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巻き物専用の高剛性丸形リールの中でも10g前後の小型巻物に特化したのがカルカッタコンクエストDCの100番台となります。DCはブレーキ調整が非常に簡単かつ、バックラッシュが殆ど発生しません。加えてDCユニットによりスプール重量は重めですが7gまでの小型ルアーも軽快にキャスト可能です。33mm径×21mm幅と僅かに小口径かつナロー化されたスプールによりスプール目減りの影響を抑えながら7gまでのキャスト性能を維持しています。その一方、20g以上の重量級ルアーでもカルカッタコンクエストならではの高剛性で難なく扱えます。
欠点が殆ど見当たらないリールですが、強いて言えば丸形リールとしては軽めのためMH以上のグラスコンポジットなど重めのロッドには重量の重い200番台の方が巻きは安定します。今回は10g前後のルアーでML~Mクラスの巻物ロッドに最適な20カルカッタコンクエストDC101について紹介します。
個人的な評価は以下の通りです
★5が満点 | |
キャスト性能(5g) | ★☆☆☆☆ |
キャスト性能(7g) | ★★★★☆ |
キャスト性能(10g) | ★★★★★ |
キャスト性能(14g以上) | ★★★★★ |
ライントラブル耐性 | ★★★★★ |
剛性感 | ★★★★★ |
巻物適正 | ★★★★★ |
コストメリット | ★☆☆☆☆ |
目次
20カルカッタコンクエストDC100/101の特性
アンタレスと並ぶシマノベイトリールのハイエンドだけあって外装も高級感にあふれています。
スプール重量
通常の33mm径×21mm幅スプールと一般的な34mm径に比べ僅かに小口径化されています。
幅は21mmと最近のシマノ製ベイトリールで主流となっている19mmナロー幅よりは幅広のスプールです。21アンタレスDCとの幅比較では確かに幅広に感じますが従来の22mm幅よりはナロー化されています。
一方でスプール重量はDCユニットの悪影響で重く17gとDCを搭載していない19アンタレスとの比較では非常に重いスプールとなっています。
糸巻後の重量もフロロ12m×80mで27g強とかなり重たく、高比重PE2号75m+フロロ14ポンド×20mでも25gと7g前後のルアーをキャストするのは不可能と思える重量です。
キャスト性能
僅かに小口径かつナローなスプールに変更された効果か、スプール重量が重い割には7gまでは軽快にキャスト可能です。ただし7g以下のルアーでは狙った場所へのキャストが定まりません。一方10g以上のルアーではDCの恩恵でバックラッシュを気にせずキャストできるため飛距離が大きく伸びます。DCブレーキは重量が重いため軽量ルアーのキャストには悪影響が大きいですが、遠投には非常に適しています。
なお20カルカッタコンクエストDC101は小型ルアー向けの機種とは認識はしていますが、剛性感の恩恵でビックベイトやアラバマのような重量級ルアーでも全く問題なく扱えます。
スプール目減りは従来スプールと同等
33mm径×21mm幅とシマノ従来の22mm幅(ダイワでは24mm表記)よりは小口径でナロースプールですが、20アンタレスの19mm幅よりは幅広のスプールです。20gのバイブレーションを40m遠投した際のスプールの目減り幅を確認しています。
まずは20カルカッタコンクエストDC101の例です。目減りは1~2mmに留まっております。
次が19mm幅の19アンタレスです。目減りは大きく3~4mmとなります。
最後に通常幅の21ジリオンSVです。目減りは1~2mmとなります。
圧倒的な剛性感
丸形リールの最大の長所が剛性感であり、これに関しては何ら問題在りません。巻き心地も最高峰で巻き感を感じないほど滑らかに回転します。
頼もしい重量
170g台が標準となりつつあるベイトリールの中でありえないほど重い重量ですが、逆にグラスコンポジットなどの巻物用ロッドでは重心が手元になるため巻きが安定します。一方でカルカッタコンクエスト200やリョウガに比べ20gほど軽量のため、ML~Mクラスのグラスコンポジットでは操作が快適になります。一方でMH以上のグラスロッドには、より重いカルカッタコンクエストの200番台やリョウガの方が巻きは安定します。
極めて高いドラグ性能
最も驚いたのがドラグ性能で非常に滑らかにドラグが出ます。フルロック状態でも負荷が大きく掛かればジリジリとドラグが出る設定ですが、ドラグが滑って止まらない現象は見られません。ドラグ音も備わっており大物とでも安心のファイトが可能です。
勝手に目盛りが変わらないブレーキダイヤル
