュしやすくサミングや細かくブレーキを調整する必要があります。特に近距離のキャストでは糸が浮きやすい傾向にありサミング無しでは安心してキャストはできません。34mm径スプールではブレーキダイヤルを7前後に設定することが多いのですが、21スティーズA TW HLCでは10以上でなければ安定してキャストができません。
また遠投でもバイブレーションなど投げやすいルアーでは問題在りませんが、抵抗が大きいルアーでは注意が必要です。スピナーベイトは風が吹いた条件で投げたいルアーの代表格ですが、空気抵抗が非常に大きくバックラッシュしやすいルアーでもあります。
ダイワの中で最高峰の剛性感
![21スティーズA TW HLC_ギア](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/07/34077d70dfa3b5ccc498d063704bd751.jpg)
![17 スティーズA TWのギア](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/07/2580aaa167558b68922abe7a3ccb82b2.jpg)
17スティーズA TWも使用していたため、剛性感について高い事は認識していましたが、17スティーズA TWとの大きな違いは巻き心地であり、格段に進化しております。
HYPER DRIVEデザイン以降はギアが△でなく凸の形状に代わっており、この恩恵でシマノのアンタレスに匹敵する巻き心地が得られています。ギアの進化だけでここまで巻き心地が向上するとは思わず想定外でした。
バス以外にも対応可能なドラグ性能
![21スティーズA TW HLC_ドラグ音](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/07/c45248ff61799f96a31abf67324498ff.jpg)
21スティーズA TW HLCはドラグ音が搭載されておりドラグを聞かせた魚とのファイトが対応しやすくなっています。このためバスだけでなく、バスより引きの強いシーバスやクロダイなど幅広いルアーフィッシングに対応可能です。
勝手に目盛りが変わらないブレーキダイヤル
![21スティーズA TW HLCブレーキダイヤル](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/07/6083654027f0799e691ee628bb300fd2.jpg)
![16ジリオン_ブレーキダイヤル](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/06/4f162ec03b245dc64f76c81472dc7768.jpg)
ダイワの旧型ベイトリールではブレーキダイヤルが剥き出しであったため、移動時などに勝手にブレーキが変わっており、釣り場での一投目で大バックラッシュなどトラブルの元となっていました。ただスティーズだけは独自の設計になっており、これまでダイヤルが勝手に変わるトラブルは一度も発生していません。最近の21ジリオンなどではダイヤル位置がリール下部に変更され対策されていますが、これでも、ごくまれには発生します。この点に関してはスティーズが満点です。
遠投リールの中ではコスパ良好
遠投系のリールは高級機が多くアンタレスDCはその筆頭でしょう。21スティーズA TW HLCも決して安価とは言えませんが、最近の価格が上がり過ぎたハイエンド機に比べると、まだ手を出しやすい価格です。
デメリット
分解時にギアが取り出しにくい
![21スティーズA TW HLCハンドル取り付け 部](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/07/0b0aae3b1a81368658e1163241cd5ee0.jpg)
![21ジリオンのハンドル取り付け部分](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/06/d3553b983044a5018c926d31d74592b4.jpg)
![21スティーズA TW HLCハンドル取り付け](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/07/1d6f58b719437d5dff9e9506f2a95bd7.jpg)
![21ジリオンのハンドル取り付け](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/06/e12885de35eba372b53819b8110c72c4.jpg)
シャフトの窪みに上からハンドルで押さえつける構造になっていたためシャフトが変形し、分解洗浄の際にギアが取り出せません。そのため変形部分を削る必要がありました。同じHYPERDRIVEデザインの21ジリオンでは対策されていますが、21スティーズA TW HLCについてはスティーズA TWのリメイクの為か未対応となっています。
ハンドルは樹脂カラーのためベアリングに要交換
![21スティーズA TW HLCのハンドルベアリング](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/07/ca3c8e6bea138600e4fb8c380a6a0346.jpg)
ここまでの価格帯であればハンドルノブもベアリングにすべきと思うのですが、全て樹脂カラーのため合計4か所のベアリング交換が必要です。ギアボックスまで空ける必要はありませんが、ベアリング購入と少しの手間でハイエンドに劣らない巻き心地に化けますので、必須と言えるチューニングです。
ダイワ特有のカチャカチャ音は健在
![21スティーズA TW HLC_スプール](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/07/f1d8b5cb7b7b42455958457cc20a46a6.jpg)
![SV BOOSTスプールのベアリング固定バネ](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/10/0dff6acfd8882783edbcba804f9e6b3a.jpg)
