【24ツインパワー インプレ】密巻きによるセルテート以上のキャストフィール

22ステラ、23ヴァンキッシュに搭載された密巻き構造が24ツインパワーにも搭載されリニューアルしました。密巻きが搭載された24ツインパワーはラグ性能が格段に向上し、また上下動が少ないため巻きも安定しています。抵抗の少ないキャスト感もそのままで、巻き心地も向上しており、実釣ではステラとの差を感じることは有りません。決して安くはありませんが、これだけの性能を持ったリールがステラのほぼ半値で購入できるのには驚きです。

ただ良いとは言ってもフラッグシップのステラと比べると巻き心地の面では僅かに劣ります。また密巻き構造となっているため特に硬い糸では糸が浮きやすくバックラッシュへの注意が必要です。

今回は22ステラと実釣面では変わらない性能にも関わらず22ステラの半額近い価格で購入可能な24ツインパワーを紹介します。個人的な評価は以下の通りです

24ツインパワーの特性

ステラほどではありませんが、ハイエンド機だけあって高級感のある外観とケースです。

また以下に24ツインパワーの特性をまとめますが、正直言って巻き心地以外に22ステラとの差が無く、内容も22ステラと同じです。22ステラや24セルテートとの差が知りたい方は他のリールとの比較まで読み飛ばしてください。

密巻きによるキャスト感の向上

22ステラから導入された密巻きは従来機である19ヴァンキッシュとの比較でも3～4倍は密にスプールに糸が巻かれています。そのためラインが互いに重なりにくくスプールから出る際の抵抗が格段に減りました。

この効果は1投するだけでも感じられ、まるで無重力かのようなキャスト感を味わえます。スプール内のライン同士の摩擦がこれほど大きかったのかと体感できます。

密巻きによるドラグ性能の向上

密巻きによるライン放出性能の改善はドラグ性能にも影響しており、特にドラグ初動が良くなっています。

ラインが1秒で30cm出る設定でドラグを800gに設定し、そこから低速 (10cm/s）と高速(90cm/s）でのドラグ値を10回以上計測し、おおよその平均値を記載しました。手作業のためブレが非常に大きい実験ではありますが、結果は以下の通りです。

24ツインパワーのドラグ性能は22ステラと全く変わらず同等の性能となりました。また前作である20ツインパワーより格段に向上しています。

重量の重さ

24ツインパワーは剛性を売りにしている機種のため2500番ボディでも210gと重ためです。近年のバス向けスピニングでは150～180gに比べ非常に重たく、バスでのライトリグに向いているとは言えません。 ただ近年ラインナップが増えているパワーフィネスやロングスピニングへの相性は抜群です。

意外に軽い巻き心地も回り出すと止まらない

金属ローターのため重い巻き心地が想像される24ツインパワーですが、以外に巻き出しは軽快です。19ヴァンキッシュなどカーボン樹脂ローターには劣りますが、ライトリグでも気にならないほど巻き出しが軽く感じます。また巻き心地は最高レベルであり、19ヴァンキッシュのようなスカスカの巻き感とは異なり高級感を感じます。

ただし金属ローターは回り出すと止まらないためか、止める際に少々力が必要となります。このため巻く、止めるを繰り返すライトリグの様な釣りには19ヴァンキッシュが適しています。

ローター上下動が遅いためブレが少ない

密巻きの副次的な効果として巻き取り時にリールやロッドがブレない事が挙げられます。ローターの上下動が遅いためロッド先端がブレにくく安定した巻取りが可能です。また剛性感も素晴らしく巻き心地も極上です。

全く「たわみ」のない金属ローター

19ヴァンキッシュのような樹脂ローターでは指で左右から押さえると「たわみ」を感じるのですが、24ツインパワーの金属ローターでは全く「たわみ」を感じません。ローター剛性はドラグ性能に直結するため、良型とのファイトも安心の剛性感です。

スプールに糸絡みしにくい

フロロのロングリーダー設定ではスプールからリーダーが爆発することが多々ありますが、シマノの糸絡み防止は非常に優秀です。写真の通り大きなストッパーがついているため、一度もシャフトに糸が絡んだことがありません。

