【17スティーズA TW インプレ】小型高剛性ベイトリールの元祖、カスタムで全用途に対応可能な名機

17 スティーズA TW

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ひと昔前にはベイトリールは軽量か高剛性しか無く、高剛性のリールは巻物専用機であり、小型で剛性の高いベイトは存在しませんでした。このニッチ市場にスティーズの派生モデルであるスティーズA TWが参入し、琵琶湖など大型バスを狙うユーザーには非常にありがたい選択肢となっています。この翌年には18バンタム、さらに19アンタレスと競争が激化し、小型高剛性は一つのジャンルになりましたが、その中でもスティーズA TWは

190gの重量がMH以上のヘビー使用に最適

34mmスプールが大半の用途をカバー

とMクラス以上の用途を一通りカバーしており、何でもできる点が魅力です。加えてダイワのベイトリールは替えスプールのラインナップが多く、近距離用にシャロースプールなどカスタムが簡単にできます。今回はオールラウンダーとしての性格も持つスティーズA TWを紹介します。

個人的な評価は以下の通りです

★5が満点
キャスト性能(5g)★☆☆☆☆
キャスト性能(7g)★★☆☆☆
キャスト性能(10g)★★★★☆
キャスト性能(14g)★★★★★
ライントラブル耐性★★★☆☆
剛性感★★★★☆
巻物適正★★★★☆
コストメリット★★☆☆☆

17スティーズA TWの特性

17 スティーズA TW 箱出し

ダイワのリールは一般品については白パッケージですが、ハイエンドやカスタム品は黒パッケージとなっております。

スプール

スプールはダイワ標準の34mm径×24mm幅です。ただし軽量ルアーなんて全く想定していない16ポンド×100m想定の遠投スプール。G1ジュラルミン使用ですが、決して軽いとは言えず13gと重めです。フロロの場合は30g近い重量になり軽量ルアーのキャストが難しくなります。

なお下巻きにPEを入れることで20g前半に総重量を抑えられます。フロロ14ポンド×20mに高比重PEの組み合わせでは21gにまで抑えられており、10g以下のキャスト性能が向上します。

キャスト性能

快適に投げられるのは10g以上で7g以下となると、狙った場所へのキャストは極端に難しくなります。その一方で10g以上、特に14g以上のルアーは非常に気持ちよく飛んでくれます。特にバイブレーションやヘビキャロではキャストが楽しくなります。

サミング必須。オートマでなくマニュアル使用のトラブル耐性

バイブレーションなど投げやすいルアーでは問題在りませんが、抵抗が大きいルアーでは注意が必要です。スピナーベイトなど風が吹いた条件で投げたいルアーの代表格ですが、空気抵抗が非常に大きくバックラッシュしやすいルアーでもあります。好みの問題は有るものの、個人的には巻物を快適に投げ続ける場合にはSVの方がお勧めです。

ピッチングが快適

直近ではダイワベイトリールの大半に搭載されているSVですが、ピッチングには少々不向きです。ブレーキが強くかかりすぎるため弾道が浮き、着水音が大きくなります。対策のためには勢いよく投げるか、ブレーキを落すかですが、どちらも一長一短。その点、マグZブレーキのスティーズA TWはピッチングでも弾道が落ちにくく着水音を抑えたアプローチが簡単で、無駄な力が入らないので、キャストも決まりやすくなります。

スプール互換性も豊富、交換でキャスト性能を簡単に調整可能

RCSB 1000スプール

ダイワのベイトリールの長所は交換スプールが豊富な事です。17スティーズA TWも同様で純正スプールでは14g程度を標準としていますが、SV BOOSTなど軽量スプールへの交換であっという間に7gから30gまで対応可能なバーサタイル機に化けます。なお各交換スプールの特徴は別記事で紹介しております。

アルミフレームの剛性感

リョウガ、スティーズA、21アルファス、21ジリオン

サイドカバーもアルミ化されたためか、16ジリオンと比較しても剛性感は高いと感じます。流石にアンタレスやリョウガには及びませんが、巻物から打ちモノまで全く困らない剛性感です。

ダイワ特有のカチャカチャ音は有り

せっかくの剛性感ですが、ダイワ特有のカチャカチャ音は健在でルアー回収時には音が鳴ります。原因はスプールのベアリングで、左右に動くことでカチャカチャ音につながっています。直近のBOOST系のスプールでは対策のバネが導入されています。

