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販売開始から何年も経ちますが、ダイワで17スティーズほど巻きが軽いスピニングは22イグジストぐらいです。マグシールド非搭載の効果もありますが、18イグジストより始まったLTコンセプト以降のスピニングは軽快な巻きが失われていました。剛性感は向上しましたが、ギア比が全体的に上がったためか(ノーマールの例では4.8対1から5:2対1)、巻き重り感が大きくなっています。そのため17スティーズは今でも巻き出しの軽さが最高峰で、重量も軽くドラグ性能も問題無しとバスを釣る上で必要な機能は全て揃ったスピニングです。樹脂ボディではあるものの剛性感も高く、かつ、中古品や廉価販売品あれば19ヴァンキッシュ以下の価格で入手できます。今回はボートなどで台数を増やしたい人にも最適な選択肢となる17スティーズについて紹介します。
まず17スティーズの個人的な評価は以下の通りです
★5が満点 | |
重量の軽さ | ★★★★☆ |
巻きの軽さ | ★★★★★ |
剛性感 | ★★☆☆☆ |
ドラグ性能 | ★★★★☆ |
ライントラブル耐性 | ★★★☆☆ |
コストメリット | ★★★☆☆ |
目次
17スティーズの特性

LTコンセプト化以降、剛性感は上がったものの巻き重りが許容できなかった私は17スティーズtypeⅡを使い続けていました。22イグジストでようやく改善されましたがマグシールド特有の違和感は健在で低速で巻き続けるI字系のような釣り方には不向きです。そのため、マグシールド非搭載の17スティーズは現在でも有力なスピニングです。
重量の軽さ

樹脂ボディの効果もあって重量は最軽量クラスです。重量だけならルビアスには追いつかれはしましたが、後述の巻き心地や剛性感を伴った重量ではあります。
軽快な巻き心地
マグシールドも取り払い、ギア比もLTコンセプト前で低いため巻きの軽快感は今でも最高レベル。19ヴァンキッシュや22イグジストにも引けを取らない性能であり、「巻く、止める」を繰り返すバス釣りには最適です。
ドラグ性能

ラインが1秒で30cm出る設定でドラグを800gに設定し、そこから低速 (10cm/s)と高速(90cm/s)でのドラグ値を10回以上計測し、おおよその平均値を記載しました。手作業のためブレが非常に大きい実験ではありますが、結果は以下の通りです。
ドラグ速度 | 17スティーズ typeⅡ | 22イグジスト LT3000S | 22ステラ C3000SDH |
スプール径 | 48φ | 48φ | 47φ |
低速(10cm/s) | 600g | 500g | 600g |
普通(30cm/s) | 800g | 800g | 800g |
高速(90cm/s) | 1,000g | 900g | 1,000g |
流石に最新の22イグジストには及びませんでしたが、22ステラと全く同じ結果となっており極めて高いドラグ性能を持っていることが分かります。
注意すべき点はダイワのスピニングは初動が良いためドラグを締めがちになります。魚が走った際にドラグ負荷が上がるため、障害物に擦れると切れやすくなりますので、勢いよくドラグが出た際に切れない設定が必要です。
スティーズの名に恥じない剛性感


比較対象が強力のため17スティーズが悪く見えがちですが、中価格帯のリールに良くある巻きのザラツキや細部のガタは全くありません。必用十分な剛性で流石にスティーズの冠名がついたスピニングです。樹脂ボディであり18年以降はモノコックボディで更に強化された剛性感ですが、17スティーズは過去数年以上メンテナンス無く仕様してもガタツキやトラブルは一切ありませんでした。
ですがLTコンセプトで剛性が改善されたモデルには及ばす現状では20ルビアスにも剛性感や巻き心地では勝てません。ダイワの中では旧世代の感が否めず、シマノの19ヴァンキッシュにも劣ると感じます。
糸絡みに注意
22イグジストでは対策された部分ではありますが、17スティーズには問題になる場合がありますので紹介します。
スプールシャフトへの糸絡み