ダイワにおいては24セルテートなど22イグジスト以降の機種のみ対策されていますが、それでもスプールとの隙間は広めで完全ではありません。

ローターにも糸絡みしにくい

シマノではベールを起こした際のローター回転防止パーツが完全に覆われているため、ラインが絡まる心配がありません。元々優秀な構造ではありましたが24ツインパワーでは更に改良されており、写真でも該当のパーツが見えないほど上手く配置されています。

ダイワでは22イグジスト以降の機種では対応されていますが、それでも隙間はシマノ機に対して広めです。

ライントラブル防止のローターフィン

密巻きでの最大の懸念となっていたのがバックラッシュなどライントラブルですが個人的には全く問題になっていません。新しく設置されたローターのフィンがスプールに適度に「張り」を保って糸を巻き取るため常にスプールの糸が均一になるためです。19ヴァンキッシュとの比較でもラインローラー部が非常に小さくなっており、糸が緩み難い構造となっています。

ただしライトリグなど糸フケの多い釣りではスプールに巻かれる糸が若干緩みやすいと感じます。何投かに一回は遠投しラインを綺麗に整えた方がトラブルを防ぎやすいと感じます。

ハイエンドではあるがステラの約半値の価格

決して安いとは言えないハイエンド価格ではありますが、ほぼステラと同等の性能がこの価格帯で購入できます。リールとしての性能は全く問題ないため、複数台リールが必要な人にもお勧めです。

デメリット

硬いラインではバックラッシュに注意

ミドストなどラインスラックを多用する釣りでは硬いラインでは密巻き構造では糸が緩みやすい傾向にあります。写真ではジャークベイトでの例ですが、スラックを回収しながらアクションしてるだけで糸が緩んでいます。ミドストやノーシンカーの釣りでは何投かに1回は糸フケを直す必要があります。

あると便利なスタンド

スピニングリール全般に当てはまる件ですが、スプールに傷が入るとキャストの度にラインに傷がつくため致命傷となります。普段は直置きについて注意していても、良型が釣れた際にはタックルと合わせて写真を撮ることも多いでしょう。ただ、このタイミングが最も危険で魚が暴れ一瞬でリールが傷物になります。

多少の重量増にはなりますが、私はリールスタンドを使用しており、これでリールが直に地面に触れる可能性は無くなります。フックキーパーも付属しており、ニッパーで切って改造すればオフセットフックやシンカーも対応可能です。

他のリールとの比較

24セルテートとの比較

24ツインパワーと24セルテートはともに剛性感を売りにしているリールですがコンセプトが異なります。24ツインパワーは金属ローターによる重厚感が売りで遠投しルアーを巻き続けるのが得意なリールです。

これに対し24セルテートは樹脂ローターによる軽快な巻き心地が売りとなっており、近距離でキャストを繰り返す釣りに適しています。なおドラグ性能については本来であればシマノ機よりダイワの方が若干上なのですが、24セルテートはハイエンドにもかかわらずスプールにベアリングが全く搭載されていないためベアリング交換しなければ本来の性能が得られません。24セルテートの詳細は別記事で紹介しております。

22ステラとの比較

22ステラとの比較では正直言って実釣性能では差は感じませんでした。ただフィールドではなく室内でゆっくりとリールを回すと剛性感の違いが判ります。

同じ90mmハンドルの条件にて巻き比べてみると、やはり22ステラの方が巻きが滑らかで24ツインパワーは巻き感に雑味を感じます。22ステラの詳細については別記事で紹介しております。

ただ、もし買えるのであれば22ステラを強くお勧めします。繰り返しになりますが実釣性能に差はありませんが、ツインパワーではステラには勝てません。

まとめ

今回紹介した24ツインパワーは

・密巻きによりドラグ性能とキャスト感が圧倒的に進化

・巻き心地と剛性感も極めて高いが22ステラにはわずかに劣る

となっており、密巻き構造のリールが欲しかったがステラはとても買えなかった人におすすめのリールとなっています。