同時期に販売されたSV BOOSTスプール搭載の21スティーズリミテッドやジリオンはギアボックス側のベアリングに固定バネが付いており、ダイワ特有のカチャカチャ音対策がされていますが、21スティーズA TW HLCについてはバネが無くカチャカチャ鳴ります。剛性感が非常に高いだけに惜しい点です。
TWSがハードベイトの針に当たる
![21スティーズA TWのフックキーパー](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/07/9900b74f992cc4d0f945640d0d23b3e6.jpg)
![21スティーズA TWのフックキーパー2](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/07/2618cce3dc05c87141e805c430dfc321.jpg)
21スティーズA TW HLCに限らずですが、ダイワのTWS搭載機はライン放出口が上下に動くため、リールにトレブルフックを引っかけると針先が当たり傷やフックが鈍る原因になります。私はジーニアスプロダクトのフックキーパーを使うことで対応しています。
想定される釣り
![21スティーズA TW HLC向けのルアー](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/07/c2ace2b2457ba6929d8ba5e34645f6ab.jpg)
21スティーズA TW HLCの特徴は遠投が可能であることと自重が重すぎない事です。遠投しながらも操作が必要なヘビキャロ、また巻物でも抵抗感のまだ少ないバイブレーションに向いています。ディープクランクではリールが軽すぎて扱いにくく、スピナーベイトはバックラッシュしやすいため推奨できません。
他のリールとの比較
21アンタレスDCとの比較
![21アンタレスDC使用例3](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/07/3bdd966e39a8723e8aadaa166d6129b8.jpg)
遠投の代名詞と言える21アンタレスDCとの比較です。
キャスト性能(7g) | 21アンタレスDC |
キャスト性能(10g) | 同等 |
キャスト性能(14g) | 同等 |
キャスト性能(21g) | 同等 |
剛性感 | 21アンタレスDC |
巻物適正 | 21アンタレスDC |
ライントラブル耐性 | 21アンタレスDC |
コストメリット | 21スティーズA TW HLC |
結果としては少々21スティーズA TW HLCには申し訳ない結果となっていますが、コスト以外の面では21アンタレスDCが優位になっています。
ますキャスト性能について、36mm径の遠投用リールで7g台のルアーを投げる人はごく少数とは思いますが、21アンタレスDCはナロースプールの恩恵で何とか対応可能で僅かに優位です。一方、10g以上の場合、21スティーズA TW HLCは21アンタレスDCと変わらないキャスト性能を発揮しますが、どうしてもライントラブル対策でサミングが必要のため、21アンタレスDCの方が安定して飛距離を稼げます。
剛性感に関してはシマノの独壇場であり、21スティーズA TW HLCもダイワの中では最高クラスの剛性ですが、シマノには勝てません。自重の重さからも巻物に関しても21アンタレスDCの方が優位です。21アンタレスDCの詳細は別記事にて紹介しております。
![21スティーズA TW HLCと21アンタレスDCの比較](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/07/bedc10fbf74f7cb86a45c02a479cbe09.jpg)
逆に少しでも重量が軽い方が良ければ21スティーズA TW HLCの出番となります。ヘビキャロなど遠投系の釣りで操作が必要な場合には21スティーズA TW HLCの方が扱いやすいでしょう。21アンタレスDCは価格が非常に効果のため、コストメリットも魅力です。
22ジリオンHDとの比較
![22ジリオンTW HD使用例](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/08/96d800844e05f7965edd5312b62a6315.jpg)
キャスト性能(7g) | 22ジリオンTW HD |
キャスト性能(10g) | 22ジリオンTW HD |
キャスト性能(14g) | 同等 |
キャスト性能(21g以上) | 21スティーズA TW HLC |
ライントラブル耐性 | 22ジリオンTW HD |
剛性感 | 21スティーズA TW HLC |
巻物適正 | 21スティーズA TW HLC |
コストメリット | 22ジリオンTW HD |
同じくMAG-Z BOOSTスプールを搭載し糸巻量も16ポンド×100と同じですが、21スティーズA TW HLCは36mm大口径スプールの恩恵で遠投時に飛距離が伸びやすい設定です。ハイエンドのスティーズとだけあって巻き心地も一段上で、剛性感も高く巻物にも対応可能です。
その反面34mm径スプールの22ジリオンTW HDは遠投では一歩劣るもののバックラッシュが圧倒的に少なく10g前後のルアーなど対応幅が広いのが特徴です。22ジリオンTW HDの詳細は別記事で紹介しています。
まとめ
![21スティーズA TW HLC_使用例2](https://hardbaitlab.com/wp-content/uploads/2022/07/03e8e2d7e641b4bcd98537e36599d257.jpg)
今回紹介の21スティーズA TW HLCは
・アンタレスDCに匹敵する遠投性能と剛性感
・ブレーキ設定はピーキー
とHLCの名の通り遠投に特化したリールですが、剛性感も非常に高く、琵琶湖のヘビキャロでデカバスを引き釣り出す釣りにも全く問題がありません。特に近距離のキャストではバックラッシュしやすい傾向にはありますが、大遠投を楽しむ釣りには最適のリールです。