8ポンドのフロロリーダーを6m使用する私は、度々、スプールシャフトへの糸絡みに悩まされています。22イグジストでは対策が強化されていますが、17スティーズではスプールシャフトへの糸の絡み防止が弱く注意が必要です。この点についてはシマノの方が優秀でヴァンキッシュではトラブルになったことはありません。
ローター回転防止にカバーが無い


ダイワはベールを起こした際の回転防止を写真の突起で対応しており、ベールを起こした時だけ突起が出ることで回転防止の役割を果たしています。スピニングの釣りは全てPEの私ですが、爆風の際、一度だけローターの回転防止に糸が絡まったことがあります。困るのが、ここに糸が絡むと切る以外に選択肢が無い事。キャストした手元から切るハメになるのでライン巻替えに直結します。ヴァンキッシュや22イグジストではこの部分が完全にローターで覆われているため、まずラインが絡まることは有りませんが、17スティーズでは注意が必要です。
あると便利なスタンド

スピニングリール全般に当てはまる件ですが、一旦、スプールに傷が入るとキャストの度にラインに傷がつくため致命傷となります。普段は直置きについて注意していても、良型が釣れた際にはタックルと合わせて写真を撮ることも多いでしょう。ただ、このタイミングが最も危険で魚が暴れ一瞬でリールが傷物になります。
多少の重量増にはなりますが、私はリールスタンドを使用しており、これでリールが直に地面に触れる可能性は無くなります。フックキーパーも付属しており、ニッパーで切って改造すればオフセットフックやシンカーも対応可能です。
想定される釣り
17スティーズは完全にライトリグ向けのリールであり、「巻く、止める」を繰り返す釣りには、これ以上無い性能を発揮します。用途は完全に19ヴァンキッシュと一致します。
シャッドなど軽い巻物も対応可能ですが、欲を言えば22イグジストなど、もう少し剛性の高いリールの方が安定します。また使用するラインの上限もリーダー:8ポンド、PE0.8号以下で、10ポンド以上を多用する釣りには不向きで剛性の高いリールが望まれます。
番手ごとの使い分け
4〜5ポンドのフロロを想定した場合はtypeⅡの48φ口径が最適です。PEセッティングなら0.8号のリーダー8ポンドが上限です。ダイワのスピニングはLTコンセプト化以降に小口径化されたため48φ口径は3000番以上のみの展開になりました。そのためtypeⅡは軽量で大口径と貴重な存在になっています。
これ以下の細糸であればtypeⅠの出番となり、10ポンド以上なら別の剛性の高いリールが向いています。
他のリールとの比較
19ヴァンキッシュとの比較

同価格帯での軽量スピニング対抗馬は19ヴァンキッシュとなりますので17スティーズとの比較表を掲載します。なお19ヴァンキッシュはC3000SDHでスプール系は47φ、17スティーズtypeⅡは48φのため、ほぼ同条件での比較となっています。
重量の軽さ | 19ヴァンキッシュ |
巻きの軽さ | 同等 |
剛性感 | 19ヴァンキッシュ |
ドラグ性能 | 17スティーズ |
ライントラブル耐性 | 19ヴァンキッシュ |
コストメリット | 17スティーズ |
現時点で17スティーズが優位となる点はドラグ性能とコストです。特にダイワのドラグ性能は極めて性能が良く22ステラと同等の性能です。
その一方で巻きの軽さについては僅かに19ヴァンキッシュの方が上です。重量もより軽く剛性感も上でスプールへの糸絡みも少なくバス用スピニングとして最高の性能を持っています。19ヴァンキッシュの詳細は別記事で紹介しております。
まとめ

最後に17スティーズの評価まとめです。
・今でも最高レベルの重量と巻きの軽さ
・ドラグ性能も問題無し
・バスには必要十分な剛性
22イグジストや19ヴァンキッシュといったライバルが強力すぎるため影が薄くなった17スティーズですが、バス向けフラッグシップの冠名がついているだけあり、十分な性能な性能を持っています。中古や廉価販売で良い個体が見かれば買いですよ。