MHロッドに絶妙な重量

17 スティーズA TW 重量

190gという重量はMクラスロッドには少々重めですが、MHクラスには最適で巻きにも打ちにもピッタリ重さになります。これ以上重いと巻きには問題ないものの、ワーム操作やピッチングが大変になるため、絶妙な重量と言えるでしょう。

安心のドラグ音

スティーズA TWにはドラグ音が搭載されており大物がかかった際にも安心してドラグを効かせたファイトが可能です。ベイトリールにはドラグ音が搭載されたモデルは少なく、16アンタレスDCにさえ搭載されていません。

ブレーキダイヤルの干渉ゼロ

ダイワの旧型ベイトリールではブレーキダイヤルが剥き出しであったため、移動時などに勝手にブレーキが変わっており、釣り場での一投目で大バックラッシュなどトラブルの元となっていました。ただスティーズだけは独自の設計になっており、これまでダイヤルが勝手に変わるトラブルは一度も発生していません。

最近の21ジリオンなどではダイヤル位置がリール下部に変更され対策されていますが、これでも、ごくまれには発生します。この点に関してはスティーズが満点です。

コストは悪くも良くも無く

販売当初としては最高級ベイトリールのスティーズが安く買えることもあり、オリジナルより評価が高かったのですが、今となっては、更にコストメリットの高い21ジリオンも販売され、少々影の薄い存在になっています。

デメリット

M以下のロッドには少々重い

17 スティーズA TW とMLロッド

剛性を売りにしているリールであるため用途違いにはなりますが、上記のようなMLクラスのロッドには重たく、6フィート10インチMロッドでも少々重く感じます。スピニングで使うようなライトリグの繊細なアクションには不向きです。17スティーズA TWの長所が生かされるのはMH以上のロッドであり、MLクラスには21アルファス、Mには21ジリオンがお勧めです。

ハンドルは樹脂カラーのためベアリングに要交換

17 スティーズA TW ベアリング追加

中価格帯リールの為仕方ないですが、フルベアリングにはなっておらず交換が必要です。ギアボックスまで空ける必要はありませんが、ベアリング購入と少しの手間でハイエンドに劣らない巻き心地に化けますので、必須と言えるチューニングです。

分解時にギアが取り出しにくい

左が17スティーズA TW、右が21ジリオンの比較です。旧型の17スティーズA TWはシャフトの窪みに上からハンドルで押さえつける構造になっているためシャフトが変形し、分解洗浄の際にシャフトの変形部分を削る必要があります。21ジリオンなどのHYPERDRIVEデザインからは対策されていますが、ハイエンドリールのため少々残念な点です。

想定される釣り

6月の濁り展開

軽量ルアーのキャストには全く向かず、10g以上、出来れば14g程度のルアーでの巻物、打ちモノには最高の活躍をするリールです。

21ジリオンとの比較

キャスト性能(5g)同等
キャスト性能(7g)同等
キャスト性能(10g)同等
キャスト性能(14g)同等
剛性感同等
巻物適正17スティーズA TW
ライントラブル耐性21ジリオンSV TW
コストメリット21ジリオンSV TW

ほぼ21ジリオンとは同等の性能であり、ライントラブル耐性は21ジリオンが上ですが、SVスプールの特性のためスプール交換で簡単に対応可能です。巻物適正は17スティーズA TWとしていますが、重量が僅かに重く巻きが安定するためです。ただし、重量の違いは、ほぼグリップの重さです。グリップは総重量にも使用感にも大きな影響を与えています。

上の写真で左がスティーズAの純正ハンドル、右がライトノブですが、倍近い重量差があります。これが2点も付くとリールの総重量は下写真のようになります。

こうなるとコストメリットの高い21ジリオンをカスタムした方が経済的です。スティーズAと同じグリップにした場合、重量の差も僅か6gです。使用感も非常にパワフルになり、個人的には差が感じられません。21ジリオンの詳細は別記事を参考にしてみて下さい。

まとめ

17 スティーズA TW 使用例

今回、紹介した17スティーズA TWは高剛性のリールではありますが、

遠投やパワーゲーム、巻物で安心の剛性

シャロースプールへの交換でオールラウンドな使用が可能

とカスタム次第でどんな用途にも合致し、オリジナルのスティーズより価格も控えめな事から総合的な性能は非常に高いリールです。21ジリオンの登場で影が薄くなった印象は否めませんが、箱出しの状態で巻物やパワーゲームには今でも最適なリールです。

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