サイドカバーの中に取りつけられたブレーキダイヤルですが、調整しやすく、ロッドを束ねたりカバーをつけたりし-ても勝手に目盛りが変わることないため快適に使用できます。
非常に高価
ハイエンドだけあって気軽に購入できる価格ではありません。ただ、あらゆる巻物に適合する他にない巻物専用機とは思います。
デメリット
20カルカッタコンクエストDC101は非常にバランスよく設計されており、長所だけを書くには好きでない私ですが目立った欠点は見つけられていません。そのためデメリットは以下のみとなっています。
巻物以外は対応不可能
長所の裏返しであるため仕方無い点ですが、重すぎるが故にワームやジャークベイトなど操作を伴う釣りには全く向きません。腱鞘炎になる可能性もあるため、巻き以外に使用するのはお勧めできません。
マイクロモジュールのグリス切れ
20カルカッタコンクエストDC101に限らずですが、シマノのマイクロモジュールギアはグリス切れが早くゴリ感が早く来ます。毎週末の使用頻度だと半年でグリスが切れ始め、一年は持ちません。個人的にはサードパーティーのグリスを使用し対応しているためグリス切れ頻度は抑えられていますが、メンテナンス頻度はダイワに比べると増加します。
想定される釣り
20カルカッタコンクエストDCの100番台が活躍するのは7~14gの小型巻物です。僅かに小口径かつ幅も狭くなったスプールの恩恵でDCユニットの乗った重いスプールでも7gまでキャスト可能であり、DCブレーキにて14g以上のルアーもトラブル無く遠投できます。その反面、20gを超えるようなバイブレーションや3/4オンスのスピナーベイトではキャストは可能ですがカルカッタコンクエストDCの200番台やリョウガの方が快適に扱えます。
他のリールとの比較
18リョウガとの比較
おそらく丸形リールでライバルとなるリョウガとの比較です。リョウガはカルカッタコンクエストの100番と200番の間の特性であるため、100番台よりはロングキャスト向け向けとなります。
キャスト性能(7g) | 20カルコンDC101 |
キャスト性能(10g) | 同等 |
キャスト性能(14g) | 同等 |
キャスト性能(21g以上) | 18リョウガ |
ライントラブル耐性 | 20カルコンDC101 |
剛性感 | 同等 |
巻物適正 | 同等 |
コストメリット | 18リョウガ |
DC101はスプール径が33mm径×21mm幅と僅かに小さなスプールとなっており、18リョウガの34mm径×24mm幅に比べ小型ルアーに適しています。そのため7g程度の軽量ルアーにはDC101が適しており、10g~14gでは同等、21g以上では18リョウガとなります。どちらも非常に剛性感は高く巻物への適正も高い水準で並んでいます。
ただし18リョウガは交換スプールが豊富であり、スプール交換のみで性能が大きく変化します。例えば標準のスプールをSV BOOSTに交換すると重量級ルアーのキャスト性能はそのままに7gルアーのキャスト性能が大幅に向上します。ライントラブル耐性も向上しDCと同等になりますがスプールの追加購入が必要なため18リョウガのコストメリットはなくなってしまいます。18リョウガの詳細については別記事で紹介しています。
19アンタレスとの比較
続いて19アンタレスとの比較です。
キャスト性能(5g) | 19アンタレス |
キャスト性能(7g) | 19アンタレス |
キャスト性能(10g) | 同等 |
キャスト性能(14g) | 同等 |
剛性感 | 同等 |
巻物適正 | 20カルコンDC 101 |
ライントラブル耐性 | 20カルコンDC 101 |
コストメリット | 19アンタレス |
20カルカッタコンクエストDC 101はDCブレーキにてバックラッシュが殆ど発生せずキャストを繰り返す巻物の釣りに適しています。スプールの幅の通常に近く遠投での目減りも抑えられています。その一方、19アンタレスはDCユニットがスプールについていない分7g以下のキャストでは有利です。遠投など含め巻物全般では20カルカッタコンクエストDC 101が有利ですが、近距離特化や巻物以外の釣りには19アンタレスが適しています。19アンタレスの詳細は別記事で紹介しています。
まとめ
今回紹介の20カルカッタコンクエストDC101は7~14gの巻物に最適な巻物専用リールなっており、特にML~Mクラスのグラスコンポジットのような巻物ロッドに非常に相性が良いリールです。汎用性では18リョウガに劣るものの重量も丸形リールの中では軽く扱いやすい部類に入ります。安いは言えない価格ですが巻物の頻度が多い方にはお勧めの